2014/03/16(日) - 18:23
全長244kmコースの先に待つ標高1535mのスキー場に向かって、オールラウンダーたちがマリアアッズーラを巡るクライミングバトル。キンタナやクヴィアトコウスキーらを振り切ったアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)が得意の拳銃で撃ち抜くポーズでフィニッシュした。
アペニン山脈の奥深くまで分け入って行くティレーノ〜アドリアティコ第4ステージ。チッタレアーレにあるスキー場セルヴァロトンダにフィニッシュする今大会最長244kmコースが選手たちを待ち受ける。
特徴なのはコースの長さだけではない。標高のあるGPM(カテゴリー山岳)が後半にかけて3つ連続。標高1535mにあるスキー場に向かって、距離14km/平均勾配5.3%の登りを駆け上がってフィニッシュを迎える。
ステージの長さと難易度を考慮して午前9時半という早い時間にスタートしたレースは、6km地点で形成された6名がリードする展開を見せる。ロイド・モンドリー(フランス、AG2Rラモンディアール)、アレクセイ・ルトセンコ(カザフスタン、アスタナ)、マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)、フィリッポ・フォルティン(イタリア、バルディアーニCSF)、アレクサンドル・ピショ(フランス、ユーロップカー)、マキシム・ベルコフ(ロシア、カチューシャ)が、6時間にわたって逃げ続けることに。
レース中盤に7分30秒まで広がったタイム差は、オメガファーマ・クイックステップの集団牽引によって縮小する。マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)までローテーションに加わり、マリアアッズーラを着るクヴィアトコウスキーのために力を尽くす。
ゴール62km手前のGPMフォルカ・カピストレッロで逃げグループ内にセレクションがかかり、先頭はモンドリー、ルトセンコ、ブランドルの3名に。後方ではモビスターが追撃を開始し、集団の人数を絞り込みながら最後のGPMセルヴァロトンダを前に全ての逃げを飲み込んだ。
全長14kmの登りに差し掛かる頃、メイン集団の人数は60名弱に。先手を打ったのはモビスターで、ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)のアタックを切っ掛けに集団は活性化する。ステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニCSF)とロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)がここに合流し、オメガファーマ・クイックステップにジャブを打つ。
やがて登りの中腹に差し掛かると先頭で動きが見られ、クロイツィゲルが独走を開始。有力選手を含むメイン集団に対し、残り3kmを切ってなおもクロイツィゲルは30秒のリードを保った。
着々とフィニッシュラインまでの距離が縮まる中、ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)とミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)がカウンターアタックを仕掛け、ここにナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)とアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)が合流する。クヴィアトコウスキーは出遅れながらも、ウランらのサポートを得て淡々とペースを刻んだ。
残り1kmを前に先頭クロイツィゲルに追走グループが合流。ほどなくしてクヴィアトコウスキーを含むメイン集団も合流する。クロイツィゲルらの動きは封じ込められ、そこからリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)のプッシュが始まった。
ポートの強力なリードによって先頭はコンタドール、キンタナ、スカルポーニの4人に。クヴィアトコウスキーらを振り切って、残り200mからスプリントを開始したコンタドールが先着した。
7時間近い山岳ステージを先頭で終えたコンタドールは、ヴォルタ・アン・アルガルヴェの山頂フィニッシュに続く今シーズン2勝目。「冬場のトレーニングの成果を確認できる勝利。大きな自信に繋がるよ。ステージ優勝を掴むことが出来て嬉しいものの、まだまだ総合争いをひっくり返すのは難しい。またチャレンジするよ」と、総合2位に浮上したコンタドールは語る。
クイーンステージでタイムロスを10秒に抑え込んだクヴィアトコウスキーが総合首位をキープし、16秒差でコンタドール、23秒差でキンタナが続く。まだまだ総合7位まで1分以内であり、総合争いは翌日の「ムーロ・ディ・グアルディアグレーレ」で再び加熱するだろう。フィニッシュ手前に登場する最大勾配30%・平均勾配22.5%の壁が今大会の目玉だ。
新城幸也(ユーロップカー)は多くのスプリンターたちとグルペットを形成し、30分遅れでフィニッシュ。レース後に「やっとゴールしたっていう感じでした。予想以上の寒さとコースのきつさだった」と振り返っている。
選手コメントはレース公式リリースならびにTeamユキヤ通信より。
ティレーノ〜アドリアティコ2014第4ステージ結果
個人総合成績
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
アペニン山脈の奥深くまで分け入って行くティレーノ〜アドリアティコ第4ステージ。チッタレアーレにあるスキー場セルヴァロトンダにフィニッシュする今大会最長244kmコースが選手たちを待ち受ける。
特徴なのはコースの長さだけではない。標高のあるGPM(カテゴリー山岳)が後半にかけて3つ連続。標高1535mにあるスキー場に向かって、距離14km/平均勾配5.3%の登りを駆け上がってフィニッシュを迎える。
ステージの長さと難易度を考慮して午前9時半という早い時間にスタートしたレースは、6km地点で形成された6名がリードする展開を見せる。ロイド・モンドリー(フランス、AG2Rラモンディアール)、アレクセイ・ルトセンコ(カザフスタン、アスタナ)、マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)、フィリッポ・フォルティン(イタリア、バルディアーニCSF)、アレクサンドル・ピショ(フランス、ユーロップカー)、マキシム・ベルコフ(ロシア、カチューシャ)が、6時間にわたって逃げ続けることに。
レース中盤に7分30秒まで広がったタイム差は、オメガファーマ・クイックステップの集団牽引によって縮小する。マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)までローテーションに加わり、マリアアッズーラを着るクヴィアトコウスキーのために力を尽くす。
ゴール62km手前のGPMフォルカ・カピストレッロで逃げグループ内にセレクションがかかり、先頭はモンドリー、ルトセンコ、ブランドルの3名に。後方ではモビスターが追撃を開始し、集団の人数を絞り込みながら最後のGPMセルヴァロトンダを前に全ての逃げを飲み込んだ。
全長14kmの登りに差し掛かる頃、メイン集団の人数は60名弱に。先手を打ったのはモビスターで、ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)のアタックを切っ掛けに集団は活性化する。ステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニCSF)とロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)がここに合流し、オメガファーマ・クイックステップにジャブを打つ。
