UCIはプレスリリースにおいて、今年夏から順次プロロードレースにおけるディスクブレーキの使用を解禁する見込みと発表。以前より囁かれてきたロードレースにおけるディスクブレーキ使用が現実のものとなりそうだ。



UCI会長ブライアン・クックソン氏UCI会長ブライアン・クックソン氏 photo:CorVosUCI(世界自転車競技連合)とWFSGI(世界スポーツ用品工業連盟)は4月14日付けのプレスリリースにて、将来的な全面解禁を見据えたプロロードレースでの実使用テストを順次開始していくとアナウンスした。

2012年のパリ〜ルーベにディスプレイとして持ち込まれたディスクブレーキ搭載CXバイク2012年のパリ〜ルーベにディスプレイとして持ち込まれたディスクブレーキ搭載CXバイク (c)Makoto.AYANOプレスリリースによれば、まずは2015年8月と9月の2ヶ月間、チームの判断によって2つのレースで限定的にディスクロードバイクの使用を解禁。2016年度は全てのUCIレースでテストを継続し、好ましい結果が得られれば2017年度のUCIワールドツアーレースで正式採用するいう。さらに、将来的にはアマチュアを含むあらゆるレベルでの採用を見据えている、とも。

ブライアン・クックソンUCI会長はプレスリリースにおいて、「ディスクブレーキはMTBにおいてはここ何年も、シクロクロスにおいては直近2年間使われているが、ロードへの導入は選手、チーム、メーカーらと慎重に検討されるべきこと。技術革新を推し進めるUCIにとって、観客や選手、一般サイクリストらにとって自転車競技がより魅力的になることが望みだ」とコメント。

またシマノをはじめとする大手自転車メーカーが加入するWFSGI事務局長のロバート・デコック氏は「業界的にもこのニュースに対して非常にポジティブな声が上がっており、さらなる技術革新や、選手のパフォーマンス向上を見込めるだろう。まだ調整が必要ではあるものの、この決定に至ったことに対して強い意気込みを感じている」と同じリリース内で語っている。

既に一般ユーザー向けではロード用ディスクブレーキや、それに対応したハイエンドクラスを含むフレーム、ホイールが発売されており、先日シマノも新しいディスクブレーキマウント規格である「フラットマウント」を発表したばかり。ひとたび解禁されればその広まりは速いだろう。今後のロードバイク市場は大きく変化することになりそうだ。

text:So.Isobe