2014/12/23(火) - 11:46
ナミュールの丘を縫うように走るUCIシクロクロスワールドカップ第4戦。泥に覆われたアップダウンコースで、UCIワールドカップリーダージャージを着るケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)が勝利した。
レースは数々のロードレースで使用されているナミュール城塞に向かう石畳の登りをスタート。丘の上に位置する城塞を縫うように走るコースレイアウトが特徴だ。UCIワールドカップの中では高低差が大きい部類に入り、断続的にアップダウンを繰り返す。
コースの大半は比較的締まった泥で、斜面を横切る滑りやすいオフキャンバーや急坂、コーナーが選手たちを苦しめる。登り基調のスタートストレートを先頭で駆け上がったのはトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)で、そこからマルセル・ウィルトハーバー(スイス、スコット・オドロMTBレーシング)とサッシャ・ウェーバー(ドイツ、ベランクラシック・ドルチーニ)の2人が抜け出した。
MTBライダーに有利と言われる急減速と急加速を繰り返すテクニカルコースで、竹之内悠のチームメイトであるウェーバーが序盤から快走する。来季ニュージーランド籍のUCIコンチネンタルチーム「チャンピオンシステム」に移籍するウェーバー。一方、全日本選手権後にベルギーに戻った竹之内は後方での走りを強いられた。
やがて2周目に入るとUCIワールドカップリーダージャージを着るパウエルスやメーウセン、ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)、ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)、フランシス・ムレー(フランス、FDJ.fr)を含む11名の先頭パックが形成される。
膠着状態の中から飛び出したメーウセンにファンデルハールが反応する形で先頭は2名に。ここにパウエルスとコルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア)がジョインして先頭は新たに4名。序盤から積極的に攻めたウィルトハーバーとウェーバーは順位を落としてしまう。
レース中盤に再度ペースを上げて独走に持ち込んだのはオランダチャンピオンジャージを着るファンデルハールで、落車したファンケッセルとパワーダウンしたメーウセンを置き去りにしたパウエルスが単独2番手に。降り始めた雨によって泥は徐々にスリッピーになる。やがてフィニッシュまで2周を残してパウエルスがファンデルハールに追いついた。
互いのアタックが決まらないまま、互いの顔を見合わせながらパウエルスとファンデルハールが最終周回へ。3番手ワルスレーベンは常に近い位置で走行するが2人には追いつかない。すると周回中盤のオフキャンバー区間でついにパウエルスとファンデルハールの距離が開く。片足をペダスから外してバランスを取りながら、パウエルスがリードを奪うことに成功した。
「オフキャンバーの手前で振り返った時、ラルス(ファンデルハール)と少し距離が開いていることに気付いたんだ。上手くキャンバーをこなしたことで彼を振り切ることに成功した」と、フィニッシュまで独走したパウエルスは語る。
UCIワールドカップ2連勝を飾ったパウエルスはシリーズランキングのリードを広げることに成功。第5戦と第6戦を残し、ランキング2位のメーウセンから77ポイント差で首位を独走中だ。パウエルスは「残り2戦は自分向きのコースなのでUCIワールドカップ制覇が見えてきた」と自信を見せている。
全日本チャンピオンの竹之内は4周遅れの49位。竹之内は今後UCIワールドカップやスーパープレスティージュ、BpostBankトロフェーを含むヨーロッパレースを転戦し、2月上旬に日本に帰国する予定だ。
UCIシクロクロスワールドカップ2014-2015第3戦
1位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) 1h07'43"
2位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ) +10"
3位 フィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCPパワープラス) +19"
4位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) +1'24"
5位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) +1'38"
6位 マルセル・ウィルトハーバー(スイス、スコット・オドロMTBレーシング) +1'46"
7位 ロブ・ピータース(ベルギー、ファストフートサービス) +2'05"
8位 イェンス・アダムス(ベルギー、ファストフートサービス) +2'10"
9位 サッシャ・ウェーバー(ドイツ、ベランクラシック・ドルチーニ) +2'24"
10位 ジュリアン・タラマルカス(スイス、コレンドン・クワドロ) +2'30"
49位 竹之内悠(日本、ベランクラシック・ドルチーニ) -4Laps
