2014/05/30(金) - 15:12
今年のジロは雨無しには語れないようだ。あと雪無しにも語れない。タフコンディションのレースが続いているため、すでに40人以上がリタイアしている。ツール・ド・熊野の開幕に合わせるように、ディフェンディングチャンピオンがグランツールの山岳で輝いた。
朝、オリカ・グリーンエッジのチームバスに向かうと、そこにはバイクが2台しか用意されていなかった。最高のジロ1週目を経験したオリカ・グリーンエッジは、1週間にわたるマリアローザキープに力を尽くしたことも影響し、最も早く選手の数を減らしたチームと言える。
何を隠そう、もうマイケル・ヘップバーン(オーストラリア)とスヴェイン・タフト(カナダ)の2人しか残っていない。たとえ2人になっても他のチームと同じだけのボリュームが確保される。大きなチームバスは走るし、チームカーは2台走る。もうこうなったらヘップバーンとタフトには意地でも完走してもらうしかない。
オリカ・グリーンエッジのメンバーは減ったが、レース終盤に差し掛かっていることもあり、観戦に訪れるサイクリストの数が増えた。しかもほとんどのサイクリストがフルカーボンのハイエンドバイクに乗っている。要はバイクにお金がかかっている。
ここ数年は海外(主に英語圏)からのサイクリングツアー参加者が増えているのも特徴だ。お揃いのジャージを着用し、ジロをピンポイントで訪れて観戦しながら美味しいものを食べ、飲み、ドロミティの山岳を堪能しようというもの。ただ単に観戦するだけではなく、バイクにも乗ってしまおうと言うのが世界的なトレンドだ。
それにしても今年はコロンビアの観客が目立つ。もともとイタリアには多くのコロンビア人が住んでいるため、沿道では黄青赤のコロンビア国旗が振られ、スペイン語の歓声が飛んでいる。コロンビア勢の活躍を見るにつけ、遠いコロンビアから遥々やってきた観客も多い。なお、コロンビアは南米に属するが、国土の大部分は北半球に位置している。
コロンビアがステージのトップツーと総合成績のトップツーを独占。コロンビアがマリアローザ、マリアビアンカ、マリアアッズーラを保持。今年のコロンビア旋風は凄まじいものがある。
開幕したばかりのツール・ド・熊野のディフェンディングチャンピオンが、マリアアッズーラを着て勝った。イギリスのビザ発給が遅れたため一時はジロ出場に黄信号が灯っていたジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)が勝った。
当初はUCIコンチネンタルチームからUCIプロチームへの移籍に関してチーム内に反対意見もあったそうだが、それらを振り切ってアレドンドを獲得したルーカ・グエルチレーナGMの判断は間違っていなかった。日本で活躍した選手が、世界で活躍している。
レースで反射的に無駄な動きをしてしまうところもあるが、気さくで、強い。苦手な英語を克服することが出来れば、より世界的なレーサーとして、グランツールレーサーとして今後更なるステップアップが期待出来る。
この日は多くのチームがフィニッシュの麓に位置するレーヴィコ・テルメに宿泊。選手たちは直接ホテルまで自走で下山した。ユーロップカーのメカニック、まるで夕食のメニューを聞くように、翌日の1級山岳モンテグラッパ山岳TTのセッティングを選手一人一人に聞いてメモしていく。
一人だけスタッフと一緒にチームバンで下山した新城幸也(ユーロップカー)は「(落車したけど)元気ですよ!」と笑う。エースのピエール・ロラン(フランス)を総合3位に浮上させたユーロップカーの雰囲気はとても良い。
新城は36x28Tのギア比で山岳ステージに挑んでいる。コンポーネントによっては39x32Tや34x28Tをセレクトするチームも。別府史之(トレックファクトリーレーシング)も「ゾンコランはリアを30T以上にするかも」と話していた。
標高差1500mオーバーの登りを含む山岳TTを新城は完全なノーマル仕様のロードバイクで走る予定だったが、前半の7kmが平坦であることと、隣で作業するFDJ.frのメカニックがディスクホイール付きのTTバイクを用意しているのを見て、簡易バーの装着をメカニックにオーダーした。ホイールはボーラ35を使用する予定。
FDJ.frの選手は前半の平坦区間をTTバイクで走り、平均勾配8%の1級山岳モンテグラッパの麓でロードバイクに乗り換える?そんな機材のチョイスもタイムに影響しそうだ。
