2013/10/16(水) - 12:15
鳥の巣スタジアム前で繰り広げられたゴールスプリント。ツアー・オブ・北京(UCIワールドツアー)を締めくくる最後のスプリント勝負で、ルーカ・メスゲツ(スロベニア、アルゴス・シマノ)が勝利した。
最終日の第5ステージは、天安門広場をスタート後、北京五輪の際に使用された鳥の巣スタジアムを中心にした周回コースを回ってフィニッシュ。北京のど真ん中でレースは締めくくられる。
オリヴィエ・カイセン(ベルギー、ロット・ベリソル)、マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、サクソ・ティンコフ)、クリスティアン・メイヤー(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)とともに逃げたのは、この北京を最後に現役を引退するフアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ヴァカンソレイユ・DCM)とマルコ・ピノッティ(イタリア、BMCレーシングチーム)の2人だった。
真っ平らで道幅のある周回コースを逃げるフレチャやピノッティら5名。今後、コーチとしてBMCレーシングチームに携わるピノッティは「今日は何としても逃げたかった。逃げ切りは難しいと分かっていたけど、良い一日だった。キャリアを締めくくる良いチャレンジだったと思う」とコメントする。アルゴス・シマノを中心としたスプリンターチームは、最終周回で容赦なく逃げを飲み込んだ。
残り4kmを切って先頭に立ったのはオメガファーマ・クイックステップで、一時的にトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)が集団を飛び出すシーンも。しかしモビスターやベルキンプロサイクリングの集団牽引によってマルティンは吸収され、最後は大集団でのゴールスプリントに持ち込まれた。
ポイント賞ジャージを着るナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)が好位置でスプリントに持ち込んだものの、その後ろからルーカ・メスゲツ(スロベニア、アルゴス・シマノ)が力強い加速で追い上げる。ブアニを抜き去ったメスゲツが勝利した。
「長い間ずっと待っていた勝利がようやく手元にやってきた。序盤のステージで惜しいところまで行っていたので、勝つチャンスはあると思っていた」。スロベニア出身の25歳メスゲツはそう語る。キッテルやデゲンコルブに続く第3のスプリンターとして存在感をアピールした。
そして総合優勝はベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)の手に。スプリントで破れたブアニがポイント賞、ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)が山岳賞、ロメン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼル)が新人賞に輝いている。
また、第3ステージのパンダコーナーを先頭で通過したヘイデン・ロールストン(ニュージーランド、レディオシャック・レオパード)にはPOM(パンダ・オブ・マウンテン)賞が送られている。
マッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソ・ティンコフ)をステージ4位に送り込んだ宮澤崇史(サクソ・ティンコフ)はステージ57位でフィニッシュ。
今シーズンの海外レース転戦を終えた宮澤は「ようやく長かったシーズンが終わる。チームとしては結果が出ていない以上、いいとは言えないけど、かといって悪かったわけでもなく、チームとしてよく動けていたと思う。道が広いからヨーロッパのような位置取りのきつさはなく、ワールドツアーとはちょっと印象が違ったりもしたけど、そのなかで自分はいつもどおりチームから与えられた仕事をして、それに対するチームの評価もよかった」とコメントする。宮澤は16日(水)に帰国し、週末のジャパンカップに備える。
ツアー・オブ・北京2013第5ステージ結果
1位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、アルゴス・シマノ) 2h23'56"
2位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
3位 モレノ・ホフランド(オランダ、ベルキンプロサイクリング)
4位 マッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソ・ティンコフ)
5位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
6位 アレクセイ・ツァテヴィツク(ロシア、カチューシャ)
7位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
8位 リュトガー・ゼーリッヒ(ドイツ、カチューシャ)
9位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、アージェードゥーゼル)
10位 ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、スカイプロサイクリング)
57位 宮澤崇史(日本、サクソ・ティンコフ)
個人総合成績
1位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター) 19h35'46"
2位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) +10"
3位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、スカイプロサイクリング) +13"
4位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) +18"
5位 ロメン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼル) +24"
6位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
7位 ヤン・バケランツ(ベルギー、レディオシャック・レオパード) +26"
8位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ベルキンプロサイクリング)
9位 イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)
10位 ガリコイツ・ブラーボ(スペイン、エウスカルテル) +31"
ポイント賞
ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
山岳賞
ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)
新人賞
ロメン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼル)
チーム総合成績
BMCレーシングチーム
text:Kei Tsuji
