2015/06/11(木) - 09:42
ドーフィネのスプリントはナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)の独壇場。山岳ステージが4つ連続する後半戦突入を前に、マイヨヴェールを着る24歳がスプリント2勝目を飾りました。
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネはアネロンから一路シストロンまで南下。中盤にかけて3級と4級のカテゴリー山岳を越えてプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏に入り、残り12kmで最後の4級山岳マルキーズ(1.3km/6.7%)をクリアする。
終盤にかけて細かいアップダウンが連続する今大会最長228kmコースで逃げたのは赤いロットと黄色いロット。3km地点で集団から抜け出したトッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ソウダル)とマルティン・ケイゼル(オランダ、ロットNLユンボ)が最大8分リードでエスケープ。
メイン集団を牽引したのは定石通りリーダージャージ擁するBMCレーシングで、若手のディラン・テウンス(ベルギー)とジョセフ・ロスコプフ(アメリカ)がローテーションを組んで逃げとの距離を調整。後半にかけてコフィディスもここに加わった。
逃げグループの加速によって残り25km地点でタイム差は依然として4分。しかしコフィディスとMTNキュベカ、エティックス・クイックステップがフルスロットルで集団牽引したことで、4級山岳マルキーズに差し掛かる頃にはタイム差は1分30秒に。フィニッシュまで13kmを切ったこの登りでケイゼルが先頭独走に持ち込み、後方ではシリル・ゴティエ(フランス、ユーロップカー)らがアタックを仕掛けた。
20秒リードで4級山岳マルキーズの頂上を先頭通過したケイゼルに後方からティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)がジョインして先頭は再び黄&赤のダブルロット体制。ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)やウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)らの追走は届かずに吸収される。
220km以上を逃げていたケイゼルを振り切ったウェレンスが独走に持ち込んだものの、トニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)らの追撃によって残り2.5kmで吸収。ロット・ソウダルの積極性はとどまることを知らず、続いて飛び出したトニー・ギャロパン(フランス、ロット・ソウダル)が独走でフラムルージュを駆け抜けた。
シストロンの街にやってきたのは100名弱の大集団。その先頭ではMTNキュベカやコフィディス、オリカ・グリーンエッジがポジションを争い、ギャロパンを捉え、そしてエーススプリンターをリードアウトする。どのチームも完璧なトレインを発車させることが出来ないままスプリントが始まった。
マイヨヴェールのブアニはこの日もエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、MTNキュベカ)の付き位置から一気に加速し、先頭に立ってフィニッシュラインに突き進んだ。ヨナス・ファンへネヒテン(ベルギー、IAMサイクリング)の追い上げも届かず、ブアニのガッツポーズが決まった。
「登りで繰り返されたアタックによって複雑なフィナーレになった。とてもハードなレースだったよ。チームメイトのジュリアン・シモンがいなかったらトニー・ギャロパンは逃げ切っていたかもしれない」。ステージ2勝目、今シーズン5勝目を掴んだブアニはツール・ド・フランスに向けて波に乗る。「明日からはドーフィネも後半戦。チームはダニエル・ナバーロのために走るんだ。自分はツール・ド・フランスに向けて山岳でのペダリング向上に専念するよ」。
青ライン入りのマイヨジョーヌはローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)がキープ。元アワーレコード保持者のデニスは「自分のチャンスも諦めていないけど、あくまでもチームリーダーはティージェイ(ヴァンガーデレン)。彼に全てを捧げる準備は出来ている」とコメントしている。
選手コメントはレース公式サイトより。
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2015第4ステージ
1位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) 5h30’53”
2位 ヨナス・ファンへネヒテン(ベルギー、IAMサイクリング)
3位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・アルペシン)
4位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、MTNキュベカ)
5位 アレクセイ・ツァテヴィツク(ロシア、カチューシャ)
6位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)
7位 サミュエル・ドゥムラン(フランス、AG2Rラモンディアール)
8位 ティエシー・ベノート(ベルギー、ロット・ソウダル)
9位 ケヴィン・レザ(フランス、FDJ)
10位 ネイサン・ハース(オーストラリア、キャノンデール・ガーミン)
101位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング) +3’05”
個人総合成績
1位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) 13h31’30”
2位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)
3位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ) +04”
4位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
5位 リエーベ・ヴェストラ(オランダ、アスタナ)
6位 レイン・ターラマエ(エストニア、アスタナ)
7位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)
8位 ゴルカ・イサギーレ(スペイン、モビスター) +05”
9位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
10位 ジョン・ガドレ(フランス、モビスター)
ポイント賞
ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
山岳賞
ダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、MTNキュベカ)
ヤングライダー賞
ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)
