2015/05/12(火) - 05:26
2級山岳バルバジェラータの下りで激しく落車したドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)は幸い命に別状は無し。マリアローザを着るマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が縮小した集団によるスプリントで勝利しました。
レース主催者RCSスポルトは3級と2級山岳を含むアップダウンコースを大会3日目に放り込んできた。美しきリグーリア海岸のラパッロとセストリレヴァンテを結ぶ136kmコースは今大会最短クラスだが、序盤からとにかく登っては下ってを繰り返す。
残り42km地点で登坂距離5.5km/平均勾配7%オーバーの2級山岳バルバジェラータ(直訳すると「凍った髭」)を越えると、標高1115mから勢いよくダウンヒル。20kmに及ぶ平坦区間を経てフィニッシュを迎える。
晴天に恵まれた短距離ステージはスタート直後から高速化。25名もの逃げグループが先行したところでアタックは一旦落ち着いたものの、ティンコフ・サクソ率いるメイン集団はペースを刻んでタイム差の拡大を阻止した。
ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)やアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)、フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)といったステージ優勝経験者や、ジロ初出場トム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)を含む逃げは1分前後のリードをキープしながら内陸の山岳地帯を進む。アップダウンを繰り返すうちに逃げグループは絞られ、同時にメイン集団の人数も絞られていった。
この日もティンコフ・サクソがバーチャルリーダーチームとして徹底的に集団をコントロール。2級山岳バルバジェラータの登りが始まると集団の縮小スピードが加速し、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)やルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・アルペシン)といったスプリンターが軒並み脱落してしまう。
タイム差が30秒を切る中、2級山岳バルバジェラータの頂上手前でパヴェル・コチェトコフ(ロシア、カチューシャ)が飛び出してそのままダウンヒルへ。追走グループとメイン集団を逆に引き離しながら長いダウンヒルをこなしていく。
この下り区間で、およそフィニッシュまで30kmを残してドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)が落車。前日に落車の影響で1分のタイムを失っていたイタリアンクライマーは動きを見せないまま救急車で病院へと搬送された。その容態が心配されたが、ポッツォヴィーヴォに骨折は見つからず、呼吸も安定し、はっきりとした意識で検査を行っているという。詳しくは現地レポートでお伝えします。
下りを終えて平坦路に差し掛かると、先頭を独走していたコチェトコフにハンセンやマチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCスプランディポルコウィチェ)、そして逃げグループ内で力を貯めていたサイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が合流。しかし迫り来る集団を振り切れず、ハンセンやコチェトコフのアタックも封じ込められた。
こうしてセストリレヴァンテにやってきた74名の集団。街中に向かう幹線道路で、ピュアスプリンターを欠くスプリント勝負が始まる。先頭に飛び出したファビオ・フェリーネ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)を、マリアローザのマシューズが追撃した。
序盤から逃げていたジルベールもスプリントに加わったものの、豊富なアシスト陣に一日中サポートされていたマシューズが伸びる。先行するフェリーネを抜き去ったマリアローザが両手を挙げた。
2年連続マリアローザを着てステージ優勝を飾ったマシューズは「今朝マリアローザを着た瞬間に自信が湧いてきた」と、マリアローザマジックについて語る。「僕のために100%の力で走ってくれたチームメイトに感謝だ。予想通りとてもハードなレースになったけど、逃げグループにチームメイト2人が入っていたし、仮に逃げ切ってもステージ優勝のチャンスがあると思っていた。この勝利はチームメイトと、そしてポッツォヴィーヴォに捧げたい。彼が無事であることを祈る」。
第3ステージを終えて依然としてオリカ・グリーンエッジが総合4位までを占め、オーストラリア人が総合トップ3までを占めている。マシューズはマリアローザとマリアビアンカをキープ。マリアロッサはエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)が守っている。マリアアッズーラはこの日逃げたコチェトコフの手に渡った。
別府史之(トレックファクトリーレーシング)は14分07秒の集団、石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ)は22分12秒遅れのグルペットでフィニッシュ。前日に不安材料を残した石橋はハードな1日を乗り切っている。
現地の様子や日本人選手のコメントなどは現地レポートでお伝えします。
ジロ・デ・イタリア2015第3ステージ結果
1位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 3h33’53”
2位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
3位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
4位 セルゲイ・ラグティン(ロシア、カチューシャ)
5位 パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ)
6位 ルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)
7位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、サウスイースト)
8位 エンリーコ・バッタリーン(イタリア、バルディアーニCSF)
9位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)
10位 ヨナタン・モンサルベ(ベネズエラ、サウスイースト)
102位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング) +14’07”
171位 石橋学(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ) +22’12”
個人総合成績
1位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 8h06’27”
2位 サイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +06”
3位 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +10”
4位 エスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)
5位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ) +17”
6位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
7位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)
8位 パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ) +23”
9位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
10位 ディエゴ・ローザ(イタリア、アスタナ)
マリアロッサ ポイント賞
エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)
マリアアッズーラ 山岳賞
パヴェル・コチェトコフ(ロシア、カチューシャ)
マリアビアンカ ヤングライダー賞
マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