text&photo:Kei Tsuji in Levico Terme, Italy
朝、オリカ・グリーンエッジのチームバスに向かうと、そこにはバイクが2台しか用意されていなかった。最高のジロ1週目を経験したオリカ・グリーンエッジは、1週間にわたるマリアローザキープに力を尽くしたことも影響し、最も早く選手の数を減らしたチームと言える。
何を隠そう、もうマイケル・ヘップバーン(オーストラリア)とスヴェイン・タフト(カナダ)の2人しか残っていない。たとえ2人になっても他のチームと同じだけのボリュームが確保される。大きなチームバスは走るし、チームカーは2台走る。もうこうなったらヘップバーンとタフトには意地でも完走してもらうしかない。
オリカ・グリーンエッジのメンバーは減ったが、レース終盤に差し掛かっていることもあり、観戦に訪れるサイクリストの数が増えた。しかもほとんどのサイクリストがフルカーボンのハイエンドバイクに乗っている。要はバイクにお金がかかっている。
ここ数年は海外(主に英語圏)からのサイクリングツアー参加者が増えているのも特徴だ。お揃いのジャージを着用し、ジロをピンポイントで訪れて観戦しながら美味しいものを食べ、飲み、ドロミティの山岳を堪能しようというもの。ただ単に観戦するだけではなく、バイクにも乗ってしまおうと言うのが世界的なトレンドだ。
それにしても今年はコロンビアの観客が目立つ。もともとイタリアには多くのコロンビア人が住んでいるため、沿道では黄青赤のコロンビア国旗が振られ、スペイン語の歓声が飛んでいる。コロンビア勢の活躍を見るにつけ、遠いコロンビアから遥々やってきた観客も多い。なお、コロンビアは南米に属するが、国土の大部分は北半球に位置している。
コロンビアがステージのトップツーと総合成績のトップツーを独占。コロンビアがマリアローザ、マリアビアンカ、マリアアッズーラを保持。今年のコロンビア旋風は凄まじいものがある。
開幕したばかりのツール・ド・熊野のディフェンディングチャンピオンが、マリアアッズーラを着て勝った。イギリスのビザ発給が遅れたため一時はジロ出場に黄信号が灯っていたジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)が勝った。
当初はUCIコンチネンタルチームからUCIプロチームへの移籍に関してチーム内に反対意見もあったそうだが、それらを振り切ってアレドンドを獲得したルーカ・グエルチレーナGMの判断は間違っていなかった。日本で活躍した選手が、世界で活躍している。
レースで反射的に無駄な動きをしてしまうところもあるが、気さくで、強い。苦手な英語を克服することが出来れば、より世界的なレーサーとして、グランツールレーサーとして今後更なるステップアップが期待出来る。
この日は多くのチームがフィニッシュの麓に位置するレーヴィコ・テルメに宿泊。選手たちは直接ホテルまで自走で下山した。ユーロップカーのメカニック、まるで夕食のメニューを聞くように、翌日の1級山岳モンテグラッパ山岳TTのセッティングを選手一人一人に聞いてメモしていく。
一人だけスタッフと一緒にチームバンで下山した新城幸也(ユーロップカー)は「(落車したけど)元気ですよ!」と笑う。エースのピエール・ロラン(フランス)を総合3位に浮上させたユーロップカーの雰囲気はとても良い。
新城は36x28Tのギア比で山岳ステージに挑んでいる。コンポーネントによっては39x32Tや34x28Tをセレクトするチームも。別府史之(トレックファクトリーレーシング)も「ゾンコランはリアを30T以上にするかも」と話していた。
標高差1500mオーバーの登りを含む山岳TTを新城は完全なノーマル仕様のロードバイクで走る予定だったが、前半の7kmが平坦であることと、隣で作業するFDJ.frのメカニックがディスクホイール付きのTTバイクを用意しているのを見て、簡易バーの装着をメカニックにオーダーした。ホイールはボーラ35を使用する予定。
FDJ.frの選手は前半の平坦区間をTTバイクで走り、平均勾配8%の1級山岳モンテグラッパの麓でロードバイクに乗り換える?そんな機材のチョイスもタイムに影響しそうだ。
text&photo:Kei Tsuji in Levico Terme, Italy
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