第3ステージからの3ステージはホテル滞在により毎日異なるコースを走る3日間となる。第3ステージは54km地点にKOMが待つ難関かつ最長距離のコースだ。カンチャナブリでの熱戦の様子をお伝えしよう。
第3ステージ Pavillion Rim Kwai Resort Hotel〜Srisawat 130km
(ジュニア、50代、マスター、レディースは100km)
シンガポール拠点の日本人チーム「ネクストステージ」が先頭で走り出していく30歳代クラス photo:Makoto.AYANO
朝8時に、それぞれのカテゴリーごとに3グループで走り出していく。
舞台となるカンチャナブリ一帯はバンコクから北西に130km離れた地にある、タイ中部で人気のある観光地の一つ。戦場にかける橋として世界的に有名なクワイ川にかかる橋や、カオプーン洞穴、ヒンダート温泉、エラワン滝などがある。
リーダージャージを着たセバスチャン・ピロッテ(ニールプライド・ジャパン)
ニールプライド購入特典参加の春山さん(左)と戸田さん(右)、サイクルスポーツ誌のナカジ
タイはこの時期、もっとも暑い(熱い、と言うのが正しい?)が、コースは生い茂った緑におおわれていて、直射日光を浴びずに走ることができる。スムーズな路面、緩い緩斜面のアップダウンが続き、走るに楽しいコースとも言える。
57km地点と言われていたが、38km地点から始まったKOM地点への登りでは、どの集団もバラバラに分解する。この丘の頂のKOM地点をそれぞれのクラスでトップで通過した選手にはKOM賞と水玉ジャージが授与されるとあって、争いは熾烈だ。
40歳代の集団を引くのはマイキーことマイケル・ライス(ニールプライド・ジャパン) photo:Makoto.AYANO
智野真央(ニールプライド・ジャパン)が上り中腹でパンク。しかし運良くチームバンがちょうどそのとき脇を通過するタイミングだった。この日は撮影に回って出走していなかったCW編集部・綾野のバイクがスペア車両として積んであったが、そのホイールをすぐさま交換することができ、ロスは最小限でレースに復帰できた。
タイ人ライダーたちとの逃げアタックに乗った戸田さん(ニールプライド・ジャパン) photo:Makoto.AYANO
運良くチームカーからスペアホイールを受け取り、再スタートした智野真央(ニールプライド・ジャパン)
智野は「もう先頭からは遅れてしまっていると思ったから、練習のつもりで男性陣を含む小グループの先頭でローテーションをがんがん回して走った」と、集団に復帰してからの走りを振りかえる。ゴールしてみれば2位。これで総合優勝への期待も出てきた。
アップダウンで苦しみだしたセバスチャン・ピロッテ(ニールプライド・ジャパン) photo:Makoto.AYANO
ニールプライドバイク部門責任者マイク・プライド氏 photo:Makoto.AYANO
マスター(60歳以上)の部で1位となったのはBMレーシングの池田さん。定年退職してからの楽しみとして、チームメイトの荒生さんに誘われるままに今年は新城幸也らも滞在するチェンライ郊外のナーソンリゾートで春先に1週間のタイ合宿を行い、調子良くなってうまく走れたという。別チームでは息子のショウヘイさんも参加しており、2位。親子での表彰台となった。
マスターを走るBMレーシングの荒生さん
King of Mountain 山岳賞ポイント
注目のオープンプラスは武井亨介(Forza!)がウー・キン・サン(チャンピオンシステム)と2人で逃げ切り、ゴールではセンチ差の写真判定で2位となった。優勝した香港人のウー・キン・サンは昨年までUCIプロコンチライダーとして、2006年にはランプレで走っている元プロ選手。プロコンチームは解散したが、レースのメインスポンサーでもあるチャンピオンシステム製のチャンピオンジャージに袖を通すことになった。
僅差のゴールスプリント ウー・キン・サン(チャンピオンシステム)が武井亨介(Forza!)を下す photo:Makoto.AYANO
40代オーバーでチャンピオンジャージを着て走ったセバスチャン・ピロッテ(ニールプライド・ジャパン)だが、優勝者からは6分52秒遅れてゴール。総合ジャージは手放すことになった。
KOMで給水をとる春山さん(ニールプライド・ジャパン) photo:Makoto.AYANO
リーダージャージを失い、失意の表情でゴールするセバスチャン・ピロッテ(ニールプライド・ジャパン) photo:Makoto.AYANO
元トラック選手でカナダ代表にもなった経験があるセバスチャンはがっかりした顔で言う。「後半は身体がいうことを訊かなかった。ボクは選手じゃなくただのチームマネージャーで、今の仕事はモデル。普段2時間乗るのがやっとで、週に6時間ぐらいしか練習していないから、長い時間強さを持続することができないんだよ。悔しいけど仕方ないね」。
男子を次々に抜きながらKOMを行く與那嶺恵理(Forza!) photo:Makoto.AYANO
與那嶺恵理(Forza!)はこの日、女子クラスは100kmのところをオープンクラスと一緒に、ロングコースの130kmの最後まで走った。そして男子のメイン集団よりも前でフィニッシュして皆を驚かせた。表彰式では山岳賞に加えて特別賞ジャージを獲得。
「エリはワンダーウーマン!ちっちゃくてキュートだけど信じられないくらい凄い女性よ!」とアナウンスされ、会場の大喝采を浴びた。
ウー・キン・サン(チャンピオンシステム)がステージ優勝。武井亨介(Forza!)は2位
山岳賞を受賞してマイヨアポアを着る各クラスの選手たち photo:Makoto.AYANO
男子クラスと一緒に走った與那嶺恵理(Forza!)には特別賞が贈られた photo:Makoto.AYANO
男子と一緒に走ると、当然のことながら総合成績などもつかなくなる。しかし自身の実力アップのためには、結果よりも男子と走ってスピードとセンスを磨き、進化したい。そんな理由からの規定外の行動だが、それを讃えて即興で特別賞ジャージまで与えるところからも、このレースの主催者たちがライダー達の走りの価値を本当に見極めていることがわかる。
第4・5ステージへと続く
フォトギャラリー(Facebookアルバム)
第3ステージ Pavillion Rim Kwai Resort Hotel〜Srisawat 130km
(ジュニア、50代、マスター、レディースは100km)

