2015/06/09(火) - 11:40
フィニッシュ地点近くに住む別府史之(トレックファクトリーレーシング)も絡んだクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第2ステージのスプリントバトル。抜群の加速で抜け出したナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)が勝利を収めました。
ドーフィネ2日目はル・ブルジェ=デュ=ラックからヴィラール=レ=ドンプまでの173km。前半に2級山岳シャ峠(2.8km/6.8%)と1級山岳キュヴェリー峠(8.7km/6.7%)が登場するものの、リヨン郊外を走る後半は平坦基調のレイアウトだ。
山岳賞ジャージを守るべくダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、MTNキュベカ)が2日連続のエスケープを敢行する。この日の伴侶はアルノー・クーテル(フランス、FDJ)とペリグ・ケムヌール(フランス、ユーロップカー)の2人。元オリカ・グリーンエッジ所属のテクレハイマノは2つのカテゴリー山岳を立て続けに先頭通過し、赤地に白玉のジャージに15ポイント上乗せすることに成功している。
6分50秒までリードを広げた逃げトリオに対し、メイン集団の先頭にはコフィディスやランプレ・メリダ、ジャイアント・アルペシン、チームスカイが陣取ってペースコントロール。山岳地帯をクリアし、平坦区間にさしかかるとタイム差の縮小は加速した。
ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)らが落車するシーンも見られたが、メイン集団はスピードを弱めずに追撃を続け、残り4kmを切ったところで先頭テクレハイマノ、クーテル、ケムヌールをキャッチ。MTNキュベカが主導権を握る形でスプリントが始まった。
残り200mで解き放たれたエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、MTNキュベカ)が先陣切ってスプリント。しかしその後ろから赤いジャージが勢い良く追い上げ、追い抜く。登り基調の最終ストレートでナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)のスプリントが伸びた。
「向かい風が吹いていたのでチーム力が不可欠だった。ジェフリー・スープのアシストを得てボアッソンハーゲンとモードロの番手につけて、そこから残り200mで加速したんだ」。ドーフィネで初勝利を飾ったブアニは勝ちスプリントを振り返る。
今季ブアニはUCIワールドチームからUCIプロコンチネンタルチームに移籍。コフィディスでエーススプリンターを担っているが、シーズン序盤のツアー・オブ・カタール、ツアー・オブ・オマーン、パリ〜ニースではステージ優勝を逃し続け、シーズン勝利数も3勝にとどまっていた。
「今シーズン4勝目で、UCIワールドツアーレースでは初勝利。チームにとっても自分にとっても大切な勝利だ。冴えないシーズン前半を送っていたにも関わらず、チームは僕を信頼し続けてくれた。自分自身を失うことはなかったよ。このドーフィネとフランス選手権を重要な時期と捉えていて、シーズン最大の目標であるツールに向けて上り調子。ここで満足することなく第4ステージのチャンスを再び掴みたい」と、ワイルドカード枠で出場するツール・ド・フランスに向けてブアニは気合を込める。
ステージ2勝を飾ったジロ・デ・イタリアから連戦出場のサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)は3位。「1月からレースを走りっぱなし。ツアー・オブ・ターキーが終わってから1日だけ家に帰ってすぐジロ・デ・イタリアを走り、その5日後にはドーフィネに出発。身体が疲れ切っている」とモードロは打ち明けている。
「ラスト3kmをスローパンクしながら走ってスプリントした」と語るのは、フィニッシュ地点のすぐ近く位置に住む別府史之だ。「スプリントのタイミングが遅れて12位。地元の知ってる道をレースで走るのは不思議な感覚だった。ジロの疲れも残ってないし残りのステージも頑張ります」と別府はコメントしている。
選手コメントはレース公式サイトより。
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2015第2ステージ
1位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) 4h23’46”
2位 サミュエル・ドゥムラン(フランス、AG2Rラモンディアール)
3位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
4位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、MTNキュベカ)
5位 アレクセイ・ツァテヴィツク(ロシア、カチューシャ)
6位 ヨナス・ファンへネヒテン(ベルギー、IAMサイクリング)
7位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)
8位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、キャノンデール・ガーミン)
9位 ヤニック・マルティネス(フランス、ユーロップカー)
10位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・アルペシン)
12位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
個人総合成績
1位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ) 7h30’27”
2位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ) +02”
3位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
4位 サミュエル・ドゥムラン(フランス、AG2Rラモンディアール) +06”
5位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、MTNキュベカ) +08”
6位 ティエシー・ベノート(ベルギー、ロット・ソウダル) +12”
7位 ヤニック・マルティネス(フランス、ユーロップカー)
8位 ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)
9位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、キャノンデール・ガーミン)
10位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)
ポイント賞
サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
山岳賞
ダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、MTNキュベカ)
ヤングライダー賞
ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
チーム総合成績
チームスカイ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
ドーフィネ2日目はル・ブルジェ=デュ=ラックからヴィラール=レ=ドンプまでの173km。前半に2級山岳シャ峠(2.8km/6.8%)と1級山岳キュヴェリー峠(8.7km/6.7%)が登場するものの、リヨン郊外を走る後半は平坦基調のレイアウトだ。
山岳賞ジャージを守るべくダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、MTNキュベカ)が2日連続のエスケープを敢行する。この日の伴侶はアルノー・クーテル(フランス、FDJ)とペリグ・ケムヌール(フランス、ユーロップカー)の2人。元オリカ・グリーンエッジ所属のテクレハイマノは2つのカテゴリー山岳を立て続けに先頭通過し、赤地に白玉のジャージに15ポイント上乗せすることに成功している。
6分50秒までリードを広げた逃げトリオに対し、メイン集団の先頭にはコフィディスやランプレ・メリダ、ジャイアント・アルペシン、チームスカイが陣取ってペースコントロール。山岳地帯をクリアし、平坦区間にさしかかるとタイム差の縮小は加速した。
ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)らが落車するシーンも見られたが、メイン集団はスピードを弱めずに追撃を続け、残り4kmを切ったところで先頭テクレハイマノ、クーテル、ケムヌールをキャッチ。MTNキュベカが主導権を握る形でスプリントが始まった。
残り200mで解き放たれたエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、MTNキュベカ)が先陣切ってスプリント。しかしその後ろから赤いジャージが勢い良く追い上げ、追い抜く。登り基調の最終ストレートでナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)のスプリントが伸びた。
「向かい風が吹いていたのでチーム力が不可欠だった。ジェフリー・スープのアシストを得てボアッソンハーゲンとモードロの番手につけて、そこから残り200mで加速したんだ」。ドーフィネで初勝利を飾ったブアニは勝ちスプリントを振り返る。
今季ブアニはUCIワールドチームからUCIプロコンチネンタルチームに移籍。コフィディスでエーススプリンターを担っているが、シーズン序盤のツアー・オブ・カタール、ツアー・オブ・オマーン、パリ〜ニースではステージ優勝を逃し続け、シーズン勝利数も3勝にとどまっていた。
「今シーズン4勝目で、UCIワールドツアーレースでは初勝利。チームにとっても自分にとっても大切な勝利だ。冴えないシーズン前半を送っていたにも関わらず、チームは僕を信頼し続けてくれた。自分自身を失うことはなかったよ。このドーフィネとフランス選手権を重要な時期と捉えていて、シーズン最大の目標であるツールに向けて上り調子。ここで満足することなく第4ステージのチャンスを再び掴みたい」と、ワイルドカード枠で出場するツール・ド・フランスに向けてブアニは気合を込める。
ステージ2勝を飾ったジロ・デ・イタリアから連戦出場のサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)は3位。「1月からレースを走りっぱなし。ツアー・オブ・ターキーが終わってから1日だけ家に帰ってすぐジロ・デ・イタリアを走り、その5日後にはドーフィネに出発。身体が疲れ切っている」とモードロは打ち明けている。
「ラスト3kmをスローパンクしながら走ってスプリントした」と語るのは、フィニッシュ地点のすぐ近く位置に住む別府史之だ。「スプリントのタイミングが遅れて12位。地元の知ってる道をレースで走るのは不思議な感覚だった。ジロの疲れも残ってないし残りのステージも頑張ります」と別府はコメントしている。
選手コメントはレース公式サイトより。
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2015第2ステージ
1位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) 4h23’46”
2位 サミュエル・ドゥムラン(フランス、AG2Rラモンディアール)
3位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
4位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、MTNキュベカ)
5位 アレクセイ・ツァテヴィツク(ロシア、カチューシャ)
6位 ヨナス・ファンへネヒテン(ベルギー、IAMサイクリング)
7位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)
8位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、キャノンデール・ガーミン)
9位 ヤニック・マルティネス(フランス、ユーロップカー)
10位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・アルペシン)
12位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
個人総合成績
1位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ) 7h30’27”
2位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ) +02”
3位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
4位 サミュエル・ドゥムラン(フランス、AG2Rラモンディアール) +06”
5位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、MTNキュベカ) +08”
6位 ティエシー・ベノート(ベルギー、ロット・ソウダル) +12”
7位 ヤニック・マルティネス(フランス、ユーロップカー)
8位 ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)
9位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、キャノンデール・ガーミン)
10位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)
ポイント賞
サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
山岳賞
ダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、MTNキュベカ)
ヤングライダー賞
ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
チーム総合成績
チームスカイ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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