2015/06/01(月) - 12:04
5月31日、長野県・富士見パノラマリゾートにおいて開催されたCoupe du Japon(クップ ドュ ジャポン)のCJ-1第2戦XCO。前戦八幡浜に続きアンカーの平野と斉藤が逃げてワンツー。今回はエース斉藤が勝利した。
富士見パノラマリゾートは、過去に幾度となく名勝負を演出したマウンテンバイクレースの聖地。首都圏からも中部からも交通の便が良く、参加者の多い富士見パノラマ大会。Jシリーズ時代から定例的に春と秋の年2回開催されることが特徴で、さらに今年は7月18・19日開催のマウンテンバイク全日本選手権の会場にも選出されている。全日本の約1ヶ月半前だけに、この大会は重要的な意味を持つ。
XCOにおいては昨2014年の春は斉藤亮が、秋は門田基志が勝利している。コースは前週までの天気予報では雨が心配されたものの、結局降ることはなく、完全ドライコンディションでのレースとなった。コース全長は4.7km。スタート/フィニッシュ地点の標高は1050mだ。
エリート男子のスタートは午後1時。ドライのあまり集団のスタートダッシュに舞い上がる砂塵。後続の選手たちは前が見えなくなり、かつ呼吸を妨げる埃に苦しめられる。スタートすぐにゲレンデをジグザグに登る長いクライミングへ。好調のアンカー平野星矢が先頭に立ち、斉藤亮、中原義貴(BH)、前田公平(Bioracer)、小野寺健(ミヤタ・メリダ)、恩田祐一(BH)、沢田時(ブリヂストンアンカー)らが追う。
2周めに入ると平野と斉藤が抜けだして後続をリード。ここから、結果的に周最終周回まで続いたランデブーの始まりだった。登りで強さを見せたのは平野。斉藤をリードしながら力強くスピードを上げる。斉藤も平野の後ろにぴったりつけ、テールツーノーズの走りで順調に他との差を開き続けた。
追走の中で順位を落としたのは八幡浜の覇者・小野寺。どうやらタイヤ選択のミスで路面を上手く捉えられなかったようだ。
若手の中原、前田の追走。しかし最終盤になって順位をじわじわと上げてきたのが門田基志(ジャイアント)だ。決してアタックやダッシュをかけるわけではないが、ラスト2周で若い二人を追い込み、抜き去った。
安定的に続いた平野と斉藤のランデブーだったが、ラスト周回に入って斉藤がアタックしたことで均衡は崩れる。平野を置き去りにした斉藤は力強く攻め続け、平野に約29秒の差を持ってゴールへ。喜びのガッツポーズを炸裂させた。
平野の勝利が続いたアンカー。しかしそのエースの座はやはり斉藤のもの。そんなことを観衆に再確認させるかのような斉藤の走りだった。遅れてゴールした平野に開口一番「先に行ってごめんね」と謝った斉藤。
「調子が良いかといえば、まだそこまでじゃない。でも、この一勝までは長かった。今日のレースの最後は、僕らのうちどちらが勝つかということにこだわったわけじゃなくて、世界に一歩でも近づきたい、一秒でも前へ、という気持ちで踏みました。
2位でくったくのない笑顔の平野。「亮さんはずっと本領が発揮できていなかったから、僕も嬉しいです。亮さんの調子が戻れば僕の順位が落ちるのは確かだけど、こうして2人で走れるのは楽しい。2人になった時からもう順位争いなんて関係なくて、力を発揮する走りをしたんです。楽しかった」。
3位の門田は39歳。「まだまだ若者の前には立ちはだかるよ!」
4位の沢田時。「来月に全日本が開催されるから集中して走りました。アンカーの表彰台独占を目指したかったけど、最後まで踏ん張れたのは良かった。ワン・ツー・スリーは今シーズン中になんとか実現したい」。
女子エリートは小林可奈子が勝利 2位にグアムから来たケリー美枝子
女子エリートはスタートから末政実緒 (SRAM/LITEC)が先行、小林可奈子 (MTBクラブ安曇野)が追う。得意の下りで引き離す末政に、登りでは小林が差を詰める展開に。本調子でない末政に対して、限界まで追い込む小林の走りが終盤になるほど顕著に。
そして2人を追い上げたのはグアム在住のケリー美枝子。ケリーはエックステラのスペシャリストで、テクニックに劣るもののスタミナ溢れる走り。小林が末政を交わし、差を広げる。そして終盤失速した末政をケリーが捉えた。
優勝した小林は八幡浜に続く連覇だ。ゴールした後は倒れこむほどの追い込みようだった。娘のあか里さんも女子ユースで優勝し、母・娘ダブル優勝となった。2位で歓喜するケリーは7月の全日本には帰国することができず、出場できないという。
マスターズは竹谷賢ニ、男子ジュニアは平林安里
マスターズは圧倒的な走りで竹谷賢ニ(SPECIALIZED RACING JAPAN)が制した。Jシリーズ時代のスポーツクラスに当たるチャレンジBは丸山厚 (BOMA RACING)がスタートラッシュに手こずった小坂 正則 (スワコレーシングチーム)を下した。前エキスパートクラスにあたるチャレンジAと同時出走だったが、その勝者の川村 誠 (スクミズマシンワークス) よりも丸山が勝った。
