2013/12/26(木) - 09:31
クリスマスを直前に控えた12月23日、神奈川県開成町で今年最初の湘南ベルマーレシクロクロスが開催。湘南ベルマーレクラブ協力のもと、およそ240人の参加者たちはのんびりとした雰囲気の中、それぞれのレースを楽しんだ。
2回目の開催を迎えた湘南ベルマーレシクロクロス
2年目のシーズンを迎えた「湘南ベルマーレシクロクロス」の舞台となったのは、今年の1月に第1回大会が開催されたのと同じ、開成水辺スポーツ公園だ。通称「湘南クロス」と呼ばれるだけに大磯あたりの海岸沿いをイメージしがちだが、実際は富士山東側の南足柄エリア。湘南ベルマーレロードチームの母体である、NPO法人湘南ベルマーレスポーツクラブが主体となって運営されている。
2013-14年シーズン、湘南ベルマーレクロスは全3戦開催を予定しており、今回はその開幕戦。テストレースの意味合いも強かった昨年度大会と比較して、今年はAJOCC認定のレースとなったことが大きな差異だろう。それだけに各カテゴリーではかなり本気のレースが繰り広げられていたが、一方でビギナーに向けたC4クラスの新設や、複数人で参加できる60分エンデューロなど、お楽しみイベント的な要素もしっかりと用意されていた。
2連続キャンバーを登り、すぐに下るテクニカルセクション
開成水辺スポーツ公園の平坦路を走る
女子レースに急遽参加した宮内佐季子(CLUB viento)
C2でぶっちぎり優勝した品川真寛(YOU CAN)選手
酒匂川の河川敷に用意された会場には、およそ240人のシクロクロッサー達が集結した。そのほとんどが関東のシクロクロッサーであったが、名古屋から足を伸ばした参加者もちらほらと。中京圏からは決して近いとは言えない距離だが、はるばる来訪してくるあたりに現在のシクロクロスの盛り上がりを感じる。他にもこの湘南ベルマーレクロスが初CXレースという参加者も少なくなく、まだまだ競技人口は着実に増加している印象を受けた。
レイアウトほぼ昨年大会同様で、フラットな河川敷の芝生とダート、そして堤防の斜面や階段、コンクリート下りを使った、パワー系ライダーに有利なスピードコース。コンクリートの段差によるパンクが非常に多かったが、技術のあるライダーほどノートラブルだったことを踏まえれば、スキルを試されるコースとも言える。個人的には、単調になりがちな平坦路にピリリとスパイスが加わった良コースだな、という感想を持った。
会場には多くのフードブースが並んだ
しっかりと食べられてリーズナブル。食べながら応援するスタイルも楽しめた
シクロクロス会場でおなじみのBUCYO COFFEEも出展
湘南ベルマーレのスポンサーであるワコーズがブース出展。無料でクリーニングをしてくれた
また、会場にはシクロクロスレースにしては類を見ないほど多くの飲食ブースが出展しており、美味しい食事をしながら仲間の応援をするというスタイルができたことも嬉しいポイントの一つ。その中には各地のクロス会場でお馴染みのBUCYO COFFEEの姿もあり、オーナーの筧太一さんはマスターズレースに出走し、周囲の期待に応える圧勝を飾ってみせた。
最高峰カテゴリーであるC1クラス
ホストチームを代表して走る辻善光(Team Zenko ベルマーレ) 最上級クラスのC1には、今シーズンに入って勝利数を伸ばしている三上和志(Cycleclub.3up)や重田兼吾(Team Cuore)の他、ホストチームである湘南ベルマーレから辻善光(Team Zenko ベルマーレ)らが出走。
最後はロングスパートを仕掛けた重田兼吾(Team Cuore)が優勝 レース中盤にはこれら3選手に代田和明(SNEL CYCROCROSS TEAM)を加えた4名がトップグループを形成してレースを進めていたが、次第に重田vs辻の一騎打ちとなる。
揺さぶりを掛ける両者だが、勝負は最後までもつれ、「最後のテクニカルセクションでアタックすると決めていた」という重田がロングスパートを仕掛けて優勝。国内屈指のスプリンターを下すという金星を手に入れた。この他女子レースには全日本王者・宮内佐季子(CLUB viento)も出走し、大会に華を添えてくれた。
そして大会最後のトリを飾るのは60分エンデューロ。この日はクリスマスイブ前日という事もあってサンタクロース仮装必須の「サンタクロス(Cross)エンデューロ」として行われ、40人近くのサンタ達が会場を駆け巡った。
中にはトナカイに扮した辻選手が集団を牽引したり、BUCYO COFFEEの筧サンタがスペシャルブレンドのコーヒーを配ってみたり…。このレースではライダーの周回ごとに100円が溜まり、最終的に集まった金額が難病に戦う足柄上郡の小児科医院の子供達へプレゼントされるというチャリティーレースの意味合いもあった。和やかな雰囲気の中、参加者はいつもとは違ったシクロクロスを楽しんだようであった。
大会の全行程が終了した後で、オーガナイザーを務める湘南ベルマーレ監督、内山靖樹さんに話を聞いた。開催経緯は初回大会のレポートの通りだが、今回2回目大会を開催するにあたり、確かな手応えを感じたという。
しかし、今日の大会に点数を付けるとしたら?という問いには「30点」だそうだ。「今回がシリーズの初開催であったため、応募なども含めてバタバタしてしまい、参加者の方にはご迷惑をお掛けしてしまう部分もありました。コース的な面でもそうですし、カテゴリー1の選手をもっと増やし、下のクラスや観客の方にもっと「魅せる」レースを提供したいですね。」と言う。
60分サンタクロス(cross)のスタート!
