2014/05/30(金) - 05:56
1級山岳リフージオ・パナロッタにフィニッシュするジロ・デ・イタリア第18ステージで、マリアアッズーラを着るジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)が逃げグループからアタック。山岳賞ジャージの名に相応しい走りでグランツール初勝利を飾った。
美しきドロミティ山塊を走る第19ステージ。ベッルーノから渓谷沿いに1級山岳サンペッレグリーノ峠を駆け上がり、切り立った山々に見下ろされながら次なる2級山岳レデブス峠へ。最後を締めくくるのは1級山岳リフージオ・パナロッタの登りだ。
保養地レヴィコテルメの街中を抜け、16.85kmかけて標高1760mの頂上まで登る。実質的な平均勾配は8.4%。マリアローザを決める山岳3連戦がスタートした。
この日の逃げが決まったのは1級山岳サンペッレグリーノ峠に差し掛かってからだった。ドロミティを代表する標高1918mの峠に向かう登坂距離18.45km/平均勾配の登りでジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)やダリオ・カタルド(イタリア、チームスカイ)がアタックを仕掛けた。
アレドンドが1級山岳サンペッレグリーノ峠を先頭通過後、ここにイヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデール)やマッテーオ・ラボッティーニ(イタリア、ネーリソットリ)、トーマス・デヘント(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)、ファビオ・ドゥアルテ(コロンビア、コロンビア)、フィリップ・ダイグナン(アイルランド、チームスカイ)ら強力な面子が合流。先頭では14名のグループが形成される。
モビスター率いるメイン集団と逃げグループのタイム差は瞬く間に6分を超え、次なる2級山岳レデブス峠に差し掛かる。平均勾配9.5%という急勾配の登りで動きは生まれず、逃げ切りをほぼ確実なものにした先頭グループが7分のリードで最後の1級山岳リフージオ・パナロッタに突入した。
登りが始まってすぐ、頂上まで16kmを残して先頭グループからデヘントがアタック。独走に持ち込んだ2012年大会総合3位フィニッシャーを、バッソやカタルドが追撃する。マリアアッズーラのアレドンドは追走グループ内で淡々と登りをこなした。
やがて、2日連続エスケープを試みたデヘントは徐々に失速し、残り6kmでアレドンドやフィリップ・ダイグナン(アイルランド、チームスカイ)、フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、アンドローニジョカトリ)、ドゥアルテが先頭に合流。ペッリツォッティらのアタックは失敗に終わる。すると、残り4kmを切ってアレドンドが加速した。
ドロミティを逃げ続け、疲労した逃げグループの中で、マリアアッズーラの登坂力は圧倒的だった。同じコロンビア出身のドゥアルテを振り切って、アレドンドがフィニッシュラインまで独走。ドロミティの難関山岳ステージで、マリアアッズーラが勝った。
「今日はマリアアッズーラを守るために序盤から逃げに乗った。順調に2つの山岳でポイントを稼いだけど、その時点ではこんな大きな成功を予想していなかったよ。最後の登りでは早めにアタックしたかったけど、コーチに『落ち着け。まだ行くな』と言われて我慢した。残り4kmで『今だ!』と言われてアタックして、そして勝ったんだ。全て彼のアドバイスのおかげだった」と、初出場のグランツールで初勝利を飾ったアレドンド。この日の逃げにより山岳賞トップの座は揺るぎのないものになっている。
この1級山岳リフージオ・パナロッタで後方のメイン集団を積極的に率いたのはユーロップカーだった。苦しい表情を見せる総合3位のカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)を引き離すべく、総合4位のピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)がアタック。この動きによってエヴァンスは総合表彰圏内から脱落する。
合計4回アタックの末に独走に持ち込んだロラン。しかしワウテル・ポエルス(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)率いるメイン集団によってロランは吸収される。フィニッシュ手前で飛び出したファビオ・アル(イタリア、アスタナ)には3秒先行を許したものの、マリアローザのキンタナはライバルたちの動きをほぼ完全に押さえ込んでフィニッシュした。
キンタナがマリアローザを守り、同タイムでフィニッシュしたリゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)が1分41秒差の総合2位。また、総合9位にダウンしたエヴァンスに代わってロランが総合3位に浮上した。
ロランとわずか2秒差でアルとラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)が続いており、総合表彰台争いは接戦状態が続く。翌日のモンテグラッパ山岳個人タイムトライアルで再び総合成績にシャッフルが掛けられる。
ジロ・デ・イタリア2014第18ステージ結果
マリアローザ 個人総合成績
マリアロッサ ポイント賞
ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
マリアアッズーラ 山岳賞
ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
マリアビアンカ ヤングライダー賞
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
チーム総合成績
AG2Rラモンディアール
text&photo:Kei Tsuji in Levico Terme, Italy
美しきドロミティ山塊を走る第19ステージ。ベッルーノから渓谷沿いに1級山岳サンペッレグリーノ峠を駆け上がり、切り立った山々に見下ろされながら次なる2級山岳レデブス峠へ。最後を締めくくるのは1級山岳リフージオ・パナロッタの登りだ。
保養地レヴィコテルメの街中を抜け、16.85kmかけて標高1760mの頂上まで登る。実質的な平均勾配は8.4%。マリアローザを決める山岳3連戦がスタートした。
この日の逃げが決まったのは1級山岳サンペッレグリーノ峠に差し掛かってからだった。ドロミティを代表する標高1918mの峠に向かう登坂距離18.45km/平均勾配の登りでジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)やダリオ・カタルド(イタリア、チームスカイ)がアタックを仕掛けた。