リザルト
男子エリート
1位 斉藤 亮 (ブリヂストンアンカー) 1:37:59.01
2位 平野星矢 (ブリヂストンアンカー)1:38:28.42
3位 門田基志 (ジャイアント) 1:42:02.23
女子エリート
1位 小林可奈子 (MTBクラブ安曇野) 1:22:25.40
2位 ケリー美枝子 1:23:29.18
3位 末政実緒 (SRAM/LITEC) 1:24:04.92男子ジュニア
男子ジュニア
1位 平林 安里(WESTBERG/ProRide J) 1:07:00.05
2位 竹内 遼(WESTBERG/ProRide J) 1:07:38.52
3位 山田 将輝(Limited846/LITEC) 1:10:39.82
男子マスターズ
1位 竹谷賢二 (SPECIALIZED RACING JAPAN) 53:05.36
2位 酒居良和 (マウンテン☆ポテト) 55:16.08
3位 大橋 優 (TeamPoppo/なんちゃってバイカーズ) 55:19.36
女子マスターズ/ジュニア
1位 真川好美 (Team Nipopo) 1:12:07.38
2.位 石田 恵 (リミテッドチーム846) 1:20:03.24
男子ユース
1位 北林 力 (WESTBERG/ProRide J )33:48.87
2位 小林勇輝 (イナーメ信濃山形) 35:43.58
3位 石川 絃 (サッサーズ )36:00.10
女子ユース
1位 小林あか里 (MTBクラブ安曇野) 43:46.70
2位 松本璃奈 (MASHUN RACING TEAM)52:06.92
男子チャレンジA
1位 川村 誠 (スクミズマシンワークス) 36:21.09
2位 橘 信基 (Cyclery KIRIN / KMC / iPlan) 38:12.50
3位 福王寺大樹 (たぬき小屋)38:25.26
男子チャレンジB
1位 丸山 厚 (BOMA RACING) 36:20.62
2位 小坂正則 (スワコレーシングチーム) 38:45.18
3位 小寺知之 (sunday riders) 39:03.61
女子チャレンジ
1位 斉藤佳寿実(Rise-Ride 2020) 49:30.39
2位 綾野桂子 (cycleclub3UP) 50:44.93
3位 佐藤百江 54:35.25
photo&text:Makoto.AYANO
フォトギャラリー(CW FaceBook)
富士見パノラマリゾートは、過去に幾度となく名勝負を演出したマウンテンバイクレースの聖地。首都圏からも中部からも交通の便が良く、参加者の多い富士見パノラマ大会。Jシリーズ時代から定例的に春と秋の年2回開催されることが特徴で、さらに今年は7月18・19日開催のマウンテンバイク全日本選手権の会場にも選出されている。全日本の約1ヶ月半前だけに、この大会は重要的な意味を持つ。
XCOにおいては昨2014年の春は斉藤亮が、秋は門田基志が勝利している。コースは前週までの天気予報では雨が心配されたものの、結局降ることはなく、完全ドライコンディションでのレースとなった。コース全長は4.7km。スタート/フィニッシュ地点の標高は1050mだ。
エリート男子のスタートは午後1時。ドライのあまり集団のスタートダッシュに舞い上がる砂塵。後続の選手たちは前が見えなくなり、かつ呼吸を妨げる埃に苦しめられる。スタートすぐにゲレンデをジグザグに登る長いクライミングへ。好調のアンカー平野星矢が先頭に立ち、斉藤亮、中原義貴(BH)、前田公平(Bioracer)、小野寺健(ミヤタ・メリダ)、恩田祐一(BH)、沢田時(ブリヂストンアンカー)らが追う。
2周めに入ると平野と斉藤が抜けだして後続をリード。ここから、結果的に周最終周回まで続いたランデブーの始まりだった。登りで強さを見せたのは平野。斉藤をリードしながら力強くスピードを上げる。斉藤も平野の後ろにぴったりつけ、テールツーノーズの走りで順調に他との差を開き続けた。
追走の中で順位を落としたのは八幡浜の覇者・小野寺。どうやらタイヤ選択のミスで路面を上手く捉えられなかったようだ。
若手の中原、前田の追走。しかし最終盤になって順位をじわじわと上げてきたのが門田基志(ジャイアント)だ。決してアタックやダッシュをかけるわけではないが、ラスト2周で若い二人を追い込み、抜き去った。
安定的に続いた平野と斉藤のランデブーだったが、ラスト周回に入って斉藤がアタックしたことで均衡は崩れる。平野を置き去りにした斉藤は力強く攻め続け、平野に約29秒の差を持ってゴールへ。喜びのガッツポーズを炸裂させた。
平野の勝利が続いたアンカー。しかしそのエースの座はやはり斉藤のもの。そんなことを観衆に再確認させるかのような斉藤の走りだった。遅れてゴールした平野に開口一番「先に行ってごめんね」と謝った斉藤。
