2014/09/17(水) - 13:17
連載でお届けするユーロバイク フォトレポートの第3弾。今回も世界最大規模のサイクルショーで発見したニューモデルや面白いプロダクツ&展示を紹介します。(ユーロバイク2014の記事インデックスはこちらから)
リドレー(ベルギー)
自転車競技のメッカであるベルギー・フランドル地方に居を構えるリドレー。既報の通り、同社がサポートするロット・ベリソルのアイデアを取り入れた新型軽量エアロロード「NOAH SL」を発表。(アンドレ・グライペルも登場した発表会の詳細はこちらから)。加えて、プロも使用するミドルクラスのロードバイク「Fenix」のディスクブレーキモデルや、CXバイク「X-BOW」をベースとしたアーバンモデルなどがラインナップに加わる。
もちろん、プロレースと密接な関係を持つ同社だけあってブース内の至る所にロット・ベリソルのバイクが展示されていた。中でもグライペルが愛用するゴリラペイントのNOAH FASTは風洞実験装置の模型の中に飾られるという拘りよう。
社長のヨアキム・アールツ氏が自らペイントしたマイヨジョーヌ仕様のHelium SLも注目を集めた一方で、パリ~ルーベ用に製造されたプロ供給専用のX-Nightはシクロクロスブースにひっそりと置かれていた(バイクのカラーもシンプルとあって危うく写真を取り逃すほどさり気なかったほど)。
フィジーク(イタリア)
イタリアのフィジークは、登場から15年を経た定番サドル「ALIANTE」をフルモデルチェンジした。大きく湾曲した座面形状を従来モデルから踏襲しつつも、フォームの厚み等を変更することで大幅な軽量化を果たしている。実際に触ってみた印象としてはすわり心地はやや硬くなっていそうだが、座面の沈み込みが抑えられたことでペダリングロスは低減されているはず。
加えてフィジークのサドルに最適なシートポスト「Cyrano」にはフルカーボン製の新型ハイエンド「00」が登場。重量は175gと軽い。
シューズではロードとMTBの両ジャンルでダイヤルクロージャー採用モデルが追加された。採用するのはBOAの最新モデルL5で、パネル数の少なくなったアッパーと併せてフィット感を向上させている。ソールも新型となっており、サイズ感はやや幅広になっているとのこと。
また、ブース内にはフィジークがサポートするキャノンデールプロサイクリング、チームスカイ、ガーミン・シャープ、AG2Rなどのバイクが展示されており、レース現場との強い結びつきを感じ取れる。ガーミン・シャープのサーヴェロはデヴィッド・ミラーの愛車で、ロンド・ファン・フラーンデレン用にデザインされたオリジナルシューズが取り付けられていた。
CAAM Corsa(イタリア)
「CAAM Corsa」はイタリアを拠点としてハンドメイドを貫くバイクブランド。オーソドックスなデザインのバイクを揃える一方で、ドイツブランドの様にユニークなデザインのモデルもラインナップしている。その代表モデルが今回のユーロバイクで展示していたディスクブレーキ仕様のエアロロード「Honeycomb RR SingleArm」だ。
片持ち式フロントフォークもさることながら、素材にレーシングカーのテクノロジーを投入したハニカムカーボンを用いていることが大きなトピックス。細かな部分では手作り感溢れる、独特な構造のシートポストのヤグラも興味深い。サドルレール下のイモネジにはどんな機能が備えられているのだろうか。
シュワルベ(ドイツ)
ドイツに居を構えるタイヤメーカーのシュワルベはロードとMTBの両ジャンルで新製品を多く展示。ロードでは今季限りで引退するイェンス・フォイクト(トレックファクトリーレーシング)のシグネチャーモデルを発表した。ベースとなっているのは昨年発売したハイエンドレーシングモデルのONEだが、トレッドパターンが異なり、通常モデルが完全にスリックなのに対して、左右交互にストライプ状のパターンが設けられている。
MTBでは欧州で人気急上昇中のエンデューロやダウンヒルに向けた画期的な新システム「PROCORE」を発表しユーロバイクアワードを獲得。これはチューブレスタイヤの中にビードを保持しリム打ちを防止するインナーチャンバーを設けることで、0.8~1.5barという低圧を可能とし更なる高グリップを実現するというもの。また、ファットバイク用タイヤ「JUMBO JIM」も発表され、既に会場内の多くの展示車に取り付けられていた。
スミス・オプティクス(アメリカ)
アイウェアで高い評価を得ているアメリカのスミス・オプティクスのトピックスは同社史上初となる自転車用ヘルメット。現在市場にあるヘルメットのほとんどが素材にEPS等の発泡フォームを採用しているのに対して、Koroydなるハニカム構造の素材を採用することで安全性を高めたことが特徴だ。
ロード用の「Overtake」は空気抵抗が少なそうなコンパクトなデザインで、担当者によれば大きなベンチレーションが設けられていないにも関わらず通気性が優れているとのこと。さらにMIPSと呼ばれる、斜め方向からの衝撃から頭部を守るテクノロジーを搭載したモデルも用意される。
K-Edge(アメリカ)
K-Edgeは国内でも人気沸騰中のパイオニアのペダリングモニターに対応するマウントや、クランク型パワーメーターSRM用のケイデンスマグネットを一体化したチェーンキャッチャーなどニッチなアイテムを発表。ブース内ではアウトフロントマウントにかなり重いレンガを吊るして固定力の高さを実証するデモンストレーションが行われていた。やや行き過ぎたアピールとも思われるが、ハイパワーライトやウェアラブルカメラなどハンドル周りが重くなっている現状を踏まえるとかなり現実的かも。
PEdAL ED(日本/イタリア)
PEdAL ED(ペダレッド)は2007年に誕生した日本発のサイクルアパレルブランド。例年ユーロバイクでは大きな注目集め、海外展開に伴って現在は日本でデザインを行い、多くのウェアメーカーが居を構えるイタリアを生産拠点としている。
今回は新作の「LAB JACKET」が3年連続となるユーロバイクアワードを受賞。このジャケットはリバーシブルで、日中の寒い時には黒い面を表にして太陽光を取り込むことで暖かく、日が暮れてからはリフレクター機能を持つ白い面(写真)を表にすることで安全性を高めることできるという使い勝手に優れたアイテムだ。もちろん防風/防水性能にも配慮されており、縫い目には防水テープ加工が。自転車に乗る際のみならず、普段使いにも違和感のないスタイリッシュな1着に仕上がっている。
text&photo:Yuya.Yamamoto
リドレー(ベルギー)
自転車競技のメッカであるベルギー・フランドル地方に居を構えるリドレー。既報の通り、同社がサポートするロット・ベリソルのアイデアを取り入れた新型軽量エアロロード「NOAH SL」を発表。(アンドレ・グライペルも登場した発表会の詳細はこちらから)。加えて、プロも使用するミドルクラスのロードバイク「Fenix」のディスクブレーキモデルや、CXバイク「X-BOW」をベースとしたアーバンモデルなどがラインナップに加わる。
もちろん、プロレースと密接な関係を持つ同社だけあってブース内の至る所にロット・ベリソルのバイクが展示されていた。中でもグライペルが愛用するゴリラペイントのNOAH FASTは風洞実験装置の模型の中に飾られるという拘りよう。
社長のヨアキム・アールツ氏が自らペイントしたマイヨジョーヌ仕様のHelium SLも注目を集めた一方で、パリ~ルーベ用に製造されたプロ供給専用のX-Nightはシクロクロスブースにひっそりと置かれていた(バイクのカラーもシンプルとあって危うく写真を取り逃すほどさり気なかったほど)。
フィジーク(イタリア)
イタリアのフィジークは、登場から15年を経た定番サドル「ALIANTE」をフルモデルチェンジした。大きく湾曲した座面形状を従来モデルから踏襲しつつも、フォームの厚み等を変更することで大幅な軽量化を果たしている。実際に触ってみた印象としてはすわり心地はやや硬くなっていそうだが、座面の沈み込みが抑えられたことでペダリングロスは低減されているはず。
加えてフィジークのサドルに最適なシートポスト「Cyrano」にはフルカーボン製の新型ハイエンド「00」が登場。重量は175gと軽い。
シューズではロードとMTBの両ジャンルでダイヤルクロージャー採用モデルが追加された。採用するのはBOAの最新モデルL5で、パネル数の少なくなったアッパーと併せてフィット感を向上させている。ソールも新型となっており、サイズ感はやや幅広になっているとのこと。
また、ブース内にはフィジークがサポートするキャノンデールプロサイクリング、チームスカイ、ガーミン・シャープ、AG2Rなどのバイクが展示されており、レース現場との強い結びつきを感じ取れる。ガーミン・シャープのサーヴェロはデヴィッド・ミラーの愛車で、ロンド・ファン・フラーンデレン用にデザインされたオリジナルシューズが取り付けられていた。
CAAM Corsa(イタリア)
「CAAM Corsa」はイタリアを拠点としてハンドメイドを貫くバイクブランド。オーソドックスなデザインのバイクを揃える一方で、ドイツブランドの様にユニークなデザインのモデルもラインナップしている。その代表モデルが今回のユーロバイクで展示していたディスクブレーキ仕様のエアロロード「Honeycomb RR SingleArm」だ。
片持ち式フロントフォークもさることながら、素材にレーシングカーのテクノロジーを投入したハニカムカーボンを用いていることが大きなトピックス。細かな部分では手作り感溢れる、独特な構造のシートポストのヤグラも興味深い。サドルレール下のイモネジにはどんな機能が備えられているのだろうか。
シュワルベ(ドイツ)
ドイツに居を構えるタイヤメーカーのシュワルベはロードとMTBの両ジャンルで新製品を多く展示。ロードでは今季限りで引退するイェンス・フォイクト(トレックファクトリーレーシング)のシグネチャーモデルを発表した。ベースとなっているのは昨年発売したハイエンドレーシングモデルのONEだが、トレッドパターンが異なり、通常モデルが完全にスリックなのに対して、左右交互にストライプ状のパターンが設けられている。
MTBでは欧州で人気急上昇中のエンデューロやダウンヒルに向けた画期的な新システム「PROCORE」を発表しユーロバイクアワードを獲得。これはチューブレスタイヤの中にビードを保持しリム打ちを防止するインナーチャンバーを設けることで、0.8~1.5barという低圧を可能とし更なる高グリップを実現するというもの。また、ファットバイク用タイヤ「JUMBO JIM」も発表され、既に会場内の多くの展示車に取り付けられていた。
スミス・オプティクス(アメリカ)
アイウェアで高い評価を得ているアメリカのスミス・オプティクスのトピックスは同社史上初となる自転車用ヘルメット。現在市場にあるヘルメットのほとんどが素材にEPS等の発泡フォームを採用しているのに対して、Koroydなるハニカム構造の素材を採用することで安全性を高めたことが特徴だ。
ロード用の「Overtake」は空気抵抗が少なそうなコンパクトなデザインで、担当者によれば大きなベンチレーションが設けられていないにも関わらず通気性が優れているとのこと。さらにMIPSと呼ばれる、斜め方向からの衝撃から頭部を守るテクノロジーを搭載したモデルも用意される。
K-Edge(アメリカ)
K-Edgeは国内でも人気沸騰中のパイオニアのペダリングモニターに対応するマウントや、クランク型パワーメーターSRM用のケイデンスマグネットを一体化したチェーンキャッチャーなどニッチなアイテムを発表。ブース内ではアウトフロントマウントにかなり重いレンガを吊るして固定力の高さを実証するデモンストレーションが行われていた。やや行き過ぎたアピールとも思われるが、ハイパワーライトやウェアラブルカメラなどハンドル周りが重くなっている現状を踏まえるとかなり現実的かも。
PEdAL ED(日本/イタリア)
PEdAL ED(ペダレッド)は2007年に誕生した日本発のサイクルアパレルブランド。例年ユーロバイクでは大きな注目集め、海外展開に伴って現在は日本でデザインを行い、多くのウェアメーカーが居を構えるイタリアを生産拠点としている。
今回は新作の「LAB JACKET」が3年連続となるユーロバイクアワードを受賞。このジャケットはリバーシブルで、日中の寒い時には黒い面を表にして太陽光を取り込むことで暖かく、日が暮れてからはリフレクター機能を持つ白い面(写真)を表にすることで安全性を高めることできるという使い勝手に優れたアイテムだ。もちろん防風/防水性能にも配慮されており、縫い目には防水テープ加工が。自転車に乗る際のみならず、普段使いにも違和感のないスタイリッシュな1着に仕上がっている。
text&photo:Yuya.Yamamoto
Amazon.co.jp