2014/09/29(月) - 17:08
終盤のシマノ、マトリックス、右京の攻撃でできた先頭集団から抜け出したのは8月からチームに加入したエドワード・プラデス(マトリックスパワータグ)。兄のベンジャミンとともに攻撃しJBCFの新設大会を制した。
南魚沼サイクルフェスタの2日間
JBCF南魚沼サイクルロードレースは今年から新設の公道ロードレース。新潟県南魚沼市郊外の三国川(さぐりがわ)ダム周辺を周回する1周12kmの公道コース。ダム堰堤までの2kmで140mの登坂先がフィニッシュ地点。南魚沼市では2008年の都道府県対抗ロードから国民体育大会ロード、インターハイロードや地域大会でこの三国川ダム周辺でレースを行なってきた。その一部区間を使いダム湖周囲を周回する設定で今回の大会は行われた。
9月27日から2日間、南魚沼サイクルフェスタが行なわれ、初日は60kmと100kmのグルメライドが当初設定定員の500人を超える700人の参加者で行なわれた。米どころ新潟県のさらにコシヒカリの産地として名高い南魚沼らしく、エイドステーションはコシヒカリを使ったおにぎりなどがたくさん。盛況のうちに初日を終えた。
新規大会の南魚沼
2日目の9月28日(日)はJBCFのレース。朝8時のE2クラスタから1日が始まった。コースは堰堤までの上りののちも小さなアップダウンが続き狭くカーブの多いダム湖北岸と、道幅広く平坦なダム湖南岸側の道路で構成。P1クラスタは下からスタートし(+2km)1周12kmを10周する122kmで行なわれた。大きな流れは上り区間で、そしてレースを決定付ける動きは平坦区間でのアタックで決まった。
年間21戦のJプロツアーもこの南魚沼で16戦目。そろそろ年間総合成績が気になるところ。レース前の成績は、個人リーダーがホセ・ビセンテ(チーム右京)8480点、2位増田成幸(宇都宮ブリッツェン)は8420点と僅差。チーム総合は宇都宮ブリッツェン27545点にチーム右京が24575点と小差で続く。
宇都宮ブリッツェンの2人が84kmを逃げる
1周目の上りはコントロールラインまで穏やかに進むがその後に堀孝明と阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)の攻撃で活性化、一時は20人ほどの先行グループができるが2周目へ入るまでに吸収。ここで小橋勇利(JP SPORTS TEST TEAM-MASSA-ANDEX)がアタック、長くなった集団前方から阿部と堀の2名が抜け出し逃げの態勢に入る。
メイン集団も追走し2周目終盤には差は5秒と吸収直前まで詰め寄るが再びその差は開き、2人の逃げが決まる。阿部が先頭のほとんどをハイペースで引き続け、いっぽうでメイン集団は組織だった追走にならずペースが上下する。動きのあったのは7周目。チーム右京がメンバーをそろえて追走に入り、それまでの差、2分30秒を半周で1分縮める走りを見せる。
終盤に向け各チームの攻防が続く
8周目、活性化したメイン集団から畑中勇介(シマノレーシング)がアタック、吸収されるがペースは上がる。いっぽうの先頭は阿部が脱落し、そしてひとり先頭を走っていた堀も9周目へ入る直前に吸収され集団はひとつに。
9周目はアタックの応酬となり、攻撃するのはマトリックスパワータグとシマノレーシングが中心。この動きで入部正太朗(シマノレーシング)がアタック。これにベンジャミン・プラデス(マトリックスパワータグ)、先ほどまで逃げていた堀、そしてホセ・ビセンテが合流し4人で逃げ、その後堀が脱落。ルビーレッドジャージの入った3人の逃げを増田が単独で追走、上り区間途中で追いつき、さらに後続も追いついて最終10周目へ集団で突入。
入部正太朗(シマノレーシング)のアタックで3人の逃げ
最終周回はアタックの応酬。チーム右京、マトリックスパワータグ、シマノレーシングによる攻撃が絶えず繰り出される。ダム湖南岸へ入ったラスト8kmで入部がアタック、これにプラデス(マトリックスパワータグ)、サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)が合流し3人で上り区間へ。
ラスト600mでエドワード・プラデスが抜け出し、メイン集団からも窪木一茂(チーム右京)らが猛追を見せる。抜け出したエドワード・プラデスはそのまま逃げ切って優勝。これにグアルディオラ、兄のベンジャミン・プラデス、そして「4分半の上り、じつは狙っていた」という窪木らが続いた。
優勝したエドワード・プラデスはポルトガルのコンチネンタルチームに所属していたがシーズン中盤で、兄のベンジャミンが年初からいるマトリックスパワータグへ移籍してきた。
またレース終盤はマトリックスパワータグとチーム右京のスペイン人選手による攻撃でレースは活性化したが、その中にあって2回の重要な逃げを作った入部の走りが光った。
アジア大会帰りの窪木も4位に食い込み、そしてポイント争いでは増田がホセ・ビセンテと同点のフィニッシュ順位。終盤は強力なスペイン人選手を軸にレースは動いたがこれに加え、互角に渡り合う日本人選手たちの活躍が期待される。そして個人は60点差、チーム総合は1000点を詰めて1970点差となった年間総合成績を巡る動きが、次戦以降もカギになるだろう。
結果
P1クラスタ 122km
