2014/08/18(月) - 10:07
8月17日、7日間にわたって開催されてきたエネコ・ツアー(UCIワールドツアー)が閉幕。3名を逃げに送り込む積極的な走りを見せたオメガファーマ・クイックステップのギヨーム・ファンケイルスブルク(ベルギー)がステージ優勝を射止めた。
オランダ南部リンブルフ州の丘陵地帯、つまりアムステル・ゴールドレースが開催される丘陵地帯を舞台に行なわれたエネコ・ツアー最終ステージ。183.4kmコースは起伏に富んでおり、高低差50〜100mほどの登りが合計22カ所も設定されている。
強風が吹き付ける中、レースは序盤から20名の大きなグループが先行する展開に。モレーノ・モゼール(イタリア、キャノンデール)やエフゲニー・ペトロフ(ロシア、ティンコフ・サクソ)、ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)らを含むこの逃げグループに、オメガファーマ・クイックステップはファンケイルスブルク、トレンティン、ヴェルモトの3名を送り込んだ。
総合ライバルからボーナスタイム獲得のチャンスを奪うことが出来るため、ロット・ベリソルは20名の逃げ切りを実質的に容認。4分のリードを得た逃げグループの中では、残り35kmを切ったところでアタック合戦が始まる。登りでファンケイルスブルクがアタックを成功させた。
ファンケイルスブルクが先頭で独走を開始する一方、メイン集団ではペースアップのために先頭に出ようとしたマールテン・ワイナンツ(ベルギー、ベルキン)にニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)が体当たりし、ワイナンツが応戦するシーンも。レース主催者はこの行為を「他選手への攻撃」とみなし、テルプストラのレース結果を剥奪。ワイナンツには1分のペナルティが与えられた。
総合逆転を目論むベルキンは集団内でアタックを繰り返したものの、ロット・ベリソルがリーダージャージを手厚く援護。ラース・ボーム(オランダ、ベルキン)らのアタックは封じ込められ、ウェレンスが総合優勝に向けて駒を進める。
単独先頭を守り切ったファンケイルスブルクがガッツポーズでフィニッシュし、後続グループはチームメイトのトレンティンを先頭に46秒遅れで帰着。リーダージャージを含むメイン集団は1分01秒でフィニッシュした。
「風が強かったので、決して簡単な勝利ではなかったよ。逃げグループのペースが上がらないので運を試したんだ。そこから個人タイムトライアルが始まった」と語るファンケイルスブルクは2011年にオメガファーマでプロデビューした23歳。今年ツアー・オブ・カタールでヤングライダー賞を獲得すると、デパンヌ・コクサイデ3日間レースで総合優勝を果たした。身長192cmという大柄な体格で、クラシックレーサーとしての成長が期待される若手だ。
「これまでのキャリアで最高の勝利だ。パリ〜ルーベの後、レースに打ち込むモチベーションを見つけられずにいた。秋のクラシックに向けて、この勝利で何かを取り戻すことが出来たよ」。オメガファーマにシーズン56勝目をもたらしたファンケイルスブルクはそうコメントしている。
集団内でフィニッシュし「最高の勝利」を掴んだウェレンスは「これはチームのおかげだ。一日中ずっとサポートしてくれて、風から守ってくれた」と先ずはチームメイトたちに感謝する。開幕には体調不良によって出場も危ぶまれていたが、蓋を開けてみれば総合優勝。「1週間のステージレースが理想的。3週間のグランツールを闘い抜く能力はまだない。大きな期待に応えたいけど、まだまだ学ぶことが多いんだ」と謙虚にコメントした。
選手コメントはレース公式サイトより。
エネコ・ツアー2014第7ステージ
個人総合成績
ポイント賞
トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)
スプリント賞
ケニース・ファンビルセン(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
チーム総合成績
ガーミン・シャープ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
オランダ南部リンブルフ州の丘陵地帯、つまりアムステル・ゴールドレースが開催される丘陵地帯を舞台に行なわれたエネコ・ツアー最終ステージ。183.4kmコースは起伏に富んでおり、高低差50〜100mほどの登りが合計22カ所も設定されている。
強風が吹き付ける中、レースは序盤から20名の大きなグループが先行する展開に。モレーノ・モゼール(イタリア、キャノンデール)やエフゲニー・ペトロフ(ロシア、ティンコフ・サクソ)、ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)らを含むこの逃げグループに、オメガファーマ・クイックステップはファンケイルスブルク、トレンティン、ヴェルモトの3名を送り込んだ。
総合ライバルからボーナスタイム獲得のチャンスを奪うことが出来るため、ロット・ベリソルは20名の逃げ切りを実質的に容認。4分のリードを得た逃げグループの中では、残り35kmを切ったところでアタック合戦が始まる。登りでファンケイルスブルクがアタックを成功させた。
ファンケイルスブルクが先頭で独走を開始する一方、メイン集団ではペースアップのために先頭に出ようとしたマールテン・ワイナンツ(ベルギー、ベルキン)にニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)が体当たりし、ワイナンツが応戦するシーンも。レース主催者はこの行為を「他選手への攻撃」とみなし、テルプストラのレース結果を剥奪。ワイナンツには1分のペナルティが与えられた。
総合逆転を目論むベルキンは集団内でアタックを繰り返したものの、ロット・ベリソルがリーダージャージを手厚く援護。ラース・ボーム(オランダ、ベルキン)らのアタックは封じ込められ、ウェレンスが総合優勝に向けて駒を進める。
単独先頭を守り切ったファンケイルスブルクがガッツポーズでフィニッシュし、後続グループはチームメイトのトレンティンを先頭に46秒遅れで帰着。リーダージャージを含むメイン集団は1分01秒でフィニッシュした。
