2014/10/28(火) - 14:18
10月26日、滋賀県野洲市のビワコマイアミランドで関西シクロクロス2014-2015シーズン第1戦が開催され、序盤から独走した濱由嵩(SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAM)が勝利した。500名を超えるエントリーを集めたシーズン初戦の模様をお伝えします。
日本きっての砂地コースとして知られるビワコマイアミランド。砂浜と松林を行き来するパワーとテクニックを要する難コースで、フカフカの砂に覆われた長い砂浜セクションが選手たちを苦しめる。いつしかシクロクロッサーの間では「砂地獄」として定着した。
同じ日にロードのJプロツアーやMTBのJシリーズが行なわれていたにも関わらず、エントリー数は500名オーバー。特にC4やCM3などの入門カテゴリーのエントリー増加が顕著で、1レースの出走数が130名に達する組も。国内シクロクロスを牽引する老舗シリーズは増加するエントリー数とタイトなスケジュールに頭を悩ませながらも、スムーズにレースを運営している。
C1はホールショットで飛び出した大塚航(JPST MASSA ANDEX)を抜いて、島田真琴(シマノドリンキング)がレースをリードする。やがてここに濱由嵩(SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAM)がジョイン。先頭2人での走行が始まった。
合計9周のうち3周目に差し掛かる頃には濱が先頭独走状態に。その後、島田はパンクによって順位を落とし、代わって2番手に浮上したのは最後尾スタートの中井唯晶(瀬田工業高校)。地元滋賀県出身の中井が単独追走をかけたが、レース中盤の時点で先頭の濱とのタイム差は1分まで広がっていた。
「タイム差が1分まで広がってからは8割の力で丁寧に走った」と振り返る濱は、合計4回の転倒を喫しながらも独走状態をキープ。「何とかタイム差を詰めようとしたんですが、詰まらなかった」という中井を1分48秒引き離した濱が勝利した。3位には伊澤優大(岩井商会レーシング)が入っている。
ほとんどの選手にとってシーズン初戦にあたる関西シクロクロス第1戦だが、濱にとってはシーズン7戦目。SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAMの一員としてアメリカでシーズンインし、帰国後もジャパンカップシクロクロスや茨城シクロクロスに出場した。
「日本人選手の中でここまで最もレース数をこなしていると思います」と濱。今シーズンに向けてトレーニング方法を変え、その成果を実感していると言う。「個人トレーナーと一緒に筋トレやウェイトトレーニング、パワートレーニングをしていますが、全ては少ない力で前にバイクを進めるため。今までより大きな力を出すためではなく、今までより小さな力で走るためのトレーニングを行なっています。宇都宮で小坂光君たちと走ってみて、高速コースでは闘えると実感しましたし、昨シーズンよりも走れています」。
濱は9月にアメリカで3レースを転戦。2年連続のアメリカでのシーズンインについて「アメリカと日本では競技への取り組み方が違うと感じました。意外に思うかもしれませんが、みんなストイックで物凄く真剣に取り組んでいる。レースの参加者数も競技人口も違うし、食事一つとっても徹底的に管理している。それでいて皆フレンドリーでレースを楽しんでいる。カルチャーショックを受けるとともにアメリカでのレース経験は良い刺激になりました」と語っている。
CL1レースを制したのは、序盤から独走した全日本チャンピオンの宮内佐季子(Team CHAINRING)。2位の淵上千春子(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB)を2分近く引き離す走りで圧勝した宮内だが、「今日は(時間差スタートの)CM1の選手をあまり追い抜くことが出来なかったので悔しいですね」と納得していない様子。「宇都宮で競り合った今井美穂選手や坂口聖香選手も確実に強くなっているし、今日一緒に走った淵上千春子選手もポテンシャルがある。警戒すべき選手が多くいるけど、そのプレッシャーがあるからこそ昨シーズンよりも走れています」と自信を見せた。
CM1は序盤からリードした筧太一(BUCYOcoffee-CLT)が食らいつく藤井修(きゅうべえsports)を振り切って勝利。また、昨シーズンのCM1で年間チャンピオンに輝いた丸畑明彦(PCサイクルクラブ松本)はC2に出走し、後半に追い上げた松木健治(村上建具)と競り合って2位に。優勝した松木とともにC1昇格を決めている。
その他のカテゴリーの模様はフォトギャラリーにて。
C1(ロング9周回)
1位 濱由嵩(SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAM)
2位 中井唯晶(瀬田工業高校) +1'48"
3位 伊澤優大(岩井商会レーシング) +2'05"
4位 大塚航(JPST MASSA ANDEX) +3'05"
5位 蜂須賀智也(CLT BUCYO COFFEE) +3'18"
6位 村田憲治(tacurino.net) +3'26"
