2014/05/02(金) - 11:22
モントルーのゴールスプリントを制したのは、またもミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)。「調子は良くなかったけれど、仲間の働きを見てやるしかないと思った」と言うアルバジーニはボーナスタイムを獲得し、リーダージャージをも手中に収めた。
5月1日に開催されたツール・ド・ロマンディ(UCIワールドツアー)第2ステージ。大会3日目となるこの日は、前日のゴール地点であるシオンから、スイスとフランスの国境を隔てるレマン湖畔の街モントルーへと至166.5kmで争われた。
途中には山岳ポイントが2つ用意されているものの、カテゴリーは3級で難易度低め。後半のおよそ30kmは緩やかに下ってゴールを迎えるため、人数が絞られた集団によるゴールスプリントか、もしくは逃げ切りで決着がつくと予想されていた。
この日アーリーブレイクを決めたのは、マルティン・コーラー(BMCレーシング)とプリミン・ラング(IAMサイクリング)のスイス人コンビ。両チームとも2日連続でメンバーを逃げに乗せ、地元開催レースにかける意気込みを見せる。
「コーラーとは以前同じアマチュアエリートチームに所属していたんだ。だから山岳ポイントとスプリントポイントを分け合うことにした。結局捕まってしまったけれど、2人で全力を尽くした。(吸収されたことに対して)不満は無いよ。」とはラング。息の合った2人は最大で13分以上のタイム差を稼ぎ出す。
先を急ぐ2名に対して、追いかける集団はミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド)擁するオメガファーマ・クイックステップが中心となってコントロールを担う。後半にかけて徐々にその差は短縮していった。
強風が吹き付ける中、後半になって集団牽引役にはモレノ・ホフランド(オランダ)を勝たせたいベルキン勢がジョイン。協調を崩さない先頭2名は一瞬逃げ切りを匂わせたものの、ランプレ・メリダがペースアップする集団に残り3km地点で吸収された。
そこからスプリント体制を整えるメイン集団を牽いたのは、ボーナスタイムでリードを広げたいクヴィアトコウスキーを従えたトニ・マルティン(ドイツ)。他のアタックを許さないハイペースを一人で維持しきったマルティンの背後から、クヴィアトコウスキーを先頭にスプリントが始まった。
クヴィアトコウスキーのスプリントは伸びず、後方からはジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)が急加速。しかしその動きに乗ったアルバジーニが最終盤でニッツォロを交わし2日連続のガッツポーズ。ボーナスタイムを手に入れ、自身の力でリーダージャージを手中に収めた。
「今日チームメイトは僕に(勝つ)プレッシャーをかけてきた(笑)。今日のフィーリングは素晴らしいとは言えず、少し脚に疲れを感じていたんだ。でもチームとして動きはじめてから、何か結果を出さなきゃと思った。だって彼らは凄い仕事をやってのけたから。仲間の仕事の末に勝つことができて、とても嬉しいよ。」
「調子の良くない時のスプリントなんて、どういう結果になるか誰にも分からない。残り3kmか4kmか、とても遅いタイミングからスプリントの準備をしたんだ。前方へと上がっていく動きを良く観察して、正しい動きに乗ることができた。それから自分のタイミングでスプリント。風で失速することも無かったし、完璧だった。あんな大集団スプリントで勝利できるなんて、自分でも驚いている。」(アルバジーニ)
翌第3ステージは、スイスとフランスの国境を隔てるレマン湖畔のル・ブヴレから、UCIの本拠地があるエーグルまでの180km。途中には4つの1級山岳が設けられる最難関ステージだ。「リーダーとして走るのはとても難しい。でもリーダージャージとは、一度手にしたら簡単に明け渡してはいけないものなんだ。できるだけ長い間着続けられるように戦うつもりだよ。」とはアルバジーニ。実質今大会最初にして唯一の難関山岳ステージであり、ジロやツールを見据えるオールラウンダー達の登坂勝負に期待がかかる。
ツール・ド・ロマンディ2014第2ステージ結果
1位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ) 4h12'22"
2位 トニ・ウレル(フランス、ユーロップカー)
3位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
4位 アレクセイ・ツァテヴィック(ロシア、カチューシャ)
5位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
7位 トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ベリソル)
8位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ)
9位 ダニーロ・ウィス(スイス、BMCレーシング)
10位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
個人総合成績
山岳賞
ヨハン・チョップ(スイス、IAMサイクリング)
ポイント賞
マルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム)
新人賞
ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
チーム総合成績
オメガファーマ・クイックステップ
text:So.Isobe
photo:Tim de Waele
5月1日に開催されたツール・ド・ロマンディ(UCIワールドツアー)第2ステージ。大会3日目となるこの日は、前日のゴール地点であるシオンから、スイスとフランスの国境を隔てるレマン湖畔の街モントルーへと至166.5kmで争われた。
途中には山岳ポイントが2つ用意されているものの、カテゴリーは3級で難易度低め。後半のおよそ30kmは緩やかに下ってゴールを迎えるため、人数が絞られた集団によるゴールスプリントか、もしくは逃げ切りで決着がつくと予想されていた。
この日アーリーブレイクを決めたのは、マルティン・コーラー(BMCレーシング)とプリミン・ラング(IAMサイクリング)のスイス人コンビ。両チームとも2日連続でメンバーを逃げに乗せ、地元開催レースにかける意気込みを見せる。
「コーラーとは以前同じアマチュアエリートチームに所属していたんだ。だから山岳ポイントとスプリントポイントを分け合うことにした。結局捕まってしまったけれど、2人で全力を尽くした。(吸収されたことに対して)不満は無いよ。」とはラング。息の合った2人は最大で13分以上のタイム差を稼ぎ出す。
