2013/08/25(日) - 18:15
8月24日に開催されたUSAプロチャレンジ(UCI2.HC)第6ステージ。増田成幸(キャノンデールプロサイクリング)らアシスト勢による働きに応えるように、ポイント賞ジャージのペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)が勝利。今大会3勝目を果たした。
アメリカ有数のサイクリストが集うコロラド州ボルダー近郊の山岳地帯で行なわれた第6ステージ。185.4kmのコース中盤に2級山岳デヴィルズガルチが登場し、その後は勾配のあるアップダウンを繰り返しながらフォートコリンズのフィニッシュを目指す。
レース序盤のハイスピードな展開から抜け出したのは、前日の個人タイムトライアル2位のアンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)やマイケル・ロジャース(オーストラリア、サクソ・ティンコフ)、サイモン・ゲスク(ドイツ、アルゴス・シマノ)、ジョシュア・エドモンソン(イギリス、スカイプロサイクリング)を含む15名の強力なグループ。ステージ優勝狙いのキャノンデールプロサイクリングと、総合を守りたいBMCレーシングチームが協力して逃げグループとのタイム差を抑え込んだ。
2チームの集団牽引によってタイム差は2分を推移。集団ローテーションに加わった増田成幸は「逃げの人数が多かったしメンバーも強力だったので、プレッシャーを掛け続けるように始めからかなり引きました。集団が縦に伸びると気持ちいいもんですね。リーダージャージ擁するBMCも序盤中盤は控えめだったけど、協力してくれて助かった」と振り返る。
レース中盤に差し掛かると、総合5位のラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ)とリッチー・ポルト(オーストラリア、スカイプロサイクリング)がアタック。しかし総合2位のマティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)が反応してこれを封じ込める。モートンらのアタックが失敗に終わると、再びメイン集団はキャノンデールプロサイクリングのコントロール下に。増田らの牽引によって逃げグループとのタイム差は縮まった。
やがてゴールまで30kmを切ると逃げグループは崩壊し、ロジャースやゲスクらが諦めずに逃げ続ける。そこまで集団を引き続けた増田は「ラスト25km切ってからの激登り区間でお役目御免のグルペット。監督が『今日は本当に良く頑張った!』と労いの言葉を掛けてくれたけど、ラスト10kmまで継続出来たらもっと良かったなとも思いました」とコメントしている。
ゴールまで12kmを残してサガンがアタックするシーンも見られたが、BMCレーシングチームの牽引によって吸収。残り3kmでロジャースらも吸収され、60名ほどに絞られた集団がゴールに向かって突進した。
アルゴス・シマノを始めとするスプリンターチームの牽引によってメイン集団はスピードアップ。そこからロリー・スザーランド(オーストラリア、サクソ・ティンコフ)がスパートを仕掛けて独走に持ち込む。
残り1kmを独走するスザーランド。しかしスプリンター勢を振り切ることが出来ず、フィニッシュラインのおよそ100m手前でサガンに勢い良く追い抜かれる。ルーカ・メスゲツ(スロベニア、アルゴス・シマノ)を振り切って、サガンがハットトリックを達成した。
「先日落車リタイアして今も病院にいるチームメイトのファビオ・サバティーニにこの勝利を捧げたい」と、今大会ステージ3勝目を飾ったサガン。もちろん増田を始めとするチームメイトへの感謝も忘れない。「もちろん一日中レースをコントロールしてくれたチームメイトにも感謝している。メンバー全員が全力を尽くしてくれた。本当に素晴らしかった。15人の逃げを引き戻すのは並大抵のことじゃない」。
実質的に今大会最後の山岳ステージを終えて、リーダージャージはティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)がキープ。BMCレーシングチームは総合ワンツーに王手をかけた。翌日、デンバーの市街地周回コースでUSAプロチャレンジはフィナーレを迎える。
選手コメントはチーム公式サイトと各選手ブログより。
USAプロチャレンジ2013第6ステージ結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング) 4h01'33"
2位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、アルゴス・シマノ)
3位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)
4位 エドウィン・アビラ(コロンビア、コロンビア)
5位 アレッサンドロ・バッツァーナ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
6位 アンドレア・ペロン(イタリア、ノヴォノルディスク)
7位 ロリー・スザーランド(オーストラリア、サクソ・ティンコフ)
8位 フレッド・ロドリゲス(アメリカ、ジェリーベリー)
9位 ミカエル・オルソン(スウェーデン、アルゴス・シマノ)
10位 ロビンソン・シャラプゴメス(コロンビア、コロンビア)
84位 西薗良太(日本、チャンピオンシステム) +5'33"
99位 増田成幸(日本、キャノンデールプロサイクリング) +7'13"
個人総合成績
1位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) 20h11'33"
2位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム) +1'30"
3位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ) +1'42"
4位 ハニエル・アセベドカーイェ(コロンビア、ジェイミス・ハーゲンズベルマン) +2'10"
5位 ラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ) +2'34"
6位 グレゴリー・オバンドブレネス(コスタリカ、チャンピオンシステム) +3'25"
7位 ローソン・クラドック(アメリカ、ボントレガーサイクリング) +3'42"
8位 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、レディオシャック・レオパード) +3'58"
9位 ロリー・スザーランド(オーストラリア、サクソ・ティンコフ) +4'11"
10位 フィリップ・ダイグナン(アイルランド、ユナイテッドヘルスケア) +4'12"
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)
山岳賞
マシュー・クック(アメリカ、ジェイミス・ハーゲンズベルマン)
新人賞
ラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
チーム総合成績
