2013/12/07(土) - 10:56
12月8日(日)、滋賀県マキノ高原を舞台に、第19回シクロクロス全日本選手権が開催される。3連覇が懸かった竹之内悠(コルバ・スペラーノハム)を中心に繰り広げられるエリート男子の他、混戦の様相を呈すエリート女子やジュニアレース、AJOCC年齢別選手権がスタートする。
舞台は滋賀県のマキノ高原スキー場 立体交差が初登場
シクロクロス全日本選手権2013コース図 image:kansai_cyclocross当初、日本一を決める今シーズンの全日本選手権は滋賀県東近江市の東近江ふれあい運動公園で開催される予定だったが、台風18号の影響によって同会場が砂に覆われたため、関西シクロクロス第1戦と同じマキノ高原で行なわれることに。マキノ高原での全日本選手権開催は2年ぶり。全日本選手権が関西シクロクロス管轄下で行なわれるのは4年連続だ。
立体交差をチェックする試走中の選手たち photo:Makoto Ayano琵琶湖から内陸に入った福井県境の山の麓にあるマキノ高原スキー場。京阪神や中京から2時間ほどのアクセスで、滋賀県にありながら日本海に近いことから天候が急変しやすいのが特徴だ。選手たちが試走を行なう12月7日(土)の現地は雨。
コースの大半は草に覆われたスキー場の緩斜面で、緩い登りを踏み抜くパワーと下りのコーナリングテクニックで差がつく。関西シクロクロスでは定番の会場だが、全日本選手権向けにコースはバージョンアップ。階段セクションが増え、国内では珍しい立体交差が初めて登場する。
コースアドバイザーとして設営に携わった三船雅彦氏の言葉を借りれば「スピードが上がったときに牙をむくような、速く走れば走るほどに難しく、そして低速だとそれほど難しくはない」というコース。「ただ各パートを『つなぐ』能力がなければ登りは止め処もなくきつい。ちなみにですが、エリートクラスで46Tx11T〜25Tで十分いける(いけないと厳しいと思う)、インナーは使わないはずです」。
立体交差の階段は一段一段が通常の階段の2段分ほど落差がある photo:Makoto Ayano
コース全体のど真ん中を通る一直線の芝の下りはノーブレーキだととんでもないスピードが出る超高速ダウンヒル photo:Makoto Ayano
パナレーサーシケインは2連でそれぞれ30cmほどの高さで、登り斜面に設定された photo:Makoto Ayano
広い芝生の斜面を生かして複雑なコースが設定された photo:Makoto Ayano
長らく登場していなかったマキノ名物の階段が復活 photo:Makoto Ayano
斜面をよじ登り、深く荒れた路面を下るセクションはMTBでも手を焼くほど photo:Makoto Ayano
代表者会議で協議した結果、全カテゴリーで立体交差は「危険と判断して」使わないことに。また、コース上の階段1箇所は、横のラインを塞いで階段だけを使って上ることになった。
また、昨年同様、JCF(日本自転車競技連盟)主催の全日本選手権と同じコースでAJOCC(日本シクロクロス競技主催者協会)の年齢別選手権ならびに学生選手権が併催される。スケジュールは以下の通り。
JCF全日本選手権/AJOCC年齢別選手権スケジュール
12月8日(日)
9:00〜9:40 JCF全日本選手権ジュニア
10:00〜10:40 AJOCC年代別選手権 マスター40(40歳代)
10:02〜10:42 AJOCC年代別選手権 マスター50(50歳代)
11:00〜11:40 JCF全日本選手権エリート女子
12:00〜12:20 AJOCC年代別選手権 U15
12:02〜12:22 AJOCC年代別選手権 レディース
12:35〜12:45 AJOCC年代別選手権 KIDS
13:00〜14:00 JCF全日本選手権エリート男子
14:20〜15:00 学連レース・AJOCC年代別選手権 U30(20歳代)
14:22〜15:02 AJOCC年代別選手権 U40(30歳代)
世界選手権の代表応援ビンズ photo:kansai_cyclocross会場では、関西シクロクロスのオリジナル応援グッズ販売や、タベルナエスキーナをはじめとする協賛各社のブース、地元から温かな食べ物などの出店があるという。会場横の「温泉さらさ」には温泉は食堂も。また、オランダ・ホーガハイデで開催される世界選手権の代表応援ビンズや、田中苑子フォトグラファーの写真を使ったシクロクロスカレンダー「Muddy Paradise」が会場で発売される。
