2014/03/19(水) - 06:30
ティレーノ〜アドリアティコ最終個人TTで、元イタリアチャンピオンのアドリアーノ・マローリ(イタリア、モビスター)が最速タイムをマーク。ステージ29位のタイムにまとめたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)が総合優勝を果たした。
ティレーノ〜アドリアティコを締めくくるのは今年もサンベネデット・デル・トロントを舞台にした個人タイムトライアルだ。海岸に沿った9.15kmの平坦&直線コースを駆け抜ける。
10分強の高出力&ハイスピードな短距離TTでトップタイムをマークしたのは、ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)でもブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)でも、トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)でもなく、今年からモビスターで走るマローリだった。
9.15kmを平均スピード53.442km/h、10分13秒で駆け抜けたマローリがステージ優勝。マローリはここ数年でTTスペシャリストとして頭角を現した26歳で、2011年にイタリアTTチャンピオンに輝いている。昨年バイエルンルントファートで総合優勝という成績を残し、今季モビスターに移籍。すでにツール・ド・サンルイスの個人TTでシーズン初勝利を掴んでいる。
マローリはランプレ所属時の2012年ジロ・デ・イタリアでマリアローザを着用。その際のフィニッシュ地点はサンベネデット・デル・トロントにほど近いポルト・サンテルピディオ(前日第6ステージのフィニッシュ地点)だった。「またこの地域にバカンスのために戻ってきたいと思う」と、縁起の良い場所での勝利を喜ぶマローリ。「この美しい場所は好運をもたらしてくれる。強力なスペシャリストたちの上に自分の名前があるなんて、本当にファンタスティックだ」。
マローリが目標に掲げるのは昨年8位だった世界選手権の個人TT。ピノッティが引退した今、コンスタントに世界選手権でトップ10に入るのはマローリしかいない。「今年の世界選手権では良い走りをしたいと思う。距離の長いTTは、グランツールでも経験豊かなマルティンやカンチェラーラ向き。将来的には彼らのように長いTTもこなせるスペシャリストになりたい」。
最終走者のコンタドールはマローリから41秒差のステージ29位。総合2位のナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)から3秒を失うステージ成績に終わったが、総合首位を守りきるには充分だった。
ティレーノ〜アドリアティコ初制覇を果たしたコンタドールは「総合優勝したいという思いでこのレースに出場した。アレッツォのステージで6秒失ったのは痛かったけど、結果的には分差の勝利になった。いつもと違った方法で勝ちたいと思い、グアルディアレーレのステージの朝にロングエスケープの覚悟を決めた」と、勝負を決めた第5ステージを振り返る。
「観客もまた、いつもと違ったレースを待ち望んでいたと思う。決してイージーではないし、結果に繋がらない可能性もあったけど、ステージ2連勝で総合優勝を果たせて本当に良かった」と胸を撫で下ろした。パリ〜ニースとティレーノを制した選手は歴代5人目(ズートメルク、ロミンゲル、クレーデン、レベッリン、コンタドール)。
新城幸也(ユーロップカー)はステージ115位のタイムでまとめ、総合119位で7日間の闘いを終えた。「3週間ぶりのレースだったし、ヨーロッパでのレースは久しぶりだったから、特に追い込むこともなく、無理をすることもなく、感覚を取り戻す感じで走っていた。体調が万全ではなかったものの、第6ステージではスプリントに絡めたし、次に繋がるレースだったと思う」と振り返る。新城の次戦は「出たかったレースの一つ」というミラノ〜サンレモ。「チームからどのような指示が出るかわからないけど頑張りたい」とコメントしている。
選手コメントはレース公式リリースならびにTeamユキヤ通信より。
ティレーノ〜アドリアティコ2014第7ステージ結果
個人総合成績
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
山岳賞
マルコ・カノーラ(イタリア、バルディアーニCSF)
ヤングライダー賞
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
ティレーノ〜アドリアティコを締めくくるのは今年もサンベネデット・デル・トロントを舞台にした個人タイムトライアルだ。海岸に沿った9.15kmの平坦&直線コースを駆け抜ける。
10分強の高出力&ハイスピードな短距離TTでトップタイムをマークしたのは、ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)でもブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)でも、トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)でもなく、今年からモビスターで走るマローリだった。
9.15kmを平均スピード53.442km/h、10分13秒で駆け抜けたマローリがステージ優勝。マローリはここ数年でTTスペシャリストとして頭角を現した26歳で、2011年にイタリアTTチャンピオンに輝いている。昨年バイエルンルントファートで総合優勝という成績を残し、今季モビスターに移籍。すでにツール・ド・サンルイスの個人TTでシーズン初勝利を掴んでいる。
マローリはランプレ所属時の2012年ジロ・デ・イタリアでマリアローザを着用。その際のフィニッシュ地点はサンベネデット・デル・トロントにほど近いポルト・サンテルピディオ(前日第6ステージのフィニッシュ地点)だった。「またこの地域にバカンスのために戻ってきたいと思う」と、縁起の良い場所での勝利を喜ぶマローリ。「この美しい場所は好運をもたらしてくれる。強力なスペシャリストたちの上に自分の名前があるなんて、本当にファンタスティックだ」。
マローリが目標に掲げるのは昨年8位だった世界選手権の個人TT。ピノッティが引退した今、コンスタントに世界選手権でトップ10に入るのはマローリしかいない。「今年の世界選手権では良い走りをしたいと思う。距離の長いTTは、グランツールでも経験豊かなマルティンやカンチェラーラ向き。将来的には彼らのように長いTTもこなせるスペシャリストになりたい」。
最終走者のコンタドールはマローリから41秒差のステージ29位。総合2位のナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)から3秒を失うステージ成績に終わったが、総合首位を守りきるには充分だった。
