2014/05/21(水) - 00:21
集団のコントロールから勝負どころでの動き、そしてゴールと完璧な展開で美濃ステージを制したのはドラパックプロフェッショナルサイクリング。ランプレもNIPPOも退けたスピードを見せ付けた。
5月20日(火)、ツアー・オブ・ジャパン第2ステージは岐阜県美濃市でのロードレース。160.8kmで1箇所急で短い上りのある周回を7周半走る。スピードマンタイプあるいはパンチャータイプに有利なコースだ。
うだつのある町並みがパレードスタート。例年観客が多い場所だが今年はさらに多く身動きに苦労するほど。日本の歴史ある町並みに外国選手たちもくつろぎ、ファンからのサインや写真の要望にも丁寧に応じる。
パレードコースから周回コースに入った「0」周目に阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)がアタック、これにアイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)が単独で合流し、ここから2人の逃げが始まる。阿部はTTを得意としフェルナンデスはマディソンレースのヨーロッパチャンピオンでロードもこなす。2人の逃げは容認され、差は最大4分にまで広がる。
強力な2人のためもあり差はそれ以上には開かず、5周目から徐々に縮まっていく。この間、阿部はホットスポットを1位通過3回でボーナスタイム9秒を稼ぐ。堺ステージ1位のウィリアム・クラーク(ドラパックプロフェッショナルサイクリング)とは8秒差のため、同一集団ゴールならば阿部が個人総合リーダーとなる可能性が出てくる。
いっぽうでフェルナンデスは山岳ポイント1位を3回取り、山岳賞リーダーを確定させる。メイン集団はおもにドラパックプロフェッショナルサイクリングがコントロール、ランプレ・メリダも1名出してゴールスプリントに備える。6周目の上りで先頭から阿部が遅れフェルナンデスが単独先頭に。しかし7周目に入ってそのフェルナンデスも吸収されて集団はひとつに。
ドラパックプロフェッショナルサイクリングを先頭に各チームがまとまり、いよいよレースは佳境に。ラスト5kmの坂の頂上へは細い急坂が続く。その入り口での順番取りのため各チームともエースを送り込むべく動く。坂へ入るとペースを上げたのはヴィーニファンティーニ・NIPPO勢。宮澤崇史がその最後尾に付く。
続いて先頭に立つのはトム・モーゼス(ラファコンドールJLT)。さらに1段速いスピードで先頭に立ったのはニッコロ・ボニファジオ(ランプレ・メリダ)。ボニファジオが先頭でラスト5kmのトンネルへ入る。さらにピエールパオロ・デネグリ(ヴィーニファンティーニ・NIPPO)、リカルド・ガルシア(チーム右京)、中根英登(愛三工業レーシングチーム)らが続く。
下り区間で細長く途切れた選手たちがまとまりゴールへ向かう。ゴールへはボニファジオが先行するがこれをワウテル・ウィッパート(ドラパックプロフェッショナルサイクリング)がかわして優勝。ドラパックは完璧なレース展開で第1、第2ステージを連勝。
例年この美濃のコースでは、最終周回の上りでバラけて長く伸びた隊列の前方に位置する選手たちが、そのままゴールスプリントへなだれ込む。それがわかっているので前の周回やワンテンポ早く抜け出すチームもあるが結局はNIPPOやランプレ、ドラパックらにつかまってしまう。これが現実の力の差だが、西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)を送り込んだ中根の走りや、9位となった18歳の黒枝咲哉(日本ナショナルチーム、鹿屋体育大)や黒枝を送り込んだ面手利輝(同、EQA U23)らの走りは評価されていいだろう。
5位西谷と6位宮澤はUCIポイントを獲得している。またボーナスタイム9秒を獲得した阿部は最後の坂で遅れ29秒差でゴール。先頭と同一集団であったならば個人総合リーダーに立っていたが、堺ステージ1位2位のドラパックの選手がこの美濃で下位に沈むとは考えにくかった。成功はしなかったが可能性に賭けた走りは記憶に残るものに。
翌日の南信州ステージは山岳コース。加えて朝からの雨で厳しい展開になることが予想される。タブリーズ・ペトロケミカルチーム、ランプレ・メリダ、ヴィーニファンティーニ・NIPPO、ブリヂストンアンカーサイクリングチームらが主導権争いを繰り広げるだろう。
結果
第2ステージ美濃 160.8km
個人総合順位 第2ステージ終了時点
個人総合ポイント賞 第2ステージ終了時点
個人総合山岳賞 第2ステージ終了時点
