5月18日から25日までの8日間にわたり、国内最大級のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」が開催される。大会日程と出場チームをおさらいし、新城幸也らが出席したオンライン会見でのコメントを紹介する。



2024年大会、東京ステージでのパレードスタート photo:Satoru Kato

UCIアジアツアー2.2クラスのステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」が、明日5月18日に大阪府堺市で開幕する。最終日の東京まで8日間8ステージ、計769.5km、総獲得標高13,319mのレースに、国内外合わせて16チームが出場する。大会日程と出場チームは以下表の通り。
ツアー・オブ・ジャパン2025 大会日程
日程 ステージ 距離
5月18日 第1ステージ 堺 個人TT・1.6km
5月19日 第2ステージ 京都 103.6km
5月20日 第3ステージ いなべ 127km
5月21日 第4ステージ 美濃 137.3km
5月22日 第5ステージ 信州飯田 120.9km
5月23日 第6ステージ 富士山 66.6km
5月24日 第7ステージ 相模原 107.5km
5月25日 第8ステージ 東京 104km
ツアー・オブ・ジャパン2025 出場チーム
海外チーム
ソリューションテック ヴィーニファンティーニ(イタリア/PRT)
トレンガヌ サイクリング チーム(マレーシア/CT)
ルージャイ インシュアランス(タイ/CT)
ワンティ・NIPPO・リユーズ(ベルギー/CT)
シーキャッシュ X ボディラップ(オーストラリア/CT)
レンベ・ラド・ネット(ドイツ/CT) 若手育成チーム
チームブッファーズ・ジェスチョン ド パトリモワンヌ(フランス/CLUB)
国内チーム
JCL TEAM UKYO(日本/CT) キナンレーシングチーム(日本/CT)
マトリックス パワータグ(日本/CT) ヴィクトワール広島(日本/CT)
宇都宮ブリッツェン(日本/CT) シマノレーシング(日本/CT)
VC福岡(日本/CT) 愛三工業レーシングチーム(日本/CT)
日本ナショナルチーム(日本/NAT)
堺ステージでは個人TTの前に堺国際クリテリウムが行われる ©️TOJ 2024
前半はスプリント勝負になるステージが続く photo:Satoru Kato


今年も最大の勝負所となるか富士山ステージ photo:Satoru Kato

最終日は東京・大井埠頭の周回コース photo:Satoru Kato

堺での個人タイムトライアルでスタートし、前半はアップダウン控えめのスプリント勝負になるステージが続き、第5ステージの信州飯田、第6ステージの富士山で総合優勝の行方が見え、第7ステージの相模原では各賞ジャージがおよそ決まる。そして第8ステージ東京・大井埠頭でのスプリンター勝負でフィナーレを迎える。

出場チームは、海外7チーム、国内8チーム+日本ナショナルチームの構成。海外4チームと国内チームは、先週まで開催されていた「ツール・ド・熊野(UCI2.2)」から引き続きの出場となる。

ツール・ド・熊野で2勝したドゥシャン・ラヨビッチ。後方に総合優勝したマーク・スチュワート(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) photo:Satoru Kato

そのツール・ド・熊野では、新城幸也が所属するソリューションテック・ヴィーニファンティーニが格の違いを見せつけ、全4ステージ中3勝し、個人総合優勝とポイント賞を獲得した。特に和歌山城クリテリウムを含め3勝したドゥシャン・ラヨビッチのスプリント力はずば抜けており、ツアー・オブ・ジャパンでもスプリントステージでの優勝候補筆頭に挙げられる。

さらにツアー・オブ・ジャパンでは富士山でのステージに備えて山を登れるメンバーが加わり、総合優勝を狙える体制で臨む。ツール・ド・熊野に続き、今大会唯一のUCIプロチームとしての力を見せるか。

ツール・ド・熊野でチーム総合優勝のトレンガヌ・サイクリングチーム photo:Satoru Kato

また、ツール・ド・熊野ではトレンガヌ・サイクリングチームも強さを見せた。勝利こそ挙げられなかったものの、勝負の要所に絡んでーム総合優勝を決めた。ツアー・オブ・ジャパンでも同様の活躍を見せるか?