アレドンドが1級山岳サンペッレグリーノ峠を先頭通過後、ここにイヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデール)やマッテーオ・ラボッティーニ(イタリア、ネーリソットリ)、トーマス・デヘント(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)、ファビオ・ドゥアルテ(コロンビア、コロンビア)、フィリップ・ダイグナン(アイルランド、チームスカイ)ら強力な面子が合流。先頭では14名のグループが形成される。
モビスター率いるメイン集団と逃げグループのタイム差は瞬く間に6分を超え、次なる2級山岳レデブス峠に差し掛かる。平均勾配9.5%という急勾配の登りで動きは生まれず、逃げ切りをほぼ確実なものにした先頭グループが7分のリードで最後の1級山岳リフージオ・パナロッタに突入した。
登りが始まってすぐ、頂上まで16kmを残して先頭グループからデヘントがアタック。独走に持ち込んだ2012年大会総合3位フィニッシャーを、バッソやカタルドが追撃する。マリアアッズーラのアレドンドは追走グループ内で淡々と登りをこなした。
やがて、2日連続エスケープを試みたデヘントは徐々に失速し、残り6kmでアレドンドやフィリップ・ダイグナン(アイルランド、チームスカイ)、フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、アンドローニジョカトリ)、ドゥアルテが先頭に合流。ペッリツォッティらのアタックは失敗に終わる。すると、残り4kmを切ってアレドンドが加速した。
ドロミティを逃げ続け、疲労した逃げグループの中で、マリアアッズーラの登坂力は圧倒的だった。同じコロンビア出身のドゥアルテを振り切って、アレドンドがフィニッシュラインまで独走。ドロミティの難関山岳ステージで、マリアアッズーラが勝った。
「今日はマリアアッズーラを守るために序盤から逃げに乗った。順調に2つの山岳でポイントを稼いだけど、その時点ではこんな大きな成功を予想していなかったよ。最後の登りでは早めにアタックしたかったけど、コーチに『落ち着け。まだ行くな』と言われて我慢した。残り4kmで『今だ!』と言われてアタックして、そして勝ったんだ。全て彼のアドバイスのおかげだった」と、初出場のグランツールで初勝利を飾ったアレドンド。この日の逃げにより山岳賞トップの座は揺るぎのないものになっている。
この1級山岳リフージオ・パナロッタで後方のメイン集団を積極的に率いたのはユーロップカーだった。苦しい表情を見せる総合3位のカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)を引き離すべく、総合4位のピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)がアタック。この動きによってエヴァンスは総合表彰圏内から脱落する。
合計4回アタックの末に独走に持ち込んだロラン。しかしワウテル・ポエルス(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)率いるメイン集団によってロランは吸収される。フィニッシュ手前で飛び出したファビオ・アル(イタリア、アスタナ)には3秒先行を許したものの、マリアローザのキンタナはライバルたちの動きをほぼ完全に押さえ込んでフィニッシュした。
キンタナがマリアローザを守り、同タイムでフィニッシュしたリゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)が1分41秒差の総合2位。また、総合9位にダウンしたエヴァンスに代わってロランが総合3位に浮上した。
ロランとわずか2秒差でアルとラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)が続いており、総合表彰台争いは接戦状態が続く。翌日のモンテグラッパ山岳個人タイムトライアルで再び総合成績にシャッフルが掛けられる。
ジロ・デ・イタリア2014第18ステージ結果
1位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
2位 ファビオ・ドゥアルテ(コロンビア、コロンビア)
3位 フィリップ・ダイグナン(アイルランド、チームスカイ)
4位 フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、アンドローニジョカトリ)
5位 エドアルド・ザルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF)
6位 トーマス・デヘント(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
7位 イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデール)
8位 ダリオ・カタルド(イタリア、チームスカイ)
9位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
10位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
11位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
12位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
13位 ピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)
14位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
15位 アルベルト・ロサダ(スペイン、カチューシャ)
16位 ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)
17位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル)
18位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
19位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)
20位 ワウテル・ポエルス(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)
21位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
