2015/05/03(日) - 18:59
5月2日、イギリス・マンチェスターのヴェロドロームで、アレックス・ダウセット(イギリス、モビスター)がアワーレコードに挑戦。ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)の記録を446m上回り、52.937kmの新記録を樹立することに成功した。
アワーレコードに挑むアレックス・ダウセット(イギリス、モビスター) (c)movistarteam.com
スタートを切るアレックス・ダウセット(イギリス、モビスター) (c)movistarteam.com
マンチェスターのヴェロドロームに集まった大勢の観客の声援を受け走る (c)movistarteam.com
52.937kmの世界新記録を樹立したアレックス・ダウセット(イギリス、モビスター) (c)movistarteam.comトレーニング中の落車により鎖骨を骨折し、延期となっていたダウセットのアワーレコード挑戦。同郷のクリス・ボードマンが1996年9月に"スーパーマンスタイル"で当時世界最高記録の56.375kmを記録したイギリス・マンチェスターのナショナルトレーニングセンターを舞台に、記録更新に挑んだ。
この日ダウセットが使用したバイクはキャニオン「Speedmax WHR」。普段使用するTTバイク「Speedmax」をベースとし、トラックエンド化やジオメトリーの最適化を施した1台だ。エアロチェーリングやBORA ULTRA TTをベースとした前後のディスクホイールなど、ダウセットのアワーレコード挑戦に向けて開発されたカンパニョーロのスペシャルパーツがアッセンブルされている。
大勢の観客が見守る中、スタートを切ったダウセット。最初の10kmで+3.163秒、20kmで+6.024秒、30kmで+8.109秒とデニスに対して徐々に遅れを喫す。
しかし、残り15分から急ピッチでペースを上げ、それまで約17.1秒であったラップタイムは16.5秒に。45km完了時点でデニスの記録を-1.572秒リードすると、そのまま勢いで突き進むダウセットは最終的に1時間で52.937kmを走破。2月にデニスが樹立した記録を446m上回り、新たなアワーレコードホルダーとなった。
「実はトレーニングで実際にテストしたのは35分まで。だから残りの25分はちょっとした未知の領域だった。でも、最初の30分を終えて思っていたほど疲労していなかった。だけど予想していたペースを上回っていた。オーバーペースじゃないかと不安になったけど、それは僕がしっかりと準備できていたことを証明してくれた」とデニスに対してビハインドとなった序盤についてコメントするダウセット。
一方で最後の15分でペースを上げたことについては「あまり好意的ではなかったけどコーチを信じて最初の45分をデニスより遅いペースで走るという作戦をとった。途中でちょっと焦ってペースを上げてしまったけど、コーチのスティーブが作戦通りのペースを取り戻してくれた。チームのみんなからは、もし調子が良ければ残り5分から全力で行けと言われた。実際には体力的に問題ないと感じたから、残り10分になって更にちょっとだけペースを上げることができたんだ。本当に夢の様だった」と語っている。
また、自信と同じ境遇の血友病患者へ向けては「今回の挑戦がまだ若い血友病患者へのメッセ―ジになってくれればと思う。世の中には逆境と戦っている仲間がたくさんいる。幸いなことに、僕は病気のことをいつも気にかけてくれる家族に恵まれた。だからこそ今回のアワーレコード挑戦にむけて努力することができた。今日は失敗したか成功したかは重要ではない。これまで成し遂げられなかったことに挑戦したということこそが大事なんだ。」とメッセージを送った。
次にアワーレコードに挑戦するのは、大本命であり現タイムトライアル世界王者であるブラドレー・ウィギンズ(イギリス)。平均時速53kmの大台に乗せることができるのか。その挑戦に早くも注目が集まっている。
コメント及び写真はチーム公式サイトより。
アレックス・ダウセット(イギリス、モビスター)のキャニオン Speedmax WHR (c)キャニオン
text:Yuya.Yamamoto
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この日ダウセットが使用したバイクはキャニオン「Speedmax WHR」。普段使用するTTバイク「Speedmax」をベースとし、トラックエンド化やジオメトリーの最適化を施した1台だ。エアロチェーリングやBORA ULTRA TTをベースとした前後のディスクホイールなど、ダウセットのアワーレコード挑戦に向けて開発されたカンパニョーロのスペシャルパーツがアッセンブルされている。
大勢の観客が見守る中、スタートを切ったダウセット。最初の10kmで+3.163秒、20kmで+6.024秒、30kmで+8.109秒とデニスに対して徐々に遅れを喫す。
しかし、残り15分から急ピッチでペースを上げ、それまで約17.1秒であったラップタイムは16.5秒に。45km完了時点でデニスの記録を-1.572秒リードすると、そのまま勢いで突き進むダウセットは最終的に1時間で52.937kmを走破。2月にデニスが樹立した記録を446m上回り、新たなアワーレコードホルダーとなった。
「実はトレーニングで実際にテストしたのは35分まで。だから残りの25分はちょっとした未知の領域だった。でも、最初の30分を終えて思っていたほど疲労していなかった。だけど予想していたペースを上回っていた。オーバーペースじゃないかと不安になったけど、それは僕がしっかりと準備できていたことを証明してくれた」とデニスに対してビハインドとなった序盤についてコメントするダウセット。
一方で最後の15分でペースを上げたことについては「あまり好意的ではなかったけどコーチを信じて最初の45分をデニスより遅いペースで走るという作戦をとった。途中でちょっと焦ってペースを上げてしまったけど、コーチのスティーブが作戦通りのペースを取り戻してくれた。チームのみんなからは、もし調子が良ければ残り5分から全力で行けと言われた。実際には体力的に問題ないと感じたから、残り10分になって更にちょっとだけペースを上げることができたんだ。本当に夢の様だった」と語っている。
また、自信と同じ境遇の血友病患者へ向けては「今回の挑戦がまだ若い血友病患者へのメッセ―ジになってくれればと思う。世の中には逆境と戦っている仲間がたくさんいる。幸いなことに、僕は病気のことをいつも気にかけてくれる家族に恵まれた。だからこそ今回のアワーレコード挑戦にむけて努力することができた。今日は失敗したか成功したかは重要ではない。これまで成し遂げられなかったことに挑戦したということこそが大事なんだ。」とメッセージを送った。
次にアワーレコードに挑戦するのは、大本命であり現タイムトライアル世界王者であるブラドレー・ウィギンズ(イギリス)。平均時速53kmの大台に乗せることができるのか。その挑戦に早くも注目が集まっている。
コメント及び写真はチーム公式サイトより。
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text:Yuya.Yamamoto