「風が強かったので、決して簡単な勝利ではなかったよ。逃げグループのペースが上がらないので運を試したんだ。そこから個人タイムトライアルが始まった」と語るファンケイルスブルクは2011年にオメガファーマでプロデビューした23歳。今年ツアー・オブ・カタールでヤングライダー賞を獲得すると、デパンヌ・コクサイデ3日間レースで総合優勝を果たした。身長192cmという大柄な体格で、クラシックレーサーとしての成長が期待される若手だ。
「これまでのキャリアで最高の勝利だ。パリ〜ルーベの後、レースに打ち込むモチベーションを見つけられずにいた。秋のクラシックに向けて、この勝利で何かを取り戻すことが出来たよ」。オメガファーマにシーズン56勝目をもたらしたファンケイルスブルクはそうコメントしている。
集団内でフィニッシュし「最高の勝利」を掴んだウェレンスは「これはチームのおかげだ。一日中ずっとサポートしてくれて、風から守ってくれた」と先ずはチームメイトたちに感謝する。開幕には体調不良によって出場も危ぶまれていたが、蓋を開けてみれば総合優勝。「1週間のステージレースが理想的。3週間のグランツールを闘い抜く能力はまだない。大きな期待に応えたいけど、まだまだ学ぶことが多いんだ」と謙虚にコメントした。
選手コメントはレース公式サイトより。
エネコ・ツアー2014第7ステージ
1位 ギヨーム・ファンケイルスブルク(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 マッテオ・トレンティン(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 イブ・ランバルト(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
4位 ジュリアン・ヴェルモト(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 クリスティアン・コレン(スロベニア、キャノンデール)
6位 ローレンス・デフリース(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
7位 パブロ・ラストラス(スペイン、モビスター)
8位 ダニーロ・ホンド(ドイツ、トレックファクトリーレーシング)
9位 シルヴァン・ディリエル(スイス、BMCレーシング)
10位 ディラン・ファンバールレ(オランダ、ガーミン・シャープ)
2位 マッテオ・トレンティン(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 イブ・ランバルト(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
4位 ジュリアン・ヴェルモト(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 クリスティアン・コレン(スロベニア、キャノンデール)
6位 ローレンス・デフリース(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
7位 パブロ・ラストラス(スペイン、モビスター)
8位 ダニーロ・ホンド(ドイツ、トレックファクトリーレーシング)
9位 シルヴァン・ディリエル(スイス、BMCレーシング)
10位 ディラン・ファンバールレ(オランダ、ガーミン・シャープ)
4h25'47"
+46"
+46"
個人総合成績
1位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル)
2位 ラース・ボーム(オランダ、ベルキン)
3位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)
4位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)
5位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
6位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
7位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
8位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)
9位 セバスティアン・ラングヴェルト(オランダ、ガーミン・シャープ)
10位 マルコ・マルカート(イタリア、キャノンデール)
2位 ラース・ボーム(オランダ、ベルキン)
3位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)
4位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)
5位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
6位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
7位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
8位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)
9位 セバスティアン・ラングヴェルト(オランダ、ガーミン・シャープ)
10位 マルコ・マルカート(イタリア、キャノンデール)
25h30'15"
+07"
+13"
+33"
+34"
+38"
+48"
+56"
+1'04"
+1'11"
+07"
+13"
+33"
+34"
+38"
+48"
+56"
+1'04"
+1'11"
ポイント賞
トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)
スプリント賞
ケニース・ファンビルセン(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
チーム総合成績
ガーミン・シャープ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele