2009/08/19(水) - 12:41
ノーマルシートポストを頑強なインテグレーテッドシステムのように変身させてしまうのがエヴァディオオリジナルの「インテグレーテッドシートクランプ」だ。
インテグレーテッドシートクランプは、シートピラーに被せて使うアイテムだ。世界中でエヴァディオだけにしかないこのアイデアパーツは、サドルが動いたり、下がるといったトラブルを防いでくれる。
エヴァディオ・インテグレーテッドシートポスト。専用のスペーサーによって長さを微調整することができる
シートピラーはフレームとの相性などで、適正トルクでも確実に止まらなかったり、強い力がかかったときに下がってしまう場合がある。ロック剤などに頼る方法もあるが、より確実な固定を約束するアイテムがある。それこそがエヴァディオからリリースされているインテグレーテッドシートポストだ。
確実な固定力でシートピラーをパワーアップ
クランプ部分はスリットが設けられ、ピラーをしっかりと固定する インテグレーテッドシートクランプを装着するには、使用するシートピラーのチューブ部分の長さに合わせてカットする必要がある。
まずシートクランプ側のカーボンチューブ(以下カーボンチューブ)をヤグラにつき当たるまで挿入し、ピラーをフレームに挿入する位置でカットする。自分で糸ノコ等で切ることもできるが、ガイドカッターなど専用工具があるプロショップに依頼するのがベターだろう。
インテグレーテッドシートクランプを装着した状態なら、万が一クランプがゆるんでしまってもカーボンチューブが心張り棒の役割を果たして下がってくることはない。
さらにシートクランプは2カ所のボルトで固定する(下側はフレームに、上側はカーボンチューブを固定する)ので、このようにフレームとチューブを固定することで、より緩みにくい状況を作り出すことが出来るのだ。
外観上もフレームチューブに近い径であることから一体感もある。同じようなカーボン柄であれば、まさしく流行のピラー一体型フレームに見えなくもない。
未然にトラブルを回避できる日本発・初のサイクルパーツ。情熱が生み出したアイデアパーツだ。ワンサイズでφ31.6mmサイズのシートピラーに適合する。
― インプレッション ―
「100gと引き替えに安心感を手に入れられる」山本健一(バイクジャーナリスト)
確実に固定されているという安心感が余裕を生み出す 確実な固定が求められるシートポスト部分。サドル高の微調整を頻繁に行う人(ピラーの素材にもよるが)は、シートクランプをいくら締め付けても緩くなってしまったり、ライディング中に曲がってしまうなんてこともある。そもそもの相性という場合もある。
そんなユーザーにオススメなインテグレーテッドシートポストを使ってみると、「理論上下がらない」というコンセプト通り、やはり決められた位置から下がることはない。カーボンチューブが支えとなり、ピラーがそれ以上フレーム内部に挿入されないような仕組みになっているのだ。
試しに固定せずに乗車してみたが、サドルは下がることはなく瞬間的に優越感に浸れる。しかし、ペダリングするたびに左右に動いてしまった。これではさすがにライディングに集中できないので、用意された2本のボルトによってクランプをしっかりと固定した。
クランプ部はピラー側と、フレーム側それぞれを固定するように設計されている。カーボンチューブには(応力集中による割れを防止するために斜めに)スリットが設けられ、クランプすると完全に固定できた。フレーム側は普段通りに固定すればいい。
挿入する際に感じたのは、精度の高さ。フレーム内部にピラーを挿入するくらいの抵抗があった(今回の組み合わせの場合)。摩擦や傷が気になる場合は潤滑剤やグリスをあらかじめピラーに塗布しておいてもいいかもしれない。
これだけ密着度が高ければ、ピラーの剛性向上に影響を与えそうだ。スローピングフレームなどロングピラーを使うような場合は、ある程度の効果は期待できるだろう。
100gの重量増だが、突端に位置する部位というわけでもないのでパフォーマンス的なハンディは感じない。100gと引き替えに安心感を手に入れられるのならそれもいいだろう。
「確実にシートが固定されるので、上げた腰を一気に降ろすときなどの不安とは無縁になる」(山本健一)
イベント時のトラブルは煩わしい。またロングライドなどに出かけるときトラブル発生率は最小限に留めたいものだ。安心を手に入れたいサイクリストは注目してみてはいかがだろうか。
山本健一 山本健一(バイクジャーナリスト)
身長187cm、体重68kg。かつては実業団トップカテゴリーで走った経歴をもつ。脚質はどちらかといえばスピードマンタイプで上りは苦手。1000mタイムトライアル1分10秒(10年前のベストタイム)がプチ自慢。インプレッションはじめ製品レビューなどがライフワーク的になっている。インプレ本のバイブル、ロードバイクインプレッション2009(エイ出版社)の統括エディターもつとめる。
