2014/09/10(水) - 09:18
選手からのフィードバックの下に生まれ、その活躍を支えるスペシャライズドのハイエンドレーシングタイヤ、「S-WORKS TURBO」。前回の24cに続き、今回はよりボリューム感に溢れる26cのインプレッションを行った。
オメガファーマ・クイックステップやティンコフ・サクソの選手が使い、レースで好成績を残し高い評価を得ているロードレース用コンペティションタイヤS-WORKS TURBO。以前はスタンダードモデルである24cをテストしたが、今回インプレッションを行ったのはよりワイドな26cだ。
もう既に、ツール・ド・フランスを頂点とするプロロードレース界では25c前後のワイド幅タイヤが当たり前に使われていることはご存知の通り。それどころか今やタイムトライアルには24cや25cが、パリ〜ルーベに代表される石畳のレースでは28cがスタンダードに取って代わろうとしている時代である。
急激にワイドタイヤが広まった背景には、エアロホイールのワイド化に合わせたこと、細いタイヤよりも走行時の変形が少なく抵抗が小さいというもっぱらの理由がある。今回テストしたS-WORKS TURBOも24cと26cというトレンディーなラインナップで、RovalのCLXホイール(CLX60:リム外幅24.4mm、CLX40:23mm)を基準に開発を行っており、実測した幅は25.8mm。ちなみにテストで使用したマヴィック コスミックカーボンSL(2012モデル)のリム外幅は18.8mm。インプレッションした現物の重量はカタログ値220gに対して平均225gと優秀な誤差だった。
普通26cと言えばタフなオールコンディションタイヤをイメージするが、このS-WORKS TURBOはケーシングとトレッドがとても薄い。同24cと比較すれば若干厚みがあるが、あくまでもピュアレーシングタイヤとして作られていることがよく分かる。
今回私は初めてS-WORKS TURBOを試してみたのだが、バイクにまたがって、ペダルを一踏みした瞬間に今までに無い感触が伝わってきて驚いた。タイヤ本体はカッチリと剛性が高いのだが、その表面を取り巻くコンパウンドがとても柔らかいのだ。
クルマやオートバイのタイヤ開発のスペシャリストが開発に携わったという「GRIPTON」コンパウンドだが、そのムニッという独特なフィーリングが生み出すグリップ力は絶大だ。
ドライコンディションではコーナーに思い切って突っ込んでいってもまだまだ余裕があるし、26cという太さと相まって、完全なウェットでも路面にガッチリと食いつくので不安が無く、もしあるとしたら「もっと突っ込んでいけるかも!」と思ってしまう自分のアタマが不安なくらい。落ち葉や砂利が散らばる林道でも安定しているうえ、よほど苔むした場所やグレーチングでない限りスリップする気配を感じなかった。
このグリップ感と安定感は、これまで使ったどんなタイヤとも一線を画すレベルにある。また26cとは思えないほどに転がり抵抗も軽く、TT世界王者、トニ・マルティンが愛用するという話にも納得できた。
26c特有のエアボリュームに加えてケーシングとトレッドが薄いため、乗り味も心地よい。比較で乗った24cよりも明らかに快適性は高く、路面の細かな凹凸もあまり気にならない。あくまでオンロードレーシングタイヤであるためグラベルライドには向いていないが、26cというワイド幅がもたらす恩恵は少なくないと感じる。テクニカルなダウンヒルを含むロングライドにはうってつけだろう。
また24cでは空気圧のセッティングがシビアということにも触れているが、より太く空気の量が多いためか、そこまでは気にならなかった。空気圧を上げてもしなやかさはある程度残り、下げればより乗り心地は良くなる。ただし下げ過ぎれば柔らかなコンパウンドを活かせなくなってしまうので、そこだけには注意を払ってもらいたい。
不満があるとすれば、高いグリップ性能と引き換えにコンパウンドの摩耗が早いことくらいだろうか。これは24cとも共通していることだが、およそ500km程度の走行でリアタイヤ中央部のトレッドが無くなってしまった。この減りの早さこそがS-WORKS TURBOの性能を支えているのだろう。トレッド中央部にはホール(穴)状のインジケータがあるので、交換のタイミングも分かりやすい。表面の凹凸パターンが無くなっても著しい性能低下を抑えていると言うので、まだまだ安心して使えそうだ。
レース参戦を自転車生活の中心に据える方ならば24cだが、それ意外の大多数の方には26cをお勧めしたい。誰でも間違いなくその高性能ぶりを実感できるはず。決して安価な製品ではないが、是非一度使ってみることをお勧めしたいクリンチャータイヤだ。
スペシャライズド S-WORKS TURBO
カラー:ブラック
サイズ:24C、 26C