朝8時に、それぞれのカテゴリーごとに3グループで走り出していく。
舞台となるカンチャナブリ一帯はバンコクから北西に130km離れた地にある、タイ中部で人気のある観光地の一つ。戦場にかける橋として世界的に有名なクワイ川にかかる橋や、カオプーン洞穴、ヒンダート温泉、エラワン滝などがある。


タイはこの時期、もっとも暑い(熱い、と言うのが正しい?)が、コースは生い茂った緑におおわれていて、直射日光を浴びずに走ることができる。スムーズな路面、緩い緩斜面のアップダウンが続き、走るに楽しいコースとも言える。
57km地点と言われていたが、38km地点から始まったKOM地点への登りでは、どの集団もバラバラに分解する。この丘の頂のKOM地点をそれぞれのクラスでトップで通過した選手にはKOM賞と水玉ジャージが授与されるとあって、争いは熾烈だ。

智野真央(ニールプライド・ジャパン)が上り中腹でパンク。しかし運良くチームバンがちょうどそのとき脇を通過するタイミングだった。この日は撮影に回って出走していなかったCW編集部・綾野のバイクがスペア車両として積んであったが、そのホイールをすぐさま交換することができ、ロスは最小限でレースに復帰できた。


智野は「もう先頭からは遅れてしまっていると思ったから、練習のつもりで男性陣を含む小グループの先頭でローテーションをがんがん回して走った」と、集団に復帰してからの走りを振りかえる。ゴールしてみれば2位。これで総合優勝への期待も出てきた。


マスター(60歳以上)の部で1位となったのはBMレーシングの池田さん。定年退職してからの楽しみとして、チームメイトの荒生さんに誘われるままに今年は新城幸也らも滞在するチェンライ郊外のナーソンリゾートで春先に1週間のタイ合宿を行い、調子良くなってうまく走れたという。別チームでは息子のショウヘイさんも参加しており、2位。親子での表彰台となった。


注目のオープンプラスは武井亨介(Forza!)がウー・キン・サン(チャンピオンシステム)と2人で逃げ切り、ゴールではセンチ差の写真判定で2位となった。優勝した香港人のウー・キン・サンは昨年までUCIプロコンチライダーとして、2006年にはランプレで走っている元プロ選手。プロコンチームは解散したが、レースのメインスポンサーでもあるチャンピオンシステム製のチャンピオンジャージに袖を通すことになった。

40代オーバーでチャンピオンジャージを着て走ったセバスチャン・ピロッテ(ニールプライド・ジャパン)だが、優勝者からは6分52秒遅れてゴール。総合ジャージは手放すことになった。


元トラック選手でカナダ代表にもなった経験があるセバスチャンはがっかりした顔で言う。「後半は身体がいうことを訊かなかった。ボクは選手じゃなくただのチームマネージャーで、今の仕事はモデル。普段2時間乗るのがやっとで、週に6時間ぐらいしか練習していないから、長い時間強さを持続することができないんだよ。悔しいけど仕方ないね」。

與那嶺恵理(Forza!)はこの日、女子クラスは100kmのところをオープンクラスと一緒に、ロングコースの130kmの最後まで走った。そして男子のメイン集団よりも前でフィニッシュして皆を驚かせた。表彰式では山岳賞に加えて特別賞ジャージを獲得。
「エリはワンダーウーマン!ちっちゃくてキュートだけど信じられないくらい凄い女性よ!」とアナウンスされ、会場の大喝采を浴びた。



男子と一緒に走ると、当然のことながら総合成績などもつかなくなる。しかし自身の実力アップのためには、結果よりも男子と走ってスピードとセンスを磨き、進化したい。そんな理由からの規定外の行動だが、それを讃えて即興で特別賞ジャージまで与えるところからも、このレースの主催者たちがライダー達の走りの価値を本当に見極めていることがわかる。
第4・5ステージへと続く
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