2014/12/03(水) - 22:43
イギリス南部のミルトン・キーンズで開催されたUCIワールドカップ第3戦。掘り返された芝地コースでサンウェブ・ナポレオンゲームスがレースをリードし、UCIワールドカップリーダーのケヴィン・パウエルス(ベルギー)が勝利した。
ロンドンから北へ80km、丘陵地帯に位置するミルトン・キーンズのキャンベル公園でUCIワールドカップが開催された。ヨーロッパ大陸外でUCIワールドカップが開催されるのは史上初めて。
レース当日は気温11度の晴れ。しかし濡れた芝地のコースは泥となり、丘を斜めに行き来するキャンバーはスリッピーな状態となった。
白いUCIワールドカップリーダージャージを着るパウエルスが1周目からレースをリードする。パウエルスとともに先頭パックを形成したのはドイツチャンピオンのフィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCPパワープラス)やオランダチャンピオンのラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)、そして竹之内悠のチームメイトであるサッシャ・ウェーバー(ドイツ、ベランクラシック・ドルチーニ)ら。
その一方でベルギーチャンピオンのスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)はスタート後すぐのキャンバー区間でチェーントラブルに遭い、再スタートする頃にはレースの最後尾に。そこからネイスは淡々とハイペースを刻んで追走を続けた。
レース開始から20分が経過する頃、レース先頭はパウエルスとワルスレーベンの2人に絞られる。ここにファンデルハールとクラース・ファントルノート(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)、そしてFDJ.fr所属のフランシス・ムレー(フランス)が合流し、先頭5名で後半戦に差し掛かった。
ペースを上げるムレーとファントルノートにパウエルスが続いて最終周回へ。するとキャンバーの担ぎ区間でサンウェブ・ナポレオンゲームスの2人が前に出る。泥走行に長けたファントルノートにパウエルスが食らいつく形で、ファンデルハールと3位争いを繰り広げるムレーを突き放した。
勝負は舗装路スプリント対決に持ち込まれ、小柄でパンチ力のあるパウエルスが先着。16秒遅れのスプリントでムレーが3位に入った。
「とても難しいコースだった。バイクを担ぐセクションが長くて苦しんだよ。レース終盤にかけて背中が痛くなるほどだった。クラース(ファントルノート)に食らいつくのに必死だったけど、最終的に自分の力が勝っていた」と、今シーズンのUCIワールドカップ初勝利を飾ったパウエルス。
第3戦を終えてランキング1位のパウエルスと同2位ファントルノートの差は35ポイントまで拡大。UCIワールドカップリーダージャージを守ったパウエルスは「クラースとのポイント差は小さく、しかも彼のコンディションはとても良い。トム(メーウセン)も決して遠くない(57ポイント差)ので侮れない。ランキングの行方はまだ分からないよ」とコメントしている。
1時間にわたって追走を続けたネイスは8位。シマノのオンボードカメラを装着して走ったネイスは「1周目にチェーンを落としてしまい、なかなか戻せなかった。一番後ろからハイペースで追い上げたもののチャンスは無かった」と語る。また、前日に父親を亡くしたロブ・ピータース(ベルギー、ファストフートサービス)は涙を流しながら10位でフィニッシュしている。
選手コメントはベルギーのSporzaより。
UCIシクロクロスワールドカップ2014-2015第3戦 フルリプレイ
スヴェン・ネイス オンボードカメラ
UCIシクロクロスワールドカップ2014-2015第3戦
1位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) 1h03'01"
2位 クラース・ファントルノート(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +01"
3位 フランシス・ムレー(フランス、FDJ.fr) +16"
4位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ) +19"
5位 フィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCPパワープラス) +43"
6位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) +58"
7位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) +1'00"
8位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク) +1'12"
9位 バルト・アールノーツ(ベルギー、コレンドン・クワドロサイクリング) +1'32"
10位 ロブ・ピータース(ベルギー、ファストフートサービス) +1'38"
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
ロンドンから北へ80km、丘陵地帯に位置するミルトン・キーンズのキャンベル公園でUCIワールドカップが開催された。ヨーロッパ大陸外でUCIワールドカップが開催されるのは史上初めて。
レース当日は気温11度の晴れ。しかし濡れた芝地のコースは泥となり、丘を斜めに行き来するキャンバーはスリッピーな状態となった。
白いUCIワールドカップリーダージャージを着るパウエルスが1周目からレースをリードする。パウエルスとともに先頭パックを形成したのはドイツチャンピオンのフィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCPパワープラス)やオランダチャンピオンのラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)、そして竹之内悠のチームメイトであるサッシャ・ウェーバー(ドイツ、ベランクラシック・ドルチーニ)ら。
その一方でベルギーチャンピオンのスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)はスタート後すぐのキャンバー区間でチェーントラブルに遭い、再スタートする頃にはレースの最後尾に。そこからネイスは淡々とハイペースを刻んで追走を続けた。
レース開始から20分が経過する頃、レース先頭はパウエルスとワルスレーベンの2人に絞られる。ここにファンデルハールとクラース・ファントルノート(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)、そしてFDJ.fr所属のフランシス・ムレー(フランス)が合流し、先頭5名で後半戦に差し掛かった。
ペースを上げるムレーとファントルノートにパウエルスが続いて最終周回へ。するとキャンバーの担ぎ区間でサンウェブ・ナポレオンゲームスの2人が前に出る。泥走行に長けたファントルノートにパウエルスが食らいつく形で、ファンデルハールと3位争いを繰り広げるムレーを突き放した。
勝負は舗装路スプリント対決に持ち込まれ、小柄でパンチ力のあるパウエルスが先着。16秒遅れのスプリントでムレーが3位に入った。
「とても難しいコースだった。バイクを担ぐセクションが長くて苦しんだよ。レース終盤にかけて背中が痛くなるほどだった。クラース(ファントルノート)に食らいつくのに必死だったけど、最終的に自分の力が勝っていた」と、今シーズンのUCIワールドカップ初勝利を飾ったパウエルス。
第3戦を終えてランキング1位のパウエルスと同2位ファントルノートの差は35ポイントまで拡大。UCIワールドカップリーダージャージを守ったパウエルスは「クラースとのポイント差は小さく、しかも彼のコンディションはとても良い。トム(メーウセン)も決して遠くない(57ポイント差)ので侮れない。ランキングの行方はまだ分からないよ」とコメントしている。
1時間にわたって追走を続けたネイスは8位。シマノのオンボードカメラを装着して走ったネイスは「1周目にチェーンを落としてしまい、なかなか戻せなかった。一番後ろからハイペースで追い上げたもののチャンスは無かった」と語る。また、前日に父親を亡くしたロブ・ピータース(ベルギー、ファストフートサービス)は涙を流しながら10位でフィニッシュしている。
選手コメントはベルギーのSporzaより。
UCIシクロクロスワールドカップ2014-2015第3戦 フルリプレイ
スヴェン・ネイス オンボードカメラ
UCIシクロクロスワールドカップ2014-2015第3戦
1位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) 1h03'01"
2位 クラース・ファントルノート(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +01"
3位 フランシス・ムレー(フランス、FDJ.fr) +16"
4位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ) +19"
5位 フィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCPパワープラス) +43"
6位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) +58"
7位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) +1'00"
8位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク) +1'12"
9位 バルト・アールノーツ(ベルギー、コレンドン・クワドロサイクリング) +1'32"
10位 ロブ・ピータース(ベルギー、ファストフートサービス) +1'38"
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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