2015/03/12(木) - 11:42
「二つの海のレース」がリード・ディ・カマイオーレの個人タイムトライアルで幕を開けた。5.7kmのショートコースを制したのはイタリアTTチャンピオンのアドリアーノ・マローリ。ファビアン・カンチェラーラを1秒差で下した。
RCS Sportが主催するティレーノ〜アドリアティコ。イタリア半島の西岸、ティレニア海沿岸をスタートし、イタリア半島を横断してアドリア海沿岸に至る、今年で50年目を迎える伝統のレースだ。クラシックレースやグランツールに向けて調整中のオールラウンダーやスプリンターたちが多くスタートラインに並んだ。
第1ステージの舞台となるのはティレニア海に面するリード・ディ・カマイオーレに設定された5.7kmのコース。当初は、22.7kmのチームタイムトライアルとして争われる予定の第1ステージであったが、ここ数週間の悪天候の影響でコースがダメージを受けた結果、個人タイムトライアルに変更となった。
プロローグと呼んでもよいほどに距離が短縮されたことで、総合争いに大きな影響を及ぼすほどの差はつきづらくなったものの、調子を見るには十分な第1ステージ。フルフラットのコースに次々と選手が飛び出していく。
序盤に好タイムを叩き出したのはダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)。6分8秒と第1走者の記録を20秒近く更新し、フィニッシュゲートに飛び込んできた。その後、ダニエル・オスのタイムを脅かす選手はしばらく現れず。ペーター・サガン(チェコ、ティンコフ・サクソ)が良いペースを刻むものの、コーナーでリアホイールをスリップさせてしまいタイムロス。6分10秒と暫定首位には届かない。
そんな中、元アワーレコード保持者のマティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)が好走し、6分6秒でフィニッシュ。暫定首位の座をオスから奪い取ることに成功した。
しかし、ブランドルの首位の座は長くは続かなかった。昨年のティレーノ~アドリアティコ最終ステージの個人タイムトライアルを制したアドリアーノ・マローリが、ブランドルのタイムを更に2秒縮めたのだ。「第1ステージのコースが変更されると聞いてから、このステージで勝てる可能性を感じていた。だからコースについて徹底的に調べていたんだ。」と語るイタリアTTチャンピオンが27人の出走者を残して、暫定首位の座を奪い取った。
その後、マチェイ・ボドナール(ポーランド、ティンコフ・サクソ)やグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)らが力走するも、マローリのタイムにはあと一歩及ばない。
このステージの本命と目されていたファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)も1秒差でマローリのタイムには届かず。「自分が出せると思っていたパフォーマンスを十分発揮することが出来なかったことががっかりだ。5.4kmと距離が短かったのは、他の選手たちにとってもチャンスが生まれるということ。とはいえ、やはり今日の結果には満足できないね。」と第1ステージを振り返った。
最終走者となった昨年の覇者アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)は6分25秒と振るわず、マローリのステージ優勝が確定した。「こんなフラットなコースでカンチェラーラのような強い選手に勝てるだなんて、本当に信じられない。前日のコースの下見と日々のトレーニングが実を結んだんだ。最高に嬉しい。」とリーダージャージに袖を通したマローリは語った。
総合系の選手たちも明暗が分かれた第1ステージ。好調なスタートを切ったのは10秒差19位のリゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ)や11秒差21位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)ら。対して、ディフェンディングチャンピオンであるアルベルト・コンタドールは19秒差の67位と、ウランに対しては9秒、ニーバリに対しては8秒のビハインドを背負うこととなったほか、ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)も21秒差81位に終わっている。
不調だったコンタドールは「今日は良くない日だったね、リズムがつかめないままに終わってしまった。ただ5kmちょっとのタイムトライアルで、ウランやニーバリ達とそこまで大きな差がつかなかったのは幸いだ。今後のステージでタイムを取り戻せることを祈っているよ。」と明日からのステージへ向けてコメントを残している。
また、唯一の日本人出場となった新城幸也(ユーロップカー)は35秒差の148位。「こんなに短い距離のタイムトライアルは久しぶりすぎて、走り方を忘れていたのかも。これから足が目をさまして、終盤のステージに向けてコンディションを上げていきたい。」と語った。
コメントはチーム公式サイトおよびTeamユキヤ通信より
ティレーノ〜アドリアティコ2015第1ステージ結果
個人総合成績
text:Naoki.Yasuoka
photo:CorVos
RCS Sportが主催するティレーノ〜アドリアティコ。イタリア半島の西岸、ティレニア海沿岸をスタートし、イタリア半島を横断してアドリア海沿岸に至る、今年で50年目を迎える伝統のレースだ。クラシックレースやグランツールに向けて調整中のオールラウンダーやスプリンターたちが多くスタートラインに並んだ。
第1ステージの舞台となるのはティレニア海に面するリード・ディ・カマイオーレに設定された5.7kmのコース。当初は、22.7kmのチームタイムトライアルとして争われる予定の第1ステージであったが、ここ数週間の悪天候の影響でコースがダメージを受けた結果、個人タイムトライアルに変更となった。
プロローグと呼んでもよいほどに距離が短縮されたことで、総合争いに大きな影響を及ぼすほどの差はつきづらくなったものの、調子を見るには十分な第1ステージ。フルフラットのコースに次々と選手が飛び出していく。
序盤に好タイムを叩き出したのはダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)。6分8秒と第1走者の記録を20秒近く更新し、フィニッシュゲートに飛び込んできた。その後、ダニエル・オスのタイムを脅かす選手はしばらく現れず。ペーター・サガン(チェコ、ティンコフ・サクソ)が良いペースを刻むものの、コーナーでリアホイールをスリップさせてしまいタイムロス。6分10秒と暫定首位には届かない。
そんな中、元アワーレコード保持者のマティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)が好走し、6分6秒でフィニッシュ。暫定首位の座をオスから奪い取ることに成功した。
しかし、ブランドルの首位の座は長くは続かなかった。昨年のティレーノ~アドリアティコ最終ステージの個人タイムトライアルを制したアドリアーノ・マローリが、ブランドルのタイムを更に2秒縮めたのだ。「第1ステージのコースが変更されると聞いてから、このステージで勝てる可能性を感じていた。だからコースについて徹底的に調べていたんだ。」と語るイタリアTTチャンピオンが27人の出走者を残して、暫定首位の座を奪い取った。
その後、マチェイ・ボドナール(ポーランド、ティンコフ・サクソ)やグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)らが力走するも、マローリのタイムにはあと一歩及ばない。