71位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
111位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
2位 ファビオ・ドゥアルテ(コロンビア、コロンビア)
3位 フィリップ・ダイグナン(アイルランド、チームスカイ)
4位 フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、アンドローニジョカトリ)
5位 エドアルド・ザルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF)
6位 トーマス・デヘント(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
7位 イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデール)
8位 ダリオ・カタルド(イタリア、チームスカイ)
9位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
10位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
11位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
12位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
13位 ピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)
14位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
15位 アルベルト・ロサダ(スペイン、カチューシャ)
16位 ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)
17位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル)
18位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
19位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)
20位 ワウテル・ポエルス(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)
21位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
71位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
111位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
4h49'51"
+17"
+37"
+1'20"
+1'24"
+1'38"
+1'43"
+1'59"
+2'43"
+2'46"
+2'49"
+2'54"
+3'02"
+3'08"
+3'17"
+3'48"
+4'24"
+17'56"
+24'33"
+17"
+37"
+1'20"
+1'24"
+1'38"
+1'43"
+1'59"
+2'43"
+2'46"
+2'49"
+2'54"
+3'02"
+3'08"
+3'17"
+3'48"
+4'24"
+17'56"
+24'33"
マリアローザ 個人総合成績
1位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
2位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)
4位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
5位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
6位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
7位 ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)
8位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
9位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
10位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)
2位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)
4位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
5位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
6位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
7位 ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)
8位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
9位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
10位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)
77h58'08"
+1'41"
+3'29"
+3'31"
+3'52"
+4'32"
+4'37"
+4'59"
+8'33"
+1'41"
+3'29"
+3'31"
+3'52"
+4'32"
+4'37"
+4'59"
+8'33"
マリアロッサ ポイント賞
ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
マリアアッズーラ 山岳賞
ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
マリアビアンカ ヤングライダー賞
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
チーム総合成績
AG2Rラモンディアール
text&photo:Kei Tsuji in Levico Terme, Italy
フォトギャラリー
Amazon.co.jp