今大会からAJOCCとなったことに関しては「AJOCCレースでは、上位に入ればAJOCCのポイントを多く獲得でき、それによって全日本選手権でのスタート位置が変わってきます。今シーズンからJPミストラルがAJOCCを離脱した事で関東のエリートシクロクロッサーは東北や関西に遠征する必要があったのですが、よりそうした方々にチャンスを与えられるという意味があるんです。」と話してくれた。もちろんホビーライダーにとってはカテゴリーの昇格を狙う楽しみもある。
湘南ベルマーレシクロクロスの長期的な目標は、大会を地元に根付かせ、シクロクロスに参加する人を増やして、地元主体のシクロクロスチームを作り上げること。その考えは既に成功している、湘南ベルマーレのサッカーチームと共通するものだ。
サンタクロスはとても華やか!
トナカイに扮した辻選手(笑)
プレゼントを配る筧サンタ(BUCYO COFFEE)
オーガナイザーを務めた内山靖樹さん(湘南ベルマーレ監督)
「来2014-15シーズンではシリーズ5戦化としたいと考えています。」とは内山さん。継続開催することで、関東にも関西クロスのような盛り上がりと熱気を呼び込みたいと言う。
次戦は1月12日、会場は神奈川県足柄上郡中井町の中井中央公園へと変更され、アップダウンの続くテクニカルコースとなる予定だと言う。"地元密着"を目指し発展を続ける湘南ベルマーレシクロクロス、まだまだ伸びしろを感じさせてくれる大会だった。
text&photo:So.Isobe
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2年目のシーズンを迎えた「湘南ベルマーレシクロクロス」の舞台となったのは、今年の1月に第1回大会が開催されたのと同じ、開成水辺スポーツ公園だ。通称「湘南クロス」と呼ばれるだけに大磯あたりの海岸沿いをイメージしがちだが、実際は富士山東側の南足柄エリア。湘南ベルマーレロードチームの母体である、NPO法人湘南ベルマーレスポーツクラブが主体となって運営されている。
2013-14年シーズン、湘南ベルマーレクロスは全3戦開催を予定しており、今回はその開幕戦。テストレースの意味合いも強かった昨年度大会と比較して、今年はAJOCC認定のレースとなったことが大きな差異だろう。それだけに各カテゴリーではかなり本気のレースが繰り広げられていたが、一方でビギナーに向けたC4クラスの新設や、複数人で参加できる60分エンデューロなど、お楽しみイベント的な要素もしっかりと用意されていた。
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レイアウトほぼ昨年大会同様で、フラットな河川敷の芝生とダート、そして堤防の斜面や階段、コンクリート下りを使った、パワー系ライダーに有利なスピードコース。コンクリートの段差によるパンクが非常に多かったが、技術のあるライダーほどノートラブルだったことを踏まえれば、スキルを試されるコースとも言える。個人的には、単調になりがちな平坦路にピリリとスパイスが加わった良コースだな、という感想を持った。
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そして大会最後のトリを飾るのは60分エンデューロ。この日はクリスマスイブ前日という事もあってサンタクロース仮装必須の「サンタクロス(Cross)エンデューロ」として行われ、40人近くのサンタ達が会場を駆け巡った。
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湘南ベルマーレシクロクロスの長期的な目標は、大会を地元に根付かせ、シクロクロスに参加する人を増やして、地元主体のシクロクロスチームを作り上げること。その考えは既に成功している、湘南ベルマーレのサッカーチームと共通するものだ。
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text&photo:So.Isobe
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