大会6日目のツール・ド・サンルイスは最終山岳決戦を迎え、総合上位陣による登り勝負を制したのはクレベル・ラモス。総合リーダーのダニエル・ディアスはステージ3位に食い込み、2回目の総合優勝に向けて王手をかけた。



1級山岳フィロ・シエラ・コメチンゴネスを駆け上がる1級山岳フィロ・シエラ・コメチンゴネスを駆け上がる photo:CorVos


トム・ダニエルソン(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)ら6名が逃げるトム・ダニエルソン(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)ら6名が逃げる photo:www.toursanluis.com南米アルゼンチンで開催中のツール・ド・サンルイス(UCI2.1)もいよいよ大詰め。スプリンターが活躍する最終ステージを前にして、最後の総合争いの場である第6ステージが1月24日に開催された。

ペースアップにより集団の人数が一気に絞り込まれるペースアップにより集団の人数が一気に絞り込まれる photo:www.toursanluis.comその舞台はコルドバ州アチラスから1級山岳フィロ・シエラ・コメチンゴネス頂上へと至る117.5km。序盤こそ平坦ではあるものの、およそラスト20kmは延々と登りが続くという最終山岳ステージにふさわしいコースプロフィール。フィロ・シエラ・コメチンゴネスは登坂距離16km、頂上の標高は2140mを数え、平均勾配は7.8%を数える難関山岳だ。

先頭グループを牽くロドルフォ・トーレス(コロンビア、コロンビア)先頭グループを牽くロドルフォ・トーレス(コロンビア、コロンビア) photo:CorVosパヴェル・コチェトコフ(ロシア、カチューシャ)やトム・ダニエルソン(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)、マッティア・カッタネオ(イタリア、ランプレ・メリダ)、マルコ・カーノラ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)ら有力勢の逃げによって第6ステージは幕を開ける。

晴天の下5分のリードを保って逃げる5名に対し、詰めていく集団を牽くのはリーダージャージのダニエル・ディアス(アルゼンチン)を擁するファンヴィック・ブラジルインベスト。このままの体勢で平坦区間を消化し、ペースアップする集団は最後まで逃げていたカーノラをコメチンゴネス手前の1級山岳で吸収。ここから総合上位勢による山岳勝負が幕を開けた。

高速で登りをこなす先頭グループはディアスやナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)を含む9名となり、終盤の急勾配区間でディアスのアシストであるクレベル・ラモス(ブラジル)がアタック。この攻撃によって均衡が崩れ、ラモス、ディアス、キンタナ、そして総合2位につけるロドルフォ・トーレス(コロンビア、コロンビア)の4名が先行してゴール前へ。

そして牽制状態からトーレスがアタックし、この動きをフォローしたのはラモスのみ。トーレスの動きを読んだラモスがスプリントを制し、嬉しいプロ初勝利を挙げることに成功した。



先頭でゴールに飛び込むクレベル・ラモス(ブラジル、ファンヴィック・ブラジルインベスト)先頭でゴールに飛び込むクレベル・ラモス(ブラジル、ファンヴィック・ブラジルインベスト) photo:CorVos
ステージ4位でフィニッシュするナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)ステージ4位でフィニッシュするナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:CorVosステージ表彰台ステージ表彰台 photo:CorVos



ディアスは先頭二人から6秒遅れの3位でフィニッシュし、キンタナは15秒遅れの4位に。トーレスは総合タイムを若干詰めたものの牙城を崩すには至らず、ディアスは2013年位続く2回目の総合優勝に王手を掛けた。

「今日の登りは長く、そして風がレースを難しくした。」と語るのはディアス。「でも全てが順調に進んでいる。優勝した2013年大会の時よりも少しだけ調子が良いんだと思う。」と語った。



ツール・ド・サンルイス2015第6ステージ結果
1位 クレベル・ラモス(ブラジル、ファンヴィック・ブラジルインベスト)
2位 ロドルフォ・トーレス(コロンビア、コロンビア)
3位 ダニエル・ディアス(アルゼンチン、ファンヴィック・ブラジルインベスト)
4位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
5位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
6位 エデュアルド・セプルヴェダ(アルゼンチン、ブルターニュ・セシェ)
7位 ジョー・ドンブロウスキー(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)
8位 ロドリゴ・コントレラス(コロンビア、コロンビアナショナルチーム) 
9位 アレクシ・ヴィヤーモ(フランス、アージェードゥーゼル)
10位 ダニエル・ハラミロ(コロンビア、ジェイミス・ハーゲン)
3h10'55"
+02"
+06"
+15"
+17"
+22"
+34"
+39"
+50"
+1'23"


個人総合成績
1位 ダニエル・ディアス(アルゼンチン、ファンヴィック・ブラジルインベスト)
2位 ロドルフォ・トーレス(コロンビア、コロンビア)
3位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
4位 エデュアルド・セプルヴェダ(アルゼンチン、ブルターニュ・セシェ)
5位 ロドリゴ・コントレラス(コロンビア、コロンビアナショナルチーム)
6位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
7位 レナルド・メッシネオ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス)
8位 ジョー・ドンブロウスキー(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)
9位 ダニエル・ハラミロ(コロンビア、ジェイミス・ハーゲン)
10位 イルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ)
20h03'38"
+1'05"
+1'34"
+2'02"
+3'16"
+5'21"
+5'29"
+5'35"
+5'39"


山岳賞
ダニエル・ディアス(アルゼンチン、ファンヴィック・ブラジルインベスト)

スプリント賞
レナルド・メッシネオ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス)

新人賞
ロドリゴ・コントレラス(コロンビア、コロンビアナショナルチーム)

チーム総合成績
コロンビア

text:So.Isobe
photo:CorVos

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