ヨーロッパでシクロクロスシーズンが本格的に開幕した。世界三大シリーズの一つに数えられるスーパープレスティージュの初戦がオランダで行なわれ、19歳のマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)が勢いある走りで勝利した。



森と砂地を繋ぐように作られたオランダ・ギーテンのコース森と砂地を繋ぐように作られたオランダ・ギーテンのコース photo:Tim de Waeleシクロクロスにおける三大シリーズが、UCIワールドカップとスーパープレスティージュ、そしてBpost Bankトロフェー(元GvAトロフェー)だ。それぞれシーズン7〜8戦開催され、その日程は重複していない。UCI世界選手権は1月31日から2日間チェコのターボルで開催される。

スーパープレスティージュは1982-1983年シーズンに初開催されたシクロクロスシリーズ戦で、1993-1994年シーズンに始動したUCIワールドカップよりも歴史は古い。なお、三大シリーズと世界選手権を同年に制覇することを「グランドスラム」と呼び、2005年にスヴェン・ネイスが達成している。


シクロクロス2014-2015カレンダー(WC=UCIワールドカップ、SP=スーパープレスティージュ)
10月5日 SP第1戦 ギーテン(オランダ)
10月12日 Bpost第1戦 ロンセ(ベルギー)
10月19日 WC第1戦 ファルケンブルグ(オランダ)
11月1日 Bpost第2戦 コッペンベルグ(ベルギー)
11月2日 SP第2戦 ゾンホーフェン(ベルギー)
11月9日 SP第3戦 ルッデルフォールデ(ベルギー)
11月16日 SP第4戦 アスペル・ガーフェレ(ベルギー)
11月22日 WC第2戦 コクサイデ(ベルギー)
11月23日 SP第5戦 スパ・フランコルシャン(ベルギー)
11月29日 WC第3戦 ミルトンケイネス(イギリス)
11月30日 Bpost第3戦 ハンメ(ベルギー)
12月6日 Bpost第4戦 ハッセルト(ベルギー)
12月20日 Bpost第5戦 エッセン(ベルギー)
12月21日 WC第4戦 ナミュール(ベルギー)
12月26日 WC第5戦 ヒュースデンゾルダー(ベルギー)
12月28日 SP第6戦 ディーゲム(ベルギー)
12月30日 Bpost第6戦 ローエンホート(ベルギー)
1月1日 Bpost第7戦 バール(ベルギー)
1月25日 WC第6戦 ホーヘルハイデ(オランダ)
1月31日〜2月1日 世界選手権 ターボル(チェコ)
2月7日 Bpost第8戦 リール(ベルギー)
2月8日 SP第7戦 ホーグストラテン(ベルギー)
2月14日 SP第8戦 ミッデルケルケ(ベルギー)



バイクを押して砂セクションをクリアするマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)バイクを押して砂セクションをクリアするマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス) photo:Tim de Waele


前半から積極的な走りを見せたラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)前半から積極的な走りを見せたラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ) photo:Tim de Waele他の2シリーズに先立って、スーパープレスティージュ初戦がオランダのギーテンで開催。最前列スタートのスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)が出遅れる中、マテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)やラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)、トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)、ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)らが先行した。

ベテランの走りで最終的に3位まで順位を上げたスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)ベテランの走りで最終的に3位まで順位を上げたスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク) photo:Tim de Waeleファンデルポールがメカトラ、メーウセンが落車でそれぞれポジションを下げ、オランダチャンピオンのファンデルハールが先頭でラップを重ねる。後方ではネイスとファンデルポールが追走グループを率い、ファンデルポールが先頭ファンデルハールとの距離を徐々に縮める。19歳ファンデルポールが4歳上のファンデルハールをキャッチした。

砂セクションを攻めるマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)砂セクションを攻めるマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス) photo:Tim de Waele最終周回、テクニカルな砂セクションを前に一気に仕掛けたのはファンデルポール。BKCPジャージで走るネオプロがそのまま先頭を守り切り、エリートカテゴリー初勝利を飾った。19歳ファンデルポールと23歳ファンデルハールと一緒に、38歳のネイスが表彰台に登っている。

ファンデルポールは2011年から2年連続でジュニア世界チャンピオンに輝き、2013年にはロードのジュニア世界チャンピオンにも輝いている新星。19歳ながら2013年シーズンはU23レースを席巻し、今シーズンからBKCPパワープラスのメンバーとしてエリートカテゴリーで走っている。

ファンデルポールの父親は1980年代にロンド・ファン・フラーンデレンやリエージュ〜バストーニュ〜リエージュで優勝し、6度オランダチャンピオンに輝き、1996年にシクロクロスの世界チャンピオンに輝いているアドリ・ファンデルプール。3歳上の兄デーヴィッドもシクロクロス選手で、この日4位に絡む走りを見せている。

引退した2度の世界王者ニールス・アルベルト(ベルギー)に代わってファンデルポール兄弟がBKCPパワープラスのエースを担う。今シーズンは若手の活躍に注目だ。



スーパープレスティージュ初優勝を果たしたマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)スーパープレスティージュ初優勝を果たしたマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス) photo:Tim de Waele


スーパープレスティージュ2014-2015第1戦結果
1位 マテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)         56'10"
2位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)          +02"
3位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)               +37"
4位 デーヴィッド・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)        +44"
5位 クラース・ファントルノート(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)    +45"
6位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)       +58"
7位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア)          +1'16"
8位 ジム・アルノーツ(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)        +1'20"
9位 ディテル・ファントーレンハウト(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +1'24"
10位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)            +1'31"

text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele

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