photo:Graham Watson/Tour of Beijing, Sonoko Tanaka
最終日の第5ステージは、天安門広場をスタート後、北京五輪の際に使用された鳥の巣スタジアムを中心にした周回コースを回ってフィニッシュ。北京のど真ん中でレースは締めくくられる。
オリヴィエ・カイセン(ベルギー、ロット・ベリソル)、マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、サクソ・ティンコフ)、クリスティアン・メイヤー(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)とともに逃げたのは、この北京を最後に現役を引退するフアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ヴァカンソレイユ・DCM)とマルコ・ピノッティ(イタリア、BMCレーシングチーム)の2人だった。
真っ平らで道幅のある周回コースを逃げるフレチャやピノッティら5名。今後、コーチとしてBMCレーシングチームに携わるピノッティは「今日は何としても逃げたかった。逃げ切りは難しいと分かっていたけど、良い一日だった。キャリアを締めくくる良いチャレンジだったと思う」とコメントする。アルゴス・シマノを中心としたスプリンターチームは、最終周回で容赦なく逃げを飲み込んだ。
残り4kmを切って先頭に立ったのはオメガファーマ・クイックステップで、一時的にトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)が集団を飛び出すシーンも。しかしモビスターやベルキンプロサイクリングの集団牽引によってマルティンは吸収され、最後は大集団でのゴールスプリントに持ち込まれた。
ポイント賞ジャージを着るナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)が好位置でスプリントに持ち込んだものの、その後ろからルーカ・メスゲツ(スロベニア、アルゴス・シマノ)が力強い加速で追い上げる。ブアニを抜き去ったメスゲツが勝利した。
「長い間ずっと待っていた勝利がようやく手元にやってきた。序盤のステージで惜しいところまで行っていたので、勝つチャンスはあると思っていた」。スロベニア出身の25歳メスゲツはそう語る。キッテルやデゲンコルブに続く第3のスプリンターとして存在感をアピールした。
そして総合優勝はベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)の手に。スプリントで破れたブアニがポイント賞、ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)が山岳賞、ロメン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼル)が新人賞に輝いている。
また、第3ステージのパンダコーナーを先頭で通過したヘイデン・ロールストン(ニュージーランド、レディオシャック・レオパード)にはPOM(パンダ・オブ・マウンテン)賞が送られている。
マッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソ・ティンコフ)をステージ4位に送り込んだ宮澤崇史(サクソ・ティンコフ)はステージ57位でフィニッシュ。
今シーズンの海外レース転戦を終えた宮澤は「ようやく長かったシーズンが終わる。チームとしては結果が出ていない以上、いいとは言えないけど、かといって悪かったわけでもなく、チームとしてよく動けていたと思う。道が広いからヨーロッパのような位置取りのきつさはなく、ワールドツアーとはちょっと印象が違ったりもしたけど、そのなかで自分はいつもどおりチームから与えられた仕事をして、それに対するチームの評価もよかった」とコメントする。宮澤は16日(水)に帰国し、週末のジャパンカップに備える。
ツアー・オブ・北京2013第5ステージ結果
1位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、アルゴス・シマノ) 2h23'56"
2位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
3位 モレノ・ホフランド(オランダ、ベルキンプロサイクリング)
4位 マッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソ・ティンコフ)
5位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
6位 アレクセイ・ツァテヴィツク(ロシア、カチューシャ)
7位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
8位 リュトガー・ゼーリッヒ(ドイツ、カチューシャ)
9位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、アージェードゥーゼル)
10位 ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、スカイプロサイクリング)
57位 宮澤崇史(日本、サクソ・ティンコフ)
個人総合成績
1位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター) 19h35'46"
2位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) +10"
3位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、スカイプロサイクリング) +13"
4位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) +18"
5位 ロメン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼル) +24"
6位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
7位 ヤン・バケランツ(ベルギー、レディオシャック・レオパード) +26"
8位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ベルキンプロサイクリング)
9位 イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)
10位 ガリコイツ・ブラーボ(スペイン、エウスカルテル) +31"
ポイント賞
ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
山岳賞
ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)
新人賞
ロメン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼル)
チーム総合成績
BMCレーシングチーム
text:Kei Tsuji
photo:Graham Watson/Tour of Beijing, Sonoko Tanaka
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