2014/05/08(木) - 20:28
ジロ・デ・イタリアにはピンク色のマリアローザの他にも、真っ赤なマリアロッサ(ポイント賞)、青いマリアアッズーラ(山岳賞)、白いマリアビアンカ(ヤングライダー賞)が存在する。それぞれのジャージ候補をチェックしておこう。
マリアロッサ ポイント賞ジャージ
総合争いに注視しがちなステージレースに花を添えるのが、華々しい集団スプリント。ポイント賞ジャージは、迫力あるスプリントバトルを体現するかのような真っ赤なジャージデザインが特徴だ。
これまでジロではステージの種類(TTを除く)に関わらず一律のポイントが与えられてきた。そのため総合狙いの選手たちがポイント賞のトップに輝くパターンが多く、近年のポイント賞受賞者を見ても、総合上位に絡むようなオールラウンダー&クライマーの名前がズラリと並ぶ。
しかし今年はステージが3種類に分類される。平坦ステージでより多くのポイント獲得が可能となるため、必然的にスプリンターたちがポイント賞の上位に名前を並べるだろう。ポイント配分は以下の通り。
<ポイント賞 ポイント配分>
第1カテゴリー(平坦:上位20名まで):50pts/40pts/34pts/28pts/25pts/22pts/20pts...1pt
第2カテゴリー(中級山岳:上位15名まで):25pts/22pts/20pts/18pts/16pts/14pts...1pt
第3カテゴリー(超級山岳:上位10名まで):15pts/12pts/10pts/8pts/7pts/6pts/5pts...1pt
ジャージはシンプルに「マリアロッサ(赤色ジャージ)」とも呼ばれるが、正式名称は「マリアロッサ・パッシオーネ」。直訳すると「情熱の赤いジャージ」だ。
昨年マリアロッサを獲得したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)は同時期に開催されるツアー・オブ・カリフォルニアに出場。ゴール前を支配し、昨年ステージ5勝を飾ったカヴに代わって、マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)がスプリントの主役になるだろう。
25歳のキッテルは昨年ツール・ド・フランスで4勝し、一躍トップスプリンターに上り詰めた。今年はジロと同じRCSスポルトが主催するドバイツアーでステージ3勝。初出場のジロでパワフルなスプリントが炸裂するだろう。ルーカ・メスゲツ(スロベニア)やトム・フィーラース(オランダ)がキッテルのためにリードアウトトレインを組む。
キッテルの最大のライバルになると見られるのが、直前のツアー・オブ・ターキーでカヴを2度下したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)だ。トラックレースで磨いたスピードを武器に、キッテルに挑戦状を叩き付ける。
イタリア勢としては他にもアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)やジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)、ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)らが勝負に絡んでくるだろう。
ジロにはゴール直前に登りやテクニカルコーナーなどの仕掛けが組み込まれている場合が多く、ツールとは勝手が違う。リードアウトが崩れるようなスプリントでは、登れるスプリンターのマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)やエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)らが力を発揮する。昨年何度も上位に絡みながら勝利を掴めなかったナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)にも注目だ。
歴代ポイント賞受賞者
2013年 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)
2012年 ホアキン・ロドリゲス(スペイン)
2011年 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア)
2010年 カデル・エヴァンス(オーストラリア)
2009年 ダニーロ・ディルーカ(イタリア)
2008年 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア)
2007年 ダニーロ・ディルーカ(イタリア)
2006年 パオロ・ベッティーニ(イタリア)
2005年 パオロ・ベッティーニ(イタリア)
2004年 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア)