チーム総合成績
BMCレーシング
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネはアネロンから一路シストロンまで南下。中盤にかけて3級と4級のカテゴリー山岳を越えてプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏に入り、残り12kmで最後の4級山岳マルキーズ(1.3km/6.7%)をクリアする。
終盤にかけて細かいアップダウンが連続する今大会最長228kmコースで逃げたのは赤いロットと黄色いロット。3km地点で集団から抜け出したトッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ソウダル)とマルティン・ケイゼル(オランダ、ロットNLユンボ)が最大8分リードでエスケープ。
メイン集団を牽引したのは定石通りリーダージャージ擁するBMCレーシングで、若手のディラン・テウンス(ベルギー)とジョセフ・ロスコプフ(アメリカ)がローテーションを組んで逃げとの距離を調整。後半にかけてコフィディスもここに加わった。
逃げグループの加速によって残り25km地点でタイム差は依然として4分。しかしコフィディスとMTNキュベカ、エティックス・クイックステップがフルスロットルで集団牽引したことで、4級山岳マルキーズに差し掛かる頃にはタイム差は1分30秒に。フィニッシュまで13kmを切ったこの登りでケイゼルが先頭独走に持ち込み、後方ではシリル・ゴティエ(フランス、ユーロップカー)らがアタックを仕掛けた。
20秒リードで4級山岳マルキーズの頂上を先頭通過したケイゼルに後方からティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)がジョインして先頭は再び黄&赤のダブルロット体制。ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)やウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)らの追走は届かずに吸収される。
220km以上を逃げていたケイゼルを振り切ったウェレンスが独走に持ち込んだものの、トニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)らの追撃によって残り2.5kmで吸収。ロット・ソウダルの積極性はとどまることを知らず、続いて飛び出したトニー・ギャロパン(フランス、ロット・ソウダル)が独走でフラムルージュを駆け抜けた。
シストロンの街にやってきたのは100名弱の大集団。その先頭ではMTNキュベカやコフィディス、オリカ・グリーンエッジがポジションを争い、ギャロパンを捉え、そしてエーススプリンターをリードアウトする。どのチームも完璧なトレインを発車させることが出来ないままスプリントが始まった。
マイヨヴェールのブアニはこの日もエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、MTNキュベカ)の付き位置から一気に加速し、先頭に立ってフィニッシュラインに突き進んだ。ヨナス・ファンへネヒテン(ベルギー、IAMサイクリング)の追い上げも届かず、ブアニのガッツポーズが決まった。
「登りで繰り返されたアタックによって複雑なフィナーレになった。とてもハードなレースだったよ。チームメイトのジュリアン・シモンがいなかったらトニー・ギャロパンは逃げ切っていたかもしれない」。ステージ2勝目、今シーズン5勝目を掴んだブアニはツール・ド・フランスに向けて波に乗る。「明日からはドーフィネも後半戦。チームはダニエル・ナバーロのために走るんだ。自分はツール・ド・フランスに向けて山岳でのペダリング向上に専念するよ」。
青ライン入りのマイヨジョーヌはローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)がキープ。元アワーレコード保持者のデニスは「自分のチャンスも諦めていないけど、あくまでもチームリーダーはティージェイ(ヴァンガーデレン)。彼に全てを捧げる準備は出来ている」とコメントしている。
選手コメントはレース公式サイトより。
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2015第4ステージ
1位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) 5h30’53”
2位 ヨナス・ファンへネヒテン(ベルギー、IAMサイクリング)
3位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・アルペシン)
4位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、MTNキュベカ)
5位 アレクセイ・ツァテヴィツク(ロシア、カチューシャ)
6位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)
7位 サミュエル・ドゥムラン(フランス、AG2Rラモンディアール)
8位 ティエシー・ベノート(ベルギー、ロット・ソウダル)
9位 ケヴィン・レザ(フランス、FDJ)
10位 ネイサン・ハース(オーストラリア、キャノンデール・ガーミン)
101位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング) +3’05”
個人総合成績
1位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) 13h31’30”
2位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)
3位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ) +04”
4位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
5位 リエーベ・ヴェストラ(オランダ、アスタナ)
6位 レイン・ターラマエ(エストニア、アスタナ)
7位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)
8位 ゴルカ・イサギーレ(スペイン、モビスター) +05”
9位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
10位 ジョン・ガドレ(フランス、モビスター)
ポイント賞
ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
山岳賞
ダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、MTNキュベカ)
ヤングライダー賞
ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)
チーム総合成績
BMCレーシング
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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