2014/03/15(土) - 09:17
全長221.5kmコースの最後に待っていた急勾配の登りフィニッシュ。タイミング良く抜け出したカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、AG2Rラモンディアール)が、世界チャンピオンとの一騎打ちで勝利した。ステージ2連勝のベタンクールは総合首位に立っている。
メイン集団をコントロールするチームスカイ photo:Tim de Waele
パリ〜ニース2014第6ステージ image:A.S.O.地中海が近づいてきた。フランスの南端に位置するプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏を駆ける221.5kmの長い一日。前半からアップダウンの連続で、残り60kmから立て続けに2級、3級、1級の山岳が登場する。締めくくりは平均勾配が10%近い2級山岳の山頂フィニッシュだ。
逃げグループに合流したトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー) photo:Tim de Waele総合争いにおけるこの重要な山岳ステージでイェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)やアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、キャノンデール)を含む10名が先行する。総合上位の選手も含まれたため、チームスカイはこの逃げに大きなリードを与えない。タイム差は3分前後を推移しながら後半の山岳地帯へと向かう。
先頭グループから飛び出して単独で逃げるシルヴァン・シャヴァネル(フランス、IAMサイクリング) photo:Tim de Waeleやがて後半最初の難所である2級山岳テュイリエール峠に差し掛かると、メイン集団からシルヴァン・シャヴァネル(フランス、IAMサイクリング)とトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)がアタックを仕掛け、そのまま先頭に合流。シャヴァネルが山岳賞ジャージキープのために動いた。
テクニカルな下りで飛び出したドリス・デヴェナインス(ベルギー、ジャイアント・シマノ)とダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール) photo:Tim de Waele逃げグループから飛び出す積極的な走りで、シャヴァネルは合計8ポイント加算に成功。しかしゴール19km手前の1級山岳ブリガイユ峠(登坂距離8.2km/平均勾配5.9%)でシャヴァネルは吸収される。ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)を含め、多くのスプリンターがここで脱落した。
スプリントを繰り広げるカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、AG2Rラモンディアール)とルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ) photo:Tim de Waeleチームスカイとアスタナがペースを作るメイン集団からは、ホセ・セルパ(コロンビア、ランプレ・メリダ)やアレクシ・ヴュイエルモーズ(フランス、AG2Rラモンディアール)が立て続けにアタックを仕掛けたが決まらない。弟アンディが早々に脱落する中、兄のフランク・シュレク(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング)もアタックに加わった。
登りスプリントを制したカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、AG2Rラモンディアール) photo:Tim de Waele決定的なアタックを欠いたまま1級山岳ブリガイユ峠の頂上をクリアすると、テクニカルな下りでドリス・デヴェナインス(ベルギー、ジャイアント・シマノ)とダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール)が先行。遅れてヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)も抜群のダウンヒル能力を活かしてアタックしたが決まらない。登りと下りで35名ほどに絞られた集団が、AG2Rラモンディアールに率いられる形で最後の2級山岳に差し掛かった。
リーダージャージを獲得したカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、AG2Rラモンディアール) photo:Tim de Waele残り1.5kmから始まる高低差129mの2級山岳。この急勾配の登りでヴュイエルモーズやアルテュール・ヴィショ(フランス、FDJ.fr)らがアタックを仕掛けると、ニーバリが力なく遅れて行く。トムイェルテ・スラグテル(オランダ、ガーミン・シャープ)のアタックに、リーダージャージのゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)も遅れ気味に。
残り1kmを切って先行したのはヴュイエルモーズとスラグテルの2人。しかし先頭を走るヴュイエルモーズがヘアピンカーブで落車し、すぐ後ろを走っていたスラグテルがチェーン脱落でストップ。トラブルに見舞われたこの2人に代わって、ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)が先頭に立つ。これをベタンクールが追撃した。
世界チャンピオンのコスタと、前日にステージ優勝を飾ったばかりのベタンクールによるスプリント。軽量なベタンクールのパンチ力に、アルカンシェルが敗れ去った。
ベタンクールが2日連続ステージ優勝。ボーナスタイム10秒を獲得したベタンクールは、3秒差のステージ4位に入ったトーマスから総合リーダーの座を同時に奪うことに成功した。第6ステージを終えて、ベタンクールはトーマスを8秒、コスタを18秒引き離している。
「距離は長かったものの、今日のフィニッシュは自分向きだった。この先のステージでトーマスが危険な存在になると思うけど、AG2Rラモンディアールの強力なサポートで総合首位を守りきれると思う」と、自信満々のコメントを残すベタンクール。キンタナやウラン、エナオモントーヤ、アレドンドらとともに、コロンビアを代表する選手として、グランツールでも注目の存在だ。
「ここ数年でコロンビア出身ライダーが、出身地から遠く離れたヨーロッパで成績を出している。自分は野心溢れるライダーだ。初出場のツール・ド・フランスでは様々な困難に出会うことになると思うけど、昨年ジロでそうしたように、しっかりと準備して挑みたい」。
選手コメントはレース公式サイトより。