重量:205g(24C)、220g(26C)
価 格:6,804円(税込)
オメガファーマ・クイックステップやティンコフ・サクソの選手が使い、レースで好成績を残し高い評価を得ているロードレース用コンペティションタイヤS-WORKS TURBO。以前はスタンダードモデルである24cをテストしたが、今回インプレッションを行ったのはよりワイドな26cだ。
もう既に、ツール・ド・フランスを頂点とするプロロードレース界では25c前後のワイド幅タイヤが当たり前に使われていることはご存知の通り。それどころか今やタイムトライアルには24cや25cが、パリ〜ルーベに代表される石畳のレースでは28cがスタンダードに取って代わろうとしている時代である。
急激にワイドタイヤが広まった背景には、エアロホイールのワイド化に合わせたこと、細いタイヤよりも走行時の変形が少なく抵抗が小さいというもっぱらの理由がある。今回テストしたS-WORKS TURBOも24cと26cというトレンディーなラインナップで、RovalのCLXホイール(CLX60:リム外幅24.4mm、CLX40:23mm)を基準に開発を行っており、実測した幅は25.8mm。ちなみにテストで使用したマヴィック コスミックカーボンSL(2012モデル)のリム外幅は18.8mm。インプレッションした現物の重量はカタログ値220gに対して平均225gと優秀な誤差だった。
普通26cと言えばタフなオールコンディションタイヤをイメージするが、このS-WORKS TURBOはケーシングとトレッドがとても薄い。同24cと比較すれば若干厚みがあるが、あくまでもピュアレーシングタイヤとして作られていることがよく分かる。
今回私は初めてS-WORKS TURBOを試してみたのだが、バイクにまたがって、ペダルを一踏みした瞬間に今までに無い感触が伝わってきて驚いた。タイヤ本体はカッチリと剛性が高いのだが、その表面を取り巻くコンパウンドがとても柔らかいのだ。
クルマやオートバイのタイヤ開発のスペシャリストが開発に携わったという「GRIPTON」コンパウンドだが、そのムニッという独特なフィーリングが生み出すグリップ力は絶大だ。
ドライコンディションではコーナーに思い切って突っ込んでいってもまだまだ余裕があるし、26cという太さと相まって、完全なウェットでも路面にガッチリと食いつくので不安が無く、もしあるとしたら「もっと突っ込んでいけるかも!」と思ってしまう自分のアタマが不安なくらい。落ち葉や砂利が散らばる林道でも安定しているうえ、よほど苔むした場所やグレーチングでない限りスリップする気配を感じなかった。
このグリップ感と安定感は、これまで使ったどんなタイヤとも一線を画すレベルにある。また26cとは思えないほどに転がり抵抗も軽く、TT世界王者、トニ・マルティンが愛用するという話にも納得できた。
26c特有のエアボリュームに加えてケーシングとトレッドが薄いため、乗り味も心地よい。比較で乗った24cよりも明らかに快適性は高く、路面の細かな凹凸もあまり気にならない。あくまでオンロードレーシングタイヤであるためグラベルライドには向いていないが、26cというワイド幅がもたらす恩恵は少なくないと感じる。テクニカルなダウンヒルを含むロングライドにはうってつけだろう。
また24cでは空気圧のセッティングがシビアということにも触れているが、より太く空気の量が多いためか、そこまでは気にならなかった。空気圧を上げてもしなやかさはある程度残り、下げればより乗り心地は良くなる。ただし下げ過ぎれば柔らかなコンパウンドを活かせなくなってしまうので、そこだけには注意を払ってもらいたい。
不満があるとすれば、高いグリップ性能と引き換えにコンパウンドの摩耗が早いことくらいだろうか。これは24cとも共通していることだが、およそ500km程度の走行でリアタイヤ中央部のトレッドが無くなってしまった。この減りの早さこそがS-WORKS TURBOの性能を支えているのだろう。トレッド中央部にはホール(穴)状のインジケータがあるので、交換のタイミングも分かりやすい。表面の凹凸パターンが無くなっても著しい性能低下を抑えていると言うので、まだまだ安心して使えそうだ。
レース参戦を自転車生活の中心に据える方ならば24cだが、それ意外の大多数の方には26cをお勧めしたい。誰でも間違いなくその高性能ぶりを実感できるはず。決して安価な製品ではないが、是非一度使ってみることをお勧めしたいクリンチャータイヤだ。
スペシャライズド S-WORKS TURBO
カラー:ブラック
サイズ:24C、 26C
重量:205g(24C)、220g(26C)
価 格:6,804円(税込)
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