1位 エドワード・プラデス(マトリックスパワータグ)3時間14分28秒
2位 サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)+08秒
3位 ベンジャミン・プラデス(マトリックスパワータグ)+21秒
4位 窪木一茂(チーム右京)+29秒
5位 入部正太朗(シマノレーシング)+36秒
6位 武末真和(ロヂャースレーシングチーム)+36秒
7位 ホセ・ビセンテ(チーム右京)+57秒
8位 リカルド・ガルシア(チーム右京)
9位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
10位 山本隼(チーム右京)+1分10秒
Jプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ(TeamUKYO)
U23リーダー 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)
Fクラスタ 38km
1位 智野真央(NEILPRYDE-MENS CLUB JFT)1時間14分20秒
2位 樫木祥子(駒澤大学自転車部)+09秒
3位 針谷千紗子(Live GARDEN BICI STELLE)+17秒
E1クラスタ 50km
1位 西薗良太(チャンピオンシステムジャパン)1時間22分04秒
2位 小野康太郎(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)+04秒
3位 田崎友康(F(t)麒麟山 Racing)
4位 鶴岡慶太(RITCHEY BREZZAカミハギRT)+19秒
5位 宇田川陽平(ブラウ・ブリッツェン)+33秒
6位 浅尾銀二(ボンシャンス)+35秒
E2クラスタ 38km
1位 岩井太秀(エルドラード・エスペランサ)1時間03分22秒
2位 佐々木貴則(SEKIYA)
3位 武富康平(SEKIYA)+07秒
4位 斉藤光一(F(t)麒麟山 Racing)+09秒
5位 中澤潤(Pinazou Test Team)+14秒
6位 小池悠介(gruppo bici-okadaman)+19秒
E3クラスタ 26km
1位 遠藤健太(チームフィンズ)43分25秒
2位 高橋峰樹(F(t)麒麟山 Racing)+04秒
3位 森天孝(Maidservant Subject)+07秒
4位 国分択磨(エルドラード・エスペランサ)+09秒
5位 山田大介(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)+15秒
6位 石井晋也(ZIPPY CYCLE CLUB)+16秒
photo&text:高木秀彰
南魚沼サイクルフェスタの2日間
JBCF南魚沼サイクルロードレースは今年から新設の公道ロードレース。新潟県南魚沼市郊外の三国川(さぐりがわ)ダム周辺を周回する1周12kmの公道コース。ダム堰堤までの2kmで140mの登坂先がフィニッシュ地点。南魚沼市では2008年の都道府県対抗ロードから国民体育大会ロード、インターハイロードや地域大会でこの三国川ダム周辺でレースを行なってきた。その一部区間を使いダム湖周囲を周回する設定で今回の大会は行われた。
9月27日から2日間、南魚沼サイクルフェスタが行なわれ、初日は60kmと100kmのグルメライドが当初設定定員の500人を超える700人の参加者で行なわれた。米どころ新潟県のさらにコシヒカリの産地として名高い南魚沼らしく、エイドステーションはコシヒカリを使ったおにぎりなどがたくさん。盛況のうちに初日を終えた。
新規大会の南魚沼
2日目の9月28日(日)はJBCFのレース。朝8時のE2クラスタから1日が始まった。コースは堰堤までの上りののちも小さなアップダウンが続き狭くカーブの多いダム湖北岸と、道幅広く平坦なダム湖南岸側の道路で構成。P1クラスタは下からスタートし(+2km)1周12kmを10周する122kmで行なわれた。大きな流れは上り区間で、そしてレースを決定付ける動きは平坦区間でのアタックで決まった。
年間21戦のJプロツアーもこの南魚沼で16戦目。そろそろ年間総合成績が気になるところ。レース前の成績は、個人リーダーがホセ・ビセンテ(チーム右京)8480点、2位増田成幸(宇都宮ブリッツェン)は8420点と僅差。チーム総合は宇都宮ブリッツェン27545点にチーム右京が24575点と小差で続く。
宇都宮ブリッツェンの2人が84kmを逃げる
1周目の上りはコントロールラインまで穏やかに進むがその後に堀孝明と阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)の攻撃で活性化、一時は20人ほどの先行グループができるが2周目へ入るまでに吸収。ここで小橋勇利(JP SPORTS TEST TEAM-MASSA-ANDEX)がアタック、長くなった集団前方から阿部と堀の2名が抜け出し逃げの態勢に入る。
メイン集団も追走し2周目終盤には差は5秒と吸収直前まで詰め寄るが再びその差は開き、2人の逃げが決まる。阿部が先頭のほとんどをハイペースで引き続け、いっぽうでメイン集団は組織だった追走にならずペースが上下する。動きのあったのは7周目。チーム右京がメンバーをそろえて追走に入り、それまでの差、2分30秒を半周で1分縮める走りを見せる。
