2014/12/30(火) - 22:49
12月27日、赤坂にてエキップアサダ イヤーエンドパーティーが開催された。この名称でエキップアサダの年末イベントが催されるのは実に5年ぶり。現チーム所属選手達とともに、かつての所属選手で今季引退する宮澤崇史、清水都貴の2人も招待され、華やかなパーティーとなった。
2015年は育成チームを統一 U23世代で世界のトップ10を目指す
選手の入場、浅田監督の乾杯の後、しばしの歓談が終わると、浅田監督による今季の結果報告と来季の体制についてのプレゼンテーションが始まった。まずは参加した所属選手紹介の後、選手自身から来季への抱負が語られた。
各選手とも今季の戦績は決して目指した目標に達したものではないが、ヨーロッパやジャパンカップなどトップレベルのレースで得た経験は今後に繋がるものと、来季への課題と自信を話してくれた。浅田監督も「世界に通用するプロロードレーサーになるには、国内レベルで足踏みしているわけには行かない。頭も身体も100Vから200Vへの変換が必要」と奮起を促した。
続いて2015年のチーム体制と取り組みが発表された。大きなニュースはチーム名称の統一だ。これまで世代毎に分けられていたEQADS(エカーズ)とEQA U23(イーキューエー ユーニジュウサン)は1つになり、ジュニアやU23など、育成世代の全てをカバーする新生EQADSとなる。チームジャージも統一され、その新しいデザインは2015年1月早々に発表される予定だ。
もちろんレース自体は世代に合わせたものになるとのことだが、2014年もEQA U23の選手達に全日本選手権はU23でなくエリートを選択させるなどしており、来季もあえてより高いハードルの課題を設定することは間違いなさそうだ。「ロードレースに飛び級はない」と語る浅田監督だけに、即ちこれは「彼らに超えられる壁、その時点で超えねばならない壁」と考えてのことだろう。「U23世代で世界のトップ10を目指す」と言う明確な目標もある。
そしてこのチームの何よりの特徴は、年間スケジュールに必ず欧州遠征が組まれていること。育成世代において、欧州でこれほど多くの経験を積めるチームは国内で他にはなく、語学などコミュニケーション面も含めた本場のレースのノウハウを得る近道となる。
タカシvsミヤタカ、どちらが強いのか!? 異種競技対決!
再びの歓談の後、選手生活を終える宮澤崇史と清水都貴のムービーが流れ、引退セレモニーへ…と思いきや「果たしてどちらが強いのか、決着をつけようではないか!」と言う突然の煽りが始まった。おそらく現役最後の2人の対決、その様子をお伝えしよう。
最初の競技は「着替え」。ステージに衝立を設け、その隙間をEQAの選手達が目隠しするという突貫準備された更衣室で対決が始まった。清水がいきなり宮澤のジャージを外に投げ飛ばすも勝者は宮澤!と思われたが、すぐ後に清水も出てきたため「自転車レース的には同タイムですね」ということでドロー。
2つめの身長対決は164cm対165cmと僅差で宮澤勝利。宮澤が頭にシリコン盛ってる疑惑が出たが否定。3つめの有名度対決は広報・山崎氏の友人と言うGoogle(もちろん冗談)の日本語、英語で検索した数を競った。これは清水が勝利。
清水は「シミズミヤタカって言う同性同名の有名人がいるんでそれで」と一瞬会場を本気で信じさせるほどの冗談を飛ばし笑わせた。どちらも「ミヤ」「タカ」が名前に入っていたり、ファーストネームの読みや漢字が難しいので打ち間違いもあるのでは!?と言うネタも挙がったがそこはゲームと言うことでゴニョゴニョ…ということになった。
4戦目はゲーム。スー○ー○リオを彷彿とさせるゲームで3分以内により先に進んだ方が勝ち、という内容。自転車界のゲーマーとして名高い清水優位と思われたが、先にプレイしたため攻略法を宮澤に考察されてしまい敗北。負けた清水は「実はパズルゲームが得意なんですっ」と言い訳、宮澤が「僕はアクションゲームが得意なんですっ」と応戦して会場が沸いた。5戦目のファッション対決は山崎氏が着用している物の合計金額により近い額を当てる競技で、清水が勝利。
こうして2対2の五分となり、最終決戦はアスリートらしく腕立て対決となった。現役世代としてEQA U23の岡篤志も加わり、2分半で何回できるかを競い合った。2人のカウントはEQA U23の選手達が行い、岡は自己申告。3人とも息を切らし、顔を真っ赤にしてのガチンコ対決。清水87回、宮澤70回、岡カウント不能で清水に軍配!
引退後の清水はアンカーの販売スタッフとして、宮澤は先日発表されたレモネード・ベルマーレの監督を務めながら講演やフィッティングなど個人での活動も並行していくと言う。浅田監督から2人に花束が手渡され、笑いとちょっぴりの涙もありながら引退セレモニーは終了。このような企画を考案したチーム広報・山崎健一氏のアイディアにも脱帽だ。
エキップアサダ後援会の田之頭宏明会長からは、ジャパンナショナルチームの監督でもある浅田監督にエキップアサダとジャパンを合わせた育成への期待が述べられた。「清水、宮澤両選手が現役生活を終え、彼ら自身も望んでいたかつての日本最強チームの再結成はならなかったが、日本チームでツール・ド・フランスへ出ることや、東京オリンピックを目指すことは変わらない。選手には『自分達が東京で新城幸也選手にアシストしてもらう』くらいの気持ちを持って挑んでほしい」と檄も飛んだ。
最後は浅田監督の十八番、小林旭の「熱き心に」を皆で熱唱。存続の危機を乗り越え、育成チームへと体制を変え、紆余曲折を得ながら歩んできたエキップアサダ。こうして久しぶりのイヤーエンドパーティーは盛況のうちに幕を閉じた。
昨年の福島晋一に加え、今年の宮澤、清水、西谷、盛らの引退により、また1つの世代が終了した感もあるが、新世代の台頭著しいとは言えないロードレース界。選手育成を本気で担うエキップアサダの使命は重いと感じたパーティーでもあった。
text&photo:Yuichiro Hosoda
2015年は育成チームを統一 U23世代で世界のトップ10を目指す
選手の入場、浅田監督の乾杯の後、しばしの歓談が終わると、浅田監督による今季の結果報告と来季の体制についてのプレゼンテーションが始まった。まずは参加した所属選手紹介の後、選手自身から来季への抱負が語られた。
各選手とも今季の戦績は決して目指した目標に達したものではないが、ヨーロッパやジャパンカップなどトップレベルのレースで得た経験は今後に繋がるものと、来季への課題と自信を話してくれた。浅田監督も「世界に通用するプロロードレーサーになるには、国内レベルで足踏みしているわけには行かない。頭も身体も100Vから200Vへの変換が必要」と奮起を促した。
続いて2015年のチーム体制と取り組みが発表された。大きなニュースはチーム名称の統一だ。これまで世代毎に分けられていたEQADS(エカーズ)とEQA U23(イーキューエー ユーニジュウサン)は1つになり、ジュニアやU23など、育成世代の全てをカバーする新生EQADSとなる。チームジャージも統一され、その新しいデザインは2015年1月早々に発表される予定だ。
もちろんレース自体は世代に合わせたものになるとのことだが、2014年もEQA U23の選手達に全日本選手権はU23でなくエリートを選択させるなどしており、来季もあえてより高いハードルの課題を設定することは間違いなさそうだ。「ロードレースに飛び級はない」と語る浅田監督だけに、即ちこれは「彼らに超えられる壁、その時点で超えねばならない壁」と考えてのことだろう。「U23世代で世界のトップ10を目指す」と言う明確な目標もある。
そしてこのチームの何よりの特徴は、年間スケジュールに必ず欧州遠征が組まれていること。育成世代において、欧州でこれほど多くの経験を積めるチームは国内で他にはなく、語学などコミュニケーション面も含めた本場のレースのノウハウを得る近道となる。
タカシvsミヤタカ、どちらが強いのか!? 異種競技対決!