個人総合新人賞 第2ステージ終了時点
1位 ワウテル・ウィッパート(ドラパックプロフェッショナルサイクリング)
団体総合時間賞 第2ステージ終了時点
photo&text:Hideaki TAKAGI
5月20日(火)、ツアー・オブ・ジャパン第2ステージは岐阜県美濃市でのロードレース。160.8kmで1箇所急で短い上りのある周回を7周半走る。スピードマンタイプあるいはパンチャータイプに有利なコースだ。
うだつのある町並みがパレードスタート。例年観客が多い場所だが今年はさらに多く身動きに苦労するほど。日本の歴史ある町並みに外国選手たちもくつろぎ、ファンからのサインや写真の要望にも丁寧に応じる。
パレードコースから周回コースに入った「0」周目に阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)がアタック、これにアイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)が単独で合流し、ここから2人の逃げが始まる。阿部はTTを得意としフェルナンデスはマディソンレースのヨーロッパチャンピオンでロードもこなす。2人の逃げは容認され、差は最大4分にまで広がる。
強力な2人のためもあり差はそれ以上には開かず、5周目から徐々に縮まっていく。この間、阿部はホットスポットを1位通過3回でボーナスタイム9秒を稼ぐ。堺ステージ1位のウィリアム・クラーク(ドラパックプロフェッショナルサイクリング)とは8秒差のため、同一集団ゴールならば阿部が個人総合リーダーとなる可能性が出てくる。
いっぽうでフェルナンデスは山岳ポイント1位を3回取り、山岳賞リーダーを確定させる。メイン集団はおもにドラパックプロフェッショナルサイクリングがコントロール、ランプレ・メリダも1名出してゴールスプリントに備える。6周目の上りで先頭から阿部が遅れフェルナンデスが単独先頭に。しかし7周目に入ってそのフェルナンデスも吸収されて集団はひとつに。
ドラパックプロフェッショナルサイクリングを先頭に各チームがまとまり、いよいよレースは佳境に。ラスト5kmの坂の頂上へは細い急坂が続く。その入り口での順番取りのため各チームともエースを送り込むべく動く。坂へ入るとペースを上げたのはヴィーニファンティーニ・NIPPO勢。宮澤崇史がその最後尾に付く。
続いて先頭に立つのはトム・モーゼス(ラファコンドールJLT)。さらに1段速いスピードで先頭に立ったのはニッコロ・ボニファジオ(ランプレ・メリダ)。ボニファジオが先頭でラスト5kmのトンネルへ入る。さらにピエールパオロ・デネグリ(ヴィーニファンティーニ・NIPPO)、リカルド・ガルシア(チーム右京)、中根英登(愛三工業レーシングチーム)らが続く。
下り区間で細長く途切れた選手たちがまとまりゴールへ向かう。ゴールへはボニファジオが先行するがこれをワウテル・ウィッパート(ドラパックプロフェッショナルサイクリング)がかわして優勝。ドラパックは完璧なレース展開で第1、第2ステージを連勝。
例年この美濃のコースでは、最終周回の上りでバラけて長く伸びた隊列の前方に位置する選手たちが、そのままゴールスプリントへなだれ込む。それがわかっているので前の周回やワンテンポ早く抜け出すチームもあるが結局はNIPPOやランプレ、ドラパックらにつかまってしまう。これが現実の力の差だが、西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)を送り込んだ中根の走りや、9位となった18歳の黒枝咲哉(日本ナショナルチーム、鹿屋体育大)や黒枝を送り込んだ面手利輝(同、EQA U23)らの走りは評価されていいだろう。
5位西谷と6位宮澤はUCIポイントを獲得している。またボーナスタイム9秒を獲得した阿部は最後の坂で遅れ29秒差でゴール。先頭と同一集団であったならば個人総合リーダーに立っていたが、堺ステージ1位2位のドラパックの選手がこの美濃で下位に沈むとは考えにくかった。成功はしなかったが可能性に賭けた走りは記憶に残るものに。
翌日の南信州ステージは山岳コース。加えて朝からの雨で厳しい展開になることが予想される。タブリーズ・ペトロケミカルチーム、ランプレ・メリダ、ヴィーニファンティーニ・NIPPO、ブリヂストンアンカーサイクリングチームらが主導権争いを繰り広げるだろう。
結果
第2ステージ美濃 160.8km
1位 ワウテル・ウィッパート(ドラパックプロフェッショナルサイクリング)
2位 ニッコロ・ボニファジオ(ランプレ・メリダ)