ティレーノ〜アドリアティコ初制覇を果たしたコンタドールは「総合優勝したいという思いでこのレースに出場した。アレッツォのステージで6秒失ったのは痛かったけど、結果的には分差の勝利になった。いつもと違った方法で勝ちたいと思い、グアルディアレーレのステージの朝にロングエスケープの覚悟を決めた」と、勝負を決めた第5ステージを振り返る。
「観客もまた、いつもと違ったレースを待ち望んでいたと思う。決してイージーではないし、結果に繋がらない可能性もあったけど、ステージ2連勝で総合優勝を果たせて本当に良かった」と胸を撫で下ろした。パリ〜ニースとティレーノを制した選手は歴代5人目(ズートメルク、ロミンゲル、クレーデン、レベッリン、コンタドール)。
新城幸也(ユーロップカー)はステージ115位のタイムでまとめ、総合119位で7日間の闘いを終えた。「3週間ぶりのレースだったし、ヨーロッパでのレースは久しぶりだったから、特に追い込むこともなく、無理をすることもなく、感覚を取り戻す感じで走っていた。体調が万全ではなかったものの、第6ステージではスプリントに絡めたし、次に繋がるレースだったと思う」と振り返る。新城の次戦は「出たかったレースの一つ」というミラノ〜サンレモ。「チームからどのような指示が出るかわからないけど頑張りたい」とコメントしている。
選手コメントはレース公式リリースならびにTeamユキヤ通信より。
ティレーノ〜アドリアティコ2014第7ステージ結果
1位 アドリアーノ・マローリ(イタリア、モビスター)
2位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)
3位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)
4位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)
6位 アレックス・ダウセット(イギリス、モビスター)
7位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
8位 マヌエル・クインツィアート(イタリア、BMCレーシング)
9位 ステイン・デヴォルデル(ベルギー、トレックファクトリーレーシング)
10位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
115位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
2位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)
3位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)
4位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)
6位 アレックス・ダウセット(イギリス、モビスター)
7位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
8位 マヌエル・クインツィアート(イタリア、BMCレーシング)
9位 ステイン・デヴォルデル(ベルギー、トレックファクトリーレーシング)
10位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
115位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
10'13"
+06"
+11"
+15"
+19"
+20"
+22"
+23"
+24"
+26"
+1'12"
+06"
+11"
+15"
+19"
+20"
+22"
+23"
+24"
+26"
+1'12"
個人総合成績
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
2位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
3位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
4位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)
5位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
6位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
7位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)
8位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
9位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)
10位 ミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ)
2位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
3位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
4位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)
5位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
6位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
7位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)
8位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
9位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)
10位 ミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ)
25h28'45"
+2'05"
+2'14"
+2'39"
+2'54"
+3'04"
+3'09"
+3'16"
+3'19"
+2'05"
+2'14"
+2'39"
+2'54"
+3'04"
+3'09"
+3'16"
+3'19"
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
山岳賞
マルコ・カノーラ(イタリア、バルディアーニCSF)
ヤングライダー賞
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
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