BMCレーシングチーム
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
アメリカ有数のサイクリストが集うコロラド州ボルダー近郊の山岳地帯で行なわれた第6ステージ。185.4kmのコース中盤に2級山岳デヴィルズガルチが登場し、その後は勾配のあるアップダウンを繰り返しながらフォートコリンズのフィニッシュを目指す。
レース序盤のハイスピードな展開から抜け出したのは、前日の個人タイムトライアル2位のアンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)やマイケル・ロジャース(オーストラリア、サクソ・ティンコフ)、サイモン・ゲスク(ドイツ、アルゴス・シマノ)、ジョシュア・エドモンソン(イギリス、スカイプロサイクリング)を含む15名の強力なグループ。ステージ優勝狙いのキャノンデールプロサイクリングと、総合を守りたいBMCレーシングチームが協力して逃げグループとのタイム差を抑え込んだ。
2チームの集団牽引によってタイム差は2分を推移。集団ローテーションに加わった増田成幸は「逃げの人数が多かったしメンバーも強力だったので、プレッシャーを掛け続けるように始めからかなり引きました。集団が縦に伸びると気持ちいいもんですね。リーダージャージ擁するBMCも序盤中盤は控えめだったけど、協力してくれて助かった」と振り返る。
レース中盤に差し掛かると、総合5位のラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ)とリッチー・ポルト(オーストラリア、スカイプロサイクリング)がアタック。しかし総合2位のマティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)が反応してこれを封じ込める。モートンらのアタックが失敗に終わると、再びメイン集団はキャノンデールプロサイクリングのコントロール下に。増田らの牽引によって逃げグループとのタイム差は縮まった。
やがてゴールまで30kmを切ると逃げグループは崩壊し、ロジャースやゲスクらが諦めずに逃げ続ける。そこまで集団を引き続けた増田は「ラスト25km切ってからの激登り区間でお役目御免のグルペット。監督が『今日は本当に良く頑張った!』と労いの言葉を掛けてくれたけど、ラスト10kmまで継続出来たらもっと良かったなとも思いました」とコメントしている。
ゴールまで12kmを残してサガンがアタックするシーンも見られたが、BMCレーシングチームの牽引によって吸収。残り3kmでロジャースらも吸収され、60名ほどに絞られた集団がゴールに向かって突進した。
アルゴス・シマノを始めとするスプリンターチームの牽引によってメイン集団はスピードアップ。そこからロリー・スザーランド(オーストラリア、サクソ・ティンコフ)がスパートを仕掛けて独走に持ち込む。
残り1kmを独走するスザーランド。しかしスプリンター勢を振り切ることが出来ず、フィニッシュラインのおよそ100m手前でサガンに勢い良く追い抜かれる。ルーカ・メスゲツ(スロベニア、アルゴス・シマノ)を振り切って、サガンがハットトリックを達成した。
「先日落車リタイアして今も病院にいるチームメイトのファビオ・サバティーニにこの勝利を捧げたい」と、今大会ステージ3勝目を飾ったサガン。もちろん増田を始めとするチームメイトへの感謝も忘れない。「もちろん一日中レースをコントロールしてくれたチームメイトにも感謝している。メンバー全員が全力を尽くしてくれた。本当に素晴らしかった。15人の逃げを引き戻すのは並大抵のことじゃない」。
実質的に今大会最後の山岳ステージを終えて、リーダージャージはティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)がキープ。BMCレーシングチームは総合ワンツーに王手をかけた。翌日、デンバーの市街地周回コースでUSAプロチャレンジはフィナーレを迎える。
選手コメントはチーム公式サイトと各選手ブログより。
USAプロチャレンジ2013第6ステージ結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング) 4h01'33"
2位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、アルゴス・シマノ)
3位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)
4位 エドウィン・アビラ(コロンビア、コロンビア)
5位 アレッサンドロ・バッツァーナ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
6位 アンドレア・ペロン(イタリア、ノヴォノルディスク)
7位 ロリー・スザーランド(オーストラリア、サクソ・ティンコフ)
8位 フレッド・ロドリゲス(アメリカ、ジェリーベリー)
9位 ミカエル・オルソン(スウェーデン、アルゴス・シマノ)
10位 ロビンソン・シャラプゴメス(コロンビア、コロンビア)
84位 西薗良太(日本、チャンピオンシステム) +5'33"
99位 増田成幸(日本、キャノンデールプロサイクリング) +7'13"
個人総合成績
1位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) 20h11'33"
2位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム) +1'30"
3位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ) +1'42"
4位 ハニエル・アセベドカーイェ(コロンビア、ジェイミス・ハーゲンズベルマン) +2'10"
5位 ラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ) +2'34"
6位 グレゴリー・オバンドブレネス(コスタリカ、チャンピオンシステム) +3'25"
7位 ローソン・クラドック(アメリカ、ボントレガーサイクリング) +3'42"
8位 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、レディオシャック・レオパード) +3'58"
9位 ロリー・スザーランド(オーストラリア、サクソ・ティンコフ) +4'11"
10位 フィリップ・ダイグナン(アイルランド、ユナイテッドヘルスケア) +4'12"
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)
山岳賞
マシュー・クック(アメリカ、ジェイミス・ハーゲンズベルマン)
新人賞
ラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
チーム総合成績
BMCレーシングチーム
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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