2015/05/23(土) - 10:23
ド平坦スプリントステージの末に待っていたのは、大落車とサーシャ・モードロのジロ初勝利。マリアローザは足止めを食らったアルベルト・コンタドールからファビオ・アルの元に移りました。
笑顔をのぞかせながらスタートへと向かうリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ) photo:Kei Tsuji
雨のステージに備えるスタート前の別府史之(トレックファクトリーレーシング) photo:Kei Tsuji
スタート地点に現れたパオロ・ベッティーニ氏と昨日のステージ優勝者フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング) photo:Kei Tsuji
この日逃げたジェローム・ピノー(フランス、IAMサイクリング)ら3名 photo:Tim de Waele
この日も雨に見舞われたジロ・デ・イタリア photo:Tim de Waele「総合を狙う選手は今日は動かない。だから自分たちでレースをコントロールしていかなければならない」とスタート前に語ったのはアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)。確かに総合陣が自ら動くことは無かったが、ゴール前3km、集団前方で発生した落車が、各選手の明暗を大きく分け断つこととなった。
踏切でのストップに困惑の表情を浮かべるリック・ツァベル(ドイツ、BMCレーシング) photo:Tim de Waeleモンテッキオ・マッジョーレからイェーゾロに向かう第13ステージは、「スプリンターが勝たずに誰が勝つ」というほどに真っ平らな147km。自転車競技が盛んなヴェネト州を駆け抜け、「アドリア海の真珠」と呼ばれるヴェネツィアをかすめ、そしてイェーゾロへと到達するショートステージだ。
現地の気温は15℃ほどで、天候は雨。多くの選手たちが防寒具を着込み、総合首位のアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)もマリアローザを黒いレインジャケットの下に隠した。
この日は前日に落車したサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)がスタートせず、全183名がモンテッキオ・マッジョーレを出発。リアルスタートが切られた直後、真っ先にフランコ・ペッリゾッティ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)がアタックした。
ベルト・デバッカー(ベルギー、ジャイアント・アルペシン)らを引き連れたペッリゾッティのアタックは成功せず。変わって飛び出しに成功したのは、逃げのスペシャリストであるジェローム・ピノー(フランス、IAMサイクリング)、マルコ・フラッポルティ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)、そしてエリック・ツァベルの息子であるリック・ツァベル(ドイツ、BMCレーシング)。
3名の逃げだったものの、距離が150km弱であること、雨であること、そしてスプリンターチームが徹底的に集団コントロールを担ったことが影響し、タイム差はおよそ2分止まり。この日も序盤の平均速度は50km/hに近づいた。
手造りの海賊船でジロ・デ・イタリアを歓迎する photo:Kei Tsuji
マリアローザではなくチームカラーのウェアでステージ終盤を走るアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Tim de Waele途中逃げる3名が踏切でストップするハプニングも起こったものの、メイン集団も時間調整を行ったことで特に問題無し。途中のスプリントポイントはフラッポルティが先頭で通過し、メイン集団ではジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)とエドワード・グロース(ルーマニア、NIPPOヴィーニファンティーニ)が争った結果、ニッツォーロが先着している。
マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)から放たれたサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)が先頭でスプリントを開始 photo:Kei Tsuji濡れた交差点やコーナーを慎重にこなしながら、メイン集団ではロット・ソウダルやトレックファクトリーレーシング、ランプレ・メリダが牽引を開始する。早すぎる吸収を嫌って暫く時間調整が続いたものの、残り17km地点で果敢に逃げた3名は手を取り合いながら吸収された。
ロベルト・フェラーリ(イタリア)と勝利を分かちあうサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ) photo:Kei Tsuji危険回避のためにティンコフ・サクソが先頭に立ち、運河沿いの平坦路を駆け抜ける。残り5kmを切っていよいよトレックファクトリーレーシングがリードアウトトレインを発車させると、救済措置が適用される残り3kmすぐ手前で落車が発生した。
タイム差を最小限に食い止めるべく集団を率いてゴールラインを切るアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Tim de Waele選手のタイヤどうしがハスったことで発生したクラッシュ。集団の前方左側から連鎖的に波紋が広がり、ここにコンタドールら総合上位陣も巻き込まれてしまう。
落車を回避した50名弱によるスプリント。最も人数を残したランプレ・メリダが残り2kmから主導権を握り、ゴール前でマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)からサーシャ・モードロ(イタリア)が発進した。番手につけたニッツォーロの追い上げを許さず、モードロが力強いガッツポーズを繰り出した。
「リケーゼが完璧なリードアウトをしてくれた。僕が勝てたのはチームの働きのおかげだ。彼らの素晴らしい働きのおかげで、最後のストレートで思い通りのスプリントに持ち込めた。今日はスプリンター達にとって、ミラノを除けば最後のチャンス。このチャンスをモノにしたかった」と、完璧なリードアウトに感謝を述べるモードロ。イタリアンスプリンターの争いを制したモードロにとっては、今回が嬉しいジロ初勝利だ。
そして落車に巻き込まれ、遅れを喫してしまったコンタドールは必死の追走叶わず40秒遅れでフィニッシュ。アルが無事に先頭集団(正確にはモードロから4秒遅れ)でゴールラインを切っているため、この時点で総合順位が逆転。アルは19秒差を持ってマリアローザを手にすることとなった。
また今大会トラブル続きのリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)も足止めを食らい、総合で5分遅れにまで転落することに。不意にマリアローザを失ってしまったコンタドールにとって、個人TT前の一日が悪夢の13日の金曜日となってしまった。
※現地取材中の辻啓が第13ステージ後、車上荒らしによって機材を盗まれたため、数日間現地レポートの配信を停止させて頂きます。
マリアローザを獲得したファビオ・アル(イタリア、アスタナ) photo:Kei Tsuji
ジロ・デ・イタリア2015第13ステージ結果
1位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ) 3h03'08"
2位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
3位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)
4位 アレクサンドル・ポルセフ(ロシア、カチューシャ)
5位 エドワード・グロース(ルーマニア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
6位 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ランプレ・メリダ)
7位 モレノ・ホフランド(オランダ、ロットNLユンボ)
8位 ニコラ・ルッフォーニ(イタリア、バルディアーニCSF)
9位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・アルペシン)
10位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、IAMサイクリング)
18位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ) +04"
22位 別府史之(トレックファクトリーレーシング)
46位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +40"
102位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ) +2'08"
個人総合成績
マリアロッサ ポイント賞
ニコラ・ボエム(イタリア、バルディアーニCSF)
マリアアッズーラ 山岳賞
ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)
マリアビアンカ ヤングライダー賞
ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
チーム総合成績
アスタナ
text:So.Isobe
photo:Kei.Tsuji






