2013/12/05(木) - 09:55
埼玉県さいたま市・秋ヶ瀬公園で11月23・24日の2日間に渡り開催された「第3回・秋ヶ瀬の森バイクロア」。3回めにして大人気の初心者から本気のレーサーまで、みんなが楽しめる「大人と子供の自転車運動会」だ。
秋ヶ瀬の森バイクロアは、基本的には今ホットなシクロクロスレースでありながら、レースの競技志向を全面に押し出すのではなく、真剣度よりもフレンドリーさがウリの自転車イベントだ。会場は荒川自転車道から近い、さいたま市の秋ヶ瀬公園・希望のくにグラウンド。
シクロクロスレースが行われるのは、グラウンドの芝生や周辺のトレール、少しの舗装路、林のなかの小径をつないで設定されたコース。イベントは子供から大人まで、スポーツバイクビギナーからレーサーまで、みんながいっしょになって楽しめるように工夫されているという。
会場に着いてすぐに感じるのは、他の自転車レースイベントにない独特の温かい雰囲気だ。ハンドメイドやマイナー工房自転車系の出展ブースに加え、おもしろパーツやアパレル、雑貨、そしてクラフトのワークショップなど、ちょっとユニークなブースが並ぶ雑貨マーケットのような空間だ。
B級グルメに地元特産の味の店などの出店も多く、さながらお祭りのような印象だ。もともとこの場所が河川敷につながる公園だけあって、ドラムを叩いたりトランペットの練習をしている人なども居て、会場周辺はオープンでフリーダムな雰囲気が漂っている。自転車レースに出ない人でも、会場にいるだけでピクニック気分で観戦を楽しめる雰囲気がある。この日はとても天気が良かった。
目立ったチームをピックアップ
河川敷の公園ながら、コースは鬱蒼と繁る森(というより林?)のなかを通るため、イベント名に「秋ヶ瀬の森」がついているのもプチ納得。コースが見渡せる広場には子守ができる赤ちゃん専用テントなども用意されている。最寄りのJR南与野駅からはシャトルバスも運行され、クルマでない人も来場できる。こういった点も家族連れで、親子で、友人同士で、サイクリストでない人が来ても楽しめる理由になっている。
さらにユルいのは当日エントリー可能な種目もあること。参加者の空き枠次第だが、その場でエントリー料を支払えば参加できる気軽さは、まず他の大会には無いもの。
スポーツでありながら生活自転車や街乗り系のテイストが随所に活かされていたり、出展ブースのブランドの雰囲気(あるいは色)にも統一感があるのは、聞けば、徹底的に手作り感を大切にして育てている大会だからなのだとか。全体に醸しだされる「いい雰囲気」は、細かなこだわりから来ているのだろう。こうした雰囲気の良さから大会は人気を呼び、会を重ねるごとに大きくなっている。
取材に伺ったのは初日の土曜日。レース種目のスタートは昼13時からというのもユルい(笑)。この日はまず2〜4名のチームで90分をエンデューロ形式で行うリレーレース「チームラリー」が第1種目だ。家族チームのファミリークラスと友達チームのフレンドクラスで走る。
レースで走るロングコースは森の小径あり、3連バームあり、大きな岩や4連の丸太を越えるシケインありで、バリエーションに富んでいる。メインの広場からコースの大半が見渡せるので、観戦も楽しい。チームはたすき形式で足首の計測チップをリレーして走る。
ファミリークラスはサンデーライダースが優勝。フレンドクラスはガチな戦いの末、CycleClub.jpがTonic CX Team Japanを打ち負かした。
次いでのプログラム「ロケットクラス」は、3人横並びでスタートしてコース1周のみで競うスプリントレースだ。勝ち上がりのトーナメント方式で競うため、順調に勝ち上がった人は何度も走るからかなり大変。表彰台では「もうこれ以上走れない!」の声が挙がった。
ライトを点灯して走るサンセットレースに参加! 冬の闇を楽しんだ
そして日が傾き、日没寸前の16:45から始まるのがサンセットレース。夕陽にライトアップされたなかを走る幻想的な30分レースだ。だんだん暗くなる中走るので、前後のライトを装着するというルールだが、このクラスのスポンサーのKnog(ダイアテックプロダクツ扱い)から参加者全員にライトの貸与が行われた。キャットアイでも希望者にライトを貸し出していたので、私も人気の新製品、VOLT1200と300を前照灯にダブルで、テールライトにVOLT50(赤色)をお借りて、knogの前後ライトと併せじつに5灯で走ることに(笑)。
昼間はTシャツでもいけるぐらいの陽気だったが、夕暮れの秋ヶ瀬公園は急激に冷え込み、冷たい空気が肌をさす。着るウェアに迷ったが、長袖アンダーに長袖ジャージ、ひざ下のニッカータイプのパンツで走ることに(つまりシクロクロス用スキンスーツよりも暖かくなるように着込んでいる)。
