2014/06/16(月) - 18:21
中盤過ぎの激坂区間で抜け出しそのまま独走したのは増田成幸(宇都宮ブリッツェン)。さらに堀孝明(同)、岩井航太(那須ブラーゼン)と続いて栃木勢が表彰台を独占した。
実業団Jプロツアーのヒルクライム連戦2戦目はふじあざみライン。最大勾配22%、しかも平均18%が3kmほど連続する日本を代表する激坂は、ギヤ比やホイールなどの選択に迷う嬉しさもある特殊なもの。Jプロツアー選手で多い組み合わせは34-28Tで、リア32Tやロングケージのリアディレイラーを使う選手も見受けられた。
このふじあざみラインのコースレコードは、今年5月に開催されたツアー・オブ・ジャパンでミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズペトロケミカル)の出した38分51秒。Jプロツアー記録は昨年の本大会でホセ・ビセンテ(チーム右京)が出した40分52秒、日本人最高記録は2010年に森本誠(現・イナーメ信濃山形)が出した42分11秒だ。
有力どころは1週間前の栂池で2位に入った増田成幸(宇都宮ブリッツェン)。その際に優勝したホセ・ビセンテはツアー・オブ・イランへ参戦(ほか土井雪広、窪木一茂、平井栄一、山本隼、湊諒)するため本大会には出場せず。チーム右京はルビーレッドジャージを着用するリカルド・ガルシアをエースに据えてレースを走った。
10時にスタートしたP1クラスタでは、号砲直後にそのJプロツアーリーダーであるリカルド・ガルシアがマシントラブルに見舞われてしまい、ストップを強いられてしまう。修復して走り出すまでに1分半を要してしまい、大きく遅れてスタートすることに。この情報が集団に伝えられないまま、チームメイトであるフラビオ・バルセッキや狩野智也らチーム右京勢がペースを上げた。
先頭を走る狩野には堀孝明、鈴木譲、増田という宇都宮ブリッツェン勢や、岩井航太(那須ブラーゼン)、櫻井一輝(なるしまフレンドレーシングチーム)らが加わって先頭集団を作り、やがて先頭は増田、堀、岩井、櫻井の4人となる。後方では佐野淳哉(那須ブラーゼン)が追い上げてくる。
中間の馬返しを過ぎてから激坂区間に突入すると、先頭から増田が単独で抜け出しを図る。しだいに差は開き増田は単独で残り半分をゴール目指して走る。いっぽうスタートで遅れたガルシアは強烈なペースで追い上げを見せ、中間点を過ぎてから上位グループに追いつき、さらに前を目指していく。
増田はリードを保ち、先に到着した多くの選手や観客が待ち構える五合目のゴールへ辿り着き、2012年7月の石川ロード以来2年ぶりの優勝を飾った。続いて堀と岩井がゴールし、さらにガルシアが4位にまで順位を上げてゴール。ガルシアは1分半のストップが無かったら、と思わせる好走を見せた。
優勝した増田成幸(宇都宮ブリッツェン)のコメント
「もっといいタイムが出るとは思っていたのですがTOJよりも遅かったですね。チームとして優勝が欲しかったので嬉しいです。堀もしっかり走ってくれたし。強い外国人選手がいると張り合う気持ちが出てきますね。今のJプロツアーは簡単に勝てない分、モチベーションが上がります。調子は少しずつ上がっていますよ」
結果
P1クラスタ
1位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)42分49秒
2位 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)+1分20秒
3位 岩井航太(那須ブラーゼン)+1分27秒
4位 リカルド・ガルシア(チーム右京)+1分59秒
5位 狩野智也(チーム右京)+1分59秒
6位 櫻井一輝(なるしまフレンドレーシングチーム)+2分10秒
7位 若松達人(GRUPPO ACQUA TAMA)+2分18秒
8位 佐野淳哉(那須ブラーゼン)+2分39秒
9位 雨澤毅明(那須ブラーゼン)+2分46秒
10位 乾友行(湘南ベルマーレ)+2分47秒
Jプロツアーリーダー リカルド・ガルシア(チーム右京)
U23リーダー 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)
Fクラスタ
1位 針谷千紗子(Live GARDEN BICI STELLE)1時間01分27秒
2位 大谷梢(湘南ベルマーレクラブ)+21秒
3位 西加南子(LUMINALIA)+34秒
Jフェミニンリーダー 棟近陽子(EURO-WORKS Racing)
E1クラスタ
1位 原純一(竹芝サイクルレーシング)
2位 岩波宏尚(竹芝サイクルレーシング)
3位 武田祥典(チーム サムライ)
4位 星野貴大(チーム・Y)
5位 加藤達也(Team-DADDY)
6位 南島康一(竹芝サイクルレーシング)
E2クラスタ
1位 米田彰(ネクストリーム・岡電気)45分51秒
2位 中村俊介(SEKIYA)+2分21秒
3位 田久保和也(イナーメ信濃山形-EFT)+2分28秒
4位 佐川祐太(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)+3分00秒
5位 櫻井亨軌(日野自動車レーシングチーム)+3分30秒
6位 坂大恵太(チームオーベスト)+3分53秒
E3クラスタ
1位 大橋穂高(ユーロードレーシング)48分05秒
2位 岩井太秀(エルドラード・エスペランサ)+11秒
3位 中根恭平(Teamまるいちエヴァディオ)+20秒
4位 木下翔平(コムリン)+31秒
5位 青木清(WE LOVE O2)+1分32秒
6位 中井雄策(TRC PANAMAREDS)+1分52秒