チーム総合成績
オリカ・グリーンエッジ
text&photo:Kei Tsuji in Sestri Levante, Italy
レース主催者RCSスポルトは3級と2級山岳を含むアップダウンコースを大会3日目に放り込んできた。美しきリグーリア海岸のラパッロとセストリレヴァンテを結ぶ136kmコースは今大会最短クラスだが、序盤からとにかく登っては下ってを繰り返す。
残り42km地点で登坂距離5.5km/平均勾配7%オーバーの2級山岳バルバジェラータ(直訳すると「凍った髭」)を越えると、標高1115mから勢いよくダウンヒル。20kmに及ぶ平坦区間を経てフィニッシュを迎える。
晴天に恵まれた短距離ステージはスタート直後から高速化。25名もの逃げグループが先行したところでアタックは一旦落ち着いたものの、ティンコフ・サクソ率いるメイン集団はペースを刻んでタイム差の拡大を阻止した。
ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)やアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)、フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)といったステージ優勝経験者や、ジロ初出場トム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)を含む逃げは1分前後のリードをキープしながら内陸の山岳地帯を進む。アップダウンを繰り返すうちに逃げグループは絞られ、同時にメイン集団の人数も絞られていった。
この日もティンコフ・サクソがバーチャルリーダーチームとして徹底的に集団をコントロール。2級山岳バルバジェラータの登りが始まると集団の縮小スピードが加速し、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)やルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・アルペシン)といったスプリンターが軒並み脱落してしまう。
タイム差が30秒を切る中、2級山岳バルバジェラータの頂上手前でパヴェル・コチェトコフ(ロシア、カチューシャ)が飛び出してそのままダウンヒルへ。追走グループとメイン集団を逆に引き離しながら長いダウンヒルをこなしていく。
この下り区間で、およそフィニッシュまで30kmを残してドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)が落車。前日に落車の影響で1分のタイムを失っていたイタリアンクライマーは動きを見せないまま救急車で病院へと搬送された。その容態が心配されたが、ポッツォヴィーヴォに骨折は見つからず、呼吸も安定し、はっきりとした意識で検査を行っているという。詳しくは現地レポートでお伝えします。
下りを終えて平坦路に差し掛かると、先頭を独走していたコチェトコフにハンセンやマチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCスプランディポルコウィチェ)、そして逃げグループ内で力を貯めていたサイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が合流。しかし迫り来る集団を振り切れず、ハンセンやコチェトコフのアタックも封じ込められた。
こうしてセストリレヴァンテにやってきた74名の集団。街中に向かう幹線道路で、ピュアスプリンターを欠くスプリント勝負が始まる。先頭に飛び出したファビオ・フェリーネ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)を、マリアローザのマシューズが追撃した。
序盤から逃げていたジルベールもスプリントに加わったものの、豊富なアシスト陣に一日中サポートされていたマシューズが伸びる。先行するフェリーネを抜き去ったマリアローザが両手を挙げた。
2年連続マリアローザを着てステージ優勝を飾ったマシューズは「今朝マリアローザを着た瞬間に自信が湧いてきた」と、マリアローザマジックについて語る。「僕のために100%の力で走ってくれたチームメイトに感謝だ。予想通りとてもハードなレースになったけど、逃げグループにチームメイト2人が入っていたし、仮に逃げ切ってもステージ優勝のチャンスがあると思っていた。この勝利はチームメイトと、そしてポッツォヴィーヴォに捧げたい。彼が無事であることを祈る」。
第3ステージを終えて依然としてオリカ・グリーンエッジが総合4位までを占め、オーストラリア人が総合トップ3までを占めている。マシューズはマリアローザとマリアビアンカをキープ。マリアロッサはエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)が守っている。マリアアッズーラはこの日逃げたコチェトコフの手に渡った。
別府史之(トレックファクトリーレーシング)は14分07秒の集団、石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ)は22分12秒遅れのグルペットでフィニッシュ。前日に不安材料を残した石橋はハードな1日を乗り切っている。
現地の様子や日本人選手のコメントなどは現地レポートでお伝えします。
ジロ・デ・イタリア2015第3ステージ結果
1位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 3h33’53”
2位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
3位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
4位 セルゲイ・ラグティン(ロシア、カチューシャ)
5位 パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ)
6位 ルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)
7位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、サウスイースト)
8位 エンリーコ・バッタリーン(イタリア、バルディアーニCSF)
9位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)
10位 ヨナタン・モンサルベ(ベネズエラ、サウスイースト)
102位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング) +14’07”
171位 石橋学(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ) +22’12”
個人総合成績
1位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 8h06’27”
2位 サイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +06”
3位 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +10”
4位 エスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)
5位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ) +17”
6位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
7位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)
8位 パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ) +23”
9位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
10位 ディエゴ・ローザ(イタリア、アスタナ)
マリアロッサ ポイント賞
エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)
マリアアッズーラ 山岳賞
パヴェル・コチェトコフ(ロシア、カチューシャ)
マリアビアンカ ヤングライダー賞
マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
チーム総合成績
オリカ・グリーンエッジ
text&photo:Kei Tsuji in Sestri Levante, Italy
フォトギャラリー
Amazon.co.jp