やがて登りの中腹に差し掛かると先頭で動きが見られ、クロイツィゲルが独走を開始。有力選手を含むメイン集団に対し、残り3kmを切ってなおもクロイツィゲルは30秒のリードを保った。
着々とフィニッシュラインまでの距離が縮まる中、ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)とミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)がカウンターアタックを仕掛け、ここにナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)とアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)が合流する。クヴィアトコウスキーは出遅れながらも、ウランらのサポートを得て淡々とペースを刻んだ。
残り1kmを前に先頭クロイツィゲルに追走グループが合流。ほどなくしてクヴィアトコウスキーを含むメイン集団も合流する。クロイツィゲルらの動きは封じ込められ、そこからリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)のプッシュが始まった。
ポートの強力なリードによって先頭はコンタドール、キンタナ、スカルポーニの4人に。クヴィアトコウスキーらを振り切って、残り200mからスプリントを開始したコンタドールが先着した。
7時間近い山岳ステージを先頭で終えたコンタドールは、ヴォルタ・アン・アルガルヴェの山頂フィニッシュに続く今シーズン2勝目。「冬場のトレーニングの成果を確認できる勝利。大きな自信に繋がるよ。ステージ優勝を掴むことが出来て嬉しいものの、まだまだ総合争いをひっくり返すのは難しい。またチャレンジするよ」と、総合2位に浮上したコンタドールは語る。
クイーンステージでタイムロスを10秒に抑え込んだクヴィアトコウスキーが総合首位をキープし、16秒差でコンタドール、23秒差でキンタナが続く。まだまだ総合7位まで1分以内であり、総合争いは翌日の「ムーロ・ディ・グアルディアグレーレ」で再び加熱するだろう。フィニッシュ手前に登場する最大勾配30%・平均勾配22.5%の壁が今大会の目玉だ。
新城幸也(ユーロップカー)は多くのスプリンターたちとグルペットを形成し、30分遅れでフィニッシュ。レース後に「やっとゴールしたっていう感じでした。予想以上の寒さとコースのきつさだった」と振り返っている。
選手コメントはレース公式リリースならびにTeamユキヤ通信より。
ティレーノ〜アドリアティコ2014第4ステージ結果
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
2位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
3位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
4位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
5位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)
6位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)
7位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
8位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)
9位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、ランプレ・メリダ)
10位 ロイド・モンドリー(フランス、AG2Rラモンディアール)
159位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
2位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
3位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
4位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
5位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)
6位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)
7位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
8位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)
9位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、ランプレ・メリダ)
10位 ロイド・モンドリー(フランス、AG2Rラモンディアール)
159位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
6h39'56"
+01"
+05"
+08"
+10"
+11"
+17"
+49"
+30'10"
+01"
+05"
+08"
+10"
+11"
+17"
+49"
+30'10"
個人総合成績
1位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
3位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
4位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)
5位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
7位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)
8位 モレーノ・モゼール(イタリア、キャノンデール)
9位 ミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ)
10位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
3位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
4位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)
5位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
7位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)
8位 モレーノ・モゼール(イタリア、キャノンデール)
9位 ミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ)
10位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
16h06'42"
+16"
+23"
+34"
+38"
+39"
+49"
+1'01"
+1'02"
+1'03"
+16"
+23"
+34"
+38"
+39"
+49"
+1'01"
+1'02"
+1'03"
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
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