2014/07/27(日) - 20:00
総合争いついに決着。個人タイムトライアルを制したトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)の他、TTスペシャリストに肩を並べるタイムを叩き出したヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)らのコメントをお届けします。
ステージ2勝目を飾ったトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
プレッシャーが肩に重くのしかかっていた。誰もが優勝を期待していた。でもタイムトライアルでプレッシャーを感じるのはいつものこと。どうやってそのプレッシャーに対処すべきかを心得ている。それに、すでにロードステージで1勝していたので、いつものツールのTTよりも気は軽かったよ。
世界を代表するTTスペシャリストであるブラドレー・ウィギンズとファビアン・カンチェラーラが走っていないのは残念だ。個人的には満足いく走りが出来た。コースをチェックした時点で自信を得ていたんだ。開幕からすでに3週間経っているけどまだパワーは残っていた。だからライバルたちが僕を打ち負かすのは難しかったと思う。
カヴェンディッシュの落車リタイアでチームは打ち拉がれたけど、チームとしてモチベーションを取り戻して、終わってみれば素晴らしい結果を残すことが出来た。
総合優勝を実質的に確定させたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
大満足だ。かなり緊張したけど、それは仕方の無いことだと思う。決してイージーなコースではなくて、全力で走る必要があった。このタイムトライアルで結果を出したかったので、ステージ4位という成績には満足している。今日はフィニッシュする瞬間を今か今かと待ちわびながら走った。
まだツール・ド・フランス総合優勝を実感していない。明日の楽しみに取っておきたい。厳しいツールの最後に、美しきシャンゼリゼが待っている。初出場したときのシャンゼリゼは今でも記憶に焼き付いているよ。大勢の観客とパリのモニュメントに見守られながら、敬意溢れる周回を走るんだ。この勝利の喜びを噛み締めながら走りたい。一瞬一瞬がきらめいているだろう。
これからの話をすると、まずブエルタには出場しないつもり。世界選手権に出場するかもしれないけど、ポンフェラーダの周回コースが自分向きなのかどうか分からない。ブエルタとジロを制して、今こうしてツールで勝とうとしている。これからもグランツールにフォーカスすることになると思う。でも1度はアルカンシェルを着たいという気持ちも強い。
総合2位を射止めたジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)
最高の満足感を得ている。フルームとコンタドールのリタイア以降、総合2位のチャンスを夢見ていた。その目標を達成出来たことに大満足だ。ミッション完遂。今は大きな喜びに包まれている。
総合表彰台の座を守ったティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)
タイムトライアルの走りはとても良かった。ここ数日間ずっと調子の良い状態が続いていたし、キャリアの中で最高の走りが出来ると思っていた。プレッシャーはもちろんあったけど、やる気に繋がるプレッシャーだった。観客の声援は物凄かったよ。今日はバルベルデを相手に走った。経験値では彼に分があるけど、3週間の闘いでは若さが有利になることもある。
ジャンクリストフ・ペローは得意のタイムトライアルで良い走りをすると思っていたよ。でも彼からそこまでタイムを失わなかったので満足だ。フランス人選手2人で表彰台に登ることを誇りに思う。実を言うと、ツールの総合表彰台に自分が登るという実感がまるでない。総合優勝のニーバリとのタイム差は8分。まだまだ総合優勝までの道は長そうだ。
総合ジャンプアップを果たせなかったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
走りながらライバルとのタイム差を聞いていたので、自分の身に何が起こっているのか把握していた。走っているうちに総合表彰台が遠ざかっていった。もっともっと速く走りたかったが、身体が「NO」と返事を繰り返すばかりだった。
最終週の悪天候でコンディションを落としたことは否めない。冷たい雨に苦しめられたんだ。でも全力を尽くしたので後悔はしていない。総合表彰台を期待してくれていたファンに申し訳ないことをした。でもツール総合4位は悪くない結果だ。世の中にはツール以外のレースが山ほどある。野望を抱いてブエルタに向かうよ。
パンクによって2秒差で総合6位にダウンしたロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
3週間におよぶノンストップの努力の末にこれだ。残り2km地点で努力が水の泡になった。パンクするまでレースの状況が分からず、最初から運に見放されていた。でもこれがスポーツだ。僅差で総合順位を落とすなんて。こんな長いタイムトライアルは走ったことがなかったけど、パンクがなければ総合5位を守れていたと思う。尊敬するジャンクリストフ・ペローの背中を見てこれから歩んでいきたい。