再びの歓談の後、選手生活を終える宮澤崇史と清水都貴のムービーが流れ、引退セレモニーへ…と思いきや「果たしてどちらが強いのか、決着をつけようではないか!」と言う突然の煽りが始まった。おそらく現役最後の2人の対決、その様子をお伝えしよう。
最初の競技は「着替え」。ステージに衝立を設け、その隙間をEQAの選手達が目隠しするという突貫準備された更衣室で対決が始まった。清水がいきなり宮澤のジャージを外に投げ飛ばすも勝者は宮澤!と思われたが、すぐ後に清水も出てきたため「自転車レース的には同タイムですね」ということでドロー。
2つめの身長対決は164cm対165cmと僅差で宮澤勝利。宮澤が頭にシリコン盛ってる疑惑が出たが否定。3つめの有名度対決は広報・山崎氏の友人と言うGoogle(もちろん冗談)の日本語、英語で検索した数を競った。これは清水が勝利。
清水は「シミズミヤタカって言う同性同名の有名人がいるんでそれで」と一瞬会場を本気で信じさせるほどの冗談を飛ばし笑わせた。どちらも「ミヤ」「タカ」が名前に入っていたり、ファーストネームの読みや漢字が難しいので打ち間違いもあるのでは!?と言うネタも挙がったがそこはゲームと言うことでゴニョゴニョ…ということになった。
4戦目はゲーム。スー○ー○リオを彷彿とさせるゲームで3分以内により先に進んだ方が勝ち、という内容。自転車界のゲーマーとして名高い清水優位と思われたが、先にプレイしたため攻略法を宮澤に考察されてしまい敗北。負けた清水は「実はパズルゲームが得意なんですっ」と言い訳、宮澤が「僕はアクションゲームが得意なんですっ」と応戦して会場が沸いた。5戦目のファッション対決は山崎氏が着用している物の合計金額により近い額を当てる競技で、清水が勝利。
こうして2対2の五分となり、最終決戦はアスリートらしく腕立て対決となった。現役世代としてEQA U23の岡篤志も加わり、2分半で何回できるかを競い合った。2人のカウントはEQA U23の選手達が行い、岡は自己申告。3人とも息を切らし、顔を真っ赤にしてのガチンコ対決。清水87回、宮澤70回、岡カウント不能で清水に軍配!
引退後の清水はアンカーの販売スタッフとして、宮澤は先日発表されたレモネード・ベルマーレの監督を務めながら講演やフィッティングなど個人での活動も並行していくと言う。浅田監督から2人に花束が手渡され、笑いとちょっぴりの涙もありながら引退セレモニーは終了。このような企画を考案したチーム広報・山崎健一氏のアイディアにも脱帽だ。
エキップアサダ後援会の田之頭宏明会長からは、ジャパンナショナルチームの監督でもある浅田監督にエキップアサダとジャパンを合わせた育成への期待が述べられた。「清水、宮澤両選手が現役生活を終え、彼ら自身も望んでいたかつての日本最強チームの再結成はならなかったが、日本チームでツール・ド・フランスへ出ることや、東京オリンピックを目指すことは変わらない。選手には『自分達が東京で新城幸也選手にアシストしてもらう』くらいの気持ちを持って挑んでほしい」と檄も飛んだ。
最後は浅田監督の十八番、小林旭の「熱き心に」を皆で熱唱。存続の危機を乗り越え、育成チームへと体制を変え、紆余曲折を得ながら歩んできたエキップアサダ。こうして久しぶりのイヤーエンドパーティーは盛況のうちに幕を閉じた。
昨年の福島晋一に加え、今年の宮澤、清水、西谷、盛らの引退により、また1つの世代が終了した感もあるが、新世代の台頭著しいとは言えないロードレース界。選手育成を本気で担うエキップアサダの使命は重いと感じたパーティーでもあった。
text&photo:Yuichiro Hosoda
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