終盤に向け各チームの攻防が続く
8周目、活性化したメイン集団から畑中勇介(シマノレーシング)がアタック、吸収されるがペースは上がる。いっぽうの先頭は阿部が脱落し、そしてひとり先頭を走っていた堀も9周目へ入る直前に吸収され集団はひとつに。
9周目はアタックの応酬となり、攻撃するのはマトリックスパワータグとシマノレーシングが中心。この動きで入部正太朗(シマノレーシング)がアタック。これにベンジャミン・プラデス(マトリックスパワータグ)、先ほどまで逃げていた堀、そしてホセ・ビセンテが合流し4人で逃げ、その後堀が脱落。ルビーレッドジャージの入った3人の逃げを増田が単独で追走、上り区間途中で追いつき、さらに後続も追いついて最終10周目へ集団で突入。
入部正太朗(シマノレーシング)のアタックで3人の逃げ
最終周回はアタックの応酬。チーム右京、マトリックスパワータグ、シマノレーシングによる攻撃が絶えず繰り出される。ダム湖南岸へ入ったラスト8kmで入部がアタック、これにプラデス(マトリックスパワータグ)、サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)が合流し3人で上り区間へ。
ラスト600mでエドワード・プラデスが抜け出し、メイン集団からも窪木一茂(チーム右京)らが猛追を見せる。抜け出したエドワード・プラデスはそのまま逃げ切って優勝。これにグアルディオラ、兄のベンジャミン・プラデス、そして「4分半の上り、じつは狙っていた」という窪木らが続いた。
優勝したエドワード・プラデスはポルトガルのコンチネンタルチームに所属していたがシーズン中盤で、兄のベンジャミンが年初からいるマトリックスパワータグへ移籍してきた。
またレース終盤はマトリックスパワータグとチーム右京のスペイン人選手による攻撃でレースは活性化したが、その中にあって2回の重要な逃げを作った入部の走りが光った。
アジア大会帰りの窪木も4位に食い込み、そしてポイント争いでは増田がホセ・ビセンテと同点のフィニッシュ順位。終盤は強力なスペイン人選手を軸にレースは動いたがこれに加え、互角に渡り合う日本人選手たちの活躍が期待される。そして個人は60点差、チーム総合は1000点を詰めて1970点差となった年間総合成績を巡る動きが、次戦以降もカギになるだろう。
結果
P1クラスタ 122km
1位 エドワード・プラデス(マトリックスパワータグ)3時間14分28秒
2位 サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)+08秒
3位 ベンジャミン・プラデス(マトリックスパワータグ)+21秒
4位 窪木一茂(チーム右京)+29秒
5位 入部正太朗(シマノレーシング)+36秒
6位 武末真和(ロヂャースレーシングチーム)+36秒
7位 ホセ・ビセンテ(チーム右京)+57秒
8位 リカルド・ガルシア(チーム右京)
9位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
10位 山本隼(チーム右京)+1分10秒
Jプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ(TeamUKYO)
U23リーダー 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)
Fクラスタ 38km
1位 智野真央(NEILPRYDE-MENS CLUB JFT)1時間14分20秒
2位 樫木祥子(駒澤大学自転車部)+09秒
3位 針谷千紗子(Live GARDEN BICI STELLE)+17秒
E1クラスタ 50km
1位 西薗良太(チャンピオンシステムジャパン)1時間22分04秒
2位 小野康太郎(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)+04秒
3位 田崎友康(F(t)麒麟山 Racing)
4位 鶴岡慶太(RITCHEY BREZZAカミハギRT)+19秒
5位 宇田川陽平(ブラウ・ブリッツェン)+33秒
6位 浅尾銀二(ボンシャンス)+35秒
E2クラスタ 38km
1位 岩井太秀(エルドラード・エスペランサ)1時間03分22秒
2位 佐々木貴則(SEKIYA)
3位 武富康平(SEKIYA)+07秒
4位 斉藤光一(F(t)麒麟山 Racing)+09秒
5位 中澤潤(Pinazou Test Team)+14秒
6位 小池悠介(gruppo bici-okadaman)+19秒
E3クラスタ 26km
1位 遠藤健太(チームフィンズ)43分25秒
2位 高橋峰樹(F(t)麒麟山 Racing)+04秒
3位 森天孝(Maidservant Subject)+07秒
4位 国分択磨(エルドラード・エスペランサ)+09秒
5位 山田大介(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)+15秒
6位 石井晋也(ZIPPY CYCLE CLUB)+16秒
photo&text:高木秀彰
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