2009/07/14(火) - 17:35
アームストロングとコンタドールの間に緊張が高まっている。最強チーム内の2人のリーダーシップ争いは、アームストロングの刺激的な発言で露呈してきている。アームストロングは本当にマイヨジョーヌを狙っているようだ。
第9ステージの終了後、リブストロングのTシャツに着替えたアームストロングがフランステレビジョンのライブ・インタビューに登場した。気さくに話すアームストロングのコメントは、ツール7連覇チャンピオンが8勝目さえ手にする意欲があることを証明した。
コンタドールのアンドラ・アルカリスのアタックについて、アームストロングはこうコメントした。
「凄いアタックだったから、簡単に着いて行けただろうとは言わない。でも多分行けただろう。でもそれは正しいことじゃなかった。他のライバル選手たちが行けば後方に着こうとして待ったが、誰も行かなかった。」
「出来ることは何もなかった。ルールに従うことしか出来なかった。セ・ラ・ヴィ(それが人生だ)。それが自転車レースだ。(戦略上)正しいことをしなきゃいけなかった」。
コンタドールがアタックしたとき、アームストロングはエヴァンスやシュレク兄弟らをマークし、見張る立場に自らを置いた。チームの戦略上、チームメイトを追ってアタックすることはできない。しかし「追えば追えた(力があった)」と言うのだ。
コンタドールをリーダーとしてアシストしながらも、アシストの立場に成り下がることを肯定しない。それがアームストロングの意思表明だ。今後アームストロングはコンタドールに対して闘うのだろうか?
アームスロトングはコンタドールについて聞かれると、こう表現した。「アルベルトは強い。そしてとても意欲的だ」と。
アームストロングはここまでのステージを総括した。
「本当の意味での大きなセレクションはまだない。オープニング・タイムトライアル(モナコ)でセレクションがあった。チームタイムトライアル(モンペリエ)でセレクションがあった。風の強い日(ラ・グランモット)にも小さなセレクションがあった。そしてアルカリス(アンドラ)でも。タイム差は大きくない。総合を狙うライバルはすべて残っている。ファンにとってはいいことだろう。総合の差は予想より少ない」。
「(ジロのときとの走りの違いを聞かれ)悪くないね。ここまでは思っていた通りの展開。チームタイムトライアルが総合上位の大体の順位を決めている。これからの数日はそれらに動きは無いだろう。すべてのライバルたちがヴェルビエール(第15ステージ)を次の大きなテストだと考えているはずだ。
レースが決まるのはコルマール(第13ステージ)からモンヴァントゥーまでの非常に難しい6日間だ。我々はそれを待つ。ともかくフランスでもっともハードな山岳が最後にある。それを忘れちゃならない。それが僕のプランだ。楽しみにしていて欲しい。何も保証は無い。ただ楽しみにしていて欲しい」。
ツールは最終週のアルプス、そして個人タイムトライアル、そして最後のモンバントゥー頂上ゴールでクライマックスを迎える。コンタドールとアームストロングに対し、差をつけられているライバルたちはいつ攻撃を仕掛けるべきか?