「調子が良いかといえば、まだそこまでじゃない。でも、この一勝までは長かった。今日のレースの最後は、僕らのうちどちらが勝つかということにこだわったわけじゃなくて、世界に一歩でも近づきたい、一秒でも前へ、という気持ちで踏みました。
2位でくったくのない笑顔の平野。「亮さんはずっと本領が発揮できていなかったから、僕も嬉しいです。亮さんの調子が戻れば僕の順位が落ちるのは確かだけど、こうして2人で走れるのは楽しい。2人になった時からもう順位争いなんて関係なくて、力を発揮する走りをしたんです。楽しかった」。
3位の門田は39歳。「まだまだ若者の前には立ちはだかるよ!」
4位の沢田時。「来月に全日本が開催されるから集中して走りました。アンカーの表彰台独占を目指したかったけど、最後まで踏ん張れたのは良かった。ワン・ツー・スリーは今シーズン中になんとか実現したい」。
女子エリートは小林可奈子が勝利 2位にグアムから来たケリー美枝子
女子エリートはスタートから末政実緒 (SRAM/LITEC)が先行、小林可奈子 (MTBクラブ安曇野)が追う。得意の下りで引き離す末政に、登りでは小林が差を詰める展開に。本調子でない末政に対して、限界まで追い込む小林の走りが終盤になるほど顕著に。
そして2人を追い上げたのはグアム在住のケリー美枝子。ケリーはエックステラのスペシャリストで、テクニックに劣るもののスタミナ溢れる走り。小林が末政を交わし、差を広げる。そして終盤失速した末政をケリーが捉えた。
優勝した小林は八幡浜に続く連覇だ。ゴールした後は倒れこむほどの追い込みようだった。娘のあか里さんも女子ユースで優勝し、母・娘ダブル優勝となった。2位で歓喜するケリーは7月の全日本には帰国することができず、出場できないという。
マスターズは竹谷賢ニ、男子ジュニアは平林安里
マスターズは圧倒的な走りで竹谷賢ニ(SPECIALIZED RACING JAPAN)が制した。Jシリーズ時代のスポーツクラスに当たるチャレンジBは丸山厚 (BOMA RACING)がスタートラッシュに手こずった小坂 正則 (スワコレーシングチーム)を下した。前エキスパートクラスにあたるチャレンジAと同時出走だったが、その勝者の川村 誠 (スクミズマシンワークス) よりも丸山が勝った。
リザルト
男子エリート
1位 斉藤 亮 (ブリヂストンアンカー) 1:37:59.01
2位 平野星矢 (ブリヂストンアンカー)1:38:28.42
3位 門田基志 (ジャイアント) 1:42:02.23
女子エリート
1位 小林可奈子 (MTBクラブ安曇野) 1:22:25.40
2位 ケリー美枝子 1:23:29.18
3位 末政実緒 (SRAM/LITEC) 1:24:04.92男子ジュニア
男子ジュニア
1位 平林 安里(WESTBERG/ProRide J) 1:07:00.05
2位 竹内 遼(WESTBERG/ProRide J) 1:07:38.52
3位 山田 将輝(Limited846/LITEC) 1:10:39.82
男子マスターズ
1位 竹谷賢二 (SPECIALIZED RACING JAPAN) 53:05.36
2位 酒居良和 (マウンテン☆ポテト) 55:16.08
3位 大橋 優 (TeamPoppo/なんちゃってバイカーズ) 55:19.36
女子マスターズ/ジュニア
1位 真川好美 (Team Nipopo) 1:12:07.38
2.位 石田 恵 (リミテッドチーム846) 1:20:03.24
男子ユース
1位 北林 力 (WESTBERG/ProRide J )33:48.87
2位 小林勇輝 (イナーメ信濃山形) 35:43.58
3位 石川 絃 (サッサーズ )36:00.10
女子ユース
1位 小林あか里 (MTBクラブ安曇野) 43:46.70
2位 松本璃奈 (MASHUN RACING TEAM)52:06.92
男子チャレンジA
1位 川村 誠 (スクミズマシンワークス) 36:21.09
2位 橘 信基 (Cyclery KIRIN / KMC / iPlan) 38:12.50
3位 福王寺大樹 (たぬき小屋)38:25.26
男子チャレンジB
1位 丸山 厚 (BOMA RACING) 36:20.62
2位 小坂正則 (スワコレーシングチーム) 38:45.18
3位 小寺知之 (sunday riders) 39:03.61
女子チャレンジ
1位 斉藤佳寿実(Rise-Ride 2020) 49:30.39
2位 綾野桂子 (cycleclub3UP) 50:44.93
3位 佐藤百江 54:35.25
photo&text:Makoto.AYANO
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