パリ〜ニース2014第6ステージ結果
個人総合成績
ポイント賞
ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
山岳賞
シルヴァン・シャヴァネル(フランス、IAMサイクリング)
ヤングライダー賞
カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、AG2Rラモンディアール)
チーム総合成績
モビスター
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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残り1kmを切って先行したのはヴュイエルモーズとスラグテルの2人。しかし先頭を走るヴュイエルモーズがヘアピンカーブで落車し、すぐ後ろを走っていたスラグテルがチェーン脱落でストップ。トラブルに見舞われたこの2人に代わって、ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)が先頭に立つ。これをベタンクールが追撃した。
世界チャンピオンのコスタと、前日にステージ優勝を飾ったばかりのベタンクールによるスプリント。軽量なベタンクールのパンチ力に、アルカンシェルが敗れ去った。
ベタンクールが2日連続ステージ優勝。ボーナスタイム10秒を獲得したベタンクールは、3秒差のステージ4位に入ったトーマスから総合リーダーの座を同時に奪うことに成功した。第6ステージを終えて、ベタンクールはトーマスを8秒、コスタを18秒引き離している。
「距離は長かったものの、今日のフィニッシュは自分向きだった。この先のステージでトーマスが危険な存在になると思うけど、AG2Rラモンディアールの強力なサポートで総合首位を守りきれると思う」と、自信満々のコメントを残すベタンクール。キンタナやウラン、エナオモントーヤ、アレドンドらとともに、コロンビアを代表する選手として、グランツールでも注目の存在だ。
「ここ数年でコロンビア出身ライダーが、出身地から遠く離れたヨーロッパで成績を出している。自分は野心溢れるライダーだ。初出場のツール・ド・フランスでは様々な困難に出会うことになると思うけど、昨年ジロでそうしたように、しっかりと準備して挑みたい」。
選手コメントはレース公式サイトより。
パリ〜ニース2014第6ステージ結果
1位 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、AG2Rラモンディアール)
2位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
3位 ゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
5位 アルテュール・ヴィショ(フランス、FDJ.fr)
6位 シリル・ゴティエ(フランス、ユーロップカー)
7位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)
8位 トニー・ギャロパン(フランス、ロット・ベリソル)
9位 ステファン・デニフル(オーストリア、IAMサイクリング)
10位 ゴルカ・イサギーレ(スペイン、モビスター)
2位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
3位 ゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
5位 アルテュール・ヴィショ(フランス、FDJ.fr)
6位 シリル・ゴティエ(フランス、ユーロップカー)
7位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)
8位 トニー・ギャロパン(フランス、ロット・ベリソル)
9位 ステファン・デニフル(オーストリア、IAMサイクリング)
10位 ゴルカ・イサギーレ(スペイン、モビスター)
5h12'11"
+03"
+07"
+11"
+03"
+07"
+11"
個人総合成績
1位 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、AG2Rラモンディアール)
2位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
3位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
4位 ゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
6位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)
7位 アルテュール・ヴィショ(フランス、FDJ.fr)
8位 ヤン・バケランツ(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
9位 シリル・ゴティエ(フランス、ユーロップカー)
10位 ステファン・デニフル(オーストリア、IAMサイクリング)
2位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
3位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
4位 ゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
6位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)
7位 アルテュール・ヴィショ(フランス、FDJ.fr)
8位 ヤン・バケランツ(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
9位 シリル・ゴティエ(フランス、ユーロップカー)
10位 ステファン・デニフル(オーストリア、IAMサイクリング)
27h04'48"
+08"
+18"
+22"
+24"
+25"
+27"
+29"
+31"
+08"
+18"
+22"
+24"
+25"
+27"
+29"
+31"
ポイント賞
ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
山岳賞
シルヴァン・シャヴァネル(フランス、IAMサイクリング)
ヤングライダー賞
カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、AG2Rラモンディアール)
チーム総合成績
モビスター
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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