2014/05/01(木) - 14:48
「このレースでスイス人選手が勝利したのは10年ぶりだから、みんな僕の勝利を喜んでくれていると思う。」と喜ぶのは、勝利への意欲を燃やしたミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)。集団スプリントで母国スイスに勝利をもたらした。
ショートプロローグから一夜明けた大会2日目、ツール・ド・ロマンディ(UCIワールドツアー)は第1ステージを迎える。本来ならばアスコナからシオンへと至る203kmの道程が用意されていた第2ステージ。しかし道中にある標高2002mの1級山岳が降雪と冷温のため、コースの前半をバッサリとカットした88.6kmで行われた。
「もしステージが短縮されなかったら、僕らは雪と雨の中を走らねばならなかっただろう。そうならなくて本当に良かった。とても寒く、危険だっただろうし、ルート短縮の判断は名案だったと思う。」とは、この日勝利することになるアルバジーニ。短距離かつ勝負どころは後半に控える2級山岳のみだったため、この日レースはハイペースで進んだ。
2014年度大会最初のエスケープは、シルヴァン・ディリエル(スイス、BMCレーシング)とレト・ホーレンシュタイン(スイス、IAMサイクリング)、ボリス・ファレー(ベルギー、ロット・ベリソル)という3名によって形成される。
先を急ぐ3名だが、リーダージャージのミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド)擁するオメガファーマ・クイックステップがコントロールする集団に対し、稼ぎ出したリードは3分弱。短距離コースで逃げのチャンスは皆無に等しかった。
やがて総合有力選手を擁するチームスカイやFDJ.fr、ティンコフ・サクソ、ランプレ・メリダがペースアップに加担すると、3名のリードは急速に削り取られていく。集団はハイペースを維持したまま、集団の人数を減らしながら2級山岳を駆け上がった。
すると逃げグループを吸収しつつ、集団から地元の期待を背負い、山岳賞獲得を目指すヨハン・チョップ(スイス、IAMサイクリング)がアタック。合流したティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)を引き千切りKOMを通過した。「できる限りの力を尽くしてKOMを取りにいった。ピノが弾丸のように迫ってくるのが見えたが、僕の地元で彼にやられる訳にはいかなかった。」と後に語っている。
KOM通過後一つにまとまった集団からは、テクニカルな下りでヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)がアタックを敢行する。およそ25秒を稼ぎ出したものの、「下りではニーバリがアタックするだろうと思っていた。総合上位陣が多く集団内に残っていたので、集団はニーバリを行かせるはずが無い。一人ではゴールまで辿り着けないのは明らかだったんだ。」とアルバジーニが言う通り吸収。次いでアタックしたトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)もゴールまでわずかな距離を残して飲み込まれた。
そして集団は、絶対的なコントロールをするチームが現れないまま集団スプリントへ。山岳でビッグスプリンターが脱落した中、モチベーション高く臨んだアルバジーニの爆発力に敵う選手はいなかった。
「実際にとても今日は良いコンディションだった。今日はなにも問題を感じることが無かったんだ。」と語るアルバジーニ。「最後の登りでもとても楽に感じていたし、全く限界を感じていなかった。集団に多くの人数が残っていないのを見て、自分のために動くことにした。ダウンヒルを経て、集団は全くコントロールされていない状況だった。このステージで良い結果に繋がるようにとても集中したよ。すぐに反応できるよう前にいるべきだったし、それが今日はとても上手くいったんだ。」
「スイスのレースではいつもモチベーションたっぷりに臨んでいる。地元のレースで何かしたいのはもちろんだったし、今日の走りにとても嬉しく思っている。良い勝利だった。この時期に好調をキープして勝利できることは重要なこと。このレースでスイス人選手が勝利したのは10年ぶりだから、みんな僕の勝利を喜んでくれていると思う。」
また、チームメイトに守られて走ったクヴィアトコウスキーは、ステージ12位に入りリーダージャージをキープ。その他有力選手も問題無くゴールしている。翌第2ステージは、シオンからモントルーへと至166kmの山岳ステージだ。
ツール・ド・ロマンディ2014第1ステージ結果
1位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ) 2h11'11"
2位 ヘスス・ヘラーダ(スペイン、モビスター)
3位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ)
4位 マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
5位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
6位 マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)
7位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)
8位 ジョナタン・イヴェール(フランス、ベルキン)
9位 ビョルン・トゥラウ(ドイツ、ユーロップカー)
10位 トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)
個人総合成績
山岳賞
ヨハン・チョップ(スイス、IAMサイクリング)
ポイント賞
ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
新人賞
ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
チーム総合成績
オメガファーマ・クイックステップ
text:So.Isobe
photo:Tim de Waele
ショートプロローグから一夜明けた大会2日目、ツール・ド・ロマンディ(UCIワールドツアー)は第1ステージを迎える。本来ならばアスコナからシオンへと至る203kmの道程が用意されていた第2ステージ。しかし道中にある標高2002mの1級山岳が降雪と冷温のため、コースの前半をバッサリとカットした88.6kmで行われた。
「もしステージが短縮されなかったら、僕らは雪と雨の中を走らねばならなかっただろう。そうならなくて本当に良かった。とても寒く、危険だっただろうし、ルート短縮の判断は名案だったと思う。」とは、この日勝利することになるアルバジーニ。短距離かつ勝負どころは後半に控える2級山岳のみだったため、この日レースはハイペースで進んだ。
2014年度大会最初のエスケープは、シルヴァン・ディリエル(スイス、BMCレーシング)とレト・ホーレンシュタイン(スイス、IAMサイクリング)、ボリス・ファレー(ベルギー、ロット・ベリソル)という3名によって形成される。