Impression&text: 山本健一(バイクジャーナリスト)
Photo:綾野 真
インテグレーテッドシートクランプは、シートピラーに被せて使うアイテムだ。世界中でエヴァディオだけにしかないこのアイデアパーツは、サドルが動いたり、下がるといったトラブルを防いでくれる。
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シートピラーはフレームとの相性などで、適正トルクでも確実に止まらなかったり、強い力がかかったときに下がってしまう場合がある。ロック剤などに頼る方法もあるが、より確実な固定を約束するアイテムがある。それこそがエヴァディオからリリースされているインテグレーテッドシートポストだ。
確実な固定力でシートピラーをパワーアップ
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まずシートクランプ側のカーボンチューブ(以下カーボンチューブ)をヤグラにつき当たるまで挿入し、ピラーをフレームに挿入する位置でカットする。自分で糸ノコ等で切ることもできるが、ガイドカッターなど専用工具があるプロショップに依頼するのがベターだろう。
インテグレーテッドシートクランプを装着した状態なら、万が一クランプがゆるんでしまってもカーボンチューブが心張り棒の役割を果たして下がってくることはない。
さらにシートクランプは2カ所のボルトで固定する(下側はフレームに、上側はカーボンチューブを固定する)ので、このようにフレームとチューブを固定することで、より緩みにくい状況を作り出すことが出来るのだ。
外観上もフレームチューブに近い径であることから一体感もある。同じようなカーボン柄であれば、まさしく流行のピラー一体型フレームに見えなくもない。
未然にトラブルを回避できる日本発・初のサイクルパーツ。情熱が生み出したアイデアパーツだ。ワンサイズでφ31.6mmサイズのシートピラーに適合する。
― インプレッション ―
「100gと引き替えに安心感を手に入れられる」山本健一(バイクジャーナリスト)
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そんなユーザーにオススメなインテグレーテッドシートポストを使ってみると、「理論上下がらない」というコンセプト通り、やはり決められた位置から下がることはない。カーボンチューブが支えとなり、ピラーがそれ以上フレーム内部に挿入されないような仕組みになっているのだ。
試しに固定せずに乗車してみたが、サドルは下がることはなく瞬間的に優越感に浸れる。しかし、ペダリングするたびに左右に動いてしまった。これではさすがにライディングに集中できないので、用意された2本のボルトによってクランプをしっかりと固定した。
クランプ部はピラー側と、フレーム側それぞれを固定するように設計されている。カーボンチューブには(応力集中による割れを防止するために斜めに)スリットが設けられ、クランプすると完全に固定できた。フレーム側は普段通りに固定すればいい。
挿入する際に感じたのは、精度の高さ。フレーム内部にピラーを挿入するくらいの抵抗があった(今回の組み合わせの場合)。摩擦や傷が気になる場合は潤滑剤やグリスをあらかじめピラーに塗布しておいてもいいかもしれない。
これだけ密着度が高ければ、ピラーの剛性向上に影響を与えそうだ。スローピングフレームなどロングピラーを使うような場合は、ある程度の効果は期待できるだろう。
100gの重量増だが、突端に位置する部位というわけでもないのでパフォーマンス的なハンディは感じない。100gと引き替えに安心感を手に入れられるのならそれもいいだろう。
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イベント時のトラブルは煩わしい。またロングライドなどに出かけるときトラブル発生率は最小限に留めたいものだ。安心を手に入れたいサイクリストは注目してみてはいかがだろうか。
インプレライダーのプロフィール
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身長187cm、体重68kg。かつては実業団トップカテゴリーで走った経歴をもつ。脚質はどちらかといえばスピードマンタイプで上りは苦手。1000mタイムトライアル1分10秒(10年前のベストタイム)がプチ自慢。インプレッションはじめ製品レビューなどがライフワーク的になっている。インプレ本のバイブル、ロードバイクインプレッション2009(エイ出版社)の統括エディターもつとめる。
Impression&text: 山本健一(バイクジャーナリスト)
Photo:綾野 真
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