2015/06/15(月) - 12:19
1級山岳ミハエルスクロイツを経て形成された9名の精鋭グループの中からクリスチャン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ)がアタック。小柄なツアー・オブ・ターキー覇者がステージ優勝を射止めた。
ツール・ド・スイス第2ステージは、初日の個人タイムトライアルの舞台となったリッシュの街を発着する161.1km。4つのカテゴリー山岳が詰め込まれた山岳ステージであり、後半にかけて1級山岳ミハエルスクロイツ(3.8km/9.4%)を2回通過する。
スタート後間もなく形成されたのはユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ソウダル)、キャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)、ヴァレリオ・アニョーリ(イタリア、アスタナ)、ルカ・ピベルニク(スロベニア、ランプレ・メリダ)による逃げ。初日のプロローグで好走し、総合で6秒差の7位につけていたマイヤーがすぐさまバーチャル総合リーダーの座についた。
タイム差はジャイアント・アルペシンによる集団牽引によって押さえ込まれ、1回目の1級山岳ミハエルスクロイツに差し掛かる頃には2分台に。10%近い勾配が続くこの登りで先頭はマイヤーとピベルニクに絞られ、メイン集団に対して1分41秒リードで頂上をクリアした。
リッシュの街を一旦通過し、2回目の1級山岳ミハエルスクロイツに挑んだ先頭のマイヤーとピベルニクだったが、頂上まで3kmを残してヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)率いるメイン集団に吸収される。フグルサングのハイペース走行によってメイン集団は崩壊し、総合首位トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)は苦しい走りを強いられた。
ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)やクリスチャン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ)、ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)がそれぞれアタックを仕掛けたものの決まらず、フグルサング、トーマス、サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)の3名が先行する形でフィニッシュ12km手前の1級山岳ミハエルスクロイツを通過した。
先頭3名には下り区間でリーダージャージのドゥムランを含む追走6名が合流。こうして9名に再編成された先頭グループから、100km/hを超える直線的なダウンヒルでトーマスらがアタックを仕掛けたが決まらない。ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)を含む後続集団を振り切って、9名の精鋭グループがリッシュの街に戻ってきた。
残り1kmアーチを通過し、ドゥムランを中心に牽制するライバルたちの隙を突いてデュラセックがアタック。そのまま独走に持ち込んだデュラセックが逃げ切り、後続8名が4秒差でダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)を先頭にフィニッシュした。
「すでに今シーズンはツアー・オブ・ターキーで成功を収めていたものの、UCIワールドツアーでの初勝利にとても満足している」。クロアチア出身の27歳デュラセックが、ツアー・オブ・ターキー総合優勝に続く大きな結果を手にした。
「今日はチームメイトのピベルニクが逃げに乗る理想的な展開だった。彼のおかげでチームは集団内で力を使わずに済み、フレッシュな状態で最後のミハエルスクロイツに挑めたんだ。先行した9名でのスプリントでは勝ち目がなかったのでアタックを仕掛けることにした。エネルギーを有効活用して、良い展開に持ち込めたよ」。デュラセックは初日の個人タイムトライアルで32秒失ったものの、この日のステージ優勝によって総合8位まで順位を上げている。
精鋭グループの中でフィニッシュしたドゥムランが総合首位をキープ。トーマスが7秒差の総合2位、モレーノが11秒差の総合3位に続いている。ドゥムランは「昨日も行ったように、リーダージャージを出来る限り長くキープしたい。今日のステージを乗り越えたことで、総合争いのチャンスが見えてきた。山岳ステージを乗り切って、最終個人タイムトライアルで挽回したい」とコメントしている。
選手コメントはチーム公式サイトより。
ツール・ド・スイス2015第2ステージ結果
1位 クリスチャン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ) 3h36’52”
2位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ) +04”
3位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
4位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
5位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
6位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
7位 ミゲルアンヘル・ロペスモレーノ(コロンビア、アスタナ)
8位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)
9位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
10位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) +14”
個人総合成績
1位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン) 3h42’37”
2位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) +07”
3位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ) +11”
4位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ) +14”
5位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) +15”
6位 スティーブ・モラビート(スイス、FDJ)
7位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ) +16”
8位 クリスチャン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ) +18”
9位 ボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング) +19”
10位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
ポイント賞
トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
山岳賞
ルカ・ピベルニク(スロベニア、ランプレ・メリダ)
チーム総合成績
