2014/09/10(水) - 12:45
ブエルタ・ア・エスパーニャは最後の休息日を迎え、これから始まる最終決戦に向けて選手達は英気を養った。コンタドール、バルベルデ、ロドリゲスなど総合上位陣のコメントを紹介する。
マイヨロホを着るアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Tim de Waele最終週はとても難しいものになる。フィナーレまで残り少ないながらも山岳ステージも、中級山岳ステージも、そして最終のタイムトライアルなど全ての要素が詰まっているから気を抜くことができない。とても激しい一週間になるだろう。
「チームスカイの牽引には少し不安を感じた」 photo:Unipublic昨日のステージではチームスカイが集団を牽きだしたときには、この後の動きに対応できるか少し不安を感じた。幸運にも昨日は脚の調子が良かったので、フルームがペースを変化させながら登っていた時にもまだアドバンテージがあったんだ。もちろん素晴しい走りを見せてくれたフルームに対してはリスペクトを持っている。これから彼をはじめバルベルデやホアキンもチャンスを積極的に狙ってくるだろう。
最初の1週間はひどく苦しめられたけれど、マシューズが勝ったステージではその時点でベストな状態で走ることができた。それがモチベーションに繋がって好調を維持できるようになったんだ。もちろんフルームのような世界でも一線級の選手と戦うことはモチベーションになっている。勝てれば価値があるし、ファンからも支持が得られるんだ。
世界選手権はコースを見るに僕には向いていないし、ずっとタフなレースシーズンを過ごしてきた。アレハンドロやホアキンのように僕よりもモチベーション高く臨んでいる選手もいるし、今年は彼らならやってくれると思う。僕は休養が必要だし、もともと世界選手権はレースプランに入っていない。
総合2位につけるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Cor Vos登りの間はずっとプリートの後ろを走っていた。彼が遅れ始めたところでフルームがアタックしたが、とても強力で一瞬ためらってしまった。その時点で追わなければならなかったが、ロスを最小限に留めてこれ以上のタイムを失わないようにしようと考えた。プリートと協力して追走したが、非常にテンポの速い登りだったので消耗し、限界を超えてしまった。僕の燃料タンクには十分にエネルギーが貯まっていない状態だったんだ。
「プロローグのようなTTでは好成績が出せると思う」 photo:Tim de Waele昨日もしフルームとコンタドールのペースに付いていくことができていたら、ぐっと総合優勝は近寄ってきていたと思う。でもアンカレスのような頂上フィニッシュはまだ残っていているから、まだ何が起こるかは分からない。昨日ほどではないにしろ、間違いなくキツくて僕の脚に完璧に合っているんだ。僕はまだ諦めていないよ。昨日のレースを見るに、コンタドールの強さは誰もが認めるところ。現時点で彼を引きずり下ろすのはとても難しいだろうけれど、不可能ではない。もし明日勝てればタイム差を詰められるし、誰がこの先のことを分かるだろう?レースは最終日まで終わらないし、僕たちもコンタドールに優勝を明け渡す気はさらさら無い。
僕が言っているようにアルベルトはこのレースに調子を合わせてきた。序盤こそ調子が上がっていなかったが、昨日は完璧だった。とても集中しているようにも見えるね。チーム力こそ他よりも少し落ちているけれど、レース運びもきわめて強力で何も問題が無いように思える。
でもレースはまだ1週間あるんだ。フルームもいるし、僕だってチャンスを見逃さない。プリートは2分29秒遅れだ。コンタドールが優勢だが、それでも勝ちをさらうのは簡単じゃない。一方でフルームは、昨日以上の走りはできないような気がする。チームスカイが牽いてフルームは躊躇無くアタックしたが、それでもコバドンガではキツそうだった。僕らは日曜日まで状況を見定めていくが、一番大事なのはファンを楽しませ続けること。残っている力を全てレースにぶつけていく。
最終のTTについては、フルームに対してどれくらいのタイム差が必要なのかなんて考えたことは無い。でも彼よりも速く走らなくてどうする?ほとんどプロローグのようなTTだし、そういうレースではいつも好成績を残してきた。彼に対して勝つか負けるかは置いておいて、40kmの個人TTではないし、疲れも貯まっている。でも調子は素晴しいんだ。個人的にはツールの時よりも強さを感じている。ツールのときは表彰台争いをして、ブエルタにはナイロに次ぐ2番目の男として来た。まだ僕は戦い続ける。
総合4位につけるホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
「4位という順位には満足できないからこれからも仕掛けていく」 photo:Unipublic昨日は最初からハードなステージだった。スタート地点から集団は速くて、まだ身体が温まっていない状態でついていくのは厳しかったよ。これまでのブエルタの全期間を通してチームの皆は良く働いてくれている。最終局面では、我々よりも強い選手がいた、ということだ。
フルームは驚きの強さを見せたね。真っ向勝負で負けるのは受け入れられる。ここ数日間で、皆フルームは調子が悪くて限界だ、って言っていたけど、実際は見ての通りだ。昨日はコンタドールとフルームが最強のふたりだったんだよ。でも、チームの働きには満足している。もうブエルタは1週間しか残されいない。でも、4位という順位には満足できないから、これからも仕掛けていくつもりだ。
