2015/06/16(火) - 10:55
標高2093mの超級山岳ゴッタルド峠を越えるツール・ド・スイス第3ステージで、31名によるスプリントを制したペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)が優勝。総合はトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)が守った。
ツール・ド・スイス第3ステージの注目は18.8km地点で通過する超級山岳ゴッタルド峠(12.8km/7.1%)だ。細かい石畳が敷かれた標高2093mの峠を序盤に越え、終盤にかけて2級山岳と3級山岳を立て続けにクリアする。
ステージ全長が117.3kmと短く、スタート直後に超級山岳ゴッタルド峠の登坂が始まることから、スタート時間ぎりぎりまでローラー台でアップする選手が続出。超級山岳ゴッタルド峠に向かう登坂が始まると、ステファン・デニフル(オーストリア、IAMサイクリング)とマルコ・マルカート(イタリア、ワンティ・グループグベルト)が飛び出した。
単独追走を仕掛けたブラニスラウ・サモイラウ(ベラルーシ、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)が追いついて先頭は3名となり、最大の難所を越えて平坦区間でリードを広げる。先頭3名は6分のリードをキープしたまま残り40kmに差し掛かった。
逃げる3名がいずれも総合下位の選手であったためジャイアント・アルペシンに追撃の意志はなく、代わってティンコフ・サクソが先頭に立ってペースを上げる。残り15km地点の2級山岳レオンティカ通過時点でタイム差は33秒。
最後まで逃げていたデニフルとサモイラウは、下りで集団から飛び出したミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)やヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)を含む精鋭グループに残り9kmで吸収された。
最後の3級山岳アクイラでアルバジーニが再びアタックするとヤン・バケランツ(ベルギー、AG2Rラモンディアール)だけが反応。30名強に縮小したメイン集団の先頭では、サガンのためにラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)が一定ペースを作る。頂上手前で飛び出したセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)も、逃げていたアルバジーニもバケランツも、残り6kmで全員吸収された。
スティーブ・モラビート(スイス、FDJ)やジェローム・コッペル(フランス、IAMサイクリング)、ローレンス・テンダム(オランダ、ロットNLユンボ)らのカウンターアタックは決まらず、マイカが全てのアタックを処理して残り2km。
ロングスパートを仕掛けたエスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)を追う形で、ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)とサガンがスプリントを開始する。下りコーナーを含む危険なフィニッシュ前で先頭に出たサガンの独壇場だった。
今シーズン4勝目を飾ったサガンは「ラファル・マイカが集団のペースを上げてアタックを封じ込め、集団スプリントに持ち込んでくれた。自分の出番であるスプリントで結果を残せて良かったよ。チームメイトたちの働きがなければ勝利はなかった」とコメント。
サガンはスイスでステージ通算10勝目。ボーナスタイムによってサガンは5秒差の総合3位に浮上した。また、2日連続ステージ2位のモレーノが同じく5秒差の総合2位につけている。
総合首位を守ったトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)は「レースは常にコントロール下に置かれていたので、最後までリーダージャージを失う心配はしていなかったよ。いま自分はチームリーダーとして勉強中であり、徐々に板についてきた」と語る。「明日はボーナスタイムが鍵を握る。サガンが総合首位を狙ってくるだろう。でもチームにはジョン(デゲンコルブ)がいる。自分にとって大事なのは水曜日の第5ステージでタイムロスを最小限に抑えることだ」とドゥムランは付け加えた。
選手コメントはチーム公式サイトより。
ツール・ド・スイス2015第3ステージ結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) 3h00’35”
2位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
3位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
4位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
5位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
6位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
7位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)
8位 エスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)
9位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)
10位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
個人総合成績
1位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン) 6h43’12”
2位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ) +05”
3位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
4位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) +07”
5位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ) +12”
6位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ) +14”
7位 スティーブ・モラビート(スイス、FDJ) +15”
8位 クリスチャン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ) +18”
9位 ボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング) +19”
10位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
ポイント賞
ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
山岳賞
ステファン・デニフル(オーストリア、IAMサイクリング)
ベストスイスライダー賞
スティーブ・モラビート(スイス、FDJ)