アスタナ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
ツール・ド・スイス第2ステージは、初日の個人タイムトライアルの舞台となったリッシュの街を発着する161.1km。4つのカテゴリー山岳が詰め込まれた山岳ステージであり、後半にかけて1級山岳ミハエルスクロイツ(3.8km/9.4%)を2回通過する。
スタート後間もなく形成されたのはユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ソウダル)、キャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)、ヴァレリオ・アニョーリ(イタリア、アスタナ)、ルカ・ピベルニク(スロベニア、ランプレ・メリダ)による逃げ。初日のプロローグで好走し、総合で6秒差の7位につけていたマイヤーがすぐさまバーチャル総合リーダーの座についた。
タイム差はジャイアント・アルペシンによる集団牽引によって押さえ込まれ、1回目の1級山岳ミハエルスクロイツに差し掛かる頃には2分台に。10%近い勾配が続くこの登りで先頭はマイヤーとピベルニクに絞られ、メイン集団に対して1分41秒リードで頂上をクリアした。
リッシュの街を一旦通過し、2回目の1級山岳ミハエルスクロイツに挑んだ先頭のマイヤーとピベルニクだったが、頂上まで3kmを残してヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)率いるメイン集団に吸収される。フグルサングのハイペース走行によってメイン集団は崩壊し、総合首位トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)は苦しい走りを強いられた。
ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)やクリスチャン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ)、ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)がそれぞれアタックを仕掛けたものの決まらず、フグルサング、トーマス、サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)の3名が先行する形でフィニッシュ12km手前の1級山岳ミハエルスクロイツを通過した。
先頭3名には下り区間でリーダージャージのドゥムランを含む追走6名が合流。こうして9名に再編成された先頭グループから、100km/hを超える直線的なダウンヒルでトーマスらがアタックを仕掛けたが決まらない。ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)を含む後続集団を振り切って、9名の精鋭グループがリッシュの街に戻ってきた。
残り1kmアーチを通過し、ドゥムランを中心に牽制するライバルたちの隙を突いてデュラセックがアタック。そのまま独走に持ち込んだデュラセックが逃げ切り、後続8名が4秒差でダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)を先頭にフィニッシュした。
「すでに今シーズンはツアー・オブ・ターキーで成功を収めていたものの、UCIワールドツアーでの初勝利にとても満足している」。クロアチア出身の27歳デュラセックが、ツアー・オブ・ターキー総合優勝に続く大きな結果を手にした。
「今日はチームメイトのピベルニクが逃げに乗る理想的な展開だった。彼のおかげでチームは集団内で力を使わずに済み、フレッシュな状態で最後のミハエルスクロイツに挑めたんだ。先行した9名でのスプリントでは勝ち目がなかったのでアタックを仕掛けることにした。エネルギーを有効活用して、良い展開に持ち込めたよ」。デュラセックは初日の個人タイムトライアルで32秒失ったものの、この日のステージ優勝によって総合8位まで順位を上げている。
精鋭グループの中でフィニッシュしたドゥムランが総合首位をキープ。トーマスが7秒差の総合2位、モレーノが11秒差の総合3位に続いている。ドゥムランは「昨日も行ったように、リーダージャージを出来る限り長くキープしたい。今日のステージを乗り越えたことで、総合争いのチャンスが見えてきた。山岳ステージを乗り切って、最終個人タイムトライアルで挽回したい」とコメントしている。
選手コメントはチーム公式サイトより。
ツール・ド・スイス2015第2ステージ結果
1位 クリスチャン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ) 3h36’52”
2位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ) +04”
3位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
4位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
5位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
6位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
7位 ミゲルアンヘル・ロペスモレーノ(コロンビア、アスタナ)
8位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)
9位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
10位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) +14”
個人総合成績
1位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン) 3h42’37”
2位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) +07”
3位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ) +11”
4位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ) +14”
5位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) +15”
6位 スティーブ・モラビート(スイス、FDJ)
7位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ) +16”
8位 クリスチャン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ) +18”
9位 ボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング) +19”
10位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
ポイント賞
トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
山岳賞
ルカ・ピベルニク(スロベニア、ランプレ・メリダ)
チーム総合成績
アスタナ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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