2014/06/22(日) - 07:30
残り3kmを切って鋭いアタックを成功させたエスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)が超級山岳ヴェルビエを先頭で登りきった。「TTのようにリズムを刻んで走りたい」と語っていたトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)が総合首位を守っている。
今大会最長219.1kmコースの先に待つのは、ツール・ド・フランスでも度々登場する超級山岳ヴェルビエ。標高1474mのスキーリゾート地に向かって登坂距離13.4kmの登りが続いている。一日の獲得標高差は2800mだ。
レース序盤に形成され、最後の超級山岳ヴェルビエまで逃げ続けたのは8名の先頭グループ。ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)、ネーサン・ブラウン(アメリカ、ガーミン・シャープ)、クリスティアン・クネース(ドイツ、チームスカイ)、セバスティアン・ミナール(フランス、AG2Rラモンディアール)、ダニーロ・ウィス(スイス、BMCレーシング)、グレゴリー・ラスト(スイス、トレックファクトリーレーシング)、ローレンス・デフリース(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)、マテウシュ・タチアク(ポーランド、CCCポルサット)が最大6分のリードを稼ぎ出し、ロハスがバーチャルリーダーとなった状態でレース後半へ。
オメガファーマ・クイックステップに加えてランプレ・メリダやジャイアント・シマノが集団先頭に立ち、タイム差を詰めながら超級山岳ヴェルビエに突入。残り10kmを切ってから先頭ではクネースがアタックを仕掛け、続いてウィスが独走を開始する。こうして先頭グループが崩壊する中、メイン集団ではスイスのIAMサイクリングが積極的にペースを作った。
メイン集団からルイス・マインティーズ(南アフリカ、MTNキュベカ)が飛び出し、山岳賞ジャージのビョルン・トゥラウ(ドイツ、ユーロップカー)とともに先頭ウィスに合流。一時的にマインティーズ、トゥラウ、ウィスの3名が先行したものの、ベルキン率いるメイン集団を振り切ることは出来なかった。
マティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング)のアタックを切っ掛けに集団のペースは更に上がり、そこから残り2.5kmでエスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)が鋭いアタック。
この動きに21歳のダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール)が反応したものの、コロンビアンクライマーのハイペースには対応出来ずに後退する。続いてロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)とバウク・モレマ(オランダ、ベルキン)の2人が、淡々とペースを刻むリーダージャージのマルティンを振り切ることに成功した。
先頭シャベスを猛烈な勢いで追撃するクロイツィゲルとモレマ。その後方にマルティンを含むメイン集団が続いて残り1kmを切る。シャベスが歓喜の表情でフィニッシュラインを切り、3秒差でクロイツィゲルとモレマがフィニッシュ。マルティンは17秒差の集団でフィニッシュにたどり着いた。
「先頭を走りながら4〜5回振り返ったけど、常に後続の選手たちが近くに見えた。だからフィニッシュラインの10m手前まで勝利を確信出来なかった」というシャベスは、キンタナやサガン、クヴィアトコウスキー、フィニー、アル、マシューズらと同じ1990年生まれの24歳。今年オリカ・グリーンエッジに合流し、ツール・ド・ランカウイ総合4位、ツアー・オブ・カリフォルニア総合7位&ステージ優勝という成績を残している。
「UCIワールドツアー初勝利であり、キャリアの中で一番大きな勝利。ツール・ド・フランスに向けて好調の選手たちが集まるこのレースで勝つことに大きな意味がある。この勝利をお膳立てしてくれたチームメイトに感謝したい」と大きな勝利を喜んだ。
クロイツィゲルらには14秒の先行を許したものの、大きく遅れることなく、多くのライバルたちと一緒にフィニッシュしたマルティンが総合首位をキープ。総合2位トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)とのタイム差を51秒に広げ、総合3位ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)とのタイム差は1分05秒のまま。
総合優勝に向けて難所を乗り越えたマルティンは「とても速く、とても厳しいステージだった。2009年のツール・ド・フランスで経験済みだったので、最後のヴェルビエが急勾配なことは知っていたし、誰をマークすべきかも心得ていた。上手く対処出来たと思う。コンディションも気持ちも乗っているので、最終ステージでもベストを尽くしたい」と語っている。
選手コメントはオメガファーマ・クイックステップならびにオリカ・グリーンエッジ公式サイトより。
ツール・ド・スイス2014第8ステージ結果
個人総合成績
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
山岳賞
ビョルン・トゥラウ(ドイツ、ユーロップカー)
チーム総合成績
ランプレ・メリダ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
今大会最長219.1kmコースの先に待つのは、ツール・ド・フランスでも度々登場する超級山岳ヴェルビエ。標高1474mのスキーリゾート地に向かって登坂距離13.4kmの登りが続いている。一日の獲得標高差は2800mだ。
レース序盤に形成され、最後の超級山岳ヴェルビエまで逃げ続けたのは8名の先頭グループ。ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)、ネーサン・ブラウン(アメリカ、ガーミン・シャープ)、クリスティアン・クネース(ドイツ、チームスカイ)、セバスティアン・ミナール(フランス、AG2Rラモンディアール)、ダニーロ・ウィス(スイス、BMCレーシング)、グレゴリー・ラスト(スイス、トレックファクトリーレーシング)、ローレンス・デフリース(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)、マテウシュ・タチアク(ポーランド、CCCポルサット)が最大6分のリードを稼ぎ出し、ロハスがバーチャルリーダーとなった状態でレース後半へ。
オメガファーマ・クイックステップに加えてランプレ・メリダやジャイアント・シマノが集団先頭に立ち、タイム差を詰めながら超級山岳ヴェルビエに突入。残り10kmを切ってから先頭ではクネースがアタックを仕掛け、続いてウィスが独走を開始する。こうして先頭グループが崩壊する中、メイン集団ではスイスのIAMサイクリングが積極的にペースを作った。
メイン集団からルイス・マインティーズ(南アフリカ、MTNキュベカ)が飛び出し、山岳賞ジャージのビョルン・トゥラウ(ドイツ、ユーロップカー)とともに先頭ウィスに合流。一時的にマインティーズ、トゥラウ、ウィスの3名が先行したものの、ベルキン率いるメイン集団を振り切ることは出来なかった。
マティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング)のアタックを切っ掛けに集団のペースは更に上がり、そこから残り2.5kmでエスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)が鋭いアタック。
この動きに21歳のダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール)が反応したものの、コロンビアンクライマーのハイペースには対応出来ずに後退する。続いてロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)とバウク・モレマ(オランダ、ベルキン)の2人が、淡々とペースを刻むリーダージャージのマルティンを振り切ることに成功した。
先頭シャベスを猛烈な勢いで追撃するクロイツィゲルとモレマ。その後方にマルティンを含むメイン集団が続いて残り1kmを切る。シャベスが歓喜の表情でフィニッシュラインを切り、3秒差でクロイツィゲルとモレマがフィニッシュ。マルティンは17秒差の集団でフィニッシュにたどり着いた。
「先頭を走りながら4〜5回振り返ったけど、常に後続の選手たちが近くに見えた。だからフィニッシュラインの10m手前まで勝利を確信出来なかった」というシャベスは、キンタナやサガン、クヴィアトコウスキー、フィニー、アル、マシューズらと同じ1990年生まれの24歳。今年オリカ・グリーンエッジに合流し、ツール・ド・ランカウイ総合4位、ツアー・オブ・カリフォルニア総合7位&ステージ優勝という成績を残している。
「UCIワールドツアー初勝利であり、キャリアの中で一番大きな勝利。ツール・ド・フランスに向けて好調の選手たちが集まるこのレースで勝つことに大きな意味がある。この勝利をお膳立てしてくれたチームメイトに感謝したい」と大きな勝利を喜んだ。
クロイツィゲルらには14秒の先行を許したものの、大きく遅れることなく、多くのライバルたちと一緒にフィニッシュしたマルティンが総合首位をキープ。総合2位トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)とのタイム差を51秒に広げ、総合3位ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)とのタイム差は1分05秒のまま。
総合優勝に向けて難所を乗り越えたマルティンは「とても速く、とても厳しいステージだった。2009年のツール・ド・フランスで経験済みだったので、最後のヴェルビエが急勾配なことは知っていたし、誰をマークすべきかも心得ていた。上手く対処出来たと思う。コンディションも気持ちも乗っているので、最終ステージでもベストを尽くしたい」と語っている。
選手コメントはオメガファーマ・クイックステップならびにオリカ・グリーンエッジ公式サイトより。
ツール・ド・スイス2014第8ステージ結果
1位 エスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)
2位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
3位 バウク・モレマ(オランダ、ベルキン)
4位 エロス・カペッキ(イタリア、モビスター)
5位 ハニエル・アセベド(コロンビア、ガーミン・シャープ)
6位 フィリップ・ダイグナン(アイルランド、チームスカイ)
7位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
8位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール)
9位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
10位 マティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング)
2位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
3位 バウク・モレマ(オランダ、ベルキン)
4位 エロス・カペッキ(イタリア、モビスター)
5位 ハニエル・アセベド(コロンビア、ガーミン・シャープ)
6位 フィリップ・ダイグナン(アイルランド、チームスカイ)
7位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
8位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール)
9位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
10位 マティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング)
5h11'16"
+03"
+16"
+17"
+03"
+16"
+17"
個人総合成績
1位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)
3位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
4位 マティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング)
5位 バウク・モレマ(オランダ、ベルキン)
6位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール)
7位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
8位 ハニエル・アセベド(コロンビア、ガーミン・シャープ)
9位 エロス・カペッキ(イタリア、モビスター)
10位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
2位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)
3位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
4位 マティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング)
5位 バウク・モレマ(オランダ、ベルキン)
6位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール)
7位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
8位 ハニエル・アセベド(コロンビア、ガーミン・シャープ)
9位 エロス・カペッキ(イタリア、モビスター)
10位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
28h54'16"
+51"
+1'05"
+1'14"
+1'41"
+1'47"
+1'50"
+2'07"
+2'29"
+2'30"
+51"
+1'05"
+1'14"
+1'41"
+1'47"
+1'50"
+2'07"
+2'29"
+2'30"
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
山岳賞
ビョルン・トゥラウ(ドイツ、ユーロップカー)
チーム総合成績
ランプレ・メリダ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
Amazon.co.jp