2014/08/26(火) - 00:05
のべ1万5千人が集まる世界最大のロードレースイベント、シマノ鈴鹿の最高峰となる国際ロードを制したのはBMCディベロップメントチームのヤコブ・ノバック(チェコ)。チェコU23TTチャンプの経歴を持つ23歳が最終周回でアタックを成功させ独走勝利を遂げた。
31回目を迎えるシマノ鈴鹿ロードレース。その中でも、トップクラスの選手たちが鎬を削るメインイベントが2日目の国際ロードレースだ。今年の海外招待チームはジャアント・シマノ、BMCディベロップメントチーム、BKCPパワープラス。ホストチームのシマノレーシングをはじめとした国内チームとクラブチームが迎え撃つ10周、距離58.2kmのショートレース。
トップカテゴリーのジャイアント・シマノからは、トーマス・ピーターソン(アメリカ)、ブライアン・バルガック(フランス)、ステフェン・ラメルティンク(オランダ)の3人が参戦。BMCディベロップメントチームからはディフェンディングチャンピオンのイグナツィオ・モゼール(イタリア)のほか、アルノー・グラン(スイス)、ヤコブ・ノバクの3人が参加した。
1日目は雷雨の影響で、午後の競技がほぼ全てキャンセルとなってしまった今年のシマノ鈴鹿。国際ロードが開催される2日目も、大気の状態は不安定なまま。午前中はなんとか雨は降らずにいたものの、選手たちが整列し始めるころには少しづつ雨がぱらつき始める。
スタートと同時に、井上和郎(ブリヂストン・アンカー)がアタック。それを皮切りに熾烈なアタックの応酬が始まった。積極的に動くのはジャイアント・シマノやBMCの海外勢、そこにシマノレーシングや宇都宮ブリッツェン、愛三工業やマトリックスといった国内プロチーム。そこに、クラブチームの有力選手が絡んでいくというのが例年の展開だ。
何度もアタックが続くことで、集団は常にハイスピードで展開。周回を重ねるごとに集団は人数を減らしていく。4周目には7名の逃げが決まり、6名のブリッジが合流。15秒程度の差をメイン集団につけるものの、半周程度で吸収される。
6周目には、6名の逃げが決まり20秒ほどの差をつけることに成功。7周目に入る前に後ろから5名の選手が追いつき11名の逃げとなった。各チームバランス良く送りこまれた逃げが決まるかと思われたが、人数が増えたことによりペースが乱れ、逃げ集団は分裂。結果として、逃げ集団に選手を送りこめなかった宇都宮ブリッツェンが状況を振り出しに戻そうとメイン集団前方に陣取りペースアップを図る。
最終周回のホームストレートで集団は再び一つに。西ストレートの下りで野中竜馬(シマノレーシング)がアタックするものの、これも吸収されてしまう。
スプリント勝負に持ち込もうと、シマノレーシングが中心にペースアップする中、ヤコブ・ノバックが下りでアタックを仕掛けた。スプリント勝負になると思っていた集団は虚をつかれた形だ。
入部正太郎(シマノレーシング)が必死に追走を仕掛けるものの、ノバクの独走力は集団を寄せ付けず、鮮やかな逃げ切りを決めた。
2位争いのメイン集団の先頭は畑中勇介(シマノレーシング)とのスプリントをアルノー・グランが制し、BMCディべロップメントチームが見事にワン・ツーフィニッシュを飾った。
レース全体を通して存在感をみせていたヤコブ・ノバックは2012年U23チェコTTチャンピオン。その独走力を遺憾なく発揮したレースだった。レース後に、「今日は雨の中激しいレースだった。コースはスリッピーだったけれど、日本の皆さんの応援のもと勝つことができてうれしい。日本のサイクリスト達が自転車を楽しんでいる様子がとても印象深かった。」と語った。
シマノ鈴鹿国際ロードレース 結果
1位 ヤコブ・ノバック(チェコ、BMCディベロップメントチーム)
2位 アルノー・グランド(スイス、BMCディベロップメントチーム)
3位 畑中 勇介(シマノレーシング)
4位 福田 真平(愛三工業レーシングチーム)
5位 大久保 陣(宇都宮ブリッツェン)
6位 エドワード・プラド(マトリックス・パワータグ)
7位 鈴木 譲(宇都宮ブリッツェン)
8位 イグナツィオ・モゼール(イタリア、BMCディベロップメントチーム)
9位 小室 雅成(イナーメ信濃山形)
10位 城田 大和(宇都宮ブリッツェン)
1h'14"44
+5
photo&text:Naoki YASUOKA
