2014/04/11(金) - 15:29
連載でお届けするプロバイクレポート。今回から3回に渡ってロンド・ファン・フラーンデレン2014を走ったバイクを特集する。第1弾はトレックファクトリーレーシング、ジャイアント・シマノ、ロット・ベリソル、FDJ.fr、IAMサイクリング、モビスターのバイクをピックアップする。
トレックファクトリーレーシング < トレック DOMANE Classics Edition>
2年連続3度目のロンド・ファン・フラーンデレン制覇を果たしたファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)が駆けたのは、北のクラシックのみならず普段から愛用するエンデュランスモデルDOMANEのプロ供給モデル「Classics Edition」。パーツアッセンブルは昨年とほぼ変わらない。
コンポーネントは9000系デュラエースで、あえてメカニカルタイプを選択している。ハンドルにはSRMのモニターがセットされているものの、クランクはパワーメーター非搭載のノーマルタイプを装着。ケーブルは昨年使用していたリンク式のノコンから純正品に。リアディレーラーはプーリゲージがバーナーに換装され、スペアバイクには市販品にはラインナップされていない、肉抜き加工の施されていないタイプをアッセンブル。恐らくカンチェラーラのハイパワーに対応するために敢えて加工を行っていないのであろう。
ホイール及びタイヤは50mmハイトのボントレガーAeolus5 D3に、25mm幅のFMB・PARIS ROUBAIXを組み合わせる。ハンドル周りはホイールと同じくボントレガーで、今となってはプロトンの中でも少数派のアナトミックベンドをカンチェラーラは愛用。ボトルケージは既に廃盤となっているトレックの名品「バッドケージ」で固定力向上のために滑り止めが追加されていた。
ジャイアント・シマノ < ジャイアント DEFY ADVANCED SL>
ジャイアント・シマノからはジョン・デゲンコルブ(ドイツ)のバイクをピックアップ。前週に行なわれたヘント~ウェベルヘムで優勝した際に乗っていたエアロモデル「Propel Advanced SL」からエンデュランスモデル「DEFY ADVANCED SL」にチェンジしてロンド・ファン・フラーンデレンを戦った。
コンポーネントはシマノ9070系デュラエースDi2。クランクには4アームタイプのSRMを組み合わせる。ホイールはコンポーネントと同じく9000系デュラエースでデゲンコルブは35mmハイトのC35をチョイス。タイヤは北のクラシックでは定番モデルの1つであるヴィットリアPAVE EVO CGの27mmを装着していた。太いタイヤを装着できる点もDEFYに乗る大きな理由の一つだろう。
ハンドル周りはPROで固められる。ハンドルはトラディショナルなシャローベンドで、下ハンドルの直線部分を地面に水平とした教科書どおりのセッティングだ。ステムはVIBE CARBONで、ジャイアントの特殊なコラム径に対応したプロ専用品だと思われる。ボトルケージはエリートの中でも特に固定力に優れるCUSSIE GELだ。
ロット・ベリソル < リドレー HELIUM SL、FENIX >
ロット・ベリソルは同郷ベルギーのブランドであるリドレーの軽量ヒルクライムモデル「HELIUM SL」とミドルグレードながら北のクラシックではコンスタントに使用される「FENIX」の2台体制でホームゲームを戦った。
コンポーネントはカンパニョーロ SUPER RECORD EPSに、カンパニョーロのクランクアームを使用したSRMを組み合わせた。また、エースのユルゲン・ルーランツ(ベルギー)のみブレーキワイヤーにアルミリンク式のi-LINKを使用。組み合わせるタイヤはコンチネンタル COMPETITION ProLimitedで、HELIUM SLには25c、FENIXには28cとフレームクリアランスに応じた太さとなっていた。
ハンドル周りはデダ・エレメンティで、他のチームと比較してトラディショナルなシャローベンドのハンドルを使うライダーの比率が高い。バーテープはリザードスキンを2重巻きにして衝撃吸収性を高めている。サドルはセラサンマルコで、リーガルやコンコールライトなどクラシカルな座面形状を持つモデルが好まれている様だ。
FDJ.fr < ラピエール Xelius EFI Ultimate >
FDJ.frは前哨戦のE3ハレルベークでラピエールの新型エンデュランスモデル「PULSIUM」をテストしたものの、ロンド・ファン・フラーンデレンでは普段から使用するオールラウンドモデルの「Xelius EFI Ultimate」を使用。タイヤ以外はほとんど通常仕様と変わらないパーツアッセンブルだ。
パーツはラピエールが製品開発においてシマノ・ヨーロッパと協力関係にあるため、タイヤとサドル以外はシマノとPROの製品で固められる。コンポーネントは多くのライダーが9070系デュラエースDi2に4アームタイプのSRMパワーメーターの組み合わせ。ハンドルのフラット部分にサテライトスイッチではなく、スプリンタースイッチを装着するという変わったセッティングも見られた。
ホイールはコンポーネントと同様に9000系デュラエースで、ほぼ全ライダーが35mmハイトのC35をチョイスした。タイヤはFMB・PARIS ROUBAIXで、FDJ.frのバイクの中では唯一北のクラシックを走るバイクらしいポイントだ。ボトルケージはボトルの取り出しやすさ固定力を両立したエリート CANIBALで揃えられていた。