レース会場入り口でプログラムと引き換えに入場料500円(高校生以下は無料)が徴収されるが、それらは賞金の財源とされる(エリート男子優勝は10万円)。当日のゲートオープンは午前7時半だ。
3連覇を狙う竹之内 虎視眈々と王座を狙うライバルたち
全日本チャンピオンの竹之内悠(コルバ・スペラーノハム) photo:Kei Tsuji2011年の全日本選手権で辻浦圭一の10連覇を阻止した竹之内悠(コルバ・スペラーノハム)は、2012年に大会連覇を達成。来季はベランクラシック・ドルチーニに移籍し、引き続きベルギーに拠点を置いてロードレースとシクロクロスを闘う。
小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロス) photo:Kei Tsuji竹之内は国内UCIレース(野辺山シクロクロス2連戦と関西シクロクロス第3戦ビワコマイアミランド)で3連勝。その後の1週間で距離を乗り込んだという竹之内は、全日本1週間前の関西シクロクロス第4戦丹波で3位に甘んじている。この1週間でコンディションは戻っていると思われるが、絶好調とは言えない状況だ。
沢田時(チームブリヂストンアンカー)と photo:Kei Tsuji1年前の全日本選手権で竹之内を苦しめた小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロス)は王座奪取を目指す。小坂の父親で、50歳になった今も日本のトップシーンで闘う「鉄人」小坂正則(スワコレーシング)の走りも見逃せない。
関西シクロクロス第4戦丹波で優勝した武井亨介(チームフォルツァ!)や丸山厚(JP SPORTS TEST TEAM-MASSA-ANDEX)、そして全日本選手権と同じ会場で行なわれた関西シクロクロス第1戦で優勝した島田真琴(シマノドリンキング)らも上位に絡んでくるだろう。
今シーズンのエリートレースを盛り上げているのがU23の選手たちだ。注目は、野辺山とマイアミのU23レースで優勝を争った横山航太(篠ノ井高校)と沢田時(チームブリヂストンアンカー)の2人。他にも前田公平(TEAM SCOTT)、中井路雅(京都産業大学)、中原義貴(キャノンデール)、山田誉史輝(BIKE RANCH/DIRTFREAK)、木村吉秀(岩井商会レーシング)らが揃う。今年もU23レースは設けられず、エリート男子での出走となる。
ロードレース界からは畑中勇介(シマノレーシング)や中根英登(チームNIPPO)、辻善光(チームZenko)らが出場。野辺山で鮮烈な走りを見せた山本和弘(キャノンデール・チャンピオンシステム)は出場しない。
豊岡、宮内、與那嶺が激突するエリート女子 ジュニア選手の熱い走りにも期待
宮内佐季子(CLUBviento)、豊岡英子(パナソニックレディース)、與那嶺恵理(チームフォルツァ!) photo:Kei Tsujiエリート女子も有力選手ぞろい。これまで日本のシクロクロスを引っ張ってきた豊岡英子(パナソニックレディース)と、2012年大会で豊岡の8連覇を阻止した宮内佐季子(CLUBviento)の2人に注目だが、今年はここにロード&TT全日本チャンピオンの與那嶺恵理(チームフォルツァ!)が割って入るか。
今シーズン初めてシクロクロスに出場している與那嶺は、1週間前の関西シクロクロス第4戦丹波で豊岡や宮内らを振り切って優勝。ロードレースとMTBで圧倒的な力を見せる22歳がシクロクロスに新風を吹き込む。
豊岡のチームメイトで丹波3位の坂口聖香(パナソニックレディース)や、野辺山3位の今井美穂(CycleClub.jp)らも表彰台候補。例年にも増して混戦が予想される。
1996年と1997年生まれの選手が対象のジュニアレースには6名がエントリー。次世代ライダーとして、地元滋賀県出身の中井唯晶(瀬田工業高校)や山田将輝(Limited846/DIRT FREAK)、竹内遼(Team ProRide)らがチャンピオンジャージを懸けて闘う。