7位 久保伸次(岩井商会レーシング) +3'27"
8位 松本哲(グランデパール播磨) +3'28"
9位 船岡洋(tacurino.net) +4'15"
10位 山本聖吾(スワコレーシングチーム) +4'38"
CM1(ロング5周回)
1位 筧太一(BUCYOcoffee-CLT)
2位 藤井修(きゅうべえsports) +33"
3位 清水達也(北陸ドロタボウ) +1'39"
4位 大河内二郎(シルクロード) +1'51"
5位 竹本知博(Golosa +2'17"
6位 中野政彦(Team Speed) +2'26"
CL1(ロング4周回)
1位 宮内佐季子(Team CHAINRING)
2位 淵上千春子(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB) +1'51"
3位 上田順子(関西ダム部/獣遊) +3'22"
4位 三井由香(ベロチスタ アヴェル) -1Lap
C2(ロング5周回)
1位 松木健治(村上建具) 37'06"
2位 丸畑明彦(PCサイクルクラブ松本) +24"
3位 丸山由起夫(ML OPEN/Crifford) +42"
CM2(ミドル5周回)
1位 辻崎邦彦(CSヤマダ) 29'39"
2位 岩上真也(大原朝市R&Cゾルゲ隊) +21"
3位 林宏憲(Isnet fukui Cycling team) +44"
CL2(ミドル4周回)
1位 平田千枝(まほロバRC) 23'34"
2位 菱田恵美子(ストラーダR) +43"
3位 清水朱実(北陸ドロタボウ) +46"
C3(ミドル5周回)
1位 涌本正樹(Teamスクアドラ) 25'43"
2位 埋樋敬介 +17"
3位 多賀良成(自転車のウエサカシクロ隊/OGP) +19"
U17(ミドル5周回)
1位 岡村紀一郎(ナカガワRT/伊都製糸/team岡村) 30'15"
2位 馬野龍寛 -2Laps
CM3(ミドル5周回)
1位 渡辺政幸(RITCHEY BREZZA KAMIHAGI) 28'51"
2位 大平義宏(CHARGE Cycling Club) +33"
3位 山下禎一郎(怪速ゾルゲ隊) +37"
CL3(ミドル3周回)
1位 中里真由美(TeamARAYA) 20'20"
2位 美並聡子 +42"
3位 菅野直美(軽井沢華麗倶楽部) +45"
C4A(ミドル5周回)
1位 森川敦(サイクルロード8) 28'10"
2位 腰山雅大(TEAM PLAYDESIGN) +08"
3位 浅井海成(大阪府立大学) +18"
C4B(ミドル5周回)
1位 佐藤英樹 25'39"
2位 山尾優太郎 +19"
3位 伊藤聖史(オガワサイクル) +41"
text&photo:Kei Tsuji
日本きっての砂地コースとして知られるビワコマイアミランド。砂浜と松林を行き来するパワーとテクニックを要する難コースで、フカフカの砂に覆われた長い砂浜セクションが選手たちを苦しめる。いつしかシクロクロッサーの間では「砂地獄」として定着した。
同じ日にロードのJプロツアーやMTBのJシリーズが行なわれていたにも関わらず、エントリー数は500名オーバー。特にC4やCM3などの入門カテゴリーのエントリー増加が顕著で、1レースの出走数が130名に達する組も。国内シクロクロスを牽引する老舗シリーズは増加するエントリー数とタイトなスケジュールに頭を悩ませながらも、スムーズにレースを運営している。
C1はホールショットで飛び出した大塚航(JPST MASSA ANDEX)を抜いて、島田真琴(シマノドリンキング)がレースをリードする。やがてここに濱由嵩(SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAM)がジョイン。先頭2人での走行が始まった。
合計9周のうち3周目に差し掛かる頃には濱が先頭独走状態に。その後、島田はパンクによって順位を落とし、代わって2番手に浮上したのは最後尾スタートの中井唯晶(瀬田工業高校)。地元滋賀県出身の中井が単独追走をかけたが、レース中盤の時点で先頭の濱とのタイム差は1分まで広がっていた。
「タイム差が1分まで広がってからは8割の力で丁寧に走った」と振り返る濱は、合計4回の転倒を喫しながらも独走状態をキープ。「何とかタイム差を詰めようとしたんですが、詰まらなかった」という中井を1分48秒引き離した濱が勝利した。3位には伊澤優大(岩井商会レーシング)が入っている。
ほとんどの選手にとってシーズン初戦にあたる関西シクロクロス第1戦だが、濱にとってはシーズン7戦目。SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAMの一員としてアメリカでシーズンインし、帰国後もジャパンカップシクロクロスや茨城シクロクロスに出場した。
「日本人選手の中でここまで最もレース数をこなしていると思います」と濱。今シーズンに向けてトレーニング方法を変え、その成果を実感していると言う。「個人トレーナーと一緒に筋トレやウェイトトレーニング、パワートレーニングをしていますが、全ては少ない力で前にバイクを進めるため。今までより大きな力を出すためではなく、今までより小さな力で走るためのトレーニングを行なっています。宇都宮で小坂光君たちと走ってみて、高速コースでは闘えると実感しましたし、昨シーズンよりも走れています」。