「もし僕が彼らだったら。待つだろう。総合争いはまだ接近している。もし僕がサストレだったら、待つ。もしエヴァンスだったら、待つ。シュレクだったら、待つ。それが正直なところだ。僕は僕のときが来るのを、アルプスかモンバントゥーまで待つだろう。
ツールは9日を終えて、日程は約半分だが、総合争いという観点では、25パーセント程度が終わったにすぎない」。
ベルナール・イノーが引退する年の最後のツールで、イノーはチームメイトのグレッグ・レモンの前に強力なライバルとして立ちはだかった。イノーはレモンに「優勝を譲る」と公言していたが、いざ勝負どころになるとアタックして逃げ、タイムトライアルでは徹底的なタイムをたたき出した。単独で逃げてハンガーノックに陥り、イノーの目論見は失敗するが、レモンにプレッシャーを掛け続けた。ツール5勝の英雄は、6勝目を欲しがったのだ。
その確執に満ちた闘いに似たものが匂い始めている。果たしてアームストロングとコンタドールのバトルは繰り広げられるのだろうか。
text:Makoto Ayano
photo:Cor Vos
第9ステージの終了後、リブストロングのTシャツに着替えたアームストロングがフランステレビジョンのライブ・インタビューに登場した。気さくに話すアームストロングのコメントは、ツール7連覇チャンピオンが8勝目さえ手にする意欲があることを証明した。
コンタドールのアンドラ・アルカリスのアタックについて、アームストロングはこうコメントした。
「凄いアタックだったから、簡単に着いて行けただろうとは言わない。でも多分行けただろう。でもそれは正しいことじゃなかった。他のライバル選手たちが行けば後方に着こうとして待ったが、誰も行かなかった。」
「出来ることは何もなかった。ルールに従うことしか出来なかった。セ・ラ・ヴィ(それが人生だ)。それが自転車レースだ。(戦略上)正しいことをしなきゃいけなかった」。
コンタドールがアタックしたとき、アームストロングはエヴァンスやシュレク兄弟らをマークし、見張る立場に自らを置いた。チームの戦略上、チームメイトを追ってアタックすることはできない。しかし「追えば追えた(力があった)」と言うのだ。
コンタドールをリーダーとしてアシストしながらも、アシストの立場に成り下がることを肯定しない。それがアームストロングの意思表明だ。今後アームストロングはコンタドールに対して闘うのだろうか?
アームスロトングはコンタドールについて聞かれると、こう表現した。「アルベルトは強い。そしてとても意欲的だ」と。
アームストロングはここまでのステージを総括した。
「本当の意味での大きなセレクションはまだない。オープニング・タイムトライアル(モナコ)でセレクションがあった。チームタイムトライアル(モンペリエ)でセレクションがあった。風の強い日(ラ・グランモット)にも小さなセレクションがあった。そしてアルカリス(アンドラ)でも。タイム差は大きくない。総合を狙うライバルはすべて残っている。ファンにとってはいいことだろう。総合の差は予想より少ない」。
「(ジロのときとの走りの違いを聞かれ)悪くないね。ここまでは思っていた通りの展開。チームタイムトライアルが総合上位の大体の順位を決めている。これからの数日はそれらに動きは無いだろう。すべてのライバルたちがヴェルビエール(第15ステージ)を次の大きなテストだと考えているはずだ。
レースが決まるのはコルマール(第13ステージ)からモンヴァントゥーまでの非常に難しい6日間だ。我々はそれを待つ。ともかくフランスでもっともハードな山岳が最後にある。それを忘れちゃならない。それが僕のプランだ。楽しみにしていて欲しい。何も保証は無い。ただ楽しみにしていて欲しい」。
ツールは最終週のアルプス、そして個人タイムトライアル、そして最後のモンバントゥー頂上ゴールでクライマックスを迎える。コンタドールとアームストロングに対し、差をつけられているライバルたちはいつ攻撃を仕掛けるべきか?
「もし僕が彼らだったら。待つだろう。総合争いはまだ接近している。もし僕がサストレだったら、待つ。もしエヴァンスだったら、待つ。シュレクだったら、待つ。それが正直なところだ。僕は僕のときが来るのを、アルプスかモンバントゥーまで待つだろう。
ツールは9日を終えて、日程は約半分だが、総合争いという観点では、25パーセント程度が終わったにすぎない」。
ベルナール・イノーが引退する年の最後のツールで、イノーはチームメイトのグレッグ・レモンの前に強力なライバルとして立ちはだかった。イノーはレモンに「優勝を譲る」と公言していたが、いざ勝負どころになるとアタックして逃げ、タイムトライアルでは徹底的なタイムをたたき出した。単独で逃げてハンガーノックに陥り、イノーの目論見は失敗するが、レモンにプレッシャーを掛け続けた。ツール5勝の英雄は、6勝目を欲しがったのだ。
その確執に満ちた闘いに似たものが匂い始めている。果たしてアームストロングとコンタドールのバトルは繰り広げられるのだろうか。
text:Makoto Ayano
photo:Cor Vos