photo:Masanao.TOMITA
31回目を迎えるシマノ鈴鹿ロードレース。その中でも、トップクラスの選手たちが鎬を削るメインイベントが2日目の国際ロードレースだ。今年の海外招待チームはジャアント・シマノ、BMCディベロップメントチーム、BKCPパワープラス。ホストチームのシマノレーシングをはじめとした国内チームとクラブチームが迎え撃つ10周、距離58.2kmのショートレース。
トップカテゴリーのジャイアント・シマノからは、トーマス・ピーターソン(アメリカ)、ブライアン・バルガック(フランス)、ステフェン・ラメルティンク(オランダ)の3人が参戦。BMCディベロップメントチームからはディフェンディングチャンピオンのイグナツィオ・モゼール(イタリア)のほか、アルノー・グラン(スイス)、ヤコブ・ノバクの3人が参加した。
1日目は雷雨の影響で、午後の競技がほぼ全てキャンセルとなってしまった今年のシマノ鈴鹿。国際ロードが開催される2日目も、大気の状態は不安定なまま。午前中はなんとか雨は降らずにいたものの、選手たちが整列し始めるころには少しづつ雨がぱらつき始める。
スタートと同時に、井上和郎(ブリヂストン・アンカー)がアタック。それを皮切りに熾烈なアタックの応酬が始まった。積極的に動くのはジャイアント・シマノやBMCの海外勢、そこにシマノレーシングや宇都宮ブリッツェン、愛三工業やマトリックスといった国内プロチーム。そこに、クラブチームの有力選手が絡んでいくというのが例年の展開だ。
何度もアタックが続くことで、集団は常にハイスピードで展開。周回を重ねるごとに集団は人数を減らしていく。4周目には7名の逃げが決まり、6名のブリッジが合流。15秒程度の差をメイン集団につけるものの、半周程度で吸収される。
6周目には、6名の逃げが決まり20秒ほどの差をつけることに成功。7周目に入る前に後ろから5名の選手が追いつき11名の逃げとなった。各チームバランス良く送りこまれた逃げが決まるかと思われたが、人数が増えたことによりペースが乱れ、逃げ集団は分裂。結果として、逃げ集団に選手を送りこめなかった宇都宮ブリッツェンが状況を振り出しに戻そうとメイン集団前方に陣取りペースアップを図る。
最終周回のホームストレートで集団は再び一つに。西ストレートの下りで野中竜馬(シマノレーシング)がアタックするものの、これも吸収されてしまう。
スプリント勝負に持ち込もうと、シマノレーシングが中心にペースアップする中、ヤコブ・ノバックが下りでアタックを仕掛けた。スプリント勝負になると思っていた集団は虚をつかれた形だ。
入部正太郎(シマノレーシング)が必死に追走を仕掛けるものの、ノバクの独走力は集団を寄せ付けず、鮮やかな逃げ切りを決めた。
2位争いのメイン集団の先頭は畑中勇介(シマノレーシング)とのスプリントをアルノー・グランが制し、BMCディべロップメントチームが見事にワン・ツーフィニッシュを飾った。
レース全体を通して存在感をみせていたヤコブ・ノバックは2012年U23チェコTTチャンピオン。その独走力を遺憾なく発揮したレースだった。レース後に、「今日は雨の中激しいレースだった。コースはスリッピーだったけれど、日本の皆さんの応援のもと勝つことができてうれしい。日本のサイクリスト達が自転車を楽しんでいる様子がとても印象深かった。」と語った。
シマノ鈴鹿国際ロードレース 結果
1位 ヤコブ・ノバック(チェコ、BMCディベロップメントチーム)
2位 アルノー・グランド(スイス、BMCディベロップメントチーム)
3位 畑中 勇介(シマノレーシング)
4位 福田 真平(愛三工業レーシングチーム)
5位 大久保 陣(宇都宮ブリッツェン)
6位 エドワード・プラド(マトリックス・パワータグ)
7位 鈴木 譲(宇都宮ブリッツェン)
8位 イグナツィオ・モゼール(イタリア、BMCディベロップメントチーム)
9位 小室 雅成(イナーメ信濃山形)
10位 城田 大和(宇都宮ブリッツェン)
1h'14"44
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photo&text:Naoki YASUOKA
photo:Masanao.TOMITA
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