2003年 ジルベルト・シモーニ(イタリア)
2002年 マリオ・チポッリーニ(イタリア)
2001年 マッシモ・ストラッツェール(イタリア)
2000年 ディミトリ・コニシェフ(ロシア)
マリアアッズーラ 山岳賞ジャージ
グランツールの中で最も山岳の難易度が高いと言われるジロ・デ・イタリア。それだけに、山岳賞ジャージには大きな価値がある。
これまで緑色のマリアヴェルデが採用されていたが、2012年から青色に変更された。名称はマリアアッズーラだ。
登場するカテゴリー山岳は、チーマコッピ、1級山岳、2級山岳、3級山岳、4級山岳の5種類。当然のことながら難易度の高いカテゴリー山岳に高ポイントが与えられており、仮に連日逃げて4級山岳を10回先頭通過しても、1級山岳一つでひっくり返る計算だ。
<山岳賞 ポイント配分>
チーマコッピ:40pts/28pts/21pts/15pts/10pts/7pts/4pts/2pts/1pt
1級山岳:32pts/20pts/14pts/10pts/7pts/4pts/2pts/1pt
2級山岳:14pts/9pts/6pts/4pts/2pts/1pt
3級山岳:7pts/4pts/2pts/1pt
4級山岳:3pts/2pts/1pt
近年はワイルドカード枠で出場するイタリアのUCIプロコンチネンタルチーム所属選手がマリアアッズーラを獲得する傾向がある。昨年は積極的に山岳ステージでポイントを稼いだステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニCSF)が山岳賞を獲得。今年もピラッツィはマリアアッズーラを狙ってくるだろう。
ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)やエマヌエーレ・セッラ(イタリア、アンドローニジョカトリ)、マッテーオ・ラボッティーニ(イタリア、ネーリソットリ)ら、小柄なイタリアンクライマーの他、ファビオ・ドゥアルテ(コロンビア、チームコロンビア)に代表される南米コロンビア勢にも注目だ。
歴代山岳賞受賞者
2013年 ステファノ・ピラッツィ(イタリア)
2012年 マッテーオ・ラボッティーニ(イタリア)
2011年 ステファノ・ガルゼッリ(イタリア)
2010年 マシュー・ロイド(オーストラリア)
2009年 ステファノ・ガルゼッリ(イタリア)
2008年 エマヌエーレ・セッラ(イタリア)
2007年 レオナルド・ピエポリ(イタリア)
2006年 フアンマヌエル・ガラーテ(スペイン)
2005年 ホセ・ルハノ(ベネズエラ)
2004年 ファビアン・ウェーグマン(ドイツ)
2003年 フレディ・ゴンザレス(コロンビア)
2002年 フリオ・ペレスクアピオ(メキシコ)
2001年 フレディ・ゴンザレス(コロンビア)
2000年 フランチェスコ・カーザグランデ(イタリア)
マリアビアンカ ヤングライダー賞ジャージ
若手選手を対象としたヤングライダー賞。トップの選手には純白のホワイトジャージが与えられる。長らくブルーの複合賞ジャージに座を奪われていたが、7年前に復活した。対象となるのは誕生日が1989年1月1日以降の選手だ。
多くの場合、若手選手はアシストとして力を尽くさなければならず、個人的にマリアビアンカに100%注力出来る選手は少ない。
しかしチームのエースであれば話は別だ。昨年ツール・ド・フランスでヤングライダー賞に輝き、今年マリアローザの候補にも挙げられているナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)は、自身初めてチームのエースとしてグランツールに出場。マリアローザを狙ううち、必然的にマリアビアンカもついてくるだろう。
ロッシュをアシストするラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)、クネゴをアシストするディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)、スカルポーニをアシストするファビオ・アル(イタリア、アスタナ)、バッソをアシストするモレーノ・モゼール(イタリア、キャノンデール)らもヤングライダー賞対象選手だ。
歴代新人賞受賞者
2013年 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア)
2012年 リゴベルト・ウラン(コロンビア)
2011年 ロマン・クロイツィゲル(チェコ)
2010年 リッチー・ポルト(オーストラリア)
2009年 ケヴィン・シールドライヤース(ベルギー)
2008年 リカルド・リッコ(イタリア)
2007年 アンディ・シュレク(ルクセンブルク)
1995年〜2006年 ジャージ未設定