ひさしぶりにブログを更新したカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Unipublic山岳3連戦のあと、良い休養日を過ごせていると私は思っている。南部の温暖な地域から、サミュエル(サンチェス)の故郷でもある風光明媚なアストゥリアスにまでやってきたんだ。
昨日はチームとしては非常に良い働きができたと思っている。新人のローハン・デニスも終日良い動きをしていたし、サンチェスは総合順位を落とすこともなかったしね。
ステージ前半では、あまり動くことができなかった。最後の登りはとてもゆっくりで長く感じたよ。休息日にはスペイン北西部のコルーニャにいるんだけど、以前に来たことがある気がする。もちろん、ゆっくり休んで回復に努めるよ。少し明日のステージの下見をしに自転車に乗るけどね。休息日明けの足の調子を楽しみにしているよ。
text:So.Isobe,Naoki.Yasuoka
マイヨロホを着るアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
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最初の1週間はひどく苦しめられたけれど、マシューズが勝ったステージではその時点でベストな状態で走ることができた。それがモチベーションに繋がって好調を維持できるようになったんだ。もちろんフルームのような世界でも一線級の選手と戦うことはモチベーションになっている。勝てれば価値があるし、ファンからも支持が得られるんだ。
世界選手権はコースを見るに僕には向いていないし、ずっとタフなレースシーズンを過ごしてきた。アレハンドロやホアキンのように僕よりもモチベーション高く臨んでいる選手もいるし、今年は彼らならやってくれると思う。僕は休養が必要だし、もともと世界選手権はレースプランに入っていない。
総合2位につけるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
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僕が言っているようにアルベルトはこのレースに調子を合わせてきた。序盤こそ調子が上がっていなかったが、昨日は完璧だった。とても集中しているようにも見えるね。チーム力こそ他よりも少し落ちているけれど、レース運びもきわめて強力で何も問題が無いように思える。
でもレースはまだ1週間あるんだ。フルームもいるし、僕だってチャンスを見逃さない。プリートは2分29秒遅れだ。コンタドールが優勢だが、それでも勝ちをさらうのは簡単じゃない。一方でフルームは、昨日以上の走りはできないような気がする。チームスカイが牽いてフルームは躊躇無くアタックしたが、それでもコバドンガではキツそうだった。僕らは日曜日まで状況を見定めていくが、一番大事なのはファンを楽しませ続けること。残っている力を全てレースにぶつけていく。
最終のTTについては、フルームに対してどれくらいのタイム差が必要なのかなんて考えたことは無い。でも彼よりも速く走らなくてどうする?ほとんどプロローグのようなTTだし、そういうレースではいつも好成績を残してきた。彼に対して勝つか負けるかは置いておいて、40kmの個人TTではないし、疲れも貯まっている。でも調子は素晴しいんだ。個人的にはツールの時よりも強さを感じている。ツールのときは表彰台争いをして、ブエルタにはナイロに次ぐ2番目の男として来た。まだ僕は戦い続ける。
総合4位につけるホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
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フルームは驚きの強さを見せたね。真っ向勝負で負けるのは受け入れられる。ここ数日間で、皆フルームは調子が悪くて限界だ、って言っていたけど、実際は見ての通りだ。昨日はコンタドールとフルームが最強のふたりだったんだよ。でも、チームの働きには満足している。もうブエルタは1週間しか残されいない。でも、4位という順位には満足できないから、これからも仕掛けていくつもりだ。
ひさしぶりにブログを更新したカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
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昨日はチームとしては非常に良い働きができたと思っている。新人のローハン・デニスも終日良い動きをしていたし、サンチェスは総合順位を落とすこともなかったしね。
ステージ前半では、あまり動くことができなかった。最後の登りはとてもゆっくりで長く感じたよ。休息日にはスペイン北西部のコルーニャにいるんだけど、以前に来たことがある気がする。もちろん、ゆっくり休んで回復に努めるよ。少し明日のステージの下見をしに自転車に乗るけどね。休息日明けの足の調子を楽しみにしているよ。
text:So.Isobe,Naoki.Yasuoka
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