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
レースは数々のロードレースで使用されているナミュール城塞に向かう石畳の登りをスタート。丘の上に位置する城塞を縫うように走るコースレイアウトが特徴だ。UCIワールドカップの中では高低差が大きい部類に入り、断続的にアップダウンを繰り返す。
コースの大半は比較的締まった泥で、斜面を横切る滑りやすいオフキャンバーや急坂、コーナーが選手たちを苦しめる。登り基調のスタートストレートを先頭で駆け上がったのはトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)で、そこからマルセル・ウィルトハーバー(スイス、スコット・オドロMTBレーシング)とサッシャ・ウェーバー(ドイツ、ベランクラシック・ドルチーニ)の2人が抜け出した。
MTBライダーに有利と言われる急減速と急加速を繰り返すテクニカルコースで、竹之内悠のチームメイトであるウェーバーが序盤から快走する。来季ニュージーランド籍のUCIコンチネンタルチーム「チャンピオンシステム」に移籍するウェーバー。一方、全日本選手権後にベルギーに戻った竹之内は後方での走りを強いられた。
やがて2周目に入るとUCIワールドカップリーダージャージを着るパウエルスやメーウセン、ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)、ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)、フランシス・ムレー(フランス、FDJ.fr)を含む11名の先頭パックが形成される。
膠着状態の中から飛び出したメーウセンにファンデルハールが反応する形で先頭は2名に。ここにパウエルスとコルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア)がジョインして先頭は新たに4名。序盤から積極的に攻めたウィルトハーバーとウェーバーは順位を落としてしまう。
レース中盤に再度ペースを上げて独走に持ち込んだのはオランダチャンピオンジャージを着るファンデルハールで、落車したファンケッセルとパワーダウンしたメーウセンを置き去りにしたパウエルスが単独2番手に。降り始めた雨によって泥は徐々にスリッピーになる。やがてフィニッシュまで2周を残してパウエルスがファンデルハールに追いついた。
互いのアタックが決まらないまま、互いの顔を見合わせながらパウエルスとファンデルハールが最終周回へ。3番手ワルスレーベンは常に近い位置で走行するが2人には追いつかない。すると周回中盤のオフキャンバー区間でついにパウエルスとファンデルハールの距離が開く。片足をペダスから外してバランスを取りながら、パウエルスがリードを奪うことに成功した。
「オフキャンバーの手前で振り返った時、ラルス(ファンデルハール)と少し距離が開いていることに気付いたんだ。上手くキャンバーをこなしたことで彼を振り切ることに成功した」と、フィニッシュまで独走したパウエルスは語る。
UCIワールドカップ2連勝を飾ったパウエルスはシリーズランキングのリードを広げることに成功。第5戦と第6戦を残し、ランキング2位のメーウセンから77ポイント差で首位を独走中だ。パウエルスは「残り2戦は自分向きのコースなのでUCIワールドカップ制覇が見えてきた」と自信を見せている。
全日本チャンピオンの竹之内は4周遅れの49位。竹之内は今後UCIワールドカップやスーパープレスティージュ、BpostBankトロフェーを含むヨーロッパレースを転戦し、2月上旬に日本に帰国する予定だ。
UCIシクロクロスワールドカップ2014-2015第3戦
1位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) 1h07'43"
2位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ) +10"
3位 フィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCPパワープラス) +19"
4位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) +1'24"
5位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) +1'38"
6位 マルセル・ウィルトハーバー(スイス、スコット・オドロMTBレーシング) +1'46"
7位 ロブ・ピータース(ベルギー、ファストフートサービス) +2'05"
8位 イェンス・アダムス(ベルギー、ファストフートサービス) +2'10"
9位 サッシャ・ウェーバー(ドイツ、ベランクラシック・ドルチーニ) +2'24"
10位 ジュリアン・タラマルカス(スイス、コレンドン・クワドロ) +2'30"
49位 竹之内悠(日本、ベランクラシック・ドルチーニ) -4Laps
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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