2009/07/24(金) - 11:49
アヌシーで開催されたツール・ド・フランス第18ステージ/個人タイムトライアルはマイヨジョーヌを着るアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)が王者の貫禄を見せつける走りで優勝を飾った。表彰台争いは、総合3位から総合6位までタイム差34秒という混戦状態だ。
マイヨジョーヌが貫禄の勝利
2018年の冬季オリンピック誘致に燃えるアヌシーを起点として、世界屈指の透明度を誇るアヌシー湖をぐるっと1周する40.5kmの周回コースが最終個人タイムトライアル(個人TT)の舞台。大半は平坦路だが、中盤には標高差200mの3級山岳(28.5km地点)が登場する。
総合下位の選手から続々と選手がスタートする中、序盤に暫定トップタイムをマークしたのはミハイル・イグナチエフ(ロシア、カチューシャ)。今大会第5ステージで2位に入っているこのアテネ五輪ポイントレース金メダリストは、長くトップの座に居座った。
このイグナチエフのタイムを打ち破ったのは、平坦&上り区間で遅れながらも、残り10kmで猛烈な追い込みを見せた元世界TTチャンピオンのファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)だ。カンチェラーラは3級山岳の頂上通過時でイグナチエフから11秒のビハインドだったが、追い込みによって15秒リードしてゴール。平均スピード50km/hオーバーの走りでトップに立った。
カンチェラーラの後半に大きくリードを広げる走法はモナコの第1ステージでの勝利を彷彿とさせた。しかし、中間計測ポイントで次々とトップタイムを更新する選手が登場。マイヨジョーヌを着る最終走者コンタドールだ。
平坦区間ですでにトップに立っていたコンタドールは、3級山岳の上りで更にリードを広げ、頂上通過時でカンチェラーラから46秒リード。残りの下り&平坦区間でカンチェラーラとのタイム差を詰められながらも、リードを3秒守りきってゴール。ステージ優勝を飾るともに総合リードを広げる貫禄の走りを見せたコンタドールは、フィニッシュラインで拳を突き上げた。
すでに総合成績で大きく遅れていたカデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)は、前半の平坦区間でタイムを伸ばせず。しかし3級山岳の登坂時間だけを見ると、コンタドールを4秒上回る158名中トップタイム。最終的にステージ12位に入った。
加熱する総合表彰台争い
前日の第17ステージを終えた時点で、総合表彰台圏内の総合2位と総合3位につけていたのはシュレク兄弟(ルクセンブルク、サクソバンク)。2人とも個人TTは決して得意とは言えない。
一方、追う立場の総合4位以下はランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)やアンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ)、ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、ガーミン)。ステージ優勝候補に挙げられるほどの、個人TTを得意とする選手が名を連ねた。
前半の計測ポイントの時点でFシュレクを上回ったアームストロングは、早くもレース中盤の時点で総合3位に浮上。しかし後半に伸び悩み、優勝したコンタドールから1分30秒遅れのステージ16位に。マイヨブランを着るAシュレクは、大崩れすることなく総合2位の座を守りきった。
個人TTでライバルたちからリードを奪わなければならないのは、トラック競技出身のウィギンズだ。この英国が生んだスペシャリストは前半から飛ばしたが、後半の下り&平坦区間で失速し、ステージ優勝には43秒届かず。それでも前日の山岳での遅れを挽回し、アームストロングから11秒遅れの総合4位に浮上した。
アームストロングと同じく、クレーデンも持ち前の独走力を発揮出来ずにステージ9位。これにより総合3位以下の成績に変動が起こり、総合3位アームストロング、総合4位ウィギンズ、総合5位クレーデン、総合6位Fシュレク。この4名がタイム差34秒の混戦状態に。最終日前日のモンヴァントゥーで山岳バトルが加熱すること必至だ。
別府史之(スキル・シマノ)は4分11秒遅れ、新城幸也(Bboxブイグテレコム)は5分05秒遅れでフィニッシュ。フミは158名の中で半分より上のステージ78位と好走した。ユキヤはステージ112位と結果的には下位に沈んだが、OGK応援ブログの現地レポートによると、これは残るステージに向けてのパワーセーブ。翌日の第19ステージは逃げ切りに有効な平坦ステージだ。
ツール・ド・フランス2009第18ステージ結果
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)48'30"
2位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)+03"
3位 ミハイル・イグナチエフ(ロシア、カチューシャ)+15"
4位 グスタフエリック・ラーション(スウェーデン、サクソバンク)+33"
5位 デーヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン)+41"
6位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、ガーミン)+43"
7位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)+44"
8位 クリストフ・モロー(フランス、アグリチュベル)+45"
9位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ)+54"
10位 デーヴィッド・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン)+1'02"
16位 ランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)+1'30"
21位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)+1'45"
26位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)+2'06"