text:Kei Tsuji in Belfast, Northern Ireland
マリアロッサ ポイント賞ジャージ
総合争いに注視しがちなステージレースに花を添えるのが、華々しい集団スプリント。ポイント賞ジャージは、迫力あるスプリントバトルを体現するかのような真っ赤なジャージデザインが特徴だ。
これまでジロではステージの種類(TTを除く)に関わらず一律のポイントが与えられてきた。そのため総合狙いの選手たちがポイント賞のトップに輝くパターンが多く、近年のポイント賞受賞者を見ても、総合上位に絡むようなオールラウンダー&クライマーの名前がズラリと並ぶ。
しかし今年はステージが3種類に分類される。平坦ステージでより多くのポイント獲得が可能となるため、必然的にスプリンターたちがポイント賞の上位に名前を並べるだろう。ポイント配分は以下の通り。
<ポイント賞 ポイント配分>
第1カテゴリー(平坦:上位20名まで):50pts/40pts/34pts/28pts/25pts/22pts/20pts...1pt
第2カテゴリー(中級山岳:上位15名まで):25pts/22pts/20pts/18pts/16pts/14pts...1pt
第3カテゴリー(超級山岳:上位10名まで):15pts/12pts/10pts/8pts/7pts/6pts/5pts...1pt
ジャージはシンプルに「マリアロッサ(赤色ジャージ)」とも呼ばれるが、正式名称は「マリアロッサ・パッシオーネ」。直訳すると「情熱の赤いジャージ」だ。
昨年マリアロッサを獲得したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)は同時期に開催されるツアー・オブ・カリフォルニアに出場。ゴール前を支配し、昨年ステージ5勝を飾ったカヴに代わって、マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)がスプリントの主役になるだろう。
25歳のキッテルは昨年ツール・ド・フランスで4勝し、一躍トップスプリンターに上り詰めた。今年はジロと同じRCSスポルトが主催するドバイツアーでステージ3勝。初出場のジロでパワフルなスプリントが炸裂するだろう。ルーカ・メスゲツ(スロベニア)やトム・フィーラース(オランダ)がキッテルのためにリードアウトトレインを組む。
キッテルの最大のライバルになると見られるのが、直前のツアー・オブ・ターキーでカヴを2度下したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)だ。トラックレースで磨いたスピードを武器に、キッテルに挑戦状を叩き付ける。
イタリア勢としては他にもアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)やジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)、ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)らが勝負に絡んでくるだろう。
ジロにはゴール直前に登りやテクニカルコーナーなどの仕掛けが組み込まれている場合が多く、ツールとは勝手が違う。リードアウトが崩れるようなスプリントでは、登れるスプリンターのマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)やエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)らが力を発揮する。昨年何度も上位に絡みながら勝利を掴めなかったナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)にも注目だ。
歴代ポイント賞受賞者
2013年 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)
2012年 ホアキン・ロドリゲス(スペイン)
2011年 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア)
2010年 カデル・エヴァンス(オーストラリア)
2009年 ダニーロ・ディルーカ(イタリア)
2008年 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア)
2007年 ダニーロ・ディルーカ(イタリア)
2006年 パオロ・ベッティーニ(イタリア)
2005年 パオロ・ベッティーニ(イタリア)
2004年 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア)
2003年 ジルベルト・シモーニ(イタリア)
2002年 マリオ・チポッリーニ(イタリア)
2001年 マッシモ・ストラッツェール(イタリア)