このステージの本命と目されていたファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)も1秒差でマローリのタイムには届かず。「自分が出せると思っていたパフォーマンスを十分発揮することが出来なかったことががっかりだ。5.4kmと距離が短かったのは、他の選手たちにとってもチャンスが生まれるということ。とはいえ、やはり今日の結果には満足できないね。」と第1ステージを振り返った。
最終走者となった昨年の覇者アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)は6分25秒と振るわず、マローリのステージ優勝が確定した。「こんなフラットなコースでカンチェラーラのような強い選手に勝てるだなんて、本当に信じられない。前日のコースの下見と日々のトレーニングが実を結んだんだ。最高に嬉しい。」とリーダージャージに袖を通したマローリは語った。
総合系の選手たちも明暗が分かれた第1ステージ。好調なスタートを切ったのは10秒差19位のリゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ)や11秒差21位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)ら。対して、ディフェンディングチャンピオンであるアルベルト・コンタドールは19秒差の67位と、ウランに対しては9秒、ニーバリに対しては8秒のビハインドを背負うこととなったほか、ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)も21秒差81位に終わっている。
不調だったコンタドールは「今日は良くない日だったね、リズムがつかめないままに終わってしまった。ただ5kmちょっとのタイムトライアルで、ウランやニーバリ達とそこまで大きな差がつかなかったのは幸いだ。今後のステージでタイムを取り戻せることを祈っているよ。」と明日からのステージへ向けてコメントを残している。
また、唯一の日本人出場となった新城幸也(ユーロップカー)は35秒差の148位。「こんなに短い距離のタイムトライアルは久しぶりすぎて、走り方を忘れていたのかも。これから足が目をさまして、終盤のステージに向けてコンディションを上げていきたい。」と語った。
コメントはチーム公式サイトおよびTeamユキヤ通信より
ティレーノ〜アドリアティコ2015第1ステージ結果
1位 アドリアーノ・マローリ(イタリア、モビスター)
2位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)
3位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
4位 マチェイ・ボドナール(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
5位 マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)
6位 ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)
7位 ラムナス・ナダルヴァルダスカス(リトアニア、キャノンデール・ガーミン)
8位 スティーブ・クミングス(イギリス、MTNキュベカ)
9位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
10位 ヨアン・レボン(フランス、FDJ)
148位 新城幸也(ユーロップカー)
2位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)
3位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
4位 マチェイ・ボドナール(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
5位 マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)
6位 ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)
7位 ラムナス・ナダルヴァルダスカス(リトアニア、キャノンデール・ガーミン)
8位 スティーブ・クミングス(イギリス、MTNキュベカ)
9位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
10位 ヨアン・レボン(フランス、FDJ)
148位 新城幸也(ユーロップカー)
6'04"
+01"
+02"
+04"
+05"
+06"
+08"
+35"
+01"
+02"
+04"
+05"
+06"
+08"
+35"
個人総合成績
1位 アドリアーノ・マローリ(イタリア、モビスター)
2位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)
3位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
4位 マチェイ・ボドナール(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
5位 マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)
6位 ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)
7位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、キャノンデール・ガーミン)
8位 スティーブ・クミングス(イギリス、MTNキュベカ)
9位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
10位 ヨアン・レボン(フランス、FDJ)
148位 新城幸也(ユーロップカー)
2位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)
3位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
4位 マチェイ・ボドナール(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
5位 マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)
6位 ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)
7位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、キャノンデール・ガーミン)
8位 スティーブ・クミングス(イギリス、MTNキュベカ)
9位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
10位 ヨアン・レボン(フランス、FDJ)
148位 新城幸也(ユーロップカー)
6'04"
+01"
+02"
+04"
+05"
+06"
+08"
+35"
+01"
+02"
+04"
+05"
+06"
+08"
+35"
text:Naoki.Yasuoka
photo:CorVos
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