先を急ぐ2名に対して、追いかける集団はミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド)擁するオメガファーマ・クイックステップが中心となってコントロールを担う。後半にかけて徐々にその差は短縮していった。
強風が吹き付ける中、後半になって集団牽引役にはモレノ・ホフランド(オランダ)を勝たせたいベルキン勢がジョイン。協調を崩さない先頭2名は一瞬逃げ切りを匂わせたものの、ランプレ・メリダがペースアップする集団に残り3km地点で吸収された。
そこからスプリント体制を整えるメイン集団を牽いたのは、ボーナスタイムでリードを広げたいクヴィアトコウスキーを従えたトニ・マルティン(ドイツ)。他のアタックを許さないハイペースを一人で維持しきったマルティンの背後から、クヴィアトコウスキーを先頭にスプリントが始まった。
クヴィアトコウスキーのスプリントは伸びず、後方からはジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)が急加速。しかしその動きに乗ったアルバジーニが最終盤でニッツォロを交わし2日連続のガッツポーズ。ボーナスタイムを手に入れ、自身の力でリーダージャージを手中に収めた。
「今日チームメイトは僕に(勝つ)プレッシャーをかけてきた(笑)。今日のフィーリングは素晴らしいとは言えず、少し脚に疲れを感じていたんだ。でもチームとして動きはじめてから、何か結果を出さなきゃと思った。だって彼らは凄い仕事をやってのけたから。仲間の仕事の末に勝つことができて、とても嬉しいよ。」
「調子の良くない時のスプリントなんて、どういう結果になるか誰にも分からない。残り3kmか4kmか、とても遅いタイミングからスプリントの準備をしたんだ。前方へと上がっていく動きを良く観察して、正しい動きに乗ることができた。それから自分のタイミングでスプリント。風で失速することも無かったし、完璧だった。あんな大集団スプリントで勝利できるなんて、自分でも驚いている。」(アルバジーニ)
翌第3ステージは、スイスとフランスの国境を隔てるレマン湖畔のル・ブヴレから、UCIの本拠地があるエーグルまでの180km。途中には4つの1級山岳が設けられる最難関ステージだ。「リーダーとして走るのはとても難しい。でもリーダージャージとは、一度手にしたら簡単に明け渡してはいけないものなんだ。できるだけ長い間着続けられるように戦うつもりだよ。」とはアルバジーニ。実質今大会最初にして唯一の難関山岳ステージであり、ジロやツールを見据えるオールラウンダー達の登坂勝負に期待がかかる。
ツール・ド・ロマンディ2014第2ステージ結果
1位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ) 4h12'22"
2位 トニ・ウレル(フランス、ユーロップカー)
3位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
4位 アレクセイ・ツァテヴィック(ロシア、カチューシャ)
5位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
7位 トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ベリソル)
8位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ)
9位 ダニーロ・ウィス(スイス、BMCレーシング)
10位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
個人総合成績
1位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)
2位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ)
4位 ヘスス・ヘラーダ(スペイン、モビスター)
5位 マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)
6位 ローハン・デニス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
7位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
8位 マルティン・ケイゼル(オランダ、ベルキン)
9位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
10位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
2位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ)
4位 ヘスス・ヘラーダ(スペイン、モビスター)
5位 マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)
6位 ローハン・デニス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
7位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
8位 マルティン・ケイゼル(オランダ、ベルキン)
9位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
10位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
6h29'50"
+05"
+10"
+11"
+12"
+13"
+14"
+18"
+19"
+05"
+10"
+11"
+12"
+13"
+14"
+18"
+19"
山岳賞
ヨハン・チョップ(スイス、IAMサイクリング)
ポイント賞
マルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム)
新人賞
ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
チーム総合成績
オメガファーマ・クイックステップ
text:So.Isobe
photo:Tim de Waele
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