濱は9月にアメリカで3レースを転戦。2年連続のアメリカでのシーズンインについて「アメリカと日本では競技への取り組み方が違うと感じました。意外に思うかもしれませんが、みんなストイックで物凄く真剣に取り組んでいる。レースの参加者数も競技人口も違うし、食事一つとっても徹底的に管理している。それでいて皆フレンドリーでレースを楽しんでいる。カルチャーショックを受けるとともにアメリカでのレース経験は良い刺激になりました」と語っている。
CL1レースを制したのは、序盤から独走した全日本チャンピオンの宮内佐季子(Team CHAINRING)。2位の淵上千春子(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB)を2分近く引き離す走りで圧勝した宮内だが、「今日は(時間差スタートの)CM1の選手をあまり追い抜くことが出来なかったので悔しいですね」と納得していない様子。「宇都宮で競り合った今井美穂選手や坂口聖香選手も確実に強くなっているし、今日一緒に走った淵上千春子選手もポテンシャルがある。警戒すべき選手が多くいるけど、そのプレッシャーがあるからこそ昨シーズンよりも走れています」と自信を見せた。
CM1は序盤からリードした筧太一(BUCYOcoffee-CLT)が食らいつく藤井修(きゅうべえsports)を振り切って勝利。また、昨シーズンのCM1で年間チャンピオンに輝いた丸畑明彦(PCサイクルクラブ松本)はC2に出走し、後半に追い上げた松木健治(村上建具)と競り合って2位に。優勝した松木とともにC1昇格を決めている。
その他のカテゴリーの模様はフォトギャラリーにて。
C1(ロング9周回)
1位 濱由嵩(SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAM)
2位 中井唯晶(瀬田工業高校) +1'48"
3位 伊澤優大(岩井商会レーシング) +2'05"
4位 大塚航(JPST MASSA ANDEX) +3'05"
5位 蜂須賀智也(CLT BUCYO COFFEE) +3'18"
6位 村田憲治(tacurino.net) +3'26"
7位 久保伸次(岩井商会レーシング) +3'27"
8位 松本哲(グランデパール播磨) +3'28"
9位 船岡洋(tacurino.net) +4'15"
10位 山本聖吾(スワコレーシングチーム) +4'38"
CM1(ロング5周回)
1位 筧太一(BUCYOcoffee-CLT)
2位 藤井修(きゅうべえsports) +33"
3位 清水達也(北陸ドロタボウ) +1'39"
4位 大河内二郎(シルクロード) +1'51"
5位 竹本知博(Golosa +2'17"
6位 中野政彦(Team Speed) +2'26"
CL1(ロング4周回)
1位 宮内佐季子(Team CHAINRING)
2位 淵上千春子(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB) +1'51"
3位 上田順子(関西ダム部/獣遊) +3'22"
4位 三井由香(ベロチスタ アヴェル) -1Lap
C2(ロング5周回)
1位 松木健治(村上建具) 37'06"
2位 丸畑明彦(PCサイクルクラブ松本) +24"
3位 丸山由起夫(ML OPEN/Crifford) +42"
CM2(ミドル5周回)
1位 辻崎邦彦(CSヤマダ) 29'39"
2位 岩上真也(大原朝市R&Cゾルゲ隊) +21"
3位 林宏憲(Isnet fukui Cycling team) +44"
CL2(ミドル4周回)
1位 平田千枝(まほロバRC) 23'34"
2位 菱田恵美子(ストラーダR) +43"
3位 清水朱実(北陸ドロタボウ) +46"
C3(ミドル5周回)
1位 涌本正樹(Teamスクアドラ) 25'43"
2位 埋樋敬介 +17"
3位 多賀良成(自転車のウエサカシクロ隊/OGP) +19"
U17(ミドル5周回)
1位 岡村紀一郎(ナカガワRT/伊都製糸/team岡村) 30'15"
2位 馬野龍寛 -2Laps
CM3(ミドル5周回)
1位 渡辺政幸(RITCHEY BREZZA KAMIHAGI) 28'51"
2位 大平義宏(CHARGE Cycling Club) +33"
3位 山下禎一郎(怪速ゾルゲ隊) +37"
CL3(ミドル3周回)
1位 中里真由美(TeamARAYA) 20'20"
2位 美並聡子 +42"
3位 菅野直美(軽井沢華麗倶楽部) +45"
C4A(ミドル5周回)
1位 森川敦(サイクルロード8) 28'10"
2位 腰山雅大(TEAM PLAYDESIGN) +08"
3位 浅井海成(大阪府立大学) +18"
C4B(ミドル5周回)
1位 佐藤英樹 25'39"
2位 山尾優太郎 +19"
3位 伊藤聖史(オガワサイクル) +41"
text&photo:Kei Tsuji
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