2014/04/29(火) - 00:32
ケメールの最終ストレートで再びマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)が先頭でスプリント。ターコイズブルーのリーダージャージを着るマンクスミサイルは、この日も他を寄せ付けなかった。
ツアー・オブ・ターキー第2ステージは、片側2車線の幹線道路をアランヤからケメールまで、とにかく平坦で単調な平野を突っ切る。途中、イスタンブールのアタトゥルク空港を抜いて海外渡航者数トルコNo.1のアンタルヤ空港の横をかすめ、海岸沿いに南下。フィニッシュ地点のケメールももちろんリゾート地として売り出し中の街だ。
天気予報によるとこの日の降水確率は50%。選手たちがホテルを出てレースの準備を進めているころ、スタート地点の上空には分厚い雨雲が登場した。閃光から轟音までコンマ何秒の雷を伴う"バケツをひっくり返したような"雨が降った。
「一日中こんな雨だったら滅入るな」というモトドライバーの心配は、幸い、杞憂に終わった。スタート20分前になって雨は小康状態となり、その後はフィニッシュまで一切雨に降られなかった。律儀に早めにスタート地点にやってきて出走サインを済ませた選手だけが全身びしょ濡れとなった。
アランヤを背にスタートが切られるとすぐ集団は一列棒状に。カテゴリー山岳も登場しない175kmコースにしては熱いアタック合戦がしばらく続き、ニコラ・ボエム(イタリア、バルディアーニCSF)、パウェル・チャルキー(ポーランド、CCCポルサット)、マッティア・ポッツォ(イタリア、ネーリソットリ)、マルティン・フェアスホール(オランダ、ノヴォノルディスク)、アフメト・オルケン(トルコ、トルク・セケルスポール)の5名が飛び出した。
少し濁ったターコイズブルーの地中海を左に、真ん中にモスクが建つ小さな農村と巨大なリゾートホテルのインターバルを右に眺めながら、平坦コースを逃げる先頭5名。最大5分リードのエスケープを、リーダーチームのオメガファーマ・クイックステップが使命感を持って追いかける。ここにベルキンやキャノンデールも加わると、逃げは残り15kmで吸収される。
ケメールに至る海岸路でも、オメガファーマ・クイックステップは主導権を失わなかった。前日のステージ優勝後にカヴェンディッシュが「まだまだ習得の段階」と説明していたリードアウトに向けた流れ。問題箇所をしっかりと改善し、優位に立ったまま最終ストレートでのスプリントに持ち込んだ。
「今日のオメガファーマ・クイックステップは教科書通りの仕事ぶりだったよ。ケヴィン(デウェールト)とペトル(ヴァコツ)が残り5kmまで引いて、ジャンニ(メールスマン)が残り2kmまで。そこからイーリョ(ケイセ)とヘルト・ステーグマン、アレッサンドロ・ペタッキ、マーク・レンショーがリードアウトを開始。最終ストレートは道幅があり、しかも向かい風が吹いていたのでタフなスプリントだった」と振り返るカヴェンディッシュが、フランチェスコ・キッキ(イタリア、ネーリソットリ)らを振り切った。
ステージ2連勝で、総合首位を快走するカヴェンディッシュ。1ヶ月のブランクを感じさせない好調さを見せている。
翌日はカテゴリー1級の山頂フィニッシュが設定されたクイーンステージ。カヴェンディッシュは「明日ステージ3勝目を狙うなんてことはないよ」と笑う。「2日間ハードワークをこなしたチームと一緒に乗りきって、その先のステージで勝利を重ねたい。今は苦しみながら走っているのではなく、調子が上がっているのを感じながら走れている。理想的な状態だ。今年はジロをパスするので、いつもよりフレッシュな状態でツール・ド・フランスに挑めると思う」。
対してジロ・デ・イタリアに向けて手応えを掴んだのがステージ2位のキッキ。「今日もカヴェンディッシュが最速だった。でも調子の良さも確認出来たし、目標のジロに向けてモチベーションに繋がるよ」と結果に満足している様子。
前日のステージ4位に続いて、この日ステージ3位に入ったニッコーロ・ボニファツィオ(イタリア、ランプレ・メリダ)は、1993年生まれのネオプロ。「最年少選手としてロンド・ファン・フラーンデレンとパリ〜ルーベに出場して、調子を掴んだんだ」と語る20歳が、パリ〜ルーベで落車して肋骨を痛めたエーススプリンターのサーシャ・モードロ(イタリア)に代わってスプリントし、好成績を連発している。
ツアー・オブ・ターキー2014第2ステージ結果
個人総合成績
ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
山岳賞
マルク・デマール(オランダ、ユナイテッドヘルスケア)
ビューティーズオブターキースプリント賞
フレデリク・ロバート(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
チーム総合成績
ランプレ・メリダ
text&photo:Kei Tsuji in Kemer, Turkey
ツアー・オブ・ターキー第2ステージは、片側2車線の幹線道路をアランヤからケメールまで、とにかく平坦で単調な平野を突っ切る。途中、イスタンブールのアタトゥルク空港を抜いて海外渡航者数トルコNo.1のアンタルヤ空港の横をかすめ、海岸沿いに南下。フィニッシュ地点のケメールももちろんリゾート地として売り出し中の街だ。
天気予報によるとこの日の降水確率は50%。選手たちがホテルを出てレースの準備を進めているころ、スタート地点の上空には分厚い雨雲が登場した。閃光から轟音までコンマ何秒の雷を伴う"バケツをひっくり返したような"雨が降った。
「一日中こんな雨だったら滅入るな」というモトドライバーの心配は、幸い、杞憂に終わった。スタート20分前になって雨は小康状態となり、その後はフィニッシュまで一切雨に降られなかった。律儀に早めにスタート地点にやってきて出走サインを済ませた選手だけが全身びしょ濡れとなった。
アランヤを背にスタートが切られるとすぐ集団は一列棒状に。カテゴリー山岳も登場しない175kmコースにしては熱いアタック合戦がしばらく続き、ニコラ・ボエム(イタリア、バルディアーニCSF)、パウェル・チャルキー(ポーランド、CCCポルサット)、マッティア・ポッツォ(イタリア、ネーリソットリ)、マルティン・フェアスホール(オランダ、ノヴォノルディスク)、アフメト・オルケン(トルコ、トルク・セケルスポール)の5名が飛び出した。
少し濁ったターコイズブルーの地中海を左に、真ん中にモスクが建つ小さな農村と巨大なリゾートホテルのインターバルを右に眺めながら、平坦コースを逃げる先頭5名。最大5分リードのエスケープを、リーダーチームのオメガファーマ・クイックステップが使命感を持って追いかける。ここにベルキンやキャノンデールも加わると、逃げは残り15kmで吸収される。