現地の気温は15℃ほどで、天候は雨。多くの選手たちが防寒具を着込み、総合首位のアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)もマリアローザを黒いレインジャケットの下に隠した。
この日は前日に落車したサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)がスタートせず、全183名がモンテッキオ・マッジョーレを出発。リアルスタートが切られた直後、真っ先にフランコ・ペッリゾッティ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)がアタックした。
ベルト・デバッカー(ベルギー、ジャイアント・アルペシン)らを引き連れたペッリゾッティのアタックは成功せず。変わって飛び出しに成功したのは、逃げのスペシャリストであるジェローム・ピノー(フランス、IAMサイクリング)、マルコ・フラッポルティ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)、そしてエリック・ツァベルの息子であるリック・ツァベル(ドイツ、BMCレーシング)。
3名の逃げだったものの、距離が150km弱であること、雨であること、そしてスプリンターチームが徹底的に集団コントロールを担ったことが影響し、タイム差はおよそ2分止まり。この日も序盤の平均速度は50km/hに近づいた。





落車を回避した50名弱によるスプリント。最も人数を残したランプレ・メリダが残り2kmから主導権を握り、ゴール前でマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)からサーシャ・モードロ(イタリア)が発進した。番手につけたニッツォーロの追い上げを許さず、モードロが力強いガッツポーズを繰り出した。
「リケーゼが完璧なリードアウトをしてくれた。僕が勝てたのはチームの働きのおかげだ。彼らの素晴らしい働きのおかげで、最後のストレートで思い通りのスプリントに持ち込めた。今日はスプリンター達にとって、ミラノを除けば最後のチャンス。このチャンスをモノにしたかった」と、完璧なリードアウトに感謝を述べるモードロ。イタリアンスプリンターの争いを制したモードロにとっては、今回が嬉しいジロ初勝利だ。
そして落車に巻き込まれ、遅れを喫してしまったコンタドールは必死の追走叶わず40秒遅れでフィニッシュ。アルが無事に先頭集団(正確にはモードロから4秒遅れ)でゴールラインを切っているため、この時点で総合順位が逆転。アルは19秒差を持ってマリアローザを手にすることとなった。
また今大会トラブル続きのリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)も足止めを食らい、総合で5分遅れにまで転落することに。不意にマリアローザを失ってしまったコンタドールにとって、個人TT前の一日が悪夢の13日の金曜日となってしまった。
※現地取材中の辻啓が第13ステージ後、車上荒らしによって機材を盗まれたため、数日間現地レポートの配信を停止させて頂きます。

ジロ・デ・イタリア2015第13ステージ結果
1位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ) 3h03'08"
2位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
3位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)
4位 アレクサンドル・ポルセフ(ロシア、カチューシャ)
5位 エドワード・グロース(ルーマニア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
6位 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ランプレ・メリダ)
7位 モレノ・ホフランド(オランダ、ロットNLユンボ)
8位 ニコラ・ルッフォーニ(イタリア、バルディアーニCSF)
9位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・アルペシン)
10位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、IAMサイクリング)
18位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ) +04"
22位 別府史之(トレックファクトリーレーシング)
46位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +40"
102位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ) +2'08"
個人総合成績
1位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
3位 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ)
4位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
5位 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ)
6位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ)
7位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング)
8位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター)
9位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)
10位 ユーリ・トロフィモフ(ロシア、カチューシャ)
17位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
3位 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ)
4位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
5位 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ)
6位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ)
7位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング)
8位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター)
9位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)
10位 ユーリ・トロフィモフ(ロシア、カチューシャ)
17位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)
54h20'35"
+19"
+1'14"
+1'38"
+1'49"
+2'02"
+2"12"
+2"21"
+2"40"
+3'15"
+5'05"
+19"
+1'14"
+1'38"
+1'49"
+2'02"
+2"12"
+2"21"
+2"40"
+3'15"
+5'05"
マリアロッサ ポイント賞
ニコラ・ボエム(イタリア、バルディアーニCSF)
マリアアッズーラ 山岳賞
ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)
マリアビアンカ ヤングライダー賞
ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
チーム総合成績
アスタナ
text:So.Isobe
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