2015/05/19(火) - 12:31
今年のジロ・デ・イタリアは一週目から波乱の展開。マリアローザを手に入れた次のステージで大落車に巻き込まれ、肩を脱臼しながらもその後の山岳の連戦を耐え抜いたアルベルト・コンタドール。休息日に行った記者会見の様子をお伝えします。
今の調子はどうですか?
クラッシュしたステージの後、日を追うごとに肩の状態は良くなってきている。昨日のステージでは、一昨日のカンピテッロ・マテーゼの登りよりも普段の調子に近いケイデンスを維持することができた。ジロがまだ始まったばかりだということを考えても、この段階で総合首位に立っているということはとても良い状況だと感じている。ライバルたちにリードを持っていることで、彼らは僕を倒すために動く必要があるということだからね。
今年はダブルツールを狙うと表明していましたが、落車の影響は?
落車した瞬間、そのことを考えていたよ。これまで鎖骨を折ったことがなかったんだけど、ついにやってしまったかと恐れていたね。それから、自分で脱臼した肩を嵌め直したんだ。そして、これまで僕が払ってきた大きな犠牲と、今シーズンダブルツールを狙って積み重ねてきた努力のことを考えた。
でも、リタイアして家に帰るという考えは一度も思い浮かばなかったね。僕がもし、このレースから帰されていたとしたら、心理学者のセラピーを受ける必要があったんじゃないかな。
なぜダブルツールを目標に?3大ツールを制したあとのダブルツール達成者として歴史に残りたかった?
僕にとって、そういったことはエクストラな動機なんだ。ダブルツールに成功したら、かなりタフできっと忘れられない挑戦になるだろう。でも、純粋にスポーツとしてその困難さ故に、僕は挑戦したいんだ。
どこかでリーダージャージを失う可能性を考えたことはありますか?
その可能性については考えたくないね(笑)
それはそうですね(笑)でも、実際にこれからのステージで注意すべき日は?
昨日みたいに、このジャージはどのステージだって守ることは難しいんだ。でも、特に注意すべきはこの大会唯一の個人タイムトライアルとなる第14ステージだ。リッチー・ポートはタイムトライアルを得意としているからね。今年のジロはジャージをどこかで失ったとしても取り返すことができるようなステージが多く用意されている。いずれにせよ、僕がジャージを失ったことがないというのも、単なる統計にすぎないさ。
今朝、TTバイクをテストしていたようですが
この休息日でバイクのポジションをテストしていたんだ。この5日間でだいぶ回復してきているけれど、エアロバーの幅を広げることにした。空力的には多少のロスになるけれど、肩への負担は減るからね。この状況だと、そちらの方が大切さ。
ポジションの変更というのは、TTステージの最後に登りがあるから?
ポジション変更は肩を守るためのもの。今年のタイムトライアルではエアロダイナミクスを一番重要視するべきだと思っている。実際にコースをトレーニングで走ったけど、最後の登りはすごく緩やか。平均速度は40㎞/hを超えていたよ。
肩の負傷を克服することで、より勝利へのモチベーションが高まった?
いや、今以上に勝ちたいと思う気持ちが強まることは無いだろうね。なぜなら、このジロのために入念に準備してきたんだ。フィジカルな要素はもちろんのこと、メンタルの部分でもトレーニングを重ねてきたからね。僕が何をするのか、楽しみにしていてほしい。
最初の週を終えて、誰が最も強力なライバルになりそう?
僕の当面のライバルはアルとポートの二人だ。ポートは特にタイムトライアルでアドバンテージを持っているから、14ステージの後の総合順位には注意を払っていきたいね。一方アルが得意とするのは、僕と同じく超級山岳。そして彼が多くのエネルギーを使っているというのは事実だけど、それに対応するために僕らも消耗しているのもまた事実。だからアルとポートがもっとも僕にとって危険な選手たちだよ。
タイムトライアルの前には、イージーなステージが続きますが、その中で気にかけているステージはありますか?
まだ本当に激しい山岳ステージがあったわけでもないのに、この1週間は非常にタフだった。プロトンは消耗しているし、これからのフラットなステージは回復期間のように思えるけど、一つ一つ丁寧に走っていくつもりだよ。タイムトライアルまでに、どれだけ脚を貯めておけるかが大切だからね。
タイムトライアルステージの前にリーダージャージを失う心配はありますか?
そのことは特に恐れていない。一度、リーダージャージを他の選手に移そうと試みた。でも逃げを容認しようと集団のペースを落としたら、アスタナが積極的にペースを上げたので何も起きなかったんだ。本当のゴールはマリアローザを着てミラノに辿りつくこと。それまで、ジャージが誰の手にあろうと気にしないよ。
※コメントはチーム公式サイトより。
text:Naoki.Yasuoka
photo:Kei.Tsuji,Tim de Waele,www.tinkoffsaxo.com
今の調子はどうですか?
