2015/04/21(火) - 15:36
「北の地獄」の異名をとるクラシックレースの女王ことパリ~ルーベを走ったプロバイクを紹介する第2弾。今回はエティックス・クイックステップ、チームスカイ、ロットNLユンボ、ユーロップカー、トレックファクトリーレーシングの5チームのバイクをピックアップします。
エティックス・クイックステップ 【スペシャライズド S-WORKS ROUBAIX SL4】
ステイン・ファンデンベルフ(ベルギー、エティックス・クイックステップ)のスペシャライズド S-WORKS ROUBAIX SL4 photo:Makoto.AYANO
エティックス・クイックステップはこれまでパリ~ルーベで多くの勝利に貢献してきたスペシャライズドのエンデュランスバイク「S-WORKS ROUBAIX SL4」を全ライダーが使用。これに、2重巻きバーテープや太めのチューブラータイヤなど標準的な悪路対策を施している。
メインコンポーネントはシマノDURA-ACE Di2がメイン。2位のゼネク・スティバル(チェコ)らは本来ドロップ部分にマウントするはずのスプリンタースイッチをフラット部に装着。これについては、サテライトスイッチの場合に振動によって誤って変速してしまうことがあるからという見方があり、他にもシマノのサポートを受けるFDJのバイクで同様のアッセンブルが見られた。なお、クランクはPower2maxのFSA K-Force Liteモデルだ。
ゼッケンプレートはK-Edge製だ photo:Makoto.AYANO
石畳の位置と長さが記されたメモ。ハンドルのフラット部分にはスプロケットスイッチが装備されている photo:Makoto.AYANO
タイヤはスペシャライズドのGriptonコンパウンドにFMBのコットンケーシングを組み合わせた特別仕様。幅は28mmだ photo:Makoto.AYANO
ボトルケージはタックス定番のロングセラーモデルTao photo:Makoto.AYANO
ホイールはスペシャライズドがプロデュースするロヴァールRapide CLX 40で統一。スペシャライズドのGriptonコンパウンドにFMBのコットンケーシングを組み合わせた特別仕様のチューブラータイヤを組み合わせている。なお、太さは昨年が30mmであったのに対して、今年は28mmとしている。
ハンドル、ステム、シートポストはFSAで統一され、サドルはスペシャライズドの各モデルをライダーによって使い分けている。しかし、身長199cmのステイン・ファンデンベルフ(ベルギー)はFSA製品だと短すぎるがためにポジションが出せないようで、シートポストはMTB用のトラバティブNOIR T40を使用。加えてサドルもサポート外のフィジーク旧型ALIANTEとしている。その他、サイクルコンピューターはガーミン、そのマウントやゼッケン台座、チェーンウォッチャーはK-Edge、ボトルケージはタックスの定番モデルTaoだ
チームスカイ 【ピナレロ DOGMA K8-S】
ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)のピナレロ DOGMA K8-S photo:Makoto.AYANO
チームスカイはフランドルに続いてピナレロの新型エンデュランスモデル「DOGMA K8-S」を使用。ピナレロからの正式なアナウンスはないものの、ライダーの体重に応じて2種類のエラストマーを使い分けているそうだ。
アッセンブリーについても前週とほぼ変更はなく、唯一タイヤの幅が25mmから27mmに拡幅された程度。その他、バーテープを2重巻きとし、ホールド力高いボトルケージ(エリートCIUSSI GEL)に紙やすりの様なテープを追加するなど、定番の悪路対策が施されている。
ゼッケンプレートはシートポストに直付。サドルはパッドが追加された特別仕様のフィジークARIONEだ photo:Makoto.AYANO
ホイールとタイヤはシマノWH-9000-C50-TUにFMB Paris Roubaixという組み合わせ photo:Makoto.AYANO
ミニマムな独自のサスペンション機構「DSS1.0」 photo:Makoto.AYANO
非常に薄く作ることで板バネの様な動きを可能としたシートステー photo:Makoto.AYANO
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で、ペダルも基本はDURA-ACEグレードのPD-9000ながらブラドレー・ウィギンズ(イギリス)のみスピードプレイを使用する。ホイールは50mmハイトのシマノWH-9000-C50-TUで統一。タイヤは北のクラシックで多くのチームが使用するコットンケーシング採用のFMB Paris Roubaixだ。
ハンドルとステムはPROのチームスカイ専用モデル。サドルはフィジークで、ウィギンズの他にゲラント・トーマス(イギリス)のバイクにもパッドを増量した特別仕様のARIONEが装着されていた。
ロットNLユンボ 【ビアンキ Infinito CV】
トム・ファンアスブロック(ベルギー、ロットNLユンボ)のビアンキ Infinito CV photo:Makoto.AYANO
ロットNLユンボも前週とほぼ同仕様のマシンを使用したチームの1つ。バイクはビアンキの独自テクノロジー「カウンターヴェイル」によって振動減衰能力を75%向上させたエンデュランスモデル「Infinito CV」で統一。なお、セプ・ファンマルク(ベルギー)は引き続きスペシャルペイントのバイクを使用した。