先を急ぐ3名だが、リーダージャージのミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド)擁するオメガファーマ・クイックステップがコントロールする集団に対し、稼ぎ出したリードは3分弱。短距離コースで逃げのチャンスは皆無に等しかった。
やがて総合有力選手を擁するチームスカイやFDJ.fr、ティンコフ・サクソ、ランプレ・メリダがペースアップに加担すると、3名のリードは急速に削り取られていく。集団はハイペースを維持したまま、集団の人数を減らしながら2級山岳を駆け上がった。
すると逃げグループを吸収しつつ、集団から地元の期待を背負い、山岳賞獲得を目指すヨハン・チョップ(スイス、IAMサイクリング)がアタック。合流したティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)を引き千切りKOMを通過した。「できる限りの力を尽くしてKOMを取りにいった。ピノが弾丸のように迫ってくるのが見えたが、僕の地元で彼にやられる訳にはいかなかった。」と後に語っている。
KOM通過後一つにまとまった集団からは、テクニカルな下りでヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)がアタックを敢行する。およそ25秒を稼ぎ出したものの、「下りではニーバリがアタックするだろうと思っていた。総合上位陣が多く集団内に残っていたので、集団はニーバリを行かせるはずが無い。一人ではゴールまで辿り着けないのは明らかだったんだ。」とアルバジーニが言う通り吸収。次いでアタックしたトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)もゴールまでわずかな距離を残して飲み込まれた。
そして集団は、絶対的なコントロールをするチームが現れないまま集団スプリントへ。山岳でビッグスプリンターが脱落した中、モチベーション高く臨んだアルバジーニの爆発力に敵う選手はいなかった。
「実際にとても今日は良いコンディションだった。今日はなにも問題を感じることが無かったんだ。」と語るアルバジーニ。「最後の登りでもとても楽に感じていたし、全く限界を感じていなかった。集団に多くの人数が残っていないのを見て、自分のために動くことにした。ダウンヒルを経て、集団は全くコントロールされていない状況だった。このステージで良い結果に繋がるようにとても集中したよ。すぐに反応できるよう前にいるべきだったし、それが今日はとても上手くいったんだ。」
「スイスのレースではいつもモチベーションたっぷりに臨んでいる。地元のレースで何かしたいのはもちろんだったし、今日の走りにとても嬉しく思っている。良い勝利だった。この時期に好調をキープして勝利できることは重要なこと。このレースでスイス人選手が勝利したのは10年ぶりだから、みんな僕の勝利を喜んでくれていると思う。」
また、チームメイトに守られて走ったクヴィアトコウスキーは、ステージ12位に入りリーダージャージをキープ。その他有力選手も問題無くゴールしている。翌第2ステージは、シオンからモントルーへと至166kmの山岳ステージだ。
ツール・ド・ロマンディ2014第1ステージ結果
1位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ) 2h11'11"
2位 ヘスス・ヘラーダ(スペイン、モビスター)
3位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ)
4位 マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
5位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
6位 マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)
7位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)
8位 ジョナタン・イヴェール(フランス、ベルキン)
9位 ビョルン・トゥラウ(ドイツ、ユーロップカー)
10位 トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)
個人総合成績
1位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)
3位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ)
4位 ヘスス・ヘラーダ(スペイン、モビスター)
5位 マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)
6位 ローハン・デニス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
7位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
8位 マルティン・ケイゼル(オランダ、ベルキン)
9位 アレクサンドル・ジェニエ(フランス、FDJ.fr)
10位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
2位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)
3位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ)
4位 ヘスス・ヘラーダ(スペイン、モビスター)
5位 マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)
6位 ローハン・デニス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
7位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
8位 マルティン・ケイゼル(オランダ、ベルキン)
9位 アレクサンドル・ジェニエ(フランス、FDJ.fr)
10位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
2h17'33"
+05"
+06"
+07"
+08"
+09"
+13"
+14"
+05"
+06"
+07"
+08"
+09"
+13"
+14"
山岳賞
ヨハン・チョップ(スイス、IAMサイクリング)
ポイント賞
ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
新人賞
ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
チーム総合成績
オメガファーマ・クイックステップ
text:So.Isobe
photo:Tim de Waele