photo:Hideaki TAKAGI 、Haruo FUKUSHIMA
text:Hideaki TAKAGI
実業団Jプロツアーのヒルクライム連戦2戦目はふじあざみライン。最大勾配22%、しかも平均18%が3kmほど連続する日本を代表する激坂は、ギヤ比やホイールなどの選択に迷う嬉しさもある特殊なもの。Jプロツアー選手で多い組み合わせは34-28Tで、リア32Tやロングケージのリアディレイラーを使う選手も見受けられた。
このふじあざみラインのコースレコードは、今年5月に開催されたツアー・オブ・ジャパンでミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズペトロケミカル)の出した38分51秒。Jプロツアー記録は昨年の本大会でホセ・ビセンテ(チーム右京)が出した40分52秒、日本人最高記録は2010年に森本誠(現・イナーメ信濃山形)が出した42分11秒だ。
有力どころは1週間前の栂池で2位に入った増田成幸(宇都宮ブリッツェン)。その際に優勝したホセ・ビセンテはツアー・オブ・イランへ参戦(ほか土井雪広、窪木一茂、平井栄一、山本隼、湊諒)するため本大会には出場せず。チーム右京はルビーレッドジャージを着用するリカルド・ガルシアをエースに据えてレースを走った。
10時にスタートしたP1クラスタでは、号砲直後にそのJプロツアーリーダーであるリカルド・ガルシアがマシントラブルに見舞われてしまい、ストップを強いられてしまう。修復して走り出すまでに1分半を要してしまい、大きく遅れてスタートすることに。この情報が集団に伝えられないまま、チームメイトであるフラビオ・バルセッキや狩野智也らチーム右京勢がペースを上げた。
先頭を走る狩野には堀孝明、鈴木譲、増田という宇都宮ブリッツェン勢や、岩井航太(那須ブラーゼン)、櫻井一輝(なるしまフレンドレーシングチーム)らが加わって先頭集団を作り、やがて先頭は増田、堀、岩井、櫻井の4人となる。後方では佐野淳哉(那須ブラーゼン)が追い上げてくる。
中間の馬返しを過ぎてから激坂区間に突入すると、先頭から増田が単独で抜け出しを図る。しだいに差は開き増田は単独で残り半分をゴール目指して走る。いっぽうスタートで遅れたガルシアは強烈なペースで追い上げを見せ、中間点を過ぎてから上位グループに追いつき、さらに前を目指していく。
増田はリードを保ち、先に到着した多くの選手や観客が待ち構える五合目のゴールへ辿り着き、2012年7月の石川ロード以来2年ぶりの優勝を飾った。続いて堀と岩井がゴールし、さらにガルシアが4位にまで順位を上げてゴール。ガルシアは1分半のストップが無かったら、と思わせる好走を見せた。
優勝した増田成幸(宇都宮ブリッツェン)のコメント
「もっといいタイムが出るとは思っていたのですがTOJよりも遅かったですね。チームとして優勝が欲しかったので嬉しいです。堀もしっかり走ってくれたし。強い外国人選手がいると張り合う気持ちが出てきますね。今のJプロツアーは簡単に勝てない分、モチベーションが上がります。調子は少しずつ上がっていますよ」
結果
P1クラスタ
1位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)42分49秒
2位 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)+1分20秒
3位 岩井航太(那須ブラーゼン)+1分27秒
4位 リカルド・ガルシア(チーム右京)+1分59秒
5位 狩野智也(チーム右京)+1分59秒
6位 櫻井一輝(なるしまフレンドレーシングチーム)+2分10秒
7位 若松達人(GRUPPO ACQUA TAMA)+2分18秒
8位 佐野淳哉(那須ブラーゼン)+2分39秒
9位 雨澤毅明(那須ブラーゼン)+2分46秒
10位 乾友行(湘南ベルマーレ)+2分47秒
Jプロツアーリーダー リカルド・ガルシア(チーム右京)
U23リーダー 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)
Fクラスタ
1位 針谷千紗子(Live GARDEN BICI STELLE)1時間01分27秒
2位 大谷梢(湘南ベルマーレクラブ)+21秒
3位 西加南子(LUMINALIA)+34秒
Jフェミニンリーダー 棟近陽子(EURO-WORKS Racing)
E1クラスタ
1位 原純一(竹芝サイクルレーシング)
2位 岩波宏尚(竹芝サイクルレーシング)
3位 武田祥典(チーム サムライ)
4位 星野貴大(チーム・Y)
5位 加藤達也(Team-DADDY)
6位 南島康一(竹芝サイクルレーシング)
E2クラスタ
1位 米田彰(ネクストリーム・岡電気)45分51秒
2位 中村俊介(SEKIYA)+2分21秒
3位 田久保和也(イナーメ信濃山形-EFT)+2分28秒
4位 佐川祐太(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)+3分00秒
5位 櫻井亨軌(日野自動車レーシングチーム)+3分30秒
6位 坂大恵太(チームオーベスト)+3分53秒
E3クラスタ
1位 大橋穂高(ユーロードレーシング)48分05秒
2位 岩井太秀(エルドラード・エスペランサ)+11秒
3位 中根恭平(Teamまるいちエヴァディオ)+20秒
4位 木下翔平(コムリン)+31秒
5位 青木清(WE LOVE O2)+1分32秒
6位 中井雄策(TRC PANAMAREDS)+1分52秒
photo:Hideaki TAKAGI 、Haruo FUKUSHIMA
text:Hideaki TAKAGI
フォトギャラリー
Amazon.co.jp