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で、パワーメーターにはチームカラーのパイオニア ペダリングモニターを組み合わせている。ホイールはシマノWH-9000-C50-TUで統一した。ちなみに、レース後半からファンマルクはパンクによってマヴィックのニュートラルから渡されたホイールを使用。しかし、これが何ともオールドスクールなアルミリムの手組ホイールで、チームメイトのローレンス・テンダム(オランダ)は自身のTwitterで「これは1987年のホイールだろ。マジかよ」とコメントしている。
一見トラディショナルながら実はユニークなトレッドパターンのヴィットリア製タイヤ photo:Makoto.AYANO
パワーメーターはパイオニアのペダリングモニター photo:Makoto.AYANO
タイヤはヴィットリアで、ロゴがないことからプロトタイプと思われる。ライン(センター)と斜線(サイド)と一見してオーソドックスながら実は珍しいトレッドパターンを採用しており、トム・ファンアスブロック(ベルギー)は前後を逆に取り付けてグリップを高めていた。
ハンドル、ステム、シートポストはFSAで統一され、シートポストは堅実性を重視してかアルミ製のENERGYで統一されていた。サドルはチェレステのレターが入ったサンマルコで、各モデルをライダーの好みによって使い分けている。フレームカラーと同色のバーテープは2重巻きによって振動吸収性を強化。ボトルケージはタックスの新しい定番モデルであるDevaとしている。
ユーロップカー 【コルナゴ CX-ZERO EVO、CX-ZERO】
ジミー・アングルヴァン(フランス、ユーロップカー )のコルナゴ CX-ZERO EVO photo:Makoto.AYANO
ユーロップカーはコルナゴ初のエンデュランスモデル「CX-ZERO」をメインに、ジミー・アングルヴァン(フランス)らは後継モデルと予想される「CX-ZERO EVO」を使用した。なお、昨年まで使用していたシクロクロスバイク「Prestage」は今大会では投入されなかったようだ。
コンポーネントはカンパニョーロSUPERRECORD EPS。クランクは5アームの従来モデルほとんどで、パリ~ルーベでは必須装備ともいうべき大きなインナーチェンーリングに換装されていないバイクも。ホイールはリムがワイドになったカンパニョーロBORA ULTRA 50の使用率が高かった。組み合わせるタイヤはハッチンソンだ。
2度のモデルチェンジを経たものの、未だに愛用者が多いセライタリアの初代FLITE photo:Makoto.AYANO
デダ・エレメンティのサポートながら、ロゴを隠してFSAのステムを使用 photo:Makoto.AYANO
新型のカンパニョーロBORA ULTRA 50にハッチンソンのタイヤを組み合わせる photo:Makoto.AYANO
タックスDevaに、紙やすりの様な滑り止め材を追加しホールド力を向上 photo:Makoto.AYANO
ハンドル、ステム、シートポストはデダ・エレメンティで統一。サドルはセライタリアで、SLR、TURBO、初代FLITEなどを選手の好みによって使い分けている。ボトルケージはタックスDevaで、ホールド力向上のために紙やすりの様な滑り止め材を追加。その他、サイクルコンピューターはジャーマンブランドのシグマ、ペダルはルックKeO Bladeプロチームとしている。
トレックファクトリーレーシング 【トレック Domane Classic Edition】
ヘルト・ステーグマンス(ベルギー、トレックファクトリーレーシング)のトレック Domane Classic Edition photo:Makoto.AYANO
先日発表されたばかりのボントレガーの新型Aeolusを装着したバイクも photo:Makoto.AYANOトレックファクトリーレーシングが駆ったのはトレックのエンデュランスモデル「Domane」のプロ供給モデルである「Domane Classic Edition」。なお、前週のフランドルでは「Domane Koppenberg」と名付けられた派生モデルを使用していた。「Koppenberg」はプロのリクエストを取入れよりアグレッシブなライディングポジションを実現可能とするために、軽量モデル「Emonda」のジオメトリーを採用。細部ではヘッドチューブのブレーキケーブル装入口が異なっている。
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2。ホイールはボントレガーAeolusで、35mmハイトのD3と50mmハイトのD5を使い分けている。組み合わせるタイヤはFMB Paris Roubaixで、フランドルと比較して2mmワイドな27mm幅を使用。その他ハンドル、ステム、シートポストもボントレガーだ。
photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto
エティックス・クイックステップ 【スペシャライズド S-WORKS ROUBAIX SL4】
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エティックス・クイックステップはこれまでパリ~ルーベで多くの勝利に貢献してきたスペシャライズドのエンデュランスバイク「S-WORKS ROUBAIX SL4」を全ライダーが使用。これに、2重巻きバーテープや太めのチューブラータイヤなど標準的な悪路対策を施している。