2000年 ディミトリ・コニシェフ(ロシア)
マリアアッズーラ 山岳賞ジャージ
グランツールの中で最も山岳の難易度が高いと言われるジロ・デ・イタリア。それだけに、山岳賞ジャージには大きな価値がある。
これまで緑色のマリアヴェルデが採用されていたが、2012年から青色に変更された。名称はマリアアッズーラだ。
登場するカテゴリー山岳は、チーマコッピ、1級山岳、2級山岳、3級山岳、4級山岳の5種類。当然のことながら難易度の高いカテゴリー山岳に高ポイントが与えられており、仮に連日逃げて4級山岳を10回先頭通過しても、1級山岳一つでひっくり返る計算だ。
<山岳賞 ポイント配分>
チーマコッピ:40pts/28pts/21pts/15pts/10pts/7pts/4pts/2pts/1pt
1級山岳:32pts/20pts/14pts/10pts/7pts/4pts/2pts/1pt
2級山岳:14pts/9pts/6pts/4pts/2pts/1pt
3級山岳:7pts/4pts/2pts/1pt
4級山岳:3pts/2pts/1pt
近年はワイルドカード枠で出場するイタリアのUCIプロコンチネンタルチーム所属選手がマリアアッズーラを獲得する傾向がある。昨年は積極的に山岳ステージでポイントを稼いだステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニCSF)が山岳賞を獲得。今年もピラッツィはマリアアッズーラを狙ってくるだろう。
ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)やエマヌエーレ・セッラ(イタリア、アンドローニジョカトリ)、マッテーオ・ラボッティーニ(イタリア、ネーリソットリ)ら、小柄なイタリアンクライマーの他、ファビオ・ドゥアルテ(コロンビア、チームコロンビア)に代表される南米コロンビア勢にも注目だ。
歴代山岳賞受賞者
2013年 ステファノ・ピラッツィ(イタリア)
2012年 マッテーオ・ラボッティーニ(イタリア)
2011年 ステファノ・ガルゼッリ(イタリア)
2010年 マシュー・ロイド(オーストラリア)
2009年 ステファノ・ガルゼッリ(イタリア)
2008年 エマヌエーレ・セッラ(イタリア)
2007年 レオナルド・ピエポリ(イタリア)
2006年 フアンマヌエル・ガラーテ(スペイン)
2005年 ホセ・ルハノ(ベネズエラ)
2004年 ファビアン・ウェーグマン(ドイツ)
2003年 フレディ・ゴンザレス(コロンビア)
2002年 フリオ・ペレスクアピオ(メキシコ)
2001年 フレディ・ゴンザレス(コロンビア)
2000年 フランチェスコ・カーザグランデ(イタリア)
マリアビアンカ ヤングライダー賞ジャージ
若手選手を対象としたヤングライダー賞。トップの選手には純白のホワイトジャージが与えられる。長らくブルーの複合賞ジャージに座を奪われていたが、7年前に復活した。対象となるのは誕生日が1989年1月1日以降の選手だ。
多くの場合、若手選手はアシストとして力を尽くさなければならず、個人的にマリアビアンカに100%注力出来る選手は少ない。
しかしチームのエースであれば話は別だ。昨年ツール・ド・フランスでヤングライダー賞に輝き、今年マリアローザの候補にも挙げられているナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)は、自身初めてチームのエースとしてグランツールに出場。マリアローザを狙ううち、必然的にマリアビアンカもついてくるだろう。
ロッシュをアシストするラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)、クネゴをアシストするディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)、スカルポーニをアシストするファビオ・アル(イタリア、アスタナ)、バッソをアシストするモレーノ・モゼール(イタリア、キャノンデール)らもヤングライダー賞対象選手だ。
歴代新人賞受賞者
2013年 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア)
2012年 リゴベルト・ウラン(コロンビア)
2011年 ロマン・クロイツィゲル(チェコ)
2010年 リッチー・ポルト(オーストラリア)
2009年 ケヴィン・シールドライヤース(ベルギー)
2008年 リカルド・リッコ(イタリア)
2007年 アンディ・シュレク(ルクセンブルク)
1995年〜2006年 ジャージ未設定
text:Kei Tsuji in Belfast, Northern Ireland
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