3位 ブレントン・ジョーンズ(アヴァンティレーシングチーム)
4位 グレガ・ボーレ(ヴィーニファンティーニ・NIPPO)
5位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)
6位 宮澤崇史(ヴィーニファンティーニ・NIPPO)
7位 セバスチャン・モラ(マトリックスパワータグ)
8位 畑中勇介(シマノレーシング)
9位 黒枝咲哉(日本ナショナルチーム、鹿屋体育大)
10位 トム・モーゼス(ラファコンドールJLT)
2位 ニッコロ・ボニファジオ(ランプレ・メリダ)
3位 ブレントン・ジョーンズ(アヴァンティレーシングチーム)
4位 グレガ・ボーレ(ヴィーニファンティーニ・NIPPO)
5位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)
6位 宮澤崇史(ヴィーニファンティーニ・NIPPO)
7位 セバスチャン・モラ(マトリックスパワータグ)
8位 畑中勇介(シマノレーシング)
9位 黒枝咲哉(日本ナショナルチーム、鹿屋体育大)
10位 トム・モーゼス(ラファコンドールJLT)
3時間47分36秒
個人総合順位 第2ステージ終了時点
1位 ウィリアム・クラーク(ドラパックプロフェッショナルサイクリング)
2位 ワウテル・ウィッパート(ドラパックプロフェッショナルサイクリング)
3位 ブレントン・ジョーンズ(アヴァンティレーシングチーム)
4位 フィリッポ・ポッツァート(ランプレ・メリダ)
5位 ジャック・ベッキンセール(アヴァンティレーシングチーム)
6位 ニッコロ・ボニファジオ(ランプレ・メリダ)
7位 ヴァレリオ・コンティ(ランプレ・メリダ)
8位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)
9位 アンドレア・パリーニ(ランプレ・メリダ)
10位 テイラー・ガンマン(アヴァンティレーシングチーム)
2位 ワウテル・ウィッパート(ドラパックプロフェッショナルサイクリング)
3位 ブレントン・ジョーンズ(アヴァンティレーシングチーム)
4位 フィリッポ・ポッツァート(ランプレ・メリダ)
5位 ジャック・ベッキンセール(アヴァンティレーシングチーム)
6位 ニッコロ・ボニファジオ(ランプレ・メリダ)
7位 ヴァレリオ・コンティ(ランプレ・メリダ)
8位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)
9位 アンドレア・パリーニ(ランプレ・メリダ)
10位 テイラー・ガンマン(アヴァンティレーシングチーム)
3時間50分50秒
+01秒
+03秒
+05秒
+06秒
+07秒
+08秒
+01秒
+03秒
+05秒
+06秒
+07秒
+08秒
個人総合ポイント賞 第2ステージ終了時点
1位 ワウテル・ウィッパート(ドラパックプロフェッショナルサイクリング)
2位 ブレントン・ジョーンズ(アヴァンティレーシングチーム)
3位 ニッコロ・ボニファジオ(ランプレ・メリダ)
2位 ブレントン・ジョーンズ(アヴァンティレーシングチーム)
3位 ニッコロ・ボニファジオ(ランプレ・メリダ)
25点
22点
20点
22点
20点
個人総合山岳賞 第2ステージ終了時点
1位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
2位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)
3位 トマス・ラボウ(OCBCシンガポールコンチネンタルサイクリングチーム)
2位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)
3位 トマス・ラボウ(OCBCシンガポールコンチネンタルサイクリングチーム)
15点
8点
7点
8点
7点
個人総合新人賞 第2ステージ終了時点
1位 ワウテル・ウィッパート(ドラパックプロフェッショナルサイクリング)
団体総合時間賞 第2ステージ終了時点
1位 ドラパックプロフェッショナルサイクリング
2位 アヴァンティレーシングチーム
3位 ランプレ・メリダ
2位 アヴァンティレーシングチーム
3位 ランプレ・メリダ
11時間32分41秒
+08秒
+07秒
+08秒
+07秒
photo&text:Hideaki TAKAGI
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