ケメールに至る海岸路でも、オメガファーマ・クイックステップは主導権を失わなかった。前日のステージ優勝後にカヴェンディッシュが「まだまだ習得の段階」と説明していたリードアウトに向けた流れ。問題箇所をしっかりと改善し、優位に立ったまま最終ストレートでのスプリントに持ち込んだ。
「今日のオメガファーマ・クイックステップは教科書通りの仕事ぶりだったよ。ケヴィン(デウェールト)とペトル(ヴァコツ)が残り5kmまで引いて、ジャンニ(メールスマン)が残り2kmまで。そこからイーリョ(ケイセ)とヘルト・ステーグマン、アレッサンドロ・ペタッキ、マーク・レンショーがリードアウトを開始。最終ストレートは道幅があり、しかも向かい風が吹いていたのでタフなスプリントだった」と振り返るカヴェンディッシュが、フランチェスコ・キッキ(イタリア、ネーリソットリ)らを振り切った。
ステージ2連勝で、総合首位を快走するカヴェンディッシュ。1ヶ月のブランクを感じさせない好調さを見せている。
翌日はカテゴリー1級の山頂フィニッシュが設定されたクイーンステージ。カヴェンディッシュは「明日ステージ3勝目を狙うなんてことはないよ」と笑う。「2日間ハードワークをこなしたチームと一緒に乗りきって、その先のステージで勝利を重ねたい。今は苦しみながら走っているのではなく、調子が上がっているのを感じながら走れている。理想的な状態だ。今年はジロをパスするので、いつもよりフレッシュな状態でツール・ド・フランスに挑めると思う」。
対してジロ・デ・イタリアに向けて手応えを掴んだのがステージ2位のキッキ。「今日もカヴェンディッシュが最速だった。でも調子の良さも確認出来たし、目標のジロに向けてモチベーションに繋がるよ」と結果に満足している様子。
前日のステージ4位に続いて、この日ステージ3位に入ったニッコーロ・ボニファツィオ(イタリア、ランプレ・メリダ)は、1993年生まれのネオプロ。「最年少選手としてロンド・ファン・フラーンデレンとパリ〜ルーベに出場して、調子を掴んだんだ」と語る20歳が、パリ〜ルーベで落車して肋骨を痛めたエーススプリンターのサーシャ・モードロ(イタリア)に代わってスプリントし、好成績を連発している。
ツアー・オブ・ターキー2014第2ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、ネーリソットリ)
3位 ニッコーロ・ボニファツィオ(イタリア、ランプレ・メリダ)
4位 クリス・ボックマンス(ベルギー、ロット・ベリソル)
5位 フランチェスコ・ラスカ(イタリア、カハルーラル)
6位 ケン・ハンソン(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
7位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)
8位 テオ・ボス(オランダ、ベルキン)
9位 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ランプレ・メリダ)
10位 マルコ・カノーラ(イタリア、バルディアーニCSF)
2位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、ネーリソットリ)
3位 ニッコーロ・ボニファツィオ(イタリア、ランプレ・メリダ)
4位 クリス・ボックマンス(ベルギー、ロット・ベリソル)
5位 フランチェスコ・ラスカ(イタリア、カハルーラル)
6位 ケン・ハンソン(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
7位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)
8位 テオ・ボス(オランダ、ベルキン)
9位 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ランプレ・メリダ)
10位 マルコ・カノーラ(イタリア、バルディアーニCSF)
3h50'17"
個人総合成績
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 ニッコーロ・ボニファツィオ(イタリア、ランプレ・メリダ)
3位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)
4位 テオ・ボス(オランダ、ベルキン)
5位 ミカエル・ファンスタイエン(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
6位 ケン・ハンソン(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
7位 ワウテル・ウィッペルト(オランダ、ドラパック)
8位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、ネーリソットリ)
9位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、ワンティ・グループグベルト)
10位 フランチェスコ・ラスカ(イタリア、カハルーラル)
2位 ニッコーロ・ボニファツィオ(イタリア、ランプレ・メリダ)
3位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)
4位 テオ・ボス(オランダ、ベルキン)
5位 ミカエル・ファンスタイエン(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
6位 ケン・ハンソン(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
7位 ワウテル・ウィッペルト(オランダ、ドラパック)
8位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、ネーリソットリ)
9位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、ワンティ・グループグベルト)
10位 フランチェスコ・ラスカ(イタリア、カハルーラル)
7h06'00"
ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
山岳賞
マルク・デマール(オランダ、ユナイテッドヘルスケア)
ビューティーズオブターキースプリント賞
フレデリク・ロバート(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
チーム総合成績
ランプレ・メリダ
text&photo:Kei Tsuji in Kemer, Turkey
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