クラッシュしたステージの後、日を追うごとに肩の状態は良くなってきている。昨日のステージでは、一昨日のカンピテッロ・マテーゼの登りよりも普段の調子に近いケイデンスを維持することができた。ジロがまだ始まったばかりだということを考えても、この段階で総合首位に立っているということはとても良い状況だと感じている。ライバルたちにリードを持っていることで、彼らは僕を倒すために動く必要があるということだからね。
今年はダブルツールを狙うと表明していましたが、落車の影響は?
落車した瞬間、そのことを考えていたよ。これまで鎖骨を折ったことがなかったんだけど、ついにやってしまったかと恐れていたね。それから、自分で脱臼した肩を嵌め直したんだ。そして、これまで僕が払ってきた大きな犠牲と、今シーズンダブルツールを狙って積み重ねてきた努力のことを考えた。
でも、リタイアして家に帰るという考えは一度も思い浮かばなかったね。僕がもし、このレースから帰されていたとしたら、心理学者のセラピーを受ける必要があったんじゃないかな。
なぜダブルツールを目標に?3大ツールを制したあとのダブルツール達成者として歴史に残りたかった?
僕にとって、そういったことはエクストラな動機なんだ。ダブルツールに成功したら、かなりタフできっと忘れられない挑戦になるだろう。でも、純粋にスポーツとしてその困難さ故に、僕は挑戦したいんだ。
どこかでリーダージャージを失う可能性を考えたことはありますか?
その可能性については考えたくないね(笑)
それはそうですね(笑)でも、実際にこれからのステージで注意すべき日は?
昨日みたいに、このジャージはどのステージだって守ることは難しいんだ。でも、特に注意すべきはこの大会唯一の個人タイムトライアルとなる第14ステージだ。リッチー・ポートはタイムトライアルを得意としているからね。今年のジロはジャージをどこかで失ったとしても取り返すことができるようなステージが多く用意されている。いずれにせよ、僕がジャージを失ったことがないというのも、単なる統計にすぎないさ。
今朝、TTバイクをテストしていたようですが
この休息日でバイクのポジションをテストしていたんだ。この5日間でだいぶ回復してきているけれど、エアロバーの幅を広げることにした。空力的には多少のロスになるけれど、肩への負担は減るからね。この状況だと、そちらの方が大切さ。
ポジションの変更というのは、TTステージの最後に登りがあるから?
ポジション変更は肩を守るためのもの。今年のタイムトライアルではエアロダイナミクスを一番重要視するべきだと思っている。実際にコースをトレーニングで走ったけど、最後の登りはすごく緩やか。平均速度は40㎞/hを超えていたよ。
肩の負傷を克服することで、より勝利へのモチベーションが高まった?
いや、今以上に勝ちたいと思う気持ちが強まることは無いだろうね。なぜなら、このジロのために入念に準備してきたんだ。フィジカルな要素はもちろんのこと、メンタルの部分でもトレーニングを重ねてきたからね。僕が何をするのか、楽しみにしていてほしい。
最初の週を終えて、誰が最も強力なライバルになりそう?
僕の当面のライバルはアルとポートの二人だ。ポートは特にタイムトライアルでアドバンテージを持っているから、14ステージの後の総合順位には注意を払っていきたいね。一方アルが得意とするのは、僕と同じく超級山岳。そして彼が多くのエネルギーを使っているというのは事実だけど、それに対応するために僕らも消耗しているのもまた事実。だからアルとポートがもっとも僕にとって危険な選手たちだよ。
タイムトライアルの前には、イージーなステージが続きますが、その中で気にかけているステージはありますか?
まだ本当に激しい山岳ステージがあったわけでもないのに、この1週間は非常にタフだった。プロトンは消耗しているし、これからのフラットなステージは回復期間のように思えるけど、一つ一つ丁寧に走っていくつもりだよ。タイムトライアルまでに、どれだけ脚を貯めておけるかが大切だからね。
タイムトライアルステージの前にリーダージャージを失う心配はありますか?
そのことは特に恐れていない。一度、リーダージャージを他の選手に移そうと試みた。でも逃げを容認しようと集団のペースを落としたら、アスタナが積極的にペースを上げたので何も起きなかったんだ。本当のゴールはマリアローザを着てミラノに辿りつくこと。それまで、ジャージが誰の手にあろうと気にしないよ。
※コメントはチーム公式サイトより。
text:Naoki.Yasuoka
photo:Kei.Tsuji,Tim de Waele,www.tinkoffsaxo.com
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