チーム総合成績
チームスカイ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
ツール・ド・スイス第3ステージの注目は18.8km地点で通過する超級山岳ゴッタルド峠(12.8km/7.1%)だ。細かい石畳が敷かれた標高2093mの峠を序盤に越え、終盤にかけて2級山岳と3級山岳を立て続けにクリアする。
ステージ全長が117.3kmと短く、スタート直後に超級山岳ゴッタルド峠の登坂が始まることから、スタート時間ぎりぎりまでローラー台でアップする選手が続出。超級山岳ゴッタルド峠に向かう登坂が始まると、ステファン・デニフル(オーストリア、IAMサイクリング)とマルコ・マルカート(イタリア、ワンティ・グループグベルト)が飛び出した。
単独追走を仕掛けたブラニスラウ・サモイラウ(ベラルーシ、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)が追いついて先頭は3名となり、最大の難所を越えて平坦区間でリードを広げる。先頭3名は6分のリードをキープしたまま残り40kmに差し掛かった。
逃げる3名がいずれも総合下位の選手であったためジャイアント・アルペシンに追撃の意志はなく、代わってティンコフ・サクソが先頭に立ってペースを上げる。残り15km地点の2級山岳レオンティカ通過時点でタイム差は33秒。
最後まで逃げていたデニフルとサモイラウは、下りで集団から飛び出したミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)やヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)を含む精鋭グループに残り9kmで吸収された。
最後の3級山岳アクイラでアルバジーニが再びアタックするとヤン・バケランツ(ベルギー、AG2Rラモンディアール)だけが反応。30名強に縮小したメイン集団の先頭では、サガンのためにラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)が一定ペースを作る。頂上手前で飛び出したセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)も、逃げていたアルバジーニもバケランツも、残り6kmで全員吸収された。
スティーブ・モラビート(スイス、FDJ)やジェローム・コッペル(フランス、IAMサイクリング)、ローレンス・テンダム(オランダ、ロットNLユンボ)らのカウンターアタックは決まらず、マイカが全てのアタックを処理して残り2km。
ロングスパートを仕掛けたエスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)を追う形で、ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)とサガンがスプリントを開始する。下りコーナーを含む危険なフィニッシュ前で先頭に出たサガンの独壇場だった。
今シーズン4勝目を飾ったサガンは「ラファル・マイカが集団のペースを上げてアタックを封じ込め、集団スプリントに持ち込んでくれた。自分の出番であるスプリントで結果を残せて良かったよ。チームメイトたちの働きがなければ勝利はなかった」とコメント。
サガンはスイスでステージ通算10勝目。ボーナスタイムによってサガンは5秒差の総合3位に浮上した。また、2日連続ステージ2位のモレーノが同じく5秒差の総合2位につけている。
総合首位を守ったトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)は「レースは常にコントロール下に置かれていたので、最後までリーダージャージを失う心配はしていなかったよ。いま自分はチームリーダーとして勉強中であり、徐々に板についてきた」と語る。「明日はボーナスタイムが鍵を握る。サガンが総合首位を狙ってくるだろう。でもチームにはジョン(デゲンコルブ)がいる。自分にとって大事なのは水曜日の第5ステージでタイムロスを最小限に抑えることだ」とドゥムランは付け加えた。
選手コメントはチーム公式サイトより。
ツール・ド・スイス2015第3ステージ結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) 3h00’35”
2位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
3位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
4位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
5位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
6位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
7位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)
8位 エスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)
9位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)
10位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
個人総合成績
1位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン) 6h43’12”
2位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ) +05”
3位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
4位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) +07”
5位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ) +12”
6位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ) +14”
7位 スティーブ・モラビート(スイス、FDJ) +15”
8位 クリスチャン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ) +18”
9位 ボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング) +19”
10位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
ポイント賞
ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
山岳賞
ステファン・デニフル(オーストリア、IAMサイクリング)
ベストスイスライダー賞
スティーブ・モラビート(スイス、FDJ)
チーム総合成績
チームスカイ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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