メインコンポーネントはシマノDURA-ACE Di2がメイン。2位のゼネク・スティバル(チェコ)らは本来ドロップ部分にマウントするはずのスプリンタースイッチをフラット部に装着。これについては、サテライトスイッチの場合に振動によって誤って変速してしまうことがあるからという見方があり、他にもシマノのサポートを受けるFDJのバイクで同様のアッセンブルが見られた。なお、クランクはPower2maxのFSA K-Force Liteモデルだ。
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ホイールはスペシャライズドがプロデュースするロヴァールRapide CLX 40で統一。スペシャライズドのGriptonコンパウンドにFMBのコットンケーシングを組み合わせた特別仕様のチューブラータイヤを組み合わせている。なお、太さは昨年が30mmであったのに対して、今年は28mmとしている。
ハンドル、ステム、シートポストはFSAで統一され、サドルはスペシャライズドの各モデルをライダーによって使い分けている。しかし、身長199cmのステイン・ファンデンベルフ(ベルギー)はFSA製品だと短すぎるがためにポジションが出せないようで、シートポストはMTB用のトラバティブNOIR T40を使用。加えてサドルもサポート外のフィジーク旧型ALIANTEとしている。その他、サイクルコンピューターはガーミン、そのマウントやゼッケン台座、チェーンウォッチャーはK-Edge、ボトルケージはタックスの定番モデルTaoだ
チームスカイ 【ピナレロ DOGMA K8-S】
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アッセンブリーについても前週とほぼ変更はなく、唯一タイヤの幅が25mmから27mmに拡幅された程度。その他、バーテープを2重巻きとし、ホールド力高いボトルケージ(エリートCIUSSI GEL)に紙やすりの様なテープを追加するなど、定番の悪路対策が施されている。
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ハンドルとステムはPROのチームスカイ専用モデル。サドルはフィジークで、ウィギンズの他にゲラント・トーマス(イギリス)のバイクにもパッドを増量した特別仕様のARIONEが装着されていた。
ロットNLユンボ 【ビアンキ Infinito CV】
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コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で、パワーメーターにはチームカラーのパイオニア ペダリングモニターを組み合わせている。ホイールはシマノWH-9000-C50-TUで統一した。ちなみに、レース後半からファンマルクはパンクによってマヴィックのニュートラルから渡されたホイールを使用。しかし、これが何ともオールドスクールなアルミリムの手組ホイールで、チームメイトのローレンス・テンダム(オランダ)は自身のTwitterで「これは1987年のホイールだろ。マジかよ」とコメントしている。
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ハンドル、ステム、シートポストはFSAで統一され、シートポストは堅実性を重視してかアルミ製のENERGYで統一されていた。サドルはチェレステのレターが入ったサンマルコで、各モデルをライダーの好みによって使い分けている。フレームカラーと同色のバーテープは2重巻きによって振動吸収性を強化。ボトルケージはタックスの新しい定番モデルであるDevaとしている。
ユーロップカー 【コルナゴ CX-ZERO EVO、CX-ZERO】
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コンポーネントはカンパニョーロSUPERRECORD EPS。クランクは5アームの従来モデルほとんどで、パリ~ルーベでは必須装備ともいうべき大きなインナーチェンーリングに換装されていないバイクも。ホイールはリムがワイドになったカンパニョーロBORA ULTRA 50の使用率が高かった。組み合わせるタイヤはハッチンソンだ。
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ハンドル、ステム、シートポストはデダ・エレメンティで統一。サドルはセライタリアで、SLR、TURBO、初代FLITEなどを選手の好みによって使い分けている。ボトルケージはタックスDevaで、ホールド力向上のために紙やすりの様な滑り止め材を追加。その他、サイクルコンピューターはジャーマンブランドのシグマ、ペダルはルックKeO Bladeプロチームとしている。
トレックファクトリーレーシング 【トレック Domane Classic Edition】
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photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto
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