ツール・ド・熊野では日本人主体だったメンバー構成を大きく変えるJCLチーム右京 photo:Satoru Kato

一方、ディフェンディングチャンピオンチームのJCLチーム右京は、ツール・ド・熊野からメンバーを大幅に入れ替え、日本人選手は小石祐馬のみの布陣で臨む。エースナンバー「1」をつける小石祐馬は熊野で好調ぶりを見せており、今大会でも総合優勝争いに絡むことが期待される。

また、日本ナショナルチームからは、タイムトライアル全日本チャンピオンの金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)が初出場するほか、今シーズン好調の渡辺一気をはじめ京都産業大学から3名が出場する。



新城幸也ら4名が出席したオンライン前日会見

前日会見に出席した4名、左から新城幸也、レイン・タラマエ、金子宗平、渡辺一気 ©︎TOJ2025

17時から開催されたオンライン会見には、新城幸也(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)、レイン・タラマエ(キナンレーシングチーム)、金子宗平、渡辺一気(日本ナショナルチーム)ら4名が出席。今大会にかける意気込みを語った。

新城幸也(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) ©︎TOJ2025
新城幸也「競技生活で印象に残っているツアー・オブ・ジャパン」

ツアー・オブ・ジャパンは2018年以来。浅田顕さんのチームで走っていた頃にも目標にしていたレース。2016年に大腿骨骨折から復帰した最初のレースでステージ優勝出来て、競技生活の中でも印象に残っている大会。

日本での連戦はこれまであまり機会が無かったが、ヨーロッパでのレースのように終わったらすぐに解散ではなく、チームメイトと話を出来るので、今年から加入したチームでもあるので、絆を深める良い機会だと思っている。チームには日本人選手の情報が無いので、誰を逃して良いかを僕が選別している。ツアー・オブ・ジャパンは3つのスプリンターステージがあるので、強いスプリンターを連れてきているのでしっかり狙いたい。個人的には富士山ステージの周回コースは未経験なのと、いなべステージがどうなるか面白そうだと思っている。

チームは気合いを入れて日本に来ている。ツール・ド・熊野では4戦3勝出来たので、ツアー・オブ・ジャパンでは8戦8勝を狙っていきたい。久々に日本の皆さんの前で走るので、お会いできるのを楽しみにしている。

レイン・タラマエ(キナンレーシングチーム) ©︎TOJ2025
レイン・タラマエ「ツアー・オブ・ジャパンは一歩先を行ってる大会」

ツアー・オブ・ジャパンは若い時から知っていて、日本で一番大きなレースなので出場出来て嬉しい。ツアー・オブ・ジャパンはヨーロッパに無いような周回コースが多い印象。周回コースはストレスが少なく、周回しながらコースの状況を見られるので良いと思う。一番ハードなのは富士山だろう。ヨーロッパでもそこまで斜度が厳しく高い山を登ることは少ない。だから富士山までに動きたいと思っている。周回コースのレースは他の国のレースにも影響を与えると思う。どの国もレース開催のための交通規制の問題があり、ツアー・オブ・ジャパンは一歩先を行ってると思う。

ハードなレースになるが勝ちたいと思っている。総合優勝は難しいかもしれないがステージ優勝出来たら嬉しい。自分もチームも好調なので、チームの誰かが勝てれば良いなとも思っている。

TOJだるまに目を入れる金子宗平 ©︎TOJ2025
金子宗平「初出場で未知なところも多いが楽しみ」

ツアー・オブ・ジャパンは初めて出場。ステージレースはこれまで3日間までだったので未知なところも多いが楽しみ。今日ナショナルチームが集合して若い選手で活気があって、協力して頑張りたい。勝負になるのは信州飯田と富士山だと思う。ヒルクライムレースはよく出ており、注目されていると思うので、どこまで良い走りが出来るかが総合争いのカギになると思う。チームの合宿でふじあざみラインに似た登りで練習してきたので、調子は良いと感じている。

チームでは自分が最年長。一番下は大学1年生のメンバーもいるので、こういうレースがきっかけで世界につながるようになればと思い、チームを引っ張っていきたい。

渡辺一気(日本ナショナルチーム) ©︎TOJ2025
渡辺一気「ステージ優勝を狙いたい」

強い選手がたくさんいて、なかなか大きなレースを走る機会は少ないので、自分の実力を発揮できるようにしたい。昨年は京都ステージで落車してから調子が上がらず、富士山で終わってしまった。総合優勝狙うなら富士山は重要だが、今年はステージ優勝を狙っていきたい。チームとしても脚のあるメンバーが揃ったので、ステージ優勝と総合順位を狙っていきたい。



text:Satoru Kato
photo:TOJ2025