数時間後にスタートを控えるツール・ド・おきなわチャンピオンレース。昨年覇者トーマス・パルマー擁するドラパックサイクリング他、特に注目すべき8チームの監督にチームの意気込みや作戦を聞いた。

チャンピオンレース(UCI 210km)は20チーム96人チャンピオンレース(UCI 210km)は20チーム96人 photo:Hideaki TAKAGI
いよいよ開幕したツール・ド・おきなわ。やんばるや本島一周サイクリングが行われた9日には、それと同時に翌日開催されるロードレース種目の受付や開会式も行われた。このオープニングセレモニーにはチャンピオンレースに挑む20チーム、96名の選手が顔を揃えた。そこで国内チームの各監督らに語ってもらった意気込みを紹介しよう。

話を聞いた中で多かったのは、昨年優勝したトーマス・パルマー(ドラパック・サイクリング)に対する警戒の声だ。一方でドラパック監督のアゴスティーノ監督は、パルマーの他にも手札を用意していると自信のコメントを残した。


選手宣誓は昨年の覇者、トーマス・パルマー(ドラパックサイクリング)選手宣誓は昨年の覇者、トーマス・パルマー(ドラパックサイクリング) photo:Hideaki TAKAGIドラパック・サイクリングチーム アゴスティーノ・ジラモンド監督やんばる路を走るレースコースやんばる路を走るレースコース photo:Hideaki TAKAGI
どのチームがどんな選手を揃えているか、正確に把握していないから緻密な作戦はまだ立てていないよ。でもいつも通りにいく。つまり最初からアタックを掛けて、レースを厳しいものにしていく。去年はそうした展開の中でトーマス・パルマーが勝ったし、今年は登りに強い前オーストラリアナショナルチャンピオンのウィリアム・ウォーカーもいる。昨年はパルマーの一本勝負だったけれど、今年はいくつかのオプションを用意しているよ。
サイクリングリーダーはチームNIPPO・デローザの内間康平と中根英登サイクリングリーダーはチームNIPPO・デローザの内間康平と中根英登 photo:Hideaki TAKAGI
選手たちはツアー・オブ・ハイナンなども走ってきたからモチベーションも十分だ。良いレースができると思う。来年はプロコンチネンタルチームに昇格して、よりレベルの高いレースに出場していくけれど、僕らは出場する全てのレースで100%を尽くす。それはこのおきなわでも変わらない事だ。

サイクリングがスタート。本島1周の50%は外国人サイクリストサイクリングがスタート。本島1周の50%は外国人サイクリスト photo:Hideaki TAKAGI
マトリックスパワータグ 安原昌弘監督
うちのチームは最初からガンガン攻めていますよ。全日本実業団の時と同じように最初からアタックを仕掛け、良い逃げグループには絶対メンバーを乗せていく。スタートからはビセンテ・ガルシアを行かせて、ゴール勝負の場合はマリウス・ヴィズィアックという2本立てです。また、いつも沖縄に来れなかった窪木が今回はいます。今回はやりますよ。

ゲストの新城幸也(ユーロップカー)は引っ張りだこゲストの新城幸也(ユーロップカー)は引っ張りだこ photo:Hideaki TAKAGI
ブリヂストン・アンカー 水谷壮宏監督
おきなわは距離が長いですから、実力以上にレース展開で結果が大きく左右されるレースです。展開を後追いしないように、積極的に前々でレースを進めたいと思います。エースが誰かは既に決まっていますが、秘密にしておきましょう(笑)。ただ誰が勝ってもおかしくないほどに皆調子は良いですから、それを上手く利用してレースを進めていきたいですね。

サイクリング前半は海沿いを走るサイクリング前半は海沿いを走る photo:Hideaki TAKAGI
シマノレーシング 野寺秀徳監督
理想は少人数の逃げに複数を送り込み、畑中や吉田で勝負すること。序盤の逃げには必ずメンバーを入れます。場合によっては逃げ切りをも視野に入れた選手と走り方を考えるかもしれませんね。他チームで脅威なのは、やはりパルマーのいるドラパックだろう。ゴールまでにふるい落としておかねばいけません。


チーム右京 井上修一マネージャー
KOMを中心とした動きが1回目または2回目であるでしょうから、そこに注意していきたいですね。逃げには必ずメンバーを送り込み、KOMを取ること、そして場合によってはゴールまで逃げ切ることもプランの一つです。昨年のような集団ゴールにはさせたくない。仕掛けて攻撃して、前へ出て行く展開にしたいですね。


Cプロジェクト 佐藤成彦監督
逃げには必ず送り込み、KOMの獲得もしたいですね。今年はKOMに大きな賞金が懸かっていますから、その辺りで昨年と違う動きがでてくるでしょう。私たちのチームにはスプリンターがいないので集団ゴールはさけたいところです。なんとか少人数に絞られたところにメンバーを残したいですね。


愛三工業レーシングチーム 別府匠監督
どこからでもどのような状態でも対応できるメンバーをそろえてきました。インドネシア遠征から帰ってきた選手や、1週間前から沖縄で乗り込んでいる選手がいるので調子はいいですよ。いつもとKOMでの動きが違うだろうから気をつけたい。海外勢ではやはりパルマーは注意すべき選手です。


鹿屋体育大学 黒川剛監督
北海道では勝たせていただいたが、おきなわではまだ勝利が無いんです。大学生のレベルが上がっているところをアピールしたいですね。今回のメンバーは次の世代を意識して1年生2年生を登用していますが、もちろん勝利を忘れている訳ではありません。


text&photo:Hideaki.Takagi,So,Isobe


最新ニュース(全ジャンル)