一周の試走時点ですでに日没し、スタートしたときにはすでに真っ暗。私は4番手で第1コーナーを回り、好調な滑り出し。滑走路の照明のような幻想的な路面の灯りをたどりながら走る。
参加者の中でもひときわライトが明るすぎて強烈に眩しい私。路面が真昼のように照らせるため有利だ。前方観戦している人からは「眩しすぎて目がくらむぞ!」の声も。暗闇を走るのはそれだけでなんだか興奮する(笑)。
ガチな上位争いの人に抜かれっぱなしで11位ゴール。寒いかと思いきや、ゴールしてみるとナイター照明に照らされた皆の身体からはホカホカ湯気が立ち上る。汗もたっぷりかきました。
優勝の牧野崇さん(COGS)曰く、「ライトを頼りに走るのは結構楽しい! 暗くて心配でしたが、コースも意外によく見えて問題なしでした」。
2位の伊澤一嘉さん(Tonic CX Team)は「あと15分早くスタートすると夕陽で真っ赤に染まるベストなタイミングで走れます(=写真が撮れます)よ!」のGoodアドバイス。参考になりました。
サンセットレース参加者全員にライトをお貸しいただいたKnogさん、そしてキャットアイさん、ありがとうございました。完走後にはKnogから全員にTシャツのプレゼント。
2日目の日曜日はあいにく伺えなかったが、こちらはファンクラスに加えて、40歳以上の人やクラシックスタイルの自転車やファッションで走る「クラシック&マスターズクラス」や、自由なコスチュームと自転車で走る「オウルクラス(オウル=ふくろう:秋ヶ瀬公園の野生ふくろうにちなんでいる)」などがあり、さらに盛り上がったようだ。
首都圏から日帰りで2日間通える場所であるのも人気の一つ。秋ヶ瀬の森バイクロアはユルくて温かい雰囲気
でこれからも人気が出そうだ。
バイクロアのブース巡りは面白い!
バイクロアで面白いのはブース巡り。メイン会場のところ狭しと出店があり、個性的なお店が多いので、散歩しながら巡るのは楽しい!
カスタムメイドのバイクが得意なショップ、AboveBikeStore(川崎市)の須崎さんは、この秋ヶ瀬の森バイクロアでシクロクロスにハマったひとり。今回の大会に間に合わせるようにオリジナルのクロモリ製CXバイクとロードバイクを製作、展示していた。一般向けの市販は来春2月から。カモカラーが効いたフレームは軽量なスチールパイプを使用し、なんと5万円台という破格プライス。詳しくはこちら。
初日のイベントの様子はフォトギャラリー(CW FaceBook)でお楽しみ下さい。
photo&text:Makoto.AYANO
photo:Hidekazu.HARADA
秋ヶ瀬の森バイクロアは、基本的には今ホットなシクロクロスレースでありながら、レースの競技志向を全面に押し出すのではなく、真剣度よりもフレンドリーさがウリの自転車イベントだ。会場は荒川自転車道から近い、さいたま市の秋ヶ瀬公園・希望のくにグラウンド。
シクロクロスレースが行われるのは、グラウンドの芝生や周辺のトレール、少しの舗装路、林のなかの小径をつないで設定されたコース。イベントは子供から大人まで、スポーツバイクビギナーからレーサーまで、みんながいっしょになって楽しめるように工夫されているという。
会場に着いてすぐに感じるのは、他の自転車レースイベントにない独特の温かい雰囲気だ。ハンドメイドやマイナー工房自転車系の出展ブースに加え、おもしろパーツやアパレル、雑貨、そしてクラフトのワークショップなど、ちょっとユニークなブースが並ぶ雑貨マーケットのような空間だ。
B級グルメに地元特産の味の店などの出店も多く、さながらお祭りのような印象だ。もともとこの場所が河川敷につながる公園だけあって、ドラムを叩いたりトランペットの練習をしている人なども居て、会場周辺はオープンでフリーダムな雰囲気が漂っている。自転車レースに出ない人でも、会場にいるだけでピクニック気分で観戦を楽しめる雰囲気がある。この日はとても天気が良かった。
目立ったチームをピックアップ
河川敷の公園ながら、コースは鬱蒼と繁る森(というより林?)のなかを通るため、イベント名に「秋ヶ瀬の森」がついているのもプチ納得。コースが見渡せる広場には子守ができる赤ちゃん専用テントなども用意されている。最寄りのJR南与野駅からはシャトルバスも運行され、クルマでない人も来場できる。こういった点も家族連れで、親子で、友人同士で、サイクリストでない人が来ても楽しめる理由になっている。
さらにユルいのは当日エントリー可能な種目もあること。参加者の空き枠次第だが、その場でエントリー料を支払えば参加できる気軽さは、まず他の大会には無いもの。
スポーツでありながら生活自転車や街乗り系のテイストが随所に活かされていたり、出展ブースのブランドの雰囲気(あるいは色)にも統一感があるのは、聞けば、徹底的に手作り感を大切にして育てている大会だからなのだとか。全体に醸しだされる「いい雰囲気」は、細かなこだわりから来ているのだろう。こうした雰囲気の良さから大会は人気を呼び、会を重ねるごとに大きくなっている。
取材に伺ったのは初日の土曜日。レース種目のスタートは昼13時からというのもユルい(笑)。この日はまず2〜4名のチームで90分をエンデューロ形式で行うリレーレース「チームラリー」が第1種目だ。家族チームのファミリークラスと友達チームのフレンドクラスで走る。
レースで走るロングコースは森の小径あり、3連バームあり、大きな岩や4連の丸太を越えるシケインありで、バリエーションに富んでいる。メインの広場からコースの大半が見渡せるので、観戦も楽しい。チームはたすき形式で足首の計測チップをリレーして走る。
ファミリークラスはサンデーライダースが優勝。フレンドクラスはガチな戦いの末、CycleClub.jpがTonic CX Team Japanを打ち負かした。
次いでのプログラム「ロケットクラス」は、3人横並びでスタートしてコース1周のみで競うスプリントレースだ。勝ち上がりのトーナメント方式で競うため、順調に勝ち上がった人は何度も走るからかなり大変。表彰台では「もうこれ以上走れない!」の声が挙がった。
ライトを点灯して走るサンセットレースに参加! 冬の闇を楽しんだ
そして日が傾き、日没寸前の16:45から始まるのがサンセットレース。夕陽にライトアップされたなかを走る幻想的な30分レースだ。だんだん暗くなる中走るので、前後のライトを装着するというルールだが、このクラスのスポンサーのKnog(ダイアテックプロダクツ扱い)から参加者全員にライトの貸与が行われた。キャットアイでも希望者にライトを貸し出していたので、私も人気の新製品、VOLT1200と300を前照灯にダブルで、テールライトにVOLT50(赤色)をお借りて、knogの前後ライトと併せじつに5灯で走ることに(笑)。
昼間はTシャツでもいけるぐらいの陽気だったが、夕暮れの秋ヶ瀬公園は急激に冷え込み、冷たい空気が肌をさす。着るウェアに迷ったが、長袖アンダーに長袖ジャージ、ひざ下のニッカータイプのパンツで走ることに(つまりシクロクロス用スキンスーツよりも暖かくなるように着込んでいる)。
一周の試走時点ですでに日没し、スタートしたときにはすでに真っ暗。私は4番手で第1コーナーを回り、好調な滑り出し。滑走路の照明のような幻想的な路面の灯りをたどりながら走る。
参加者の中でもひときわライトが明るすぎて強烈に眩しい私。路面が真昼のように照らせるため有利だ。前方観戦している人からは「眩しすぎて目がくらむぞ!」の声も。暗闇を走るのはそれだけでなんだか興奮する(笑)。
ガチな上位争いの人に抜かれっぱなしで11位ゴール。寒いかと思いきや、ゴールしてみるとナイター照明に照らされた皆の身体からはホカホカ湯気が立ち上る。汗もたっぷりかきました。
優勝の牧野崇さん(COGS)曰く、「ライトを頼りに走るのは結構楽しい! 暗くて心配でしたが、コースも意外によく見えて問題なしでした」。
2位の伊澤一嘉さん(Tonic CX Team)は「あと15分早くスタートすると夕陽で真っ赤に染まるベストなタイミングで走れます(=写真が撮れます)よ!」のGoodアドバイス。参考になりました。
サンセットレース参加者全員にライトをお貸しいただいたKnogさん、そしてキャットアイさん、ありがとうございました。完走後にはKnogから全員にTシャツのプレゼント。
2日目の日曜日はあいにく伺えなかったが、こちらはファンクラスに加えて、40歳以上の人やクラシックスタイルの自転車やファッションで走る「クラシック&マスターズクラス」や、自由なコスチュームと自転車で走る「オウルクラス(オウル=ふくろう:秋ヶ瀬公園の野生ふくろうにちなんでいる)」などがあり、さらに盛り上がったようだ。
首都圏から日帰りで2日間通える場所であるのも人気の一つ。秋ヶ瀬の森バイクロアはユルくて温かい雰囲気
でこれからも人気が出そうだ。
バイクロアのブース巡りは面白い!
バイクロアで面白いのはブース巡り。メイン会場のところ狭しと出店があり、個性的なお店が多いので、散歩しながら巡るのは楽しい!
カスタムメイドのバイクが得意なショップ、AboveBikeStore(川崎市)の須崎さんは、この秋ヶ瀬の森バイクロアでシクロクロスにハマったひとり。今回の大会に間に合わせるようにオリジナルのクロモリ製CXバイクとロードバイクを製作、展示していた。一般向けの市販は来春2月から。カモカラーが効いたフレームは軽量なスチールパイプを使用し、なんと5万円台という破格プライス。詳しくはこちら。
初日のイベントの様子はフォトギャラリー(CW FaceBook)でお楽しみ下さい。
photo&text:Makoto.AYANO
photo:Hidekazu.HARADA
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