text:Kei Tsuji
舞台は滋賀県のマキノ高原スキー場 立体交差が初登場
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コースの大半は草に覆われたスキー場の緩斜面で、緩い登りを踏み抜くパワーと下りのコーナリングテクニックで差がつく。関西シクロクロスでは定番の会場だが、全日本選手権向けにコースはバージョンアップ。階段セクションが増え、国内では珍しい立体交差が初めて登場する。
コースアドバイザーとして設営に携わった三船雅彦氏の言葉を借りれば「スピードが上がったときに牙をむくような、速く走れば走るほどに難しく、そして低速だとそれほど難しくはない」というコース。「ただ各パートを『つなぐ』能力がなければ登りは止め処もなくきつい。ちなみにですが、エリートクラスで46Tx11T〜25Tで十分いける(いけないと厳しいと思う)、インナーは使わないはずです」。
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また、昨年同様、JCF(日本自転車競技連盟)主催の全日本選手権と同じコースでAJOCC(日本シクロクロス競技主催者協会)の年齢別選手権ならびに学生選手権が併催される。スケジュールは以下の通り。
JCF全日本選手権/AJOCC年齢別選手権スケジュール
12月8日(日)
9:00〜9:40 JCF全日本選手権ジュニア
10:00〜10:40 AJOCC年代別選手権 マスター40(40歳代)
10:02〜10:42 AJOCC年代別選手権 マスター50(50歳代)
11:00〜11:40 JCF全日本選手権エリート女子
12:00〜12:20 AJOCC年代別選手権 U15
12:02〜12:22 AJOCC年代別選手権 レディース
12:35〜12:45 AJOCC年代別選手権 KIDS
13:00〜14:00 JCF全日本選手権エリート男子
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関西シクロクロス第4戦丹波で優勝した武井亨介(チームフォルツァ!)や丸山厚(JP SPORTS TEST TEAM-MASSA-ANDEX)、そして全日本選手権と同じ会場で行なわれた関西シクロクロス第1戦で優勝した島田真琴(シマノドリンキング)らも上位に絡んでくるだろう。
今シーズンのエリートレースを盛り上げているのがU23の選手たちだ。注目は、野辺山とマイアミのU23レースで優勝を争った横山航太(篠ノ井高校)と沢田時(チームブリヂストンアンカー)の2人。他にも前田公平(TEAM SCOTT)、中井路雅(京都産業大学)、中原義貴(キャノンデール)、山田誉史輝(BIKE RANCH/DIRTFREAK)、木村吉秀(岩井商会レーシング)らが揃う。今年もU23レースは設けられず、エリート男子での出走となる。
ロードレース界からは畑中勇介(シマノレーシング)や中根英登(チームNIPPO)、辻善光(チームZenko)らが出場。野辺山で鮮烈な走りを見せた山本和弘(キャノンデール・チャンピオンシステム)は出場しない。
豊岡、宮内、與那嶺が激突するエリート女子 ジュニア選手の熱い走りにも期待
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今シーズン初めてシクロクロスに出場している與那嶺は、1週間前の関西シクロクロス第4戦丹波で豊岡や宮内らを振り切って優勝。ロードレースとMTBで圧倒的な力を見せる22歳がシクロクロスに新風を吹き込む。
豊岡のチームメイトで丹波3位の坂口聖香(パナソニックレディース)や、野辺山3位の今井美穂(CycleClub.jp)らも表彰台候補。例年にも増して混戦が予想される。
1996年と1997年生まれの選手が対象のジュニアレースには6名がエントリー。次世代ライダーとして、地元滋賀県出身の中井唯晶(瀬田工業高校)や山田将輝(Limited846/DIRT FREAK)、竹内遼(Team ProRide)らがチャンピオンジャージを懸けて闘う。
text:Kei Tsuji
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