IAMサイクリング < スコット ADDICT、Foil>
スイスを拠点とするIAMサイクリングは同郷スイスのブランドであるスコットのオールラウンドモデル「ADDICT」とエアロモデル「Foil」の2台体制でロンド・ファン・フラーンデレンを戦った。なお、エンデュランスモデルとして2014モデルからラインナップされる「SOLACE」は投入されなかった模様だ。
コンポーネントはメカニカルタイプの9000系デュラエースをベースに、シルヴァン・シャヴァネル(フランス)などエース級ライダーは電動タイプの9070系Di2を使用した。パワーメーターの装着は選手によってまちまち。ホイールはチームと同じくスイスに居を構えるDTスイス。タイヤは、普段から使用するシュワルベ ONEのトレッドにFMBもしくはデュガス製と思われるハンドメイドのコットンケーシングを組合せた特別モデルや、FMB・PARIS ROUBAIXを組合せる。
ハンドル周りはリッチーで固められ、多くの選手が強度を重視してアルミ製パーツを選択。サドル及びバーテープはプロロゴ。一部ライダーのバイクには表面に起毛したアンチスリップ素材を配したCPCモデルや、チームカラーのサドルをアッセンブル。ボトルケージはエリートで、CUSSIE GELやCANIBALなど選手によって異なっていた。
モビスター < キャニオン ULTIMATE CF SLX >
今シーズンから使用機材を大幅に変更し、キャニオンへとスイッチしたモビスター。ロンド・ファン・フラーンデレンではオールラウンドモデルである「ULTIMATE CF SLX」とエアロモデルである「AEROAD CF」をライダーによって使い分けた。
コンポーネントは前身のバネスト時代から長きに渡ってパートナーシップを築くカンパニョーロのハイエンドモデルであるSUPER RECORD EPS。クランクは日本では展開されていないカンパニョーロのクランクアームを使用したパワー2マックスとされている。組み合わせるサイクルコンピューターはオーシンス(O-Synce)というブランドのGPS搭載したハイエンドモデル「navi2coach」だ。
ホイールもコンポーネントと同じくカンパニョーロで、ハイトの異なるHYPERONとBORA35、BORA ULTRAの3種類を使い分けた。なお、ホイールのデカールはいずれもチームカラーの一つであるグリーンに張り替えられている。タイヤはヤスリ目が特徴的なコンチネンタルの定番モデルのCOMPETITIONだ。ハンドル周りはキャニオンのオリジナルパーツをアッセンブル。バーテープはリザードスキンを2重巻きにして衝撃吸収性を高めている。
text:Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.AYANO
トレックファクトリーレーシング < トレック DOMANE Classics Edition>
2年連続3度目のロンド・ファン・フラーンデレン制覇を果たしたファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)が駆けたのは、北のクラシックのみならず普段から愛用するエンデュランスモデルDOMANEのプロ供給モデル「Classics Edition」。パーツアッセンブルは昨年とほぼ変わらない。
コンポーネントは9000系デュラエースで、あえてメカニカルタイプを選択している。ハンドルにはSRMのモニターがセットされているものの、クランクはパワーメーター非搭載のノーマルタイプを装着。ケーブルは昨年使用していたリンク式のノコンから純正品に。リアディレーラーはプーリゲージがバーナーに換装され、スペアバイクには市販品にはラインナップされていない、肉抜き加工の施されていないタイプをアッセンブル。恐らくカンチェラーラのハイパワーに対応するために敢えて加工を行っていないのであろう。
ホイール及びタイヤは50mmハイトのボントレガーAeolus5 D3に、25mm幅のFMB・PARIS ROUBAIXを組み合わせる。ハンドル周りはホイールと同じくボントレガーで、今となってはプロトンの中でも少数派のアナトミックベンドをカンチェラーラは愛用。ボトルケージは既に廃盤となっているトレックの名品「バッドケージ」で固定力向上のために滑り止めが追加されていた。
ジャイアント・シマノ < ジャイアント DEFY ADVANCED SL>
ジャイアント・シマノからはジョン・デゲンコルブ(ドイツ)のバイクをピックアップ。前週に行なわれたヘント~ウェベルヘムで優勝した際に乗っていたエアロモデル「Propel Advanced SL」からエンデュランスモデル「DEFY ADVANCED SL」にチェンジしてロンド・ファン・フラーンデレンを戦った。
コンポーネントはシマノ9070系デュラエースDi2。クランクには4アームタイプのSRMを組み合わせる。ホイールはコンポーネントと同じく9000系デュラエースでデゲンコルブは35mmハイトのC35をチョイス。タイヤは北のクラシックでは定番モデルの1つであるヴィットリアPAVE EVO CGの27mmを装着していた。太いタイヤを装着できる点もDEFYに乗る大きな理由の一つだろう。