text:Kei Tsuji
ステージ2勝目を飾ったトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
プレッシャーが肩に重くのしかかっていた。誰もが優勝を期待していた。でもタイムトライアルでプレッシャーを感じるのはいつものこと。どうやってそのプレッシャーに対処すべきかを心得ている。それに、すでにロードステージで1勝していたので、いつものツールのTTよりも気は軽かったよ。
世界を代表するTTスペシャリストであるブラドレー・ウィギンズとファビアン・カンチェラーラが走っていないのは残念だ。個人的には満足いく走りが出来た。コースをチェックした時点で自信を得ていたんだ。開幕からすでに3週間経っているけどまだパワーは残っていた。だからライバルたちが僕を打ち負かすのは難しかったと思う。
カヴェンディッシュの落車リタイアでチームは打ち拉がれたけど、チームとしてモチベーションを取り戻して、終わってみれば素晴らしい結果を残すことが出来た。
総合優勝を実質的に確定させたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
大満足だ。かなり緊張したけど、それは仕方の無いことだと思う。決してイージーなコースではなくて、全力で走る必要があった。このタイムトライアルで結果を出したかったので、ステージ4位という成績には満足している。今日はフィニッシュする瞬間を今か今かと待ちわびながら走った。
まだツール・ド・フランス総合優勝を実感していない。明日の楽しみに取っておきたい。厳しいツールの最後に、美しきシャンゼリゼが待っている。初出場したときのシャンゼリゼは今でも記憶に焼き付いているよ。大勢の観客とパリのモニュメントに見守られながら、敬意溢れる周回を走るんだ。この勝利の喜びを噛み締めながら走りたい。一瞬一瞬がきらめいているだろう。
これからの話をすると、まずブエルタには出場しないつもり。世界選手権に出場するかもしれないけど、ポンフェラーダの周回コースが自分向きなのかどうか分からない。ブエルタとジロを制して、今こうしてツールで勝とうとしている。これからもグランツールにフォーカスすることになると思う。でも1度はアルカンシェルを着たいという気持ちも強い。
総合2位を射止めたジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)
最高の満足感を得ている。フルームとコンタドールのリタイア以降、総合2位のチャンスを夢見ていた。その目標を達成出来たことに大満足だ。ミッション完遂。今は大きな喜びに包まれている。
総合表彰台の座を守ったティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)
タイムトライアルの走りはとても良かった。ここ数日間ずっと調子の良い状態が続いていたし、キャリアの中で最高の走りが出来ると思っていた。プレッシャーはもちろんあったけど、やる気に繋がるプレッシャーだった。観客の声援は物凄かったよ。今日はバルベルデを相手に走った。経験値では彼に分があるけど、3週間の闘いでは若さが有利になることもある。
ジャンクリストフ・ペローは得意のタイムトライアルで良い走りをすると思っていたよ。でも彼からそこまでタイムを失わなかったので満足だ。フランス人選手2人で表彰台に登ることを誇りに思う。実を言うと、ツールの総合表彰台に自分が登るという実感がまるでない。総合優勝のニーバリとのタイム差は8分。まだまだ総合優勝までの道は長そうだ。
総合ジャンプアップを果たせなかったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
走りながらライバルとのタイム差を聞いていたので、自分の身に何が起こっているのか把握していた。走っているうちに総合表彰台が遠ざかっていった。もっともっと速く走りたかったが、身体が「NO」と返事を繰り返すばかりだった。
最終週の悪天候でコンディションを落としたことは否めない。冷たい雨に苦しめられたんだ。でも全力を尽くしたので後悔はしていない。総合表彰台を期待してくれていたファンに申し訳ないことをした。でもツール総合4位は悪くない結果だ。世の中にはツール以外のレースが山ほどある。野望を抱いてブエルタに向かうよ。
パンクによって2秒差で総合6位にダウンしたロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
3週間におよぶノンストップの努力の末にこれだ。残り2km地点で努力が水の泡になった。パンクするまでレースの状況が分からず、最初から運に見放されていた。でもこれがスポーツだ。僅差で総合順位を落とすなんて。こんな長いタイムトライアルは走ったことがなかったけど、パンクがなければ総合5位を守れていたと思う。尊敬するジャンクリストフ・ペローの背中を見てこれから歩んでいきたい。
text:Kei Tsuji