2014/11/26(水) - 09:03
サイクルモードの会場を歩いて発見した注目の新製品&気になるプロダクツを紹介する第5弾。本場ヨーロッパを中心とする40ものブランドを取り扱うインターマックス、世界的にも高い評価を受けるフレームビルディング工房のケルビム、日本ならではの職人技が光るペダル専門ブランドの三ヶ島ペダルをピックアップします。
インターマックス
クォータやデダチャイストラーダ、ライトウェイトなどの欧州ブランドを中心としたブースを展開したのはインターマックス。代表の今中大介さんをホストに、ユーロップカーの新城幸也選手やヒルクライム好きサイクリストでおなじみのモデル日向涼子さんら豪華ゲストとのトークショーが数多く行われ、常に多くの来場者で賑わっていた。
数あるブランドの中でも最も多くのスペースが割かれていたのがクォータ。中でもトピックスなのが、国内展開が始まった2000年代前半に人気を博した「KHAN」の復活である。昨季までラインナップされていた「KOM Air」の流れを踏襲するヒルクライムマシンで、薄さ際立つシートステーで高い振動吸収性を目指した一方、ヘッドチューブからチェーンステーにかけてのマッシブな造りで剛性との両立を図っている。
その他、チーム右京のメインバイク「KOM」やエアロブレーキ採用の新型ミドルグレード「KOUGER」などもフルラインナップを展示。また弱虫ペダルの効果からか、唯一レディースモデルがラインナップされ、クォータの性能を手頃に体感できるKRYONは多くの女性来場者から注目を集めていた。
パイプメーカーをバックグランドにもつデダチャイストラーダからは、新型エアロロードの「ATLETA」が国内で初めて展示された。翼断面チューブをメインとしたオーソドックスな作りは整備性など使い勝手を一番に重視している様で、長い間乗り続けても飽きが来にくいだろう。もちろん、現在でも多くのブランドからカーボンフレームのOEM生産を担っているだけあって走行性能は間違いなさそうだ。加えて、高品質なT700グレードのカーボンを使用しながらフレームセットで10万円台前半とコストパフォーマンスに優れる「NERISSIMO」にもカラーバリエーションが追加されている。
昨年登場し大きな話題となったライトウェイトのバイクレーム「URGESTALT」には、参考出展としてオレンジとピンクを差し色としたインターマックス特注のワンオフモデルが登場。ブース担当者によれば現段階で市販化の予定は無いとのことだが、反響が大きければラインナップに追加される可能性もあるとのこと。
アクセサリー類の取り扱いも豊富なインターマックス。国内では唯一の取り扱いとなり、キャノンデールプロサイクリングが使用するヴィジョンのホイールはリムカットサンプルが展示され、成型用のバルーンなどが完璧に取り除かれた綺麗な内面に技術力の高さを感じることができた。一方で長年に渡って取り扱っているスピナジーからは、同ブランドのアイデンティティであり、繊維を束ねることで振動吸収性を追求した「ザイロンスポーク」に扁平形状のエアロタイプが登場。ブース担当者によればアメリカ本国では市販品にも組み込まれているものの、国内導入は現時点で未定だという。
フルラインナップが展示されたイタリアンヘルメットブランドのメットのトピックスは、久方ぶりに登場したTT用ヘルメットの「Drone HES」。ロード用レーシングモデルと同じ様にHESというテクノロジーによって安全性を追求していることが特徴だ。デザイン面では近年トレンドのショートテールを採用しており、バイザーは一体式だ。
そして、ティンコフ・サクソやランプレ・メリダが使用するサドルブランドのプロロゴコーナーでは今季より国内展開が始まるサドルチョイスシステム「My Own」のデモンストレーションが行われ、イタリア本国より来日したセールスマネージャーのサルヴァトーレ・トラグリオさんがPRを行った。
このシステムがユニークなのは、表面に滑り止め素材を配したCPCタイプか否かやサドルレールの素材まで導き出してくれること。開発した敬意についてトラグリオさんは「我々は常に高品質なプロダクトを作るために日々研究を続けているが、その中で最もフィットしたサドルを提供することも大事だということに気づいたんだ」と説明する。実際に筆者がMy Ownでサドルを選択して貰ったところ、普段から使用している定番モデルのSCRATCHが最適と導き出された。それはインターマックスの複数のスタッフも同様とのことで、その精度は非常に高そうだ。
ケルビム
東京と町田市に工房を構えるケルビムは、創業50周年を記念した初の限定モデル「R-2 50th Anniversary」をサイクルモードで発表した。ベースとなるのは伝統的なラグ方式の「R-2」だが、ブース担当者曰く「かつてのクロモリフレームがそうだった様に、複数のメーカーのパイプを適材適所に配置することで走行性能を高めているとが最大の特徴です」とのこと。
フォークにはコロンバスMAXを使用し、空気抵抗の少なそう翼断面形状としている。そしてフレームはレイノルズ631とカイセイケルビムオリジナルを組み合わせている。イメージカラーの艷やかなレッドに、鏡の様に磨き挙げられたメッキ部分と、その美しさには惚れぼれしてしまう。なお、生産台数は25台限り。
また、編集部の注目は究極のスチールレーサーを目指し誕生したという「RACER」だ。カーボンフレームの如くなめらかな溶接部分や、チューブ接合部に設けられたフィン、シートステーのベンドなど、ケルビムが持つ技術力の高さを示すと共に、見るものには近未来感を覚えさせてくれる。個人的にはサイクルモードの中でも最もカッコイイと感じた1台であった。
三ヶ島ペダル
三ヶ島ペダルは、伝統にとらわれないモダンな新モデルをサイクルモードで発表。これまでラインナップになかったロード用クリップレスペダルの登場が最大のトピックスである。「US-L」と名付けられた新モデルはエントリーユーザーに向けて開発され、クリートの引っかかる部分を分割することで固定力をそのままに、リリースする際に必要な力のもを低減することに成功している。
また、昨年登場したMTB用クリップレスペダル「US-B NUEVO」には輪行の際などに便利な工具不要の着脱システム「Ezy」と、クリートキャッチを用意とするガイドを新たに装着した「Ezy Superior」が登場。このクリートガイドを取り付けたのは「ペダルが回りすぎてしまうため、クリートがキャッチしづらい」という意見が多く寄せられたからとはブース担当者の談。実に三ヶ島ペダルらしいエピソードである。
text:Yuya.Yamamoto
photo:CW編集部
インターマックス
クォータやデダチャイストラーダ、ライトウェイトなどの欧州ブランドを中心としたブースを展開したのはインターマックス。代表の今中大介さんをホストに、ユーロップカーの新城幸也選手やヒルクライム好きサイクリストでおなじみのモデル日向涼子さんら豪華ゲストとのトークショーが数多く行われ、常に多くの来場者で賑わっていた。
数あるブランドの中でも最も多くのスペースが割かれていたのがクォータ。中でもトピックスなのが、国内展開が始まった2000年代前半に人気を博した「KHAN」の復活である。昨季までラインナップされていた「KOM Air」の流れを踏襲するヒルクライムマシンで、薄さ際立つシートステーで高い振動吸収性を目指した一方、ヘッドチューブからチェーンステーにかけてのマッシブな造りで剛性との両立を図っている。
その他、チーム右京のメインバイク「KOM」やエアロブレーキ採用の新型ミドルグレード「KOUGER」などもフルラインナップを展示。また弱虫ペダルの効果からか、唯一レディースモデルがラインナップされ、クォータの性能を手頃に体感できるKRYONは多くの女性来場者から注目を集めていた。
パイプメーカーをバックグランドにもつデダチャイストラーダからは、新型エアロロードの「ATLETA」が国内で初めて展示された。翼断面チューブをメインとしたオーソドックスな作りは整備性など使い勝手を一番に重視している様で、長い間乗り続けても飽きが来にくいだろう。もちろん、現在でも多くのブランドからカーボンフレームのOEM生産を担っているだけあって走行性能は間違いなさそうだ。加えて、高品質なT700グレードのカーボンを使用しながらフレームセットで10万円台前半とコストパフォーマンスに優れる「NERISSIMO」にもカラーバリエーションが追加されている。
昨年登場し大きな話題となったライトウェイトのバイクレーム「URGESTALT」には、参考出展としてオレンジとピンクを差し色としたインターマックス特注のワンオフモデルが登場。ブース担当者によれば現段階で市販化の予定は無いとのことだが、反響が大きければラインナップに追加される可能性もあるとのこと。
アクセサリー類の取り扱いも豊富なインターマックス。国内では唯一の取り扱いとなり、キャノンデールプロサイクリングが使用するヴィジョンのホイールはリムカットサンプルが展示され、成型用のバルーンなどが完璧に取り除かれた綺麗な内面に技術力の高さを感じることができた。一方で長年に渡って取り扱っているスピナジーからは、同ブランドのアイデンティティであり、繊維を束ねることで振動吸収性を追求した「ザイロンスポーク」に扁平形状のエアロタイプが登場。ブース担当者によればアメリカ本国では市販品にも組み込まれているものの、国内導入は現時点で未定だという。
フルラインナップが展示されたイタリアンヘルメットブランドのメットのトピックスは、久方ぶりに登場したTT用ヘルメットの「Drone HES」。ロード用レーシングモデルと同じ様にHESというテクノロジーによって安全性を追求していることが特徴だ。デザイン面では近年トレンドのショートテールを採用しており、バイザーは一体式だ。
そして、ティンコフ・サクソやランプレ・メリダが使用するサドルブランドのプロロゴコーナーでは今季より国内展開が始まるサドルチョイスシステム「My Own」のデモンストレーションが行われ、イタリア本国より来日したセールスマネージャーのサルヴァトーレ・トラグリオさんがPRを行った。
このシステムがユニークなのは、表面に滑り止め素材を配したCPCタイプか否かやサドルレールの素材まで導き出してくれること。開発した敬意についてトラグリオさんは「我々は常に高品質なプロダクトを作るために日々研究を続けているが、その中で最もフィットしたサドルを提供することも大事だということに気づいたんだ」と説明する。実際に筆者がMy Ownでサドルを選択して貰ったところ、普段から使用している定番モデルのSCRATCHが最適と導き出された。それはインターマックスの複数のスタッフも同様とのことで、その精度は非常に高そうだ。
ケルビム
東京と町田市に工房を構えるケルビムは、創業50周年を記念した初の限定モデル「R-2 50th Anniversary」をサイクルモードで発表した。ベースとなるのは伝統的なラグ方式の「R-2」だが、ブース担当者曰く「かつてのクロモリフレームがそうだった様に、複数のメーカーのパイプを適材適所に配置することで走行性能を高めているとが最大の特徴です」とのこと。
フォークにはコロンバスMAXを使用し、空気抵抗の少なそう翼断面形状としている。そしてフレームはレイノルズ631とカイセイケルビムオリジナルを組み合わせている。イメージカラーの艷やかなレッドに、鏡の様に磨き挙げられたメッキ部分と、その美しさには惚れぼれしてしまう。なお、生産台数は25台限り。
また、編集部の注目は究極のスチールレーサーを目指し誕生したという「RACER」だ。カーボンフレームの如くなめらかな溶接部分や、チューブ接合部に設けられたフィン、シートステーのベンドなど、ケルビムが持つ技術力の高さを示すと共に、見るものには近未来感を覚えさせてくれる。個人的にはサイクルモードの中でも最もカッコイイと感じた1台であった。
三ヶ島ペダル
三ヶ島ペダルは、伝統にとらわれないモダンな新モデルをサイクルモードで発表。これまでラインナップになかったロード用クリップレスペダルの登場が最大のトピックスである。「US-L」と名付けられた新モデルはエントリーユーザーに向けて開発され、クリートの引っかかる部分を分割することで固定力をそのままに、リリースする際に必要な力のもを低減することに成功している。
また、昨年登場したMTB用クリップレスペダル「US-B NUEVO」には輪行の際などに便利な工具不要の着脱システム「Ezy」と、クリートキャッチを用意とするガイドを新たに装着した「Ezy Superior」が登場。このクリートガイドを取り付けたのは「ペダルが回りすぎてしまうため、クリートがキャッチしづらい」という意見が多く寄せられたからとはブース担当者の談。実に三ヶ島ペダルらしいエピソードである。
text:Yuya.Yamamoto
photo:CW編集部
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