ハンドル周りはPROで固められる。ハンドルはトラディショナルなシャローベンドで、下ハンドルの直線部分を地面に水平とした教科書どおりのセッティングだ。ステムはVIBE CARBONで、ジャイアントの特殊なコラム径に対応したプロ専用品だと思われる。ボトルケージはエリートの中でも特に固定力に優れるCUSSIE GELだ。
ロット・ベリソル < リドレー HELIUM SL、FENIX >
ロット・ベリソルは同郷ベルギーのブランドであるリドレーの軽量ヒルクライムモデル「HELIUM SL」とミドルグレードながら北のクラシックではコンスタントに使用される「FENIX」の2台体制でホームゲームを戦った。
コンポーネントはカンパニョーロ SUPER RECORD EPSに、カンパニョーロのクランクアームを使用したSRMを組み合わせた。また、エースのユルゲン・ルーランツ(ベルギー)のみブレーキワイヤーにアルミリンク式のi-LINKを使用。組み合わせるタイヤはコンチネンタル COMPETITION ProLimitedで、HELIUM SLには25c、FENIXには28cとフレームクリアランスに応じた太さとなっていた。
ハンドル周りはデダ・エレメンティで、他のチームと比較してトラディショナルなシャローベンドのハンドルを使うライダーの比率が高い。バーテープはリザードスキンを2重巻きにして衝撃吸収性を高めている。サドルはセラサンマルコで、リーガルやコンコールライトなどクラシカルな座面形状を持つモデルが好まれている様だ。
FDJ.fr < ラピエール Xelius EFI Ultimate >
FDJ.frは前哨戦のE3ハレルベークでラピエールの新型エンデュランスモデル「PULSIUM」をテストしたものの、ロンド・ファン・フラーンデレンでは普段から使用するオールラウンドモデルの「Xelius EFI Ultimate」を使用。タイヤ以外はほとんど通常仕様と変わらないパーツアッセンブルだ。
パーツはラピエールが製品開発においてシマノ・ヨーロッパと協力関係にあるため、タイヤとサドル以外はシマノとPROの製品で固められる。コンポーネントは多くのライダーが9070系デュラエースDi2に4アームタイプのSRMパワーメーターの組み合わせ。ハンドルのフラット部分にサテライトスイッチではなく、スプリンタースイッチを装着するという変わったセッティングも見られた。
ホイールはコンポーネントと同様に9000系デュラエースで、ほぼ全ライダーが35mmハイトのC35をチョイスした。タイヤはFMB・PARIS ROUBAIXで、FDJ.frのバイクの中では唯一北のクラシックを走るバイクらしいポイントだ。ボトルケージはボトルの取り出しやすさ固定力を両立したエリート CANIBALで揃えられていた。
IAMサイクリング < スコット ADDICT、Foil>
スイスを拠点とするIAMサイクリングは同郷スイスのブランドであるスコットのオールラウンドモデル「ADDICT」とエアロモデル「Foil」の2台体制でロンド・ファン・フラーンデレンを戦った。なお、エンデュランスモデルとして2014モデルからラインナップされる「SOLACE」は投入されなかった模様だ。
コンポーネントはメカニカルタイプの9000系デュラエースをベースに、シルヴァン・シャヴァネル(フランス)などエース級ライダーは電動タイプの9070系Di2を使用した。パワーメーターの装着は選手によってまちまち。ホイールはチームと同じくスイスに居を構えるDTスイス。タイヤは、普段から使用するシュワルベ ONEのトレッドにFMBもしくはデュガス製と思われるハンドメイドのコットンケーシングを組合せた特別モデルや、FMB・PARIS ROUBAIXを組合せる。
ハンドル周りはリッチーで固められ、多くの選手が強度を重視してアルミ製パーツを選択。サドル及びバーテープはプロロゴ。一部ライダーのバイクには表面に起毛したアンチスリップ素材を配したCPCモデルや、チームカラーのサドルをアッセンブル。ボトルケージはエリートで、CUSSIE GELやCANIBALなど選手によって異なっていた。
モビスター < キャニオン ULTIMATE CF SLX >
今シーズンから使用機材を大幅に変更し、キャニオンへとスイッチしたモビスター。ロンド・ファン・フラーンデレンではオールラウンドモデルである「ULTIMATE CF SLX」とエアロモデルである「AEROAD CF」をライダーによって使い分けた。
コンポーネントは前身のバネスト時代から長きに渡ってパートナーシップを築くカンパニョーロのハイエンドモデルであるSUPER RECORD EPS。クランクは日本では展開されていないカンパニョーロのクランクアームを使用したパワー2マックスとされている。組み合わせるサイクルコンピューターはオーシンス(O-Synce)というブランドのGPS搭載したハイエンドモデル「navi2coach」だ。
ホイールもコンポーネントと同じくカンパニョーロで、ハイトの異なるHYPERONとBORA35、BORA ULTRAの3種類を使い分けた。なお、ホイールのデカールはいずれもチームカラーの一つであるグリーンに張り替えられている。タイヤはヤスリ目が特徴的なコンチネンタルの定番モデルのCOMPETITIONだ。ハンドル周りはキャニオンのオリジナルパーツをアッセンブル。バーテープはリザードスキンを2重巻きにして衝撃吸収性を高めている。
text:Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.AYANO
Amazon.co.jp