35位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)+2'34"
78位 別府史之(日本、スキル・シマノ)+4'11"
112位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)+5'05"
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)73h15'39"
2位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)+4'11"
3位 ランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)+5'25"
4位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、ガーミン)+5'36"
5位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ)+5'38"
6位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)+5'59"
7位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)+7'15"
8位 クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン)+10'08"
9位 ミケル・アスタルロサ(スペイン、エウスカルテル)+12'38"
10位 クリストフ・ルメヴェル(フランス、フランセーズデジュー)+12'41"
126位 別府史之(日本、スキル・シマノ)+2h40'56"
135位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)+2h49'36"
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ)230pts
3位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア・HTC)200pts
3位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)126pts
マイヨアポワ(山岳賞)
1位 フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、リクイガス)196pts
2位 エゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル)118pts
3位 ピエリック・フェドリゴ(フランス、Bboxブイグテレコム)99pts
マイヨブラン(新人賞)
1位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)73h19'50"
2位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)+3'04"
3位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)+9'57"
チーム総合成績
1位 アスタナ 218h23'07"
2位 ガーミン・スリップストリーム +16'14"
3位 アージェードゥーゼル +23'45"
マイヨジョーヌが貫禄の勝利
2018年の冬季オリンピック誘致に燃えるアヌシーを起点として、世界屈指の透明度を誇るアヌシー湖をぐるっと1周する40.5kmの周回コースが最終個人タイムトライアル(個人TT)の舞台。大半は平坦路だが、中盤には標高差200mの3級山岳(28.5km地点)が登場する。
総合下位の選手から続々と選手がスタートする中、序盤に暫定トップタイムをマークしたのはミハイル・イグナチエフ(ロシア、カチューシャ)。今大会第5ステージで2位に入っているこのアテネ五輪ポイントレース金メダリストは、長くトップの座に居座った。
このイグナチエフのタイムを打ち破ったのは、平坦&上り区間で遅れながらも、残り10kmで猛烈な追い込みを見せた元世界TTチャンピオンのファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)だ。カンチェラーラは3級山岳の頂上通過時でイグナチエフから11秒のビハインドだったが、追い込みによって15秒リードしてゴール。平均スピード50km/hオーバーの走りでトップに立った。
カンチェラーラの後半に大きくリードを広げる走法はモナコの第1ステージでの勝利を彷彿とさせた。しかし、中間計測ポイントで次々とトップタイムを更新する選手が登場。マイヨジョーヌを着る最終走者コンタドールだ。
平坦区間ですでにトップに立っていたコンタドールは、3級山岳の上りで更にリードを広げ、頂上通過時でカンチェラーラから46秒リード。残りの下り&平坦区間でカンチェラーラとのタイム差を詰められながらも、リードを3秒守りきってゴール。ステージ優勝を飾るともに総合リードを広げる貫禄の走りを見せたコンタドールは、フィニッシュラインで拳を突き上げた。
すでに総合成績で大きく遅れていたカデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)は、前半の平坦区間でタイムを伸ばせず。しかし3級山岳の登坂時間だけを見ると、コンタドールを4秒上回る158名中トップタイム。最終的にステージ12位に入った。
加熱する総合表彰台争い
前日の第17ステージを終えた時点で、総合表彰台圏内の総合2位と総合3位につけていたのはシュレク兄弟(ルクセンブルク、サクソバンク)。2人とも個人TTは決して得意とは言えない。
一方、追う立場の総合4位以下はランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)やアンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ)、ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、ガーミン)。ステージ優勝候補に挙げられるほどの、個人TTを得意とする選手が名を連ねた。
前半の計測ポイントの時点でFシュレクを上回ったアームストロングは、早くもレース中盤の時点で総合3位に浮上。しかし後半に伸び悩み、優勝したコンタドールから1分30秒遅れのステージ16位に。マイヨブランを着るAシュレクは、大崩れすることなく総合2位の座を守りきった。
個人TTでライバルたちからリードを奪わなければならないのは、トラック競技出身のウィギンズだ。この英国が生んだスペシャリストは前半から飛ばしたが、後半の下り&平坦区間で失速し、ステージ優勝には43秒届かず。それでも前日の山岳での遅れを挽回し、アームストロングから11秒遅れの総合4位に浮上した。
アームストロングと同じく、クレーデンも持ち前の独走力を発揮出来ずにステージ9位。これにより総合3位以下の成績に変動が起こり、総合3位アームストロング、総合4位ウィギンズ、総合5位クレーデン、総合6位Fシュレク。この4名がタイム差34秒の混戦状態に。最終日前日のモンヴァントゥーで山岳バトルが加熱すること必至だ。
別府史之(スキル・シマノ)は4分11秒遅れ、新城幸也(Bboxブイグテレコム)は5分05秒遅れでフィニッシュ。フミは158名の中で半分より上のステージ78位と好走した。ユキヤはステージ112位と結果的には下位に沈んだが、OGK応援ブログの現地レポートによると、これは残るステージに向けてのパワーセーブ。翌日の第19ステージは逃げ切りに有効な平坦ステージだ。
ツール・ド・フランス2009第18ステージ結果
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)48'30"
2位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)+03"
3位 ミハイル・イグナチエフ(ロシア、カチューシャ)+15"
4位 グスタフエリック・ラーション(スウェーデン、サクソバンク)+33"
5位 デーヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン)+41"
6位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、ガーミン)+43"
7位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)+44"
8位 クリストフ・モロー(フランス、アグリチュベル)+45"
9位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ)+54"
10位 デーヴィッド・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン)+1'02"
16位 ランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)+1'30"
21位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)+1'45"
26位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)+2'06"
35位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)+2'34"
78位 別府史之(日本、スキル・シマノ)+4'11"
112位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)+5'05"
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)73h15'39"
2位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)+4'11"
3位 ランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)+5'25"
4位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、ガーミン)+5'36"
5位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ)+5'38"
6位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)+5'59"
7位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)+7'15"
8位 クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン)+10'08"
9位 ミケル・アスタルロサ(スペイン、エウスカルテル)+12'38"
10位 クリストフ・ルメヴェル(フランス、フランセーズデジュー)+12'41"
126位 別府史之(日本、スキル・シマノ)+2h40'56"
135位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)+2h49'36"
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ)230pts
3位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア・HTC)200pts
3位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)126pts
マイヨアポワ(山岳賞)
1位 フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、リクイガス)196pts
2位 エゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル)118pts
3位 ピエリック・フェドリゴ(フランス、Bboxブイグテレコム)99pts
マイヨブラン(新人賞)
1位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)73h19'50"
2位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)+3'04"
3位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)+9'57"
チーム総合成績
1位 アスタナ 218h23'07"
2位 ガーミン・スリップストリーム